わたしはかもめ2013年鴎の便り(6月)

便

6月27日

オリックス4−8千葉ロッテ(京セラドーム)

ロッテは1回に今江の2ランで先制、3回には井口の2ランなどで3点を追加。その後も効果的に加点して主導権を握った。グライシンガーが5回2失点で今季初勝利。李大浩が2本塁打したオリックスは先発の八木の不調が痛かった。

123456789R
千葉ロッテ2030100208
オリックス0011010104

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グライまたか背中痛…のち初勝利[ニッカン]

ロッテ・セス・グライシンガー投手(37)のアクシデントに首脳陣が冷や汗だ。2回2死三塁、オリックス高橋信に3球目を投げた時だった。右腕は突如背中をさすり、ベンチに戻った。「つったような鈍痛を感じた」という。斉藤投手コーチは慌ててブルペンを確認し、伊東監督はそわそわして待った。

「またか、ってのが頭をよぎったよ」と指揮官。キャンプから故障で出遅れ、今季初先発だった5月15日の巨人戦後も右肩痛で抹消されていた。春先から投げては「痛い」→2軍落ちの繰り返し。「次ダメなら今年はもう呼ばない」と与えたラストチャンスだった。

結局マッサージで回復し、5回5安打2失点。それでも昨季12勝の稼ぎ頭が、ようやく先発2戦目で初勝利だ。伊東監督は「そのうち体中痛いって言い出すんじゃないか、それじゃ困るんだよ」と頭を抱えた。

次回も登板機会を用意するつもりでいるが、まずは数日後の背中の状態確認が必須だ。お騒がせ右腕は「ケガが多くて、フラストレーションがたまるシーズンだ」と、嘆いたが、巻き込まれる周囲のヒヤヒヤも終わりそうにない。

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信頼グラグラ…ロッテ・グライ初勝利も今度は背中痛[サンスポ]

グライシンガーの初勝利にも、伊東監督は苦笑いするしかなかった。

2回2死三塁、高橋信に3球目を投げたところで、背中の痛みを訴えベンチに。すぐに戻り五回まで63球を投げ2失点で先発の役目は果たしたものの、指揮官は「明日、明後日、急にまた痛みが出る可能性がある」と不信感を募らせた。

昨年12勝8敗で2年契約を結んだ右腕は、オープン戦で1試合に登板した直後に右肩痛で開幕2軍。5月15日に初登板も、6日後に右上腕の張りを訴え、首脳陣は「2軍では投げるのに、1軍に来ると痛いと言い出す」と頭を抱えている。

伊東監督は「次、もし同じようになれば、今年は呼ばない」と最後通告していたが“2度あることは…”となりかねない展開。もちろん「全く選手がいない訳ではないので、特別扱いはしない」と容赦しない構えだ。

右腕は「ちょっとつったような症状だった。次回までに治さないと。フラストレーションがたまるシーズンだ。肩の状態はいいので、それだけはいい方向に進んでいる」と説明したが、痛みは本人にしか分からない。

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古谷効果だ!ロッテ・今江&井口がアベック弾[サンスポ]

古谷効果で今月2度目の連勝を飾った。1回に今江が先制の7号2ランを放つと、3回には井口が15号2ラン。12安打8得点での勝利に伊東監督は「昨日(あと1人で無安打無得点試合を逃した)古谷がいい流れを持ってきてくれた。本塁打だけの点だったらヤバイけれど、里崎とサブローが犠飛をあげて、中盤もいい点の取り方をした」と上げ潮ムードを強調。

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グライ、初勝利も今度は背中負傷、伊東監督「特別扱いはしない」[スポニチ]

ロッテは打線が12安打8得点と奮起して2連勝したが、不安の種も生じた。

右肩痛から復帰登板したグライシンガーが2回途中に背中の筋肉の張りを訴えた。ベンチで応急措置を施し、5回を投げ終えて降板。2失点での今季初勝利に「制球が悪かった。とにかく早く治したい」と話した。今季初登板した5月15日巨人戦(東京ドーム)後に右肩痛を訴え2軍降格。度重なる故障に伊東監督は「何日か経って(状態を)聞いてみないとね。投手がいない訳じゃないので特別扱いはしない」。再び出場選手登録を抹消される可能性も出てきた。

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ノーヒッター逃した古谷に祝福の嵐、前夜はお好み焼きで祝杯[スポニチ]

27日のオリックス―ロッテ戦で9回2死から坂口に三塁打を浴び、ノーヒットノーランを逃したロッテ・古谷は一夜明けて試合前の全体練習に参加。

1安打完封劇に祝福のメールや電話が殺到し「数え切れないぐらい。こんなに応援してくれている人がいることをあらためて感じた」と笑顔で話した。前夜は球団スタッフらとお好み焼きで祝杯を挙げ「疲れたのでゆっくり休みたいです」と漏らした。

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ロッテ・グライ、初勝利も…伊東監督は厳しい評価[サンスポ]

けがから復帰したロッテのグライシンガーが今季初勝利。序盤に背中がつるアクシデントに見舞われたそうだが「最低限の仕事として5回を投げ切れたのは良かった」と控えめに喜んだ。

ただ、伊東監督は故障が多い右腕について「何日か経って、彼のコンディションを聞いてみないと。全く選手がいない訳ではない。彼をずっと待っている状況ではない」と厳しい評価だった。

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ロッテ・今江、3試合ぶりの安打は先制2ラン![サンスポ]

ロッテの今江が1回、先制の7号2ランを左越えに放った。3試合ぶりの安打が3日以来の本塁打となり「1本出て良かった」と喜んだ。

前日は古谷がノーヒットノーランまであと1人という快投を見せた。4番打者は「好投でいい勝ち方、そしていい流れをチームに持ってきてくれた。今日も先制できたので勢いがつけばいい」と話した。

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古谷効果!伊東監督「いい流れ」[ニッカン]

首位ロッテがリーグ戦再開後初めて連勝し、3連戦を勝ち越した。

1回に4番今江敏晃内野手(29)の7号2ランで先制すると、3回には3番井口資仁内野手(38)にも15号2ランが飛び出した。1発だけでなく、盗塁や犠飛を絡めて5回に1点、8回も2点を追加した。

伊東勤監督(50)は「昨日(1安打完封した)古谷がいい流れを持ってきてくれた。ホームラン以外の点の取り方が大事。中盤以降はいい取り方ができた」と快勝を喜んだ。

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グライシンガー5回2失点降板[ニッカン]

ロッテの先発セス・グライシンガー投手(37)が4点リードの5回5安打2失点でマウンドを降りた。2回の投球中に背中を痛め、治療でベンチへ引き揚げる場面もあったが、間もなく戻って投げきった。

5月15日の巨人戦以来、今季2度目の先発。「今日はチェンジアップが今までに経験がないくらい決まらず、高めに浮いてしまいストライクが取れなかった。それに加え、背中のアクシデントもあり苦しいピッチングになってしまった。その中でも、最低限の仕事として5回を投げ切れたのは良かったと思うが、次回へ向けてしっかり調整し、次は自分のボール、ピッチングができるようにしたいね」とコメントした。

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荻野貴反省…犠打失敗→適時打[ニッカン]

ロッテ荻野貴司外野手(27)が“結果オーライ打”で3点目を追加した。2点リードの3回無死二塁、122キロのスライダーを左越え二塁打とした。

前日26日までの6番から2番に昇格。犠打のはずが、最初の2球でバントを失敗し連続ファウルになった。

3球目での適時打に「右打ちで走者を進める打撃をしなくてはいけなかったのですが…。結果オーライになってしまいしました。次はしっかりバントを決めないといけないです。反省しています」と話した。

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井口15号「勝って勢いを」[ニッカン]

ロッテ井口資仁内野手(38)が、今季15号2ランでリードを広げた。3点目を追加した3回、なおも無死二塁で、123キロのスライダーをバックスクリーンへたたき込んだ。

日米通算2000安打まで残り26本、国内通算1500安打まで残り20本とし「低めのボールに対してうまく角度をつけることができた。パ・リーグが再開してから連勝がないから、勝って勢いをつけて千葉に帰りたい」と話した。

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今江、先制7号2ラン[ニッカン]

ロッテ今江敏晃内野手(29)が、今季7号となる先制2ランを放った。1回2死二塁で、118キロのスライダーを左翼スタンド中段に放り込んだ。

3日のヤクルト戦以来の本塁打で「大阪に来てから1本も打ててなかったから、1本出て良かったです。昨日は古谷さんの好投でいい勝ち方、そしていい流れをチームに持ってきてくれた。今日も先制できたので勢いがつけばいいですね」と話した。

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マツダオールスターゲーム2013選手間投票結果

セントラル・リーグ守備位置パシフィック・リーグ
選手名球団得票数投手選手名球団得票数
◎1前田健太185◎1田中将大362
2菅野智之1012菊池雄星西66
3能見篤史843金子千尋47
選手名球団得票数捕手選手名球団得票数
◎1阿部慎之助5891嶋基宏351
2谷繁元信1012炭谷銀仁朗西158
3藤井彰人23◎3伊藤光101
選手名球団得票数一塁手選手名球団得票数
◎1ブランコ575◎1李大浩348
2ロペス702井口資仁116
3新井貴浩463浅村栄斗西80
選手名球団得票数二塁手選手名球団得票数
◎1西岡剛533◎1井口資仁144
2荒木雅博642本多雄一122
3内村賢介403根元俊一113
選手名球団得票数三塁手選手名球団得票数
1ルナ384◎1松田宣浩311
2村田修一1562バルディリス144
3中村紀洋993今江敏晃130
選手名球団得票数遊撃手選手名球団得票数
1坂本勇人453◎1松井稼頭央316
◎2鳥谷敬2252鈴木大地148
3井端弘和443大引啓次86
選手名球団得票数外野手選手名球団得票数
◎1バレンティン478◎1糸井嘉男493
2マートン400◎2中田翔399
3長野久義3993陽岱鋼339
4大島洋平1684内川聖一243
◎5丸佳浩1415栗山巧西125
6和田一浩1166長谷川勇也110
◎6廣瀬純1167秋山翔吾西87
8ミレッジ868角中勝也81
9大和40◎9大谷翔平67
DH選手名球団得票数
◎1ジョーンズ275
2アブレイユ113
3李大浩84

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加藤氏辞めろ、選手会が突き付けた[ニッカン]

日本野球機構(NPB)が統一球を秘密裏に変更していた問題で、労組プロ野球選手会(会長=楽天嶋基宏)が、加藤良三コミッショナー(71)に“解任要求”を突きつけた。28日に第三者委員会が発足するのに先駆け、選手会の松原徹事務局長が27日、都内のNPB事務局を訪れて統一球問題に関する要望書を提出した。この文書の中で、コミッショナーを「プロ野球の将来について消極的で責任回避的な人物」とばっさり切り捨て、新しいコミッショナーのもとでNPBの組織構造改革に取り組むべきと指摘した。

嶋会長と松原事務局長の連名でNPBおよび第三者委員会に宛てた要望書の内容は、ほとんどがコミッショナー批判だった。「加藤良三」という具体名こそ記されていなかったが、事実上の解任要求と言っていい。A4サイズ2枚の紙には、新体制のもとでNPBの組織改革を本気で進めて欲しい、という選手達の思いがつづられていた。

今回の統一球問題の原因を「プロ野球の将来について消極的で責任回避的な人物がこれまでコミッショナーを務め続けてきたことにある」と指摘。「ビジョンと責任感を持った、強いリーダーシップを発揮できる人物」が理想とした。今後は新しいコミッショナーのもとでNPBの改革を「具体的に実行に移すこと」を強く求めた。

過去のスポーツ界における第三者委員会は、十分な実態解明に至らなかったケースが多かった。今回もファンの怒りを鎮めるためのガス抜きで終わってしまう可能性がある。要望書には、厳しい追及が公開されている全日本柔道連盟の「助成金に関する第三者委員会」が例に挙げられ、プロ野球界も調査経過を広く公開して、公正・中立な判断が下されることを要求した。28日の第三者委員会発足を前にクギを刺した形だ。

加藤コミッショナーの任期は来年夏のオーナー会議まで、あと1年残っている。進退問題を先延ばしにする玉虫色の決着では、選手はもちろん、ファンも納得しない。嶋会長は「ファンの皆さんの憤りを思うと、今後NPBが、誰が責任者か分からない組織ではなく、強力なリーダーシップを持ったコミッショナーのもと、ファンの声、現場で戦う選手の想いも1つにし、プロ野球を発展させる組織に変われるかどうかが問われている」とコメントした。要望書提出後、報道陣の取材に応じた松原事務局長も「第三者委員会にはきちっとした調査をしてもらいたいと思います」と話した。

選手会の追及による問題発覚から2週間が経ち、収束ムードが漂い始めていた。ところが、巨人渡辺球団会長が26日にこの騒動について初めて言及し「加藤コミッショナーに責任はない」と擁護したことが影響したのか、事態は大きく動きだした。見計らったかのような絶妙なタイミングで、選手会が統一球問題に再び活を入れた。

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NPBは社長不在の組織/選手会要望全文[ニッカン]

[統一球問題に関する選手会の要望と見解]

一昨日、一般社団法人日本野球機構、日本プロフェッショナル野球組織(NPB)が「統一球問題における有識者による第三者調査・検証委員会」(以下、第三者委員会)の委員等を発表したことに伴い、当会は、この問題に関する今後の対応について、NPBおよび第三者委員会に対し、以下のことを要望します。

1
第三者委員会の調査は、統一球問題を生み出すに至った大きな原因に、NPBの組織構造上の問題点、とりわけプロ野球の将来について消極的で責任回避的な人物がこれまでコミッショナーを務め続けてきたことにあるという点を認識した上で行われるべきであること。
2
従って、今後のコミッショナーは、プロ野球の将来についてビジョンと責任感を持った、強いリーダーシップを発揮できる人物であり、比較的若い年齢で、中立性の高い(特定の球団等と過度に密接な関係を持たない)、優れたビジネスセンスを持った人物を登用すべきであることが、今後の改善策の中心に据えられるべきであること。
3
同時に、今後の改善策の提言にあたっては、NPBの組織構造の健全化のため、今後ファンや選手に対する隠蔽が行われないような情報公開・説明責任を尽くす体制の確立と、選手その他利害関係人の意見を十分吸い上げる意思決定構造の確立が、盛り込まれるべきこと。
4
第三者委員会の調査にあたっては、選手、選手会を含む、幅広い関係者の意見聴取が行われるべきであり、日本弁護士連合会の「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」などに従った公正な調査が行われるべきこと、特に調査対象であるNPBからの要望等に関するやりとりについては、全日本柔道連盟「助成金に関する第三者委員会」のような形で公開するなど、公正さを疑われないような措置を施すこと。
5
NPBは、第三者委員会から示された改善策について、オーナーの反対により実現できないなどのことがないよう、新しいコミッショナーによる指導力等に基づいて、具体的に実行に移すこと。

統一球問題は、選手の労働条件のみならず、プロ野球に対するファン、社会からの信頼をゆるがすNPBの組織的な問題であり、それを生み出した要因、NPBの組織構造の問題にあります。

つまり、統一球は、まさにコミッショナー自らの主導により、野球の国際化への対応という観点から2011年に導入されたものですが、その変更について、コミッショナーが知らないうちに行われたという説明をしていること自体、NPBと言う組織のトップに、プロ野球の将来について消極的で責任回避的な人物を選任し続けてきたことの問題点のあらわれといえます。

従って、この問題の根本的解決は、事実関係、原因、背景等の究明だけではなく、今後このようなことが繰り返されないための、「社長不在の組織」ともいえるNPBの組織構造の改革に関する具体的な方策、端的に言えば、NPBがプロ野球の将来を、利害関係人との十分な協議のもとに、リーダーシップをもって決められる体制にすること、そのために適任といえるリーダーをコミッショナーに据えるべきことを中心とする改革が不可欠だと考えます。

当会は、第三者委員会の調査・提言とそれに基づくNPBの改革が、抽象的なものに終わったり、実行されないまま棚上げになるような結果とならないことを強く希望し、そのために必要な行動をとっていくつもりです。そのため、当会は、NPBおよび第三者委員会に対して上記のことを要望する次第です。

以上。(原文まま)

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選手会、加藤Cへ解任要求!嶋会長らが文書提出[サンスポ]

日本プロ野球選手会の松原徹事務局長(56)は27日、日本野球機構(NPB)と、統一球問題を調査する第三者委員会に対し、嶋基宏選手会長(28)=楽天=との連名で組織改革を求める要望書を提出した。加藤良三コミッショナー(71)への事実上の解任要求で、強いリーダーシップを発揮できるコミッショナーが必要と主張した。第三者委から示された改善策を具体的に実行に移すことも要求。選手会が強烈な主張を繰り広げた。

要望書は過激なものだった。要望内容は5つで、強調したい部分に傍線が引かれており、選手会の“本気度”が表れていた。

その「1」で、いきなり加藤コミッショナーを断罪。統一球を飛ぶように変更しながら公表しなかったことに関し、加藤コミッショナーは「不祥事ではない」とした。これに対し、選手会はNPBの組織構造上の問題とし、加藤コミッショナーについても、プロ野球の将来について消極的で責任回避的な人物とし、事実上の解任を要求した。

さらに「2」で、今後のコミッショナーはビジョンと責任感を持った強いリーダーシップを発揮できる人物、若く、ビジネスセンスを持った人物を登用すべき、と“理想のコミッショナー”を提言している。

その上で、NPBの組織構造にも切り込み、情報公開、説明責任を尽くす体制を確立してほしい、と訴えた。「5」では、第三者委員会から出された改善策は、オーナー会議の反対で潰さないで欲しい、と願いを込めた。新しいコミッショナーによる指導力で具体的に実行に移して欲しい、と言い切った。

嶋会長は文書で、「強力なリーダーシップを持ったコミッショナーのもと、ファンの声、選手の思いも1つにし、(NPBが)プロ野球を発展させる組織に変われるかが問われている。大きな変革へ踏み出すことを切望する」とコメントした。

都内で要望書をNPB・井原敦事務局次長に手渡した松原事務局長も「ビジョンを持った人達の組織にして欲しいんです。プロアマの垣根も取り払われたんですから」と話した。

選手会はコミッショナー解任の権限は、もちろん持たない。だが、NPBの改革が実行されない場合、「必要な行動をとっていくつもり」と強硬な姿勢もみせている。球界再編問題が起きた2004年にはストライキも敢行した。統一球問題を調査する第三者委員会の第1回会合の前日に、選手会が強烈なメッセージを送った。

◇統一球問題の経緯

6月11日
仙台市で行われた事務折衝で、選手会が「統一球が今季から変わったのではないか」と疑問をぶつけた。これに対し、NPBの下田事務局長が今季の開幕から反発度を高めた“ニュー統一球”に変更した事実を明らかにした
同12日
加藤コミッショナーが会見。前日11日まで仕様変更を「知りませんでした」と釈明し、「不祥事ではない」と辞任を否定
同14日
12球団代表者会議が開かれ、第三者機関を設置して調査することを全会一致で決定
同25日
NPBが問題を検証する第三者機関「統一球問題における有識者による第三者調査・検証委員会」のメンバーを発表。元最高裁判事の那須弘平氏ら3人の弁護士と特別アドバイザーとして元巨人の桑田真澄氏が就任した
同26日
巨人・渡辺球団会長が統一球が変更されていた事実を知らなかったと強調。加藤コミッショナーについては「責任は完全にない。進退を言う必要は1つもない」と擁護した
加藤良三(かとう・りょうぞう)
1941(昭和16)年9月13日、秋田県出身、71歳。成蹊高から東大法学部を経て65年に外務省入省。豪州、エジプト、米国の日本大使館勤務などを経て、アジア局長、外務審議官などを歴任。2001年から08年5月まで駐米大使を務めた。同年7月、日本プロ野球の第12代コミッショナーに就任。国際大会で選手が戸惑わないようボールを統一すべきと提案し、11年から米大リーグ公式球に近づけた低反発の「統一球」を導入した。
日本プロ野球選手会
主にプロ野球選手の地位向上を目的に1946年設立。80年に社団法人として法人格を取得し、85年に労働組合となった。12球団に所属する全ての日本人選手(一部の外国人選手を含む)が会員で、現在は一般社団法人日本プロ野球選手会と労働組合日本プロ野球選手会の2つが併存する。球界の諸問題への取り組みだけでなく、全国各地での野球教室や各種チャリティー活動など公益的な活動にも精力的に取り組んでいる。現会長は楽天・嶋基宏捕手。

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選手会、加藤コミッショナー辞めさせろ、“痛烈”要望書[スポニチ]

日本野球機構(NPB)が統一球の規格を無断変更した問題で、労組・日本プロ野球選手会(楽天・嶋基宏会長)は27日、NPBと問題を調査する第三者委員会に対し「統一球問題に関する当会の要望と見解」を提出した。加藤良三コミッショナー(71)に事実上の退任を要求する内容。加藤コミッショナーの適性を否定し、NPBの組織構造上の問題を指摘した。さらに新しいコミッショナーの条件も提示し、球界トップの入れ替えによるNPBの改革要求を突きつけた。

加藤コミッショナーの退任なくして前に進めない。嶋会長は西武戦(県営大宮)後、きっぱりと言った。「加藤さんに代わる若くてリーダーシップのある中立的な新しいコミッショナーを立てることが今後のプロ野球界のために最善」。この日、選手会・松原徹事務局長がA4紙2枚の要望書をNPB・井原敦事務局次長に手渡した。

要望は5項目で「消極的で責任回避的な人物がこれまでコミッショナーを務め続けてきた」など、退任を既定路線とした内容だ。28日に第1回会合を行う「統一球問題における有識者による第三者調査・検証委員会」(以下、第三者委員会)を前に表明した選手会の強い意志だった。

NPBによる統一球反発係数の無断変更はファンの不信感を呼び、事務局への抗議のメールは発覚直後の2日間だけで4000通を超えた。変更を「知らなかった」と発言した加藤コミッショナーだが、事態は組織の構造改革を求める声にまで発展。選手会は、それを現体制で推進するのは不可能と断定したのだ。

新しいコミッショナーの条件として挙げたのが、

(1)
比較的若い年齢。
(2)
中立性の高い人物。
(3)
優れたビジネスセンスを持った人物。

特に(2)には注釈で「特定の球団等と過度に密接な関係を持たない」と明記し、人選の過程が不透明な12球団オーナー会議の選任方法を批判した。

選手会はこれまでも加藤コミッショナーの適性に疑問を投げかけてきた。11年3月の東日本大震災影響下におけるセ・リーグの開幕問題では文科省まで巻き込んだ騒動に発展。昨年のWBCをめぐる選手会のボイコット問題では、日本のスポンサー権利などを求める選手会の主張を受けながら主催者側と直接交渉を行わず、当時の新井貴浩会長(阪神)には一選手の立場から異例の批判を浴びせられた。今回がいわば「最後通告」である。

今後は、第三者委員会の調査報告を待って7月10日のオーナー会議、もしくは臨時オーナー会議で統一球問題を議論。そこで加藤コミッショナーの責任が問われる可能性もある。ただ、オーナー会議の不透明性を危惧する選手会は要望書の中でNPBの改革を「棚上げ」にしないようクギを刺した。そして、それが実行されない場合は「必要な行動を取っていく」と表明した。

松原事務局長が「繰り返してはいけない不幸な出来事」と振り返る04年のストライキ、そして昨年のWBC不参加決議。ファンが最優先と主張する選手会はあえてそれらを断行した。NPBが導く結末次第では強硬手段も辞さない構えだ。

◇統一球問題経過

12年9月10日反発係数調整検討
NPBがミズノ社と統一球調整の可能性について検討開始。
10月4日極秘発注
NPB・下田邦夫事務局長からミズノ社に発注を説明。現場の混乱を防ぐために公表しないことを決定。NPB内の情報共有は事務局長と実務担当者の2人に限定。
13年2月初旬切り替え
新旧の球の切り替えを開始。
3月のオープン戦中切り替え終了
新旧の球の切り替え終了の報告を受ける。
6月11日変更発覚
NPBと労組・日本プロ野球選手会との事務折衝で、今季から統一球が「飛ぶボール」となっていたことが明らかに。
同12日緊急会見
加藤良三コミッショナー緊急会見。「私が知ったのは昨日(11日)。知っていたら公表していた」と「隠蔽」の意図はなかったと強調。自身の進退についても「不祥事とは思っていない」と辞任を否定。
同13日抗議殺到
NPBへの抗議電話とメールが2日間で4000件超。
同14日再会見も辞任否定
統一球問題で第三者機関を設置、調査することが決定。 加藤コミッショナーは「大変な失態であったと猛省しております」と謝罪したが、辞任はあらためて否定。
同17日人選着手
12球団が、NPBの調査に当たる第三者機関の人選に着手。
同25日第三者委設置
NPBが第三者機関「統一球問題における有識者による第三者調査・検証委員会」の設置を発表。特別アドバイザーに元巨人の桑田真澄氏が就任。

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選手会から報道各社に配布された要望書全文[スポニチ]

[要望内容]

1
第三者委員会の調査は、統一球問題を生み出すに至った大きな原因に、NPBの組織構造上の問題点、とりわけプロ野球の将来について消極的で責任回避的な人物がこれまでコミッショナーを務め続けてきたことにあるという点を認識した上で行われるべきであること
2
従って、今後のコミッショナーは、プロ野球の将来についてビジョンと責任感を持った、強いリーダーシップを発揮できる人物であり、比較的若い年齢で、中立性の高い(特定の球団等と過度に密接な関係を持たない)、優れたビジネスセンスを持った人物を登用すべきであることが、今後の改善策の中心に据えられるべきであること
3
同時に、今後の改善策の提言にあたっては、NPBの組織構造の健全化のため、今後ファンや選手に対する隠蔽が行われないような情報公開・説明責任を尽くす体制の確立と、選手その他利害関係人の意見を十分吸い上げる意思決定構造の確立が、盛り込まれるべきこと
4
第三者委員会の調査にあたっては、選手、選手会を含む、幅広い関係者の意見聴取が行われるべきであり、日本弁護士連合会の「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」などに従った公正な調査が行われるべきこと、特に調査対象であるNPBからの要望等に関するやりとりについては、全日本柔道連盟「助成金に関する第三者委員会」のような形で公開するなど、公正さを疑われないような措置を施すこと
5
NPBは、第三者委員会から示された改善策について、オーナーの反対により実現できないなどのことがないよう、新しいコミッショナーによる指導力等に基づいて、具体的に実行に移すこと

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第三者委員会、7月末めどに最終報告、28日初会合[スポニチ]

NPBは27日、統一球問題を調査する第三者委員会の初会合を28日に都内のNPBで行うと発表した。

出席者は委員長の那須弘平氏(71)、佐々木善三氏(60)、米正剛氏(58)の弁護士3人のメンバーと特別アドバイザーで元巨人の桑田真澄氏(45)。NPB側からはセ、パ両リーグの理事長が参加し、加藤コミッショナーは出席しない。

NPBの井原事務局次長は「1回目でお伝えすることがあるかどうか」と、初会合は今後の調査方法や日程などの確認にとどまる方針を示した。人選について、選手会の松原事務局長は「法曹界からで信頼できる」と評価。コミッショナーのヒアリングを希望している桑田氏についても「プレーヤーとしての感覚が分かる」と期待した。第三者委は関係者へのヒアリングなどを行い、事実関係の把握、問題が生じた背景や原因を探って提言。7月末をめどに最終報告を予定している。

◇選手会の過去の主な要望

FA権
85年の労組・日本プロ野球選手会発足後から要望していたフリーエージェント(FA)制度が92年オフに導入。当初は逆指名入団の選手は10年、それ以外は9年だったが、定期的に交渉を続けて現行の条件(海外移籍は9年。国内は8年も07年ドラフト以降の大学・社会人出身選手は7年)まで短縮された。
新規参入
近鉄とオリックスの合併決定に伴う04年の球界再編問題で、古田敦也会長(ヤクルト)は合併の1年間凍結を要望。労使紛争の中で合併凍結は断念も、12球団制の維持に向けて翌05年からの新規球団参入などを要望。球界初のストライキ決行を経て、選手会の要望が通り、楽天が参入した。
開幕延期
東日本大震災に見舞われた11年、開幕日程の問題で新井貴浩会長(阪神)らが加藤コミッショナーらNPB関係者に開幕延期を要望。セは一度は当初の予定通りである3月25日開幕を決めたがその後も反発を続け、最終的に4月12日のセ・パ同時開幕。

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[統一球問題]選手会が加藤コミッショナー退任を要求「将来のビジョンと責任感持った人物を」[報知]

今季から統一球を飛びやすく変更しながら公表していなかった問題で、労組日本プロ野球選手会の松原徹事務局長が27日、日本野球機構(NPB)を訪れ、NPBと第三者委員会に対して新コミッショナー選出などの組織改革を求める要望書を提出した。加藤良三コミッショナー(71)への事実上の退任要求で、強いリーダーシップを発揮できるコミッショナーが必要と主張している。NPBは第三者委の第1回会合を28日に行うと発表した。

第三者委の初会合を前に、選手会が強烈な先制パンチを見舞った。加藤コミッショナーが統一球変更を「知らなかった」と説明していることを問題視する選手会はこの日、松原事務局長がNPBを訪れ、嶋基宏会長(楽天)との連名による要望書を提出した。A4用紙2枚に5つの要望内容を書き連ねていた。

始めに、統一球問題が生じた大きな原因として「プロ野球の将来について消極的で責任回避的な人物がこれまでコミッショナーを務め続けてきたことにある」と指摘。「加藤良三」の文字はなかったが、現コミッショナーを厳しく“断罪”した。

2つ目に、今後のコミッショナーに「プロ野球の将来についてビジョンと責任感を持った、強いリーダーシップを発揮できる人物」を要望。「比較的若い年齢で、中立性の高い(特定の球団等と過度に密接な関係を持たない)、優れたビジネスセンスを持った人物を登用すべき」とし、加藤コミッショナーの退任が大前提の要求だった。

NPBには、3で組織構造の健全化のため「ファンや選手に対する隠蔽が行われないような情報公開・説明責任を尽くす体制の確立」と「選手その他利害関係人の意見を十分吸い上げる意思決定構造の確立」を提言。第三者委に対しても、4で「幅広い関係者の意見聴取」と「公正な調査」が行われるべきとし、最後に、NPBは第三者委から示された改善策について、「新しいコミッショナーによる指導力等に基づいて、具体的に実行に移すこと」を求めている。

松原事務局長は、12球団の選手会長にも意見を求めた上で要望書を作成したと説明。「しっかりしたビジョンを持った方をコミッショナーにできる組織にして欲しい」と話した。

コミッショナーの任免権は12球団オーナー会議にあり、退任には7月10日の会議で4分の3以上の賛成が必要だ。

労組日本プロ野球選手会・嶋基宏会長
「NPBが強力なリーダーシップを持ったコミッショナーの下、ファンの声、現場で戦う選手の思いを1つにし、プロ野球を発展させる組織に変われるかが問われている。大きな変革へ踏み出すことを切望する。」
オリックス・村山球団本部長
「(要望書は)きちっと調べてくれ、ということだと思う。明日の委員会で、この話が出ると思う。いずれにしろ、しっかりと調べる、ということしか今は言えない。」

◇統一球問題の経過

6月10日
実行委員会にて下田事務局長が「ボールは変わっていない」と否定。
11日
NPBと日本プロ野球選手会の事務折衝(仙台)後、下田事務局長が公式戦で使用している統一球の仕様を今季から変更していたことを公表。
12日
加藤コミッショナーが会見で「(ボールの変更は)知らなかった」「不祥事ではない」などと話し、辞任を否定。
13日
NPBに計4000件を超える抗議が殺到。「コミッショナー辞めろ」の声も多数。下田事務局長が辞意。
14日
12球団代表者会議で第三者委の設置を決定。コミッショナーは「大失態。猛省」と謝罪するも、やはり辞任は否定。過去2年の統一球の検証データも公表。
15日
各球団が選手に事情説明を開始。
17日
第三者委の選考会議をNPBで開催。
25日
第三者委が発足。委員は弁護士3人で構成、特別アドバイザーに元巨人、パイレーツ投手の桑田真澄氏(スポーツ報知評論家)を起用。
26日
巨人の渡辺恒雄球団会長が「コミッショナーの責任は関係ない」とコメント。

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