ロッテが楽天戦の連敗を5で止めた。8年目の古谷が7回無失点で自己最多の5勝目を挙げた。打線は5回2死三塁から荻野貴の適時二塁打などで2点を先制。内が今季初セーブを挙げた。楽天は前半での再三の逸機が痛かった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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東北楽天 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | x | 3 |
ロッテ古谷拓哉投手(32)が完璧なリベンジを果たした。前回対戦した時に2本塁打を浴びた楽天ジョーンズを無安打に抑えた。3回2死二塁。内角速球でズバッと見逃し三振を奪った。5回2死二、三塁では、やはり内角速球で投手ライナーに仕留めた。右手のグラブを誇らしげに高々と差し上げる。引き揚げるジョーンズの前を堂々と横切ってベンチに引き揚げた。「いや、怖かったですよ」と言ったが、投球は違った。「インコースを投げるのは怖くなかった。とにかく思い切って行った」と振り返った。
7月4日楽天戦。今季唯一の敗戦が教訓だった。ジョーンズに浴びた2発は、ともに外角の変化球だった。甘く高めに抜けた。チームも楽天戦の連敗から失速して6連敗となり、首位から陥落した。「寝る前とか思い出したくなくても考えてしまった」と、ショックを引きずった。
だから、前回とは違う攻め方で、7回無失点に封じた。昨季までの通算勝利数を超える5勝目を挙げた。チームの楽天戦連敗も5でストップ。伊東監督は「うちは挑戦者ですから。向かっていくしかない。古谷が外を意識させた上でインサイドをよく攻めた。今日はバッテリーの勝利。これで明日につながる」と、力強く言った。
首位との直接対決の初戦を制し、ゲーム差を5.5に縮めた。投打にわたる完勝で、プレッシャーをかけたのは間違いない。
7年間で4勝だった8年目左腕・古谷が、わずか1ヶ月半で5勝(1敗)。楽天追撃にもう負けられない今季100試合目で7回無失点、8奪三振と好投した。
「1回1回丁寧に投げた。クリーンアップだけには絶対に打たれないと、気合を入れた」。
前回7月4日(Kスタ宮城)に7安打、6失点と打ち込まれたイヌワシ打線の主軸を11打数無安打。今季から先発に転向し、5月30日に2軍のDeNA戦で無安打無得点。1軍初登板となった6月26日のオリックス戦でも9回2死まで無安打の快投を演じた底力を見せつけた。
エースの成瀬に加え、勝ち頭(9勝)の西野も右肩痛で離脱する苦しい台所事情の中「(個人記録より)チームにちゃんと貢献できていることの方が嬉しい。結果が少しずつ表れている」と自信を力に変えている。
斉藤投手コーチも「次は中4日で行かせる。いい投手に頑張ってもらうしかない」と18日のオリックス戦(QVCマリン)のスクランブル登板を明言。逆転Vには32歳の古谷がフル回転するしかない。
荻野貴が5回、2死三塁から左中間に先制の二塁打。ミーティングで立花打撃コーチから「しっかり打ち込んでいけ」とアドバイスされ「そのイメージどおりに打つことができた」と笑顔。楽天には敵地で5連敗中で「大松さんから『10倍返しで行くぞ』といわれた。明日、明後日も勝って20倍返しにしたい」と高らかに宣言した。
ロッテ・井口資仁内野手(38)が楽天14回戦(QVCマリン)を右肘痛のため欠場。都内の病院で右肘外側上顆(じょうか)炎と診断された。14日の出場は、当日の様子を見て判断する。
昨年までのプロ7年間での白星の数を、わずか2ヶ月弱で上回った。今季5勝目。ロッテ・古谷は、マウンドで常に自分自身に言い聞かせていた。
「丁寧に、諦めないで、焦らずに。1つ1つアウトを取っていこう」。2回1死満塁、5回1死二、三塁…。再三のピンチを耐えた。表舞台からはほど遠い野球人生。その道のりをなぞるような、粘りの投球だった。
「初回からずっと走者を背負って、しんどかった」。直球は最速138キロ。しかし球持ちの長い、同じ腕の振りから100キロ台前半のカーブを織り交ぜ打者を幻惑する。「真っ直ぐは速くないけど、怖がらずにいった。中軸には絶対打たれないよう気合を入れた」。3〜5番を9打数無安打。6回2死からは4者連続三振で、7回6安打無失点でマウンドを降りた。
「甲子園は本当にいい思い出。江川さん、先輩ですよね」。98年8月12日。古谷は駒大岩見沢の2年生エースとして聖地のマウンドに立った。岡山城東戦で8回2失点。しかし3年生に「江川卓」という一塁手がおり、注目は「同姓同名選手」に集まった。駒大でも硬式野球部には途中入部。プロ入り後も昨季までほとんどが中継ぎだった。
しかし、32歳にして開花。今季は6月26日オリックス戦(京セラドーム)で9回2死まで無安打無失点の快投を演じるなど、故障者続出の投手陣にあって、今やエース格だ。今季唯一の黒星は7月4日楽天戦(Kスタ宮城)。その相手に見事リベンジし、首位とのゲーム差を5.5に縮めた。
次戦は中4日で18日のオリックス戦(QVCマリン)に先発する。フル回転の左腕は「5勝目は嬉しい。でも(シーズンの)最後まで投げないと」。いつ、どんな形で光が当たるか分からない。それは野球でも、人生でも同じだ。
10倍どころか20倍返しだ。ロッテ・荻野貴が5回2死三塁で左中間へ決勝二塁打。
楽天には前回7月26日から敵地で3連敗を喫するなど5連敗中で、試合前には大松から「10倍返しでいくぞ!」との号令が飛んだ。お立ち台に上がった荻野貴は、人気ドラマ「半沢直樹」にあやかって「明日、明後日と勝って“20倍返し”といきたい」と声を弾ませた。
右肩痛のため出場選手登録を抹消されているロッテ・西野が、早ければ今月下旬にも復帰する可能性が出てきた。
ここまでチームトップの9勝を挙げている右腕は、9日の日本ハム戦(札幌ドーム)後に痛みを訴え、翌10日に出場選手登録を抹消された。前日に検査を受けたが「意外と(症状は)軽かった。先発(ローテーション)を1回飛ばせば大丈夫じゃないか」と伊東監督。西野も「もう全然痛みはない」とし、15日にもキャッチボールを再開する。
楽天との首位攻防戦。これ以上離される訳にはいかなかった。7月に首位の楽天に5連敗。6.5差をつけられて迎えた本拠地での3連戦だ。
均衡を破ったのは5回、里崎の二塁打を足場に築いた2死三塁で、荻野貴が先制の二塁打を放った。「古谷さんが粘りの投球をしていたので、何とか先に得点を、と思っていた。いい感じでとらえられた」と荻野貴。
試合前には「大松さんから“10倍返しで行くぞ”と言われていたので、勝ててよかった」と、TBSのテレビドラマ「半沢直樹」の決めぜりふ「やられたら倍返し」をもじって気合を入れたロッテナイン。ところがお立ち台で荻野貴は、「明日、明後日と勝って“20倍返し”といきたい」とさらに上を行くことを宣言した。
伊東監督も「うちは挑戦者として向かっていくしかない。最低でも2勝はしたいと思っていた。明日につながる勝ちになった」と気合を込めていた。
ロッテの荻野貴が5回2死三塁から先制の二塁打を放った。内角高めの速球を左中間にはじき返して均衡を破った。
後半戦に入って8試合連続安打をマークするなどバットが振れている。首位楽天との直接対決で勝負強さを発揮した1番打者は「ミーティングで立花打撃コーチにしっかり打ち込んでいけと言われていた。そのイメージで打つことができた」とコメントした。
ロッテ古谷拓哉投手(32)が、見事にリベンジを果たした。
首位楽天を相手に7回無失点で5勝目。過去7年での4勝を、ローテ入りしてからのわずか2ヶ月足らずで上回った。
前回の7月4日の対戦が教訓だった。ジョーンズに2本の本塁打を許し5回途中6失点で今季唯一の黒星となった。
「今日はクリーンアップには絶対に打たれないようにした。序盤はバラバラハラハラでしたが、とにかく1球1球ていねいに。粘って投げることができた。チーム一丸で勝てたので、この勢いで逆転できるようにしたい」と、力強く言った。
ロッテの井口資仁内野手(38)が右肘痛を訴え、ベンチ入りメンバーから外れた。伊東監督は「張りがある。だいぶ疲れもたまっているし、検査も兼ねて休養させた」と説明した。38歳の井口は今季97試合に出場し、打率3割9厘、20本塁打、70打点と好成績を残している。