ロッテが2連勝で勝率を5割に戻した。0−1の5回、鈴木の適時三塁打と伊志嶺の適時打で逆転。8回は井口の適時二塁打で加点した。成瀬は8回1失点で2勝目。楽天の則本は4回まで無安打と好投したが、5回に連打を浴びた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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東北楽天 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | x | 3 |
ロッテ鈴木大地内野手(23)の勢いが止まらない。1点を追う5回1死二塁で、同点の中越え適時三塁打。5回1死まで走者が出なかった打線に、やっと訪れた好機で決めた。「プロに入って今が1番調子がいい」。三塁上で力強く右拳を握り締めた。
7回にも、追い込まれてから5球連続ファウルの末に中前打を放った。前日の日本ハム戦でも先制三塁打で打率は4割3分6厘。伊東監督は「(鈴木)大地は旬。旬のものは美味しく食べないと。いつ使うの?今でしょ(笑)」。鈴木も「試合感覚がなくならないまま来ているのがよかった」と笑った。
調整には、他の選手にはない苦労があった。内野はどこでも守れ、代打もできる。「僕みたいな選手は、どこでもできて当たり前にならないといけない」。二塁、三塁、遊撃全てのノックを受けた。ベンチスタートの日は試合前に走り込みや体幹運動を行い、わざと体を疲れさせた。「体のキレを出すんです。いきなり試合に入るのは難しいと去年痛感したので」。
オープン戦時期は井口から学んだ。ベンチで隣に座り細かいプレーについて聞いた。「勉強になることばかり。超えたいと思いながら、色々吸収させてもらいました」。そしてこの日、井口が一塁へ。伊東監督に「大地をスタメンで使いたいから」と言わしめた。
今季の目標は「どんな形でもいいから、100試合出場」だった。だが、開幕戦から全18戦出場を続け「同じ出るならスタートから」に変わった。ロッテが必要としているのは、今や“誰の代わりでもできる鈴木”ではなく、“鈴木大地”。プロ2年目が打線の中核となりつつある。
ロッテ・成瀬が8回1失点の好投で2勝目を挙げ、チームは勝率5割に復帰。2位タイに浮上した。「序盤は空回りして、投げる球がないぐらい苦しかった」と尻上がりに調子を上げる粘りの投球。ジョーンズに与えた押し出し四球の1点だけに抑え「結果的に甘くいって打たれるよりもよかった。際どいコースにいかないといけない雰囲気があった」と慎重にいったことが奏功した。
ロッテ・鈴木の活躍に、伊東監督も思わずうなった。「チームの中で1番状態がいい。今が旬だよ。“今でしょ!”という言葉がぴったりだね」。ちょうどその頃、QVCマリンのお立ち台では、始球式を務めた東進ハイスクールのカリスマ講師・林修先生(47)が「今でしょ!」と決めぜりふを絶叫していた。
入団2年目の23歳。1点を追いかける5回1死二塁、鈴木は則本の高めの浮いた132キロスライダーを捉えた。打球は中越えの同点三塁打。続く伊志嶺の中前打で決勝ホームを踏み「いいところで1本が出てよかった。今は自分の打撃ができている」とうなずいた。
7回にも中前に運んで2安打1打点。規定打席には15打席足りないが、打率.436と絶好調だ。伊東監督から最も期待される若手の1人。オープン戦は全19試合に出場して33打数12安打、打率.364をマークし、初の開幕1軍をつかんだ。開幕後も全18試合に出場し、スタメンで起用された試合は8戦連続安打中。指揮官もベテランの井口を一塁やDHに回してまで、鈴木を二塁で使い続けている。
内野ならどこでもこなせる万能選手。1年目は二塁、遊撃、三塁などで62試合に出場したが、「今年は使い勝手のいい控え選手を卒業したい」と、2年目のシーズンをスタートさせた。「今季の目標は100試合出場。できればスタメンで出たい」。唐川、藤岡、益田と同じ「89年組」から、「鈴木大地」という新たなスターが誕生しようとしている。いつ使うの?今でしょ!
ロッテ・成瀬が8回6安打1失点で今季2勝目を挙げた。
3回はジョーンズに押し出し四球を与えるなど制球に苦しんだが、4回以降は「テンポよく投げることができた。終盤はスイスイといけた」と振り返った。左ふくらはぎと内転筋に張りがあり、100%とは言えない状態だったが「慎重になりながらも、時には大胆にいけた」とエースの役割を全うした。
ロッテが2連勝で勝率を5割に戻した。0−1の5回、鈴木の適時三塁打と伊志嶺の適時打で逆転。8回は井口の適時二塁打で加点した。成瀬は8回1失点で2勝目。楽天の則本は4回まで無安打と好投したが、5回に連打を浴びた。
成瀬が8回1失点、エースが復調を印象づける2勝目を挙げた。123球の力投を見せた左腕は「合格点かな。チームが流れに乗ってくれたらなと思って投げた」と貫禄十分に話した。伊東監督は「低めに丁寧だった。持ち味を出してくれた」と褒めた。
ロッテの鈴木が打撃好調だ。0−1の5回、今江がチーム初安打となる二塁打で出塁すると、同点打となる中越え三塁打で続いた。
前日(18日)の日本ハム戦でも6番打者として3安打1打点とチームの勝利に貢献した。2年目での飛躍を期す男は2試合連続で打点をマークし「いいところで1本が出て良かった」と喜んだ。
ロッテが逆転勝ちで、前日の日本ハム戦から連勝とし、オリックスと並んで2位タイに浮上した。
右すね打撲から復帰して2戦目の成瀬善久投手(27)が、8回6安打1失点で今季2勝目。1点を追う5回に今江敏晃内野手(29)、鈴木大地内野手(23)、伊志嶺翔大外野手(24)の三連打で一気に2点を奪った。
伊東勤監督(50)は「成瀬が粘り強く投げてくれ、野手もよく点を取ってくれた。相変わらず『あと1点』が取れないけど、今までと違っていいムード」と打線のつながりを評価した。これで2位まで順位を上げたが「やっと勝率5割だろ?一昨日は最下位とか言ってたじゃん」と冷静で、一喜一憂はしなかった。
ロッテ伊志嶺翔大外野手(24)の勝ち越し打で逆転した。同点に追いついた5回、なおも1死三塁で、148キロの速球を中前へはじき返し2点目を挙げた。
「今江さん、(鈴木)大地がいい流れで持ってきてくれたので、自分で止めたくなかった。追い込まれてしまったので、何とかバットに当てる事だけ考えてコンパクトに来たボールをはじき返しました。当たり自体はあまり良くなかったけど、いいところに抜けてくれました。すぐさま、二塁に行ってもう1点追加点をと思って盗塁を心掛けましたが、失敗してしまい悔しい」と二盗失敗を悔やんだ。
ロッテ鈴木大地内野手(23)が同点打を放った。1点を追う5回1死二塁で、高め132キロのスライダーを中越えの適時三塁打とした。
「今江さんがチーム初ヒットで出塁し、同点のチャンスをつくってくれたので、一気に得点に結び付けたかった。センターの動きで捕られるかなと思ったけど、いいところで1本出て良かったです」と話した。
前日の日本ハム戦でも右中間へ先制適時三塁打を放っていた。
「いつやるか?今でしょ!」のフレーズで話題の東進ハイスクール講師、林修さん(47)が始球式を務めた。マウンドで「先生、いつ投げるんですか?」と問われ、声高らかに「今でしょ!」と答えると、スタンドから歓声が上がった。
野球経験者だが、硬球は初めてと言う。思いきりよく投げ込んだ球は、高めに外れてボール球となった。「滅多に感動をするタイプではないのですが、ジーンとなってしまいました。スタンドにいる小さいお子さんに『今でしょ!』と声をかけていただいたり…。いや、思わず『もうちょっと待ってね』と素で答えちゃいましたよ」と興奮気味に振り返った。
本番前には唐川と入念なキャッチボールを行い、「美しい回転のボールにほれぼれしてしまいましたね。スピンがきいていて、いやあ美しかった!生まれて初めて、あんな球を見ましたよ。そして、これがそんなボールを見る最後の機会になったのでしょうけどね」と、これまた大興奮。
「明日は肩が上がらなくなって、チョークが持てないので休講です」と笑いを誘った。
「今でしょ!」のCMでおなじみの東進ハイスクール・林修氏(47)が始球式を行った。背番号884(ハヤシ)のロッテのユニホーム姿で登場した林先生は、見事にノーバウンド投球。「滅多に感動するタイプではないのですが、ジーンとなってしまいました。スタンドにいる小さいお子さんに“今でしょ”と声をかけていただいたり…」と感動の面持ちだった。