ロッテは0−3の3回、荻野貴の2ランとブラゼルの2点二塁打で逆転。7回は井口が20号2ランを放った。2番手で2回無失点のレデズマが来日2季目で初勝利を挙げた。拙攻が目立ったオリックスは3カード連続の負け越し。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 7 |
オリックス | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
やられたらやり返す、倍返しだ−。ロッテにも、TBS系列の人気ドラマの主人公「半沢直樹」がいた!
まずは荻野貴司外野手(27)だ。1回、いきなり死球で出塁。様々な攻撃パターンが考えられ、ファンはドキドキして見守る中、牽制アウトになってしまう。
ボーンヘッドは倍返し。3回の第2打席だ。1死一塁、フルカウントから3球ファウルで粘って10球目。高め直球を左翼席に持って行った。1点差に詰め寄る3号2ラン。「ミスもしているので、何とかしたかった」と、してやったりだ。
もう1人の半沢直樹はクレイグ・ブラゼル内野手(33)だ。前日は、伊東監督に「あいつのバットには穴が開いている」とジョークを言われる不振のため、先発落ち。9回に代打6号でアピールし、この日は先発5番をゲット。3回、荻野貴の2ランの後に2死一、二塁の好機で打席が来た。右中間を破る、逆転の2点適時二塁打だ。
「1番の薬は使わないこと」と、伊東監督はかつて言った。起用しないことで発奮させ、不振から脱出させるという。ある意味、半沢が「クソ上司、覚えてやがれ」と言うような采配だ。試合後の同監督は「発奮したかどうかは分からない」と言うが「1敗もできないからね」と1つの勝利に必死と強調。まだまだパ・リーグのドラマを盛り上げるつもりだ。
ロッテは4日のオリックス14回戦(ほっともっと)に7−3で逆転勝ち。西武と並び、2位を死守した。7回には井口資仁内野手(38)がダイエー(現・ソフトバンク)時代の2004年以来、9年ぶりとなる20号2ラン。自己最多の30本も視界に入った。日米通算2000安打は通過したものの、勢いは止まらず、打点は68でトップに1点差の2位、本塁打は3本差の3位、打率も.325で7位につけており、三冠王も決して夢ではない!
猛暑の中、頼れるアラフォーが打ち続けている。4−3と1点リードの7回、井口が左中間席に勝負を決定づける貴重な2ランをたたき込んだ。
「本塁打の数は気にしていない。今年はコンパクトに打っているつもり。振り回して飛ばそうとか、強い打球を打とうとか考えていない」。
20本塁打は29歳だった2004年に24本塁打を放って以来、9年ぶりの大台到達だ。
「年は聞かないでください(笑)。それなりの経験はしているので、自分の中で考えながら修正している。これが1年できたら、来年もできるんじゃないかなという感じがある」。12月に39歳を迎えるアラフォーは、進化を続けている。
三冠を争うライバルは24歳の日本ハム・中田、22歳の西武・浅村、25歳の楽天・銀次ら20代前半の選手が並ぶ。そんな中でベテランが1人立ち向かっている。
前日3日の試合後はグライシンガー、ロサ、レデズマの外国人選手を連れて食事に出掛けた。パドレス時代に同僚だったレデズマは、井口の一発もあり来日初勝利。異国での生活の大変さを知る元メジャーリーガーは、助っ人の潤滑油にもなっている。
「チームが勝って、オフは2000本を祝ってもらうモードにしないと。チームが負けたらそうはいかない」と見据えるのは優勝だけ。残り51試合、まだまだ勝負はこれからだ。
西野が自己最短の3回3失点でマウンドを降りた。1回に先制を許すと、3回まで7安打を浴び、70球を投じた。西野は「勝負球が甘く入ってしまった。試合の中で修正できなかった」。伊東監督は「ずっと兆候はあったが、体は重そうで、球の切れもなかった。前半みたいにすんなりいかないと思う」と心配した様子だった。
何とも心強いベテランだ。1点リードの7回無死一塁。井口の打球はロッテファンで埋め尽くされた左中間席へ。ダメ押しの20号2ランで勝負を決めた。
「次の1点をどっちが取るかで大きく勝敗が変わる場面。いい本塁打で大きな追加点になった」。
38歳にして再びピークを迎えようとしている。「年のことは聞かないで」とおどけるが、20号は29歳だったダイエー時代の04年(24本)以来9年ぶり。本塁打部門で楽天・マギーと並んでリーグ3位タイで、68打点はリーグ2位、打率は同7位の.325と好調をキープしている。
試合後、自宅や遠征先のホテルに戻ると、パソコンで自らのスイングをチェックするのが日課。タイミングの取り方など、常に自らの状態を正確に把握している。「飛ばそうとは考えてない。コンパクトに振れている結果」。緻密な自己分析こそが好調の秘訣だ。
30本塁打(01年)、打率.340、109打点(ともに03年)が自己最高成績だが、今年は3部門全てを塗り替える可能性もある。「今季はいい感じでやれている。これを1年続けられれば、来年以降ももっとできそうだなと思える」。
7月26日の楽天戦(Kスタ宮城)で、日米通算2000安打を本塁打で達成した。「今は自分の目標よりチームが勝つことが1番」。優勝請負人と呼ばれるベテランの視線は、首位を独走する楽天をしっかりと捉えている。
阪神時代に4年間暮らした神戸で、ロッテのブラゼルが決勝打を放った。
3点を追う3回、荻野貴の左越え3号2ランで1点差に詰め寄り、なおも2死一、二塁で右中間を破る逆転2点二塁打。ほっと神戸では、3日も9回に代打で右越え6号ソロ。「関西にはいい思い出がたくさんある。こっちのファンにいいプレーをみせたかった」。前夜にはレイニー夫人、トロット君と神戸牛に舌鼓。好物で英気を養い、「これからもっと打っていきたいね」と上機嫌だった。
豪快に振り抜いた打球は、左中間席へ一直線に飛び込んだ。1点リードの7回。無死一塁から井口が2ランを放った。「いいところで打てた。追加点が取れてよかった」。9年ぶりに20号到達となる一撃で、チームの勝利をたぐりよせた。
チームにとって大事な一戦だった。後半戦に入ってから試合前まで3勝7敗。いまだにカード勝ち越しと連勝もなかった。「勝つことが大事。打ってもチームが勝たないと意味がない」と井口。昨年は前半戦首位から5位へと失速したからこそ、何とかチームに勢いを取り戻したかった。
これで自身の連続試合安打も7とした。日米通算2000安打達成以降も、打撃でチームを支える38歳のベテランは「今はコンパクトに打てている。これを最後まで続けて、チームがトップで終われるようにしたい」。頼れる男が、これからもチームを支える。
ロッテの井口が9年ぶりの20号本塁打を放った。1点リードの7回、左翼席に勝利を引き寄せる2ラン。日米通算2000安打を達成した7月26日以来の一発に「いいホームランで大きな追加点が取れたね」と笑った。
38歳のベテランは、米大リーグでの44本と合わせて日米通算では269本塁打。後半戦初のカード勝ち越しに導き「チームが勝つのが1番。来週もアウェーが続くので、しっかりやって(ホームに)帰りたい」とナインの思いを代弁した。
ロッテの早坂が4回の走塁で右太もも裏の違和感を訴え、途中交代した。病院に行かず、アイシングで治療を行った。伊東監督は「1週間で治るけがじゃない」として出場選手登録から外す考えを示した。
ロッテの荻野貴が0−3の3回に左越えに2ランを放ち「しっかり捉えることができた」と喜んだ。チームはこの回に計4得点と逆転した。
汚名返上の一発となった。1回に死球で出塁も、牽制でアウトに。左翼守備では2回に糸井の飛球を中堅の岡田と譲り合う形で適時二塁打にしてしまった。「ミスもしているので取り返すということでもないですが、何とかしたかった」と話した。
ロッテが逆転勝利。先発西野が3回3失点KOされてからの逆転とあって、伊東勤監督(50)は「ものすごく長い1日でした日でした」と、ぐったりした様子。
「体も重そうだし、1つアウトを取るのも必死だった。前半頑張ってくれたので、疲れも含めてあるだろう。前半みたいにすんなり行かないと思う」と、前半の功労者を責めかった。
ロッテ井口資仁内野手(38)が7回無死一塁、20号2ランを放った。カウント3ボール1ストライクから高めに浮いた直球を見逃さない。
ロッテファンで埋まった左翼スタンドに向けて、高く大きい弧を描いた。20号はダイエー時代の04年以来。09年にロッテに来てからは初めて。自己最高の01年30号も更新しそうな勢いだ。「打ったのはストレート。次の1点をどっちが取るかで、大きく勝敗が変わってくると思っていたので、いいホームランで大きな追加点が取れたね。このカードは何とか勝ち越して、チームにいい流れを作りたい。残り3イニング。ミスをなくしてしっかり守りきりたいね」とコメントした。
ロッテ西野勇士投手(22)が3回でKOされた。打者19人に70球。7安打2三振2四球の3失点。3回でマウンドを去るのは、16試合目の先発で最短のこと。
1回は失策も絡み、不運な失点もあったが、2回3回と、立ち直る兆しは見えなかった。全体的にボールが高かった。本来の力を出せず、9勝目はお預けとなった。
「カウント有利で攻めていけたのに、勝負球が甘く入ってしまった。毎回ピンチで自分のリズム、チームのリズムを崩してしまった。試合の中で修正出来なかったです」とコメントした。
ロッテのクレイグ・ブラゼル内野手(33)が3回、勝ち越しの2点適時二塁打だ。2−3と1点を追う2死一、二塁、フルカウントからのスライダーを振り抜き、中間を破った。
「打ったのはスライダーだね。何とか粘って粘って打つことが出来たね。いいところで打て、チームに貢献できる打点を挙げることが出来て良かった。久しぶりの関西で家族も来ていてリフレッシュ出来ているよ。昨日のホームランも自分の中で大きいね。次もいいところで打てるように頑張るよ」とコメントした。
ロッテ早坂圭介内野手(29)が4回の攻撃で、二塁ゴロの際に右太もも裏に違和感を覚えて交代した。病院には行かず、アイシング治療で様子を見るという。
ロッテ荻野貴司外野手(27)が、3回1死一塁から3号2ランを放った。 フルカウントになってから3球ファウルで粘って10球目。真ん中直球を左翼席まで持っていった。
1回無死、死球で出塁しながら、牽制死となっており、荻野貴にとっては挽回の一打でもあった。「打ったのは少し変化したけどストレートだと思います。ミスもしているので、取り返すということでもないですが、何とかしたかった。粘ることが出来て、最後はしっかり捉えることが出来ました」とコメントした。