ロッテが逆転で4連勝。0−1の7回に岡田が同点適時打、さらに角中が勝ち越しの2点適時打を放った。成瀬は被安打3の1失点で今季初完投、ソフトバンクからの3勝を含む4勝目を挙げた。ソフトバンクの連勝は5で止まった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 3 |
福岡ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 |
ロッテ成瀬善久投手(27)のキレは、飛球をも操る。9回先頭、内川の打球が真骨頂だった。内川には6回に先制ソロを浴びている。2点リードの最終回、もっとも危険な打者だった。カウント1ボール1ストライクからのチェンジアップは、猛烈な勢いで左翼に飛んでいった。だが、左翼手・角中は、1歩も動かずライナーを拝み取り。スタンドのファンの歓声は、一瞬でため息に変わった。
「いい当たりされたのも、全て真っ正面」と、悠然と振り返った。27のアウトの中、フライは14。三振は今季最多8で、ゴロは5。フライの多さが際だった。ただし、フライを打たせても、安打にさせない。絶妙な制球力が光った。飛球は意図的か問われると「そういうつもりはないですが、できるだけ力まず投げようと思ったのがよかった。真っ直ぐに伸びがあった。チェンジアップもスライダーも良かった。今年1番です」と話した。リリースの瞬間までは力まない。脱力投法が、打てそうで打てない「キレ」を生んだ。
完投は今季チーム初。5回、ペーニャの打球が左ひざの下に直撃した。マウンドに倒れ込んだが「腫れはあるが痛くはない」と続投。前回登板時に「僕は完投しないといけない立場」と話した通り、有言実行の111球。伊東監督を「今日(抑えの)益田が投げると4連投だった。完投は助かった」と喜ばせ、敵将・秋山監督には「ここではいい投球するねえ」と脱帽させた。無傷の4連勝と防御率0点台は、リーグトップ。エースは「1週間くらい載っているでしょうから」と、ひそかに個人成績表を楽しむと笑った。
成瀬は今季初完投でリーグトップに並ぶ4勝目。気迫のこもった投球で逆転勝利を呼び込んだ左腕は「力まずに投げようと思った。今年で1番良かった」と充実感を漂わせた。5回にペーニャの強烈な打球が左脚に当たり、1度ベンチに下がった。開幕戦でも右脚に打球を受け、出場選手登録を外れただけにヒヤリとさせたが、「最後まで投げられてよかった」と満足そうだった。
痛みをこらえて力投する成瀬に決勝点をプレゼントしたのがロッテ・角中だ。
1点を追う7回に岡田の右前適時打で同点とし、なおも2死満塁で左前2点適時打を放った。「エースが頑張って投げていたので、援護してあげたかった。いいところで打ててよかった」。3試合連続マルチ安打&適時打を継続中で、昨季の首位打者は「ミスショットが減っている。感覚はよくなってきている」と胸を張った。
苦い記憶が頭をよぎった。5回、ペーニャの鋭い打球が左膝を直撃した。ロッテ・成瀬は激痛に顔をゆがめ、マウンドに倒れ込んだ。
3月29日のオリックスとの開幕戦(QVCマリン)では、右足に打球が直撃し、打撲で10日間戦線離脱となった。「やばいな…」。それでもベンチでアイシング治療を受け、何事もなかったかのようにマウンドへ戻った。「時間がたったら意外と大丈夫だった。球数も少なかったので、最後まで投げたかった」。9回3安打1失点、8奪三振でチームの今季完投勝利1号となった。
災いが転じた。「当たった後の方が力みもとれてバランスがよくなった」。6回に内川のソロ弾を許したが、5回以降の被安打はこの一発だけ。打線が7回に3点を奪って逆転し、8回を投げ終えてベンチに戻ると伊東監督から「いけるか?」と聞かれ、「当然でしょう」と続投を志願した。
無傷の4連勝でハーラートップタイ。防御率0.99と勝率1.000で投手3冠だ。「今季1番よかった」。これぞエースという投球だった。
最後までマウンドを守り抜いた。成瀬が9回3安打1失点で、ハーラートップタイの4勝目を今季チーム初の完投で飾った。111球を投げた左腕は「直球の伸びも、球を離す瞬間もよかった。三振も取れていたし、今年1番よかった」。チーム、自身ともに4連勝となる白星に笑顔がはじけた。
悪夢再び、としない強さがあった。5回にペーニャのワンバウンドした強烈な打球が左膝を直撃。その場で倒れ込み、一時ベンチ裏へ下がった。開幕戦だった3月29日のオリックス戦では右すねに打球を当て降板し、その後、登録抹消。だがこの日は「開幕戦で当たった時より絶望感がなかった。逆に痛みが和らいだ後は、バランスよく投げられた」。マウンドに戻ると、内川に本塁打を許した以外、無安打に封じ込めた。
伊東監督も「やっぱり先発の柱は成瀬」と絶賛。これで防御率も0.99でリーグトップとなった。「今は若い選手が頑張っているので、若い力をどんどん引っ張っていきたい」。エースが投げれば負けない。今の成瀬からは、そんな風格が漂っている。
ロッテ成瀬善久投手(27)が9回を3安打1失点の完投で、4勝目を挙げた。5回にペーニャの打球を左ヒザ下に直撃させながらも、チーム今季初完投。
「今日は本当に今年の中で1番良かった。真っ直ぐの伸びがあった」と満足そう。
伊東監督も「これぞエースという投球をしてくれました。先発投手は頑張ってますけど、柱は成瀬ですから。ホント、気持ちで投げてくれた。あれだけの投球ができた背景には、他の先発投手が頑張っている中での、エースの自覚が大きい」と信頼を語った。
ソフトバンクは大場が今季初先発。1回、3回と得点圏に走者を置くが切り抜けて無失点。ロッテ成瀬も3回まで2安打無失点。
6回裏2死走者なしから内川が左翼へ3号ソロを放ち、ソフトバンクが均衡を破る先制。大場は6回まで無失点。
ロッテは7回、1死満塁から岡田の右前適時打で同点。2死後、角中が2点適時打。逆転で4連勝を飾り、成瀬は完投で4勝目。
ロッテ角中勝也外野手(25)が、同点の7回2死満塁から勝ち越しの2点適時打だ。
カウント1−1からの3球目を左前打とした。「前のマリンでの(ソフトバンク)3連戦ではノーヒットで1本でも出ていたら勝てた試合があった。その借りを返したい気持ちだったので、いい所で打てて良かったです。当たりは良くなかったですが、最高のヒット。岡田さんがつないでくれたおかげです」とコメントした。
ロッテ岡田幸文外野手(28)が7回1死満塁、同点適時打を放った。 初球はバントの構えで揺さぶり、カウント1−1からの3球目を引っ張って右前打とした。
今季初適時打に「打ったのはシンカーです。後ろにつなぐ気持ちでした。ベンチの雰囲気が打たせてくれました。チームメートに感謝です。今季初タイムリーが最高の場面で打ててよかったです。とにかく自分のできることを、しっかりやるだけです」と話した。
ロッテの角中が逆転打を放った3日に続き、勝負強さを発揮した。1−1の7回2死満塁で、藤岡から左前に勝ち越しの2点適時打。連日の殊勲打に「いいところで打てて良かった。最高のヒット」と喜んだ。
この日は5打席すべて出塁。4月までは打率2割4分5厘だったが、5月に入って15打数8安打と状態は上向きだ。昨季のパ・リーグ首位打者は「ミスショットが少なくなっている」と手応えを口にした。
ロッテが逆転で4連勝。0−1の7回に岡田が同点適時打、さらに角中が勝ち越しの2点適時打を放った。成瀬は3安打1失点で今季初完投、ソフトバンクからの3勝を含む4勝目を挙げた。ソフトバンクの連勝は5で止まった。
成瀬は5回にはペーニャの強烈な打球が左脚に当たり、治療のためいったんベンチに下がった。投手陣の柱は動じず、好投を続け「最後まで投げられて良かった」と満足げな笑みを浮かべた。
エースが気迫のこもった投球でチームに今季2度目の4連勝を呼び込んだ。左腕は「力まずに投げようと思った。今年で1番良かった」と充実感たっぷりに話した。
ロッテが7回の集中打で今季10度目の逆転勝ち。ソフトバンクとの上位対決を制し、今季2度目の4連勝で貯金を4とした。
先発の成瀬は9回111球を投げ抜き、今季初完投。6回に内川に一発を浴びたのみで、3安打1失点8三振と好投し、ハーラートップタイの4勝目を挙げた。打線は0−1の7回、1死満塁から岡田の右前適時打で追いつき、なおも2死満塁から角中の2試合連続決勝打となる2点適時打で勝ち越した。
ソフトバンクは今季初登板の大場が6回1/3、3安打1失点と好投も、リリーフ陣が打たれた。打線は内川の一発による1点のみに終わり、連勝は5でストップした。