ロッテが連敗を3で止めた。大嶺は走者を出しながらも粘り強く投げ、3年ぶりの完封で2勝目。打線は3回に荻野貴の適時三塁打と井口の7号2ランで先行。その後も今江のソロなどで加点した。広島は拙攻で好機を生かせなかった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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広島 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
千葉ロッテ | 0 | 0 | 3 | 1 | 2 | 0 | 1 | 0 | x | 7 |
ロッテ大嶺祐太投手(24)が1138日ぶりの完封勝利を遂げた。広島打線を7安打7奪三振で今季2勝目。3回と8回以外、毎回走者を背負いながら、カーブを有効に使って要所を締めた。4勝の成瀬、西野を筆頭とした、20代投手王国は盤石の体制。打線も2本塁打含む7得点で大量援護し、チームの連敗を3でストップ。貯金7で首位をキープした。
全て出し切った。9回2死。大嶺が初めて見た球数表示は、130になろうとしていた。握力も落ち、四球を出して一、二塁。広島中東を全力のフォークで遊ゴロに仕留めると、右拳を強く突き上げた。スコアボードに並んだゼロは9つ。「最後まで意識することはなかった。ものすごく、疲れました」。10年4月7日のソフトバンク戦以来、3年ぶりの完封劇。目の前のアウト1つ、1つに集中し続けた、今季最多139球の熱投を振り返った。
進化を遂げた。以前は150キロ近い速球で押すスタイルだった。だが直球が悪いと、変化球も入らない。悪いなりにまとめることができなかった。対して今回は「最初から真っ直ぐが良くない」状態での0封だ。「3年前は勢い。今日の方が嬉しい」と屈託なく笑った。
新たな武器。それはカーブだった。今春キャンプ後、小谷2軍投手コーチのもとで猛練習を積んだ。きっかけは2年前、サブローがくれた助言だった。「遅い球は打つ方も勇気がいる」。それまで大嶺は、試合で緩いカーブを投げるのが「怖かった」。でもこれさえ決まれば、多少直球が悪くても生かすことができる。
今季1軍初先発の4月28日。7回途中2失点の好投の裏にはカーブの試投があった。「使える。自信になりました」。この日はカウント稼ぎから決め球まで、約20球のカーブを投じた。6回1死一、二塁のピンチでは、岩本を115キロで空振り三振に切った。
チームの連敗も3でストップ。成瀬に続く今季2度目の完投で、中継ぎ陣の休養にも一役買った。「これまで、中途半端な交代で迷惑かけましたから」。8回終了時、斉藤投手コーチに「いけるか?」と聞かれたが、首を振る選択肢はなかった。右肩痛で登板なしだった昨季からの、飛躍元年。投げられない悔しさは、もう十分知っている。志願の完投完封は、24歳の背中を一回りも二回りも大きく見せた。
ロッテ井口資仁内野手(38)に1年ぶりの3戦連続弾が飛び出した。1点を先制した3回1死三塁。はじき返した内角140キロの直球は、広島ファンで赤く染まる左翼スタンド中段まで到達した。今季7号2ランは、昨年5月の交流戦(対広島、阪神)以来となる3試合連続アーチ。「マリンはライナー性なら逆風でも伸びるからね。投手が0点に抑えて、大量援護する。こういう勝ち方は大きい。明日もいけるよ」と手応え十分だった。
忘れかけていた感覚に、思わず胸が熱くなった。大嶺は完封を成し遂げると、右拳を力強く握りしめた。7安打3四球で8回をのぞく毎回走者を背負いながら、139球の熱投。10年4月7日のソフトバンク戦(ヤフーD)以来、実に3年ぶりのシャットアウトで、今季チーム完封1番乗り。「最高です!マリンで完封ができて本当によかった」。お立ち台で声を張り上げるその目には、うっすらと涙が光っていた。
汚名返上の快投だった。12日の前回登板(対楽天、QVC)では、3点リードの7回から登板も、打者3人に1安打2四球。1死も取れずに降板していた。「フォームが分からなくなりかけたけど、どうにか修正できた。初回をゼロに抑えて、前回の嫌なイメージを消すことができました」。初回1死三塁を切り抜けると、弱気の虫を追い払った。
かつては150キロに迫る快速球で押しまくったが、好不調の波が激しかった。一昨年に右肩を故障し、昨季は1軍登板なし。この日は最速144キロ止まりも、カーブ、スプリットを軸に崩れなかった。「3年前は勢いだけで投げてた感じはありましたけど、今日は変化球でカウントを取れたし、勝負もできた。今はランナーを出しても粘り強く投げられる」と胸を張った。
負ければ今季ワースト4連敗の窮地を救い、今季2勝目。伊東監督も「ブルペン陣を休ませられてよかった。完封第1号でしょ?開幕の時点では、ここまでやってくれるなんて計算してなかった」。嬉しい誤算に満面の笑みを浮かべた。
“計算外”だった男が“救世主”に変身した。昨年まで2年間未勝利だった大嶺が、139球のチーム初完封勝利で今季2勝目。2010年4月7日のソフトバンク戦以来1138日ぶり、プロ3度目の完封で、ロッテの連敗を3で止めた。
1回に1死三塁のピンチを招くなど6度も得点圏に走者を背負ったが、「変化球でストライクが入ったのが大きかった。毎回きつかったけど、落ち着いて投げることができた」と本塁は踏ませなかった。「3年前は勢いで投げていたが、今日はフォームも色々考えながら投げた。完封は嬉しい」。制球を乱して自滅していたかつての姿とは別人だった。
右肩痛などで一昨年は1試合の登板に終わり、昨年はゼロ。今春のキャンプではインフルエンザにかかり早々とリタイアしたが、2軍で3勝と結果を残してはい上がってきた。
伊東監督は「正直言って、開幕のときは、ここまでやってくれる投手とは計算していなかった」と本音をポロリ。“ハンカチ世代”の表舞台から1度は消えた男が、ついに目覚めようとしている。
井口が3回に3試合連発となる7号2ランを放った。今季5度目となる指名打者で出場し「今日は打つだけだから、しっかり仕事しないと。本塁打はたまたまだけど、いい感じで打つことができている」と納得の表情。チームの連敗も3で止まり「こういう勝ち方ができたのは大きかった」とベテランらしく完勝を喜んだ。
かつての自分から脱皮した。ロッテ・大嶺が10年4月7日のソフトバンク戦(現ヤフオクドーム)以来、1138日ぶりの完封勝利。今季最多の2万6387人が集まった本拠地ファンの熱い声援を、しっかりと心に刻んだ。
「マリンで完封ができて本当に良かった。完封は最後の最後まで意識していなかった。9回2死になって自分の球数を初めて確認した。ここ何年も試合で投げていない球数だし、だいぶ(体に)きてますよ」。
150キロを超える速球で押した以前の姿はない。だが、脆さも消えた。初回の速球は130キロ台止まり。ベンチに戻ると、斉藤投手コーチから、上体がブレている点を指摘された。「下(半身)から出て、最後は上からだ」。先発は中13日空いたが、イニングの合間に必死に修正した。6度も得点圏に走者を置いたが、カーブを織り交ぜ、終盤はフォークボールを多投。「3年前(の完封)は勢いで投げていた。今日は違った」と自信を持って言えた。
昨年は1軍登板なし。右肩の故障も重なり「どう投げればいいか分からなかった」という。昨秋から「とにかく腕を振れ!」と斉藤コーチに言われ、直球だけを投じた。その中で鋭い振りを取り戻し、フォークボールの落差も生まれた。そして「以前は投げるのが怖かった」というカーブ。サブローから「緩い球を打つのは難しい」と言われたのが本格マスターのきっかけだった。遠回りは無駄ではなかった。7安打無失点。139球が証明してくれた。
連敗を3で止める快投は、交流戦での12球団完封1番乗りで、今季チーム初完封。登板過多だった救援陣も休ませられた。「色んな人に支えられてきたおかげ。その人達のためにも、恩返しできる投球をしたい」。
大嶺はナインから手渡されたウイニングボールを大事に右尻のポケットにしまった。首位を走るロッテに、不遇な時を知る「芯の強さ」を持った男が加わった。
ロッテ・井口が3試合連発で大嶺をアシストした。
3回に荻野貴の左中間三塁打で先制した直後の打席。7メートルの逆風をものともせず、左越え7号2ランを放ち「完璧に打つことができた。ライナー性の打球は(逆風でも)伸びますから」と振り返った。打線全体でも8安打7得点の効率の良い攻めに「中継ぎも休ませられたし、こういう勝ち方ができたのは大きい」と笑顔をのぞかせた。
ロッテが連敗を3で止めた。大嶺は走者を出しながらも粘り強く投げ、3年ぶりの完封で2勝目。打線は3回に荻野貴の適時三塁打と井口の7号2ランで先行。その後も今江のソロなどで加点した。広島は中村恭が4回4失点と崩れ、打撃陣も好機を生かせなかった。
大嶺が7安打3四球ながら139球の力投で2010年4月以来の完封勝利。本拠地での白星も3年ぶりだった。大嶺は「いやあ、最高です。マリンでできて良かった」と笑みを浮かべた。
一昨年に右肩を故障し、昨季は1軍登板なし。「ここ何年かは球数を投げていない。気持ちだけ」と執念で投げきった。伊東監督は「しっかりと自分の仕事ができている。開幕の時にはここまでやってくれるとは計算していなかった」と称賛した。
ロッテは打線が機能した。0−0の3回、荻野貴の適時三塁打で先制すると、続く井口の7号2ランでリードを広げた。その後も着々と得点を重ね、伊東監督は「嫌な負けが続いていたが先制できた。井口が2ランを打ってくれたとき、いけるなと思った」と振り返った。
打線がつながった上に大嶺も完封。本拠地に戻り、投打がかみ合って連敗を3で止めた。井口は「しっかりとした勝ち方ができた。また明日です」とチームの思いを代弁した。
ロッテの井口が3試合連続本塁打を放った。1−0の3回1死三塁で中村恭から左翼スタンドへ豪快に運ぶ7号2ラン。「完璧に打つことができた。(3試合連続)本塁打はたまたまだけど、いい感じで打つことができている」と手応えを口にした。
交流戦を本拠地で戦うのはこの日が今季初めて。一塁ではなく指名打者で先発して存在感を示した。ベテランは「今日は打つだけだから、しっかり仕事をしないとね」と話した。
歌手の島谷ひとみ(32)が始球式を務めた。左腕から大きく弧を描く緩やかな球を投げ込み、ノーバウンド投球を披露。
初めての始球式に「楽しかったです。届かないかもしれないと思っていたのに、力を入れ過ぎて逆に行き過ぎちゃいました。気持ちよかったです。ピッチャーの人はいつもこんな感じで投げているのかなあと思っていました。それにしても暑すぎず、寒くなく今は野球観戦に最高のシーズンですね」とコメントした。
ロッテ荻野貴司外野手(27)が先制打を放った。3回1死二塁で真ん中低め141キロの直球を左中間へ運んだ。自慢の俊足で三塁へ到達。
「チャンスだったので走者をかえしたいと思っていました。次の井口さんには楽な形でと思っていたので、三塁まで一気に行きました。でも(井口は)ホームランでしたね」と話した。
ロッテ井口資仁内野手(38)が3試合連続本塁打を放った。1点を先制した3回、なおも1死三塁で、140キロの直球を左翼スタンド中段まで運んだ。 「完璧に打つことができたね。ホームランはたまたまだけど、いい感じで打つことができている。(DHで)今日は打つだけだから、しっかり仕事しないとね」と話した。