ソフトバンクが逆転勝ちで勝率5割復帰。1−2の6回に代打攻勢が成功。田上の同点二塁打、山崎の2点二塁打などで5点を奪った。2番手の嘉弥真がプロ初勝利。ロッテはゴンザレスの危険球退場が響き、救援陣が持たなかった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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福岡ソフトバンク | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | 0 | 0 | 6 |
千葉ロッテ | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
敗戦の中でロッテ・井口が2安打。日米通算2000安打にあと8本とした。3回、左中間に一時は勝ち越しとなる適時二塁打を放つと、5回はしぶとく左前へ運んだ。
「1桁になったので、本当のカウントダウンが始まった。早くクリアしたい」。
順調なペースで安打を積み重ねてきたが、13、14日の日本ハム戦は無安打に終わった。しかし、すぐに復調。5回には一塁走者として、今江の中飛で二塁を陥れる好走。「普通でしょ」と平然としたものだったが、充実ぶりがうかがえるプレーだった。
周囲も準備万端だ。母校・青学大のグラウンド(相模原市)では、左中間フェンス上に通算2000安打のメモリアルプレートが用意されている。昨年達成して引退した小久保裕紀(ソフトバンク)に次ぐ2年連続の快挙に沸いている。
日本通算1500安打もあと2本と目前。チームは逆転負けを喫し「勝てる試合、競っている試合は勝たないと」と厳しい表情を浮かべたが、今後も打ち続けて勝利につなげる。
ロッテのディッキー・ゴンザレス投手(34)が15日、ソフトバンク13回戦(QVCマリン)で危険球による退場処分を受けた。3回1死一塁で内川の頭部に当てた。危険球での退場は今季パ・リーグで3人目、両リーグを通じて6人目。
4月14日以来の先発となったゴンザレスが、3回に内川へ頭部死球を当て、危険球で退場した。3回途中まで5安打され、1失点の右腕は「あの1球がなければ。勝てるチャンスはあった」とどこ吹く風。伊東監督は「ハマるか、自滅かと思ったけど、危険球とは…」と苦笑い。中継ぎが打ち込まれ、チーム防御率は3.67でリーグ最下位に転落した。
敗戦の中でロッテ・井口が気を吐いた。3回に同点とし、なお2死一塁で左中間へ適時二塁打。5回には左前打で出塁後、続く今江の中堅最深部の打球で二塁にタッチアップした。
日米2000安打にあと8本、日本1500安打にあと2本としたが「競った試合を勝たないと。(好走塁は)普通だよ」と厳しい表情だった。3ヶ月ぶりの先発となったゴンザレスが3回に危険球退場。前日先発した藤岡を連投させてしのいだが、3番手以降がつかまった。伊東監督は「退場でブルペンがバタバタしてしまった」と嘆いた。
ロッテのディッキー・ゴンザレス投手(34)が15日、ソフトバンク13回戦(QVC)で危険球による退場処分を受けた。3回1死一塁で内川の頭部に当てた。危険球での退場は今季パ・リーグで3人目、両リーグを通じて6人目。
ロッテの新人捕手、田村が9回、右前へプロ初安打を放った。7回の守備から途中出場し、この日の2打席目だった。無死一塁で、相手はメジャー経験もある五十嵐だったが「長打は打てない。つなぐ打撃を意識した」と落ち着いていた。
正捕手の里崎が故障で離脱し、チャンスがめぐってきた。前日14日の日本ハム戦で、プロ初舞台を踏んだばかり。青森・光星学院高(現八戸学院光星高)出身の19歳は「1日でも長く、1軍にいたい」とさらなる活躍を誓った。
ロッテの井口が2安打を放ち、日米通算2000安打まであと8本とした。「(残りが)1桁になって、本当にカウントダウンが始まった感じだね」と頬を緩めた。
3回には左中間へ勝ち越しの二塁打。しかし、6回に救援投手陣が失点を重ね、完敗となった。ベテランは「何とか勝ちたかった。最後まで競って戦わなくちゃいけない」と、この時ばかりは表情が曇った。
ロッテのディッキー・ゴンザレス投手が15日、ソフトバンク13回戦(QVC)で危険球による退場処分を受けた。3回1死一塁で内川の頭部に当てた。危険球での退場は今季パ・リーグで3人目、両リーグを通じて6人目。
ロッテが2連敗。伊東勤監督(50)は、先発ゴンザレスが3回に危険球退場となったことを悔やんだ。
「はまるか自滅するかと思っていたけど、危険球退場とは思わなかった。早く代わりすぎて、ブルペンが慌ててしまった。打線も2点取った次の回、満塁にして1点でも取っていれば違うんだけど。ちぐはぐだね」と話した。
ロッテのルーキー田村龍弘捕手(19)が、プロ初安打を放った。
昨夏、光星学院(現八戸学院光星、青森)の4番として甲子園を沸かせた田村は7回からマスクを被り、9回の第2打席、3球続いたカーブを右前にはじき返した。「長打なんて打てないと思っていたので、ライト前を狙っていました。バットも短く持って。初ヒットなので、はじめの一歩が五十嵐さんですね。真っ直ぐを打てたら、もっと良かった」と話した。「大谷も打ってるんで」とライバル意識もチラリ。
伊東監督は「面白い。ヒットも打ったし」と評価した。
ロッテ・ディッキー・ゴンザレス投手(34)が、3回1死一塁、内川に頭部死球を当てて、危険球退場となった。完全なすっぽ抜けが頭部に直撃。牧田球審から退場を宣告されると、マウンドで両手を広げ「なぜ?」のポーズ。同球審は場内マイクで「危険球と判断し、退場とします。以後、この試合は警告試合とします」と話した。
ゴンザレスは「久しぶりのマウンドだったけど、今日は感じよく入ることができたよ。自分自身、しっかり低目に意識して集める事はできていた。あの1球以外は良かっただけに、ああいう形でマウンドを降りてしまい、残念。あの1球がなければ、今日の感じで投げていれば勝てるチャンスがあったと思う。当ててしまったのは申し訳ないが、本当に残念な1球になってしまった。今はチームの勝利を祈っているよ」とコメントした。
ロッテ井口資仁内野手(38)が3回に勝ち越し適時打を放った。日米通算2000本安打まで9本とし、カウントダウンは1ケタに突入した。
2死一塁、カウント1ストライクからの2球目。左中間を破る二塁打に、一塁走者の岡田はランエンドヒットのスタートを切っており、一気にホームを駆け抜けた。
井口は「打ったのはストレートだね。ここ2試合自分のバッティングができずにいたからね。いい感じにバットを出す事ができた。マリンに戻って来て、気分もリフレッシュできた。ファンの後押しも大きいね。いよいよ10本を切って、ここからカウントダウンが始まった感じだね。それより、残り3試合の前半戦をしっかり戦って行きたい」とコメントした。
ロッテ井口資仁内野手(38)が、ソフトバンク13回戦(QVC)の試合前、6月22日の日本ハム6回戦(QVC)で達成した通算1500試合出場の連盟表彰を受けた。
通常、試合のない月曜日、1軍選手は練習免除のオフである。1週間で唯一のオフといっていい。翌日や翌々日などに先発する投手だけは体を動かすが、それ以外の選手は姿を現すことはなく、グラウンドは静かなものである。今年、そんな状況に1つの変化が起きた。グラウンドで黙々と走る上野大樹投手(26)の姿を必ずと言っていいほど、見るようになったのである。
「自分は現状維持じゃダメな選手なんで…。常に少しでも上のレベルを目指さないといけない。そのためには休みの日でも走るなり、ウェートをするなり、体を動かして明日からの試合に備えないといけないと思うんです」。
プロ5年目。昨年まで4年間で42試合に登板をして5勝9敗。マウンド上では闘志あふれるピッチングでファンを魅了するなど期待の高い選手である。今季も中継ぎを中心に20試合に登板して1勝を挙げ、防御率は2.43。チームには欠かせない存在となっている。中継ぎ投手はマウンドで投げる時以外もいつ何時、呼ばれてもいいようにブルペンで肩を作っておかないといけない。影の苦労が多く、疲労の蓄積するポジションである。それでも上野は休もうとしない。
「毎年、1軍では投げさせてもらえるけど、なかなかコンスタントな結果を出せない。それが悔しいし、将来、悔いが残らないように練習をしようと思ったんです。今年はそうしようと決めました。家族のためにも、応援してくれるファンのためにもそうしないと失礼だなあと強い決意で挑むシーズンなんです」。
そのガムシャラな姿勢からは強い決意を感じる。遠征先のホテルで上野の隣の部屋になった関係者は苦笑する。「ビュッ、ビュッて隣の部屋から音がして夜、眠れないんだよ。なんの音かなと思ったらアイツがシャドーピッチングをしている音だった」。私もシャドーピッチングで思い出した。そういえば昨年秋の鴨川での秋季キャンプ。宿舎に到着した上野はチェックインを終えるとすぐに駐車場に向かった。何をするのかと思えば、いきなりシャドーピッチングを始めたのである。
1歳年上で選手会長そしてエースの成瀬善久投手も舌を巻く。「先発投手だけが練習の日にオレが休んだ方がいいぞって言っても『お願いです。僕も練習に連れて行ってください。迷惑をかけませんから』って頭を下げるんですよ。そこまで言われたら仕方がないなあってなりますよね」。遠征先ではホテル出発前にもジョギングをし、試合後も宿舎に戻ってからクールダウンのジョギングをする。まだまだ、上野の陰の努力を紹介しているとキリがないが、そんな彼の今年に賭ける意気込みは私達関係者にはヒシヒシと伝わってくるのである。
それだけに10日の試合で右肩に打球が直撃し、登録抹消になってしまったのは残念で仕方がない。ただ、本人はすでにロッテ浦和球場で前向きに練習を再開していた。
「打撲だったので、とりあえず一安心しています。なってしまった事は仕方がない。さらにパワーアップして1軍に戻れるように、今、出来る事を精一杯していますよ」。
笑顔でそう話すと灼熱のグラウンドに飛び出していった。額からは大粒の汗が湧き出る。さらに汗を出すべくスピードを上げる。ファンから応援の声が飛ぶ。それが背番号15の背中をまた一押しする。努力の男・上野大樹。痛みが完治し1日も早くQVCマリンのマウンドに戻ってきて欲しい。
(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)