ロッテのグライシンガーが3年ぶりの完封で11勝目を挙げた。3安打に抑え、三塁を踏ませなかった。打線は3回に2点を先制し6、7回にも加点した。オリックスは球団ワーストに並ぶ53年ぶりの11連敗で、最下位が確定した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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オリックス | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
千葉ロッテ | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | X | 5 |
ロッテ・グライシンガーが巨人時代の09年4月21日、ヤクルト戦(長崎)以来、3年ぶりの完封で今季11勝目を挙げた。「早いカウントで打ってくる打者が多かったので、球数も少なく投げられた」と、散発3安打に抑える102球の省エネ投法。チームは5位のままだが3連勝で、3位・ソフトバンクとは3ゲーム差に縮まった。
自力によるCS進出の可能性は消滅したままだが、西村監督は「他球団のことは気にせず、全力を尽くして勝っていく」と、わずかに残されている可能性を信じて前を向いていた。
ロッテがドラフト上位指名候補として、東海大の伏見寅威(とらい)捕手(4年)をリストアップしたことが24日、分かった。球団関係者は「長い目でチームを考えたら捕手も必要になる」と説明。1学年先輩の157キロ右腕・菅野智之(22)と昨季までコンビを組んでいた女房役に熱視線を注いでいる。
首都大学リーグ2連覇中の東海大。主将を務める伏見は、2年春に首位打者を獲得した強打が売りだ。同年には菅野とのバッテリーで2季連続全国準Vを経験。大学日本代表にも選出され、「アマチュアNO.1捕手」の呼び声も高い。21日の大東大戦では複数のロッテスカウトの前で2安打1打点とアピールした。
本人も「プロ一本」と断言。ロッテとしても里崎に続く第2捕手の田中が30歳と、1軍に若手捕手が不在というお家事情もある。
球団は8月の高校野球選手権大会中に第2回スカウト会議を行い、6月の第1回の同会議でリストアップした約80人の評価を、高校生を中心に再確認した。1位候補には亜大・東浜、大阪桐蔭高の藤浪ら即戦力投手が挙がっているが、伏見も上位候補としてマークを続けていく。
ロッテのグライシンガーは危なげなかった。低迷するオリックス打線を3安打に抑え、3年ぶりの完封で11勝目。右腕は「低めに集めたのが結果につながった。里崎のリードが素晴らしかった」と持ち上げた。
37歳とベテランの域に達しても「投球スタイルや球種は変わっていない」と言う。早めに追い込んで凡打の山を築いた。最後まで球速は衰えず、5回以降は無安打。三塁すら踏ませずに、102球で投げ抜いた。
残り11試合で3位とは3ゲーム差。25日からの日本ハム戦へ向けて「中継ぎを休ませる機会をつくれたのは嬉しい」と、チームの追い上げに期待を寄せた。
ロッテは相手のミスをきっちり得点に結び付けた。0−0の3回無死一塁から今江の犠打に西の悪送球が重なって二、三塁となり、岡田の中前打で先制した。
6試合ぶりの打点を挙げた岡田は「チャンスだったので、自分がかえすという強い気持ちで積極的にいった。先制点が取れたのは大きい」とにんまり。この回はさらに併殺の間に1点を追加した。
ロッテがオリックスに3連勝し、3位ソフトバンクと3ゲーム差になった。先発グライシンガーが散発3安打に抑え、3年半ぶりの完封勝利と文句なしの内容。ここ3戦で9回、8回、9回を投げ抜くタフネスぶりで救援陣に休みももたらした。西村徳文監督(52)は「言うことないでしょう。今日は最後まで投げてもらうつもりだった。次は中6日あるしね」と満足していた。
ロッテ岡田幸文外野手(28)が先制打を放った。2回無死二、三塁から、たたきつけるような一打で投手の頭上を越し、しぶとくセンター前へ運んだ。「打ったのはストレートです。チャンスだったので、自分が返すという強い気持ちで積極的に行きました。先制点が取れたのは大きいですね。もう負けられないので、今日も勝ちます。とにかく、自分の仕事をしっかりするだけです」と話した。
ロッテは相手のミスをきっちり得点に結び付けた。0−0の3回無死一塁から今江敏晃(29)の犠打に西の悪送球が重なって二、三塁となり、岡田幸文(28)の中前打で先制した。
6試合ぶりの打点を挙げた岡田は「チャンスだったので、自分がかえすという強い気持ちで積極的にいった。先制点が取れたのは大きい」とにんまり。この回はさらに併殺の間に1点を追加した。
来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)本大会に出場する侍ジャパンの監督にソフトバンク・秋山幸二監督(50)が就任することが24日、決定的となった。
監督選考を一任する加藤良三コミッショナーは24日、「候補の固有名詞は出さない」としながら、日本人メジャーリーガーもまとめられる「カリスマ性」を指揮官に求めた。
また「イチロー(ヤンキース)、ダルビッシュ(レンジャーズ)には入って欲しい」と話し、WBCを経験し、投打の軸となる2人の侍ジャパン入りも熱望した。
日本野球機構(NPB)の加藤良三コミッショナー(71)は24日、来年3月の第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に、ヤンキースのイチロー外野手(38)と、レンジャーズのダルビッシュ有投手(26)を招集したいとの意向を示した。大会3連覇に向けて投打の「二枚看板」の存在は不可欠。難航中の監督問題に関しても、新監督には大リーガーを含めたスター軍団を束ねられるカリスマ性が必要との見解を明かした。
加藤コミッショナーが、日本代表のチーム編成について、初めて具体名を口にした。長引く代表監督問題。新しい指揮官に必要とする「資質」にふれた中で、その2人の名前が自然と出た。「監督にはカリスマ的なものが求められる。イチローやダルビッシュにメンバーに入ってもらいたいですからね」。メンバー選考は、常々コミッショナー自身が話す通り、最終的には監督の権限だ。ただ、それを重々承知の上で、投打の金看板を新生「侍ジャパン」の軸に据えたいと熱望した。
イチローは過去2大会、主軸として絶大な存在感を発揮した。39歳で迎える第3回大会では、年齢的な面に加え、ヤ軍との契約がスムーズに延長されるとも限らないという不確定要素がある。ただ、安打数より何より、イチローには期待されるのは精神的支柱としての働き。不可欠なプレーヤーなのは間違いない。
そして、前回大会で守護神も務めたダルビッシュは、今がまさに全盛期。絶対的なエースとして、力を発揮すれば3連覇への道は一気に開ける。コミッショナーは2人の代表入りに関して「(メジャーの)各チームの事情もあるから」としたが、本格的にチーム編成がスタートすれば招集に全力を注ぐとみられる。
一方、新監督はこの2人に加え、ヤンキース・黒田やブルワーズ・青木といったバリバリの大リーガーをまとめあげなければならない。コミッショナーはかつて「大リーガー1人1人の経験が、監督のリーダーシップのもとで発揮されることもある。そういう人達を束ねられる資質も大事」と語っていた。世界の頂点に立つには、強固な結束力が必要。実績、国際経験に加えたプラスアルファとして「カリスマ性」は、重要な選考基準だ。
しかし、選考は難航している。一時は元広島監督の山本浩二氏(野球評論家)が最有力候補に浮上も、ブランクなどを考慮し、現役監督を中心に選考する方針に戻った。コミッショナー特別顧問のソフトバンク・王会長は23日のテレビ出演で、9月中に決めたいとの意向を示したが、コミッショナーは慎重な言い回しに終始。「早く決めるにこしたことはないが、相手があることなので。監督選考は複雑方程式。簡単にはいかない。(候補者の)固有名詞は出せない」と話すにとどめた。
シーズン中ということもあり、WBCに関して2人は態度を保留中だ。4日にプロ野球選手会が急転して出場の意思を表明した際、イチローは独特の言い回しで反応した。「(携帯電話の)絵文字で言うところの苦笑いに汗、という感じが1番(自分の)気持ちを言い表すかな」とコメント。苦笑いの理由には「察してください」とだけ話し、複雑な心情をにじませた。
一方のダルビッシュは「シーズンの最中なので、この件に関してはまだコメントを控えたいと思います」と球団広報を通じて談話を出した。レ軍のワシントン監督は「もし母国のために投げたいというのであれば、何もそれを止められるものはない」と、代表入りを“容認”する姿勢も見せているが、最終決定はダニエルズGMに任せるとしている。