ロッテが今季6度目のサヨナラ勝ちで3連勝を飾った。5−5の延長10回、先頭打者の里崎が今季1号本塁打を放ち、試合を決めた。楽天は8回から救援した青山がリードを守れず、チームは6月22日以来の2連敗を喫した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | R | |
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東北楽天 | 4 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 |
千葉ロッテ | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1x | 6x |
待ちわびた今季1号はサヨナラ弾だった。ロッテ里崎智也捕手(37)は先頭の延長11回、外角144キロを右方向へかっ飛ばした。「切れるな!」。願いが通じたのか、ファウルかと思われた打球はぎりぎりでスタンドイン。右拳を突き上げてダイヤモンドを回り「やっとしびれる場面で貢献できました」。お立ち台で声を震わせた。
「奇跡が起きたとしか言えないですよ。その前のヘボイ打撃を思えば」。思い出すのは8回だ。打席は同点の1死満塁で回ってきた。しかも前打者の福浦が敬遠されて。見逃し三振で勝ち越しを逃すと、「情けない思いしかなかった」とうつむいてベンチへ戻った。だがこれで開き直った。11回は走者もいない。「読みも外れまくったし」と何も狙わず、強振だけ心掛けた結果が“奇跡弾”だった。
今季は右肩痛や右足肉離れ、肋骨骨折など度重なるケガに泣いた。だからこそ「休んでた分、苦しい時に力になりたかった」。今季23度目の逆転勝ちと、今カードでの自力優勝消滅を阻止した。15日の先発は、同い年の渡辺だ。「俊ちゃんとは長いこと一緒にファームでやってきた。明日もしっかり勝ちたい」と笑顔で締めた。
ロッテが、チーム3年ぶりのサヨナラアーチで首位楽天との差をまた一歩縮めた。5−5の延長11回。里崎が待望の今季1号で決めた。
「奇跡が起きたとしか言いようがない。それまでヘボい打撃をしていましたから」。1点を追う6回2死満塁で空振り三振、同点の8回1死満塁では見逃し三振…。11回の打席に入る前、伊東監督から「思い切りいけ!」と背中を押された。自身2度目のサヨナラ弾で、チームを今季6度目のサヨナラ勝ちに導いた。2010年8月21日のオリックス戦で大松が放って以来、3年ぶりの劇弾だ。
今季は度重なる故障で出場はわずか18試合。一振りで楽天とのゲーム差を4.5に縮めた。7月26〜28日の楽天戦は敵地で3連敗。37歳は「明日(15日)勝たないと2つ勝った意味がない」と、3タテ返しを狙う。
ブラゼルが2打点の活躍。1点を追う8回無死一、三塁から同点の右前適時打を放ち「みんなが追いつくチャンスをつくってくれたので、何とか打ちたかった」と笑顔で振り返った。1−5の5回は先頭打者として右翼席へ7号ソロ。反撃の口火を切る一発に「追い込まれていたけど、より集中して打つことができた」と胸を張った。
やっと貢献できた。地元ファンのコールに応える形で、ロッテ・里崎は帽子をスタンドに投げ入れた。延長11回。小山の1ストライクからの外角速球を右翼ポール際に運んだ今季1号。自身3年ぶり2度目のサヨナラアーチ。今季初めて、しびれた。
「奇跡が起こったとしか言いようがない。今年は休んでばかり。何とかここから貢献していきたいと思っている」。
1点を追う6回、そして同点とした直後の8回の満塁機にともに三振。「読みも外れまくって(打撃が)小さくなっていた」という。だが、最後は頭を空っぽにした。
1本の電話が折れそうな心を支えてくれた。6月28日のソフトバンク戦(QVCマリン)。本塁上のクロスプレーで負傷した。7月1日に検査を受け、「左第3肋骨骨折」との診断。里崎が伊東監督に電話を入れると「早く気づいてあげられなくて申し訳ない」との声が返ってきた。今季は右肩痛などで開幕から2軍調整が続き、1週間前の22日にようやく1軍初出場を果たした矢先のアクシデント。自ら「痛い」とは言えなかっただけに、その時から「監督を男にする」と決めた。
先発マスクはまだ16試合。「いい意味で僕は相手を知らない。ウチの投手陣の前半戦も知らないから」。過去を埋めるのではなく、今を大切にする。マスク越しの打者の反応とその日の投手の状態を見て臨機応変にリード。この日も5回以降を無失点に導いた。
今季最大タイの4点差をはね返しての逆転で3連勝。首位・楽天に連勝して4.5ゲーム差。3連勝すれば、一気に優勝争いに戻ってくる。
「(延長サヨナラ勝ちした)開幕戦を思い出した。今日の勝ちは大きい。明日(15日)も総力戦です」。今季23度目の逆転勝ちに指揮官も手応えを口にした。「逆転のロッテ」が戻ってきた。
ロッテ・伊東監督の選手をリラックスさせる秘策も実った。
この日の試合前の全体練習を「短パン」で行うことを許可。屋外のQVCマリンでの連戦が続くことを考慮、この日も最高気温34度まで上がる炎天下だった。観客の開門前に短パンで練習する本拠地限定プランに、伊東監督は「異常気象だし気分的にもいいと思う。スタッフから声が出ていた」と説明した。
勝利を信じるファンが待つ右翼席に、打球が吸い込まれた。同点の延長11回。先頭の里崎がサヨナラ弾を放った。「感触は完璧だった。監督からも『思い切りいけ』と言われていたので、強く振ることを意識した。奇跡が起きたとしか言いようがない」。4時間4分に及ぶ熱戦は、ベテランの今季1号によって終止符を打たれた。
2度の好機で凡退した汚名を、自らのバットで返上した。1点差の6回2死満塁では、空振り三振。同点に追いついた8回には、1死満塁と一打勝ち越しの好機に見逃し三振に倒れた。「情けない思いが強かった。投手陣も頑張っていたので何とかしたかった」。先発のグライシンガーが初回に4点を奪われるなど5回5失点。それでも、6回以降を無失点でしのいだ中継ぎ陣6人のためにも奮起した。
チームにとっても大きな白星だ。前夜は勝利を飾ったが、このカード残り2戦を連敗すれば自力優勝が消滅。首位・楽天には目の前でマジックを点灯される可能性もあった。「このカードで何とか2勝はしたい」と語っていた伊東監督の望み通りの連勝となった。
これで本拠地での楽天戦は6勝1敗と大きく勝ち越した。指揮官は「気合を入れすぎて、声がかれたよ。ホームで何とかしようという気持ちも強かった。いるメンバーでよくやった」と賛辞を贈った。「やっとチームに貢献できた。今年は(ケガもあり)休んでばかりだったので、これからしっかり巻き返していきたい」と里崎。これで楽天とは4.5ゲーム差。首位追撃に向け3連勝をつかみにいく。
初回に4点のビハインドを背負いながら最後はロッテが勝利を手にした。ヒーローは8番里崎。11回の先頭打者で1号サヨナラ本塁打を熱狂的ファンの待つ右翼席に運んだ。
お立ち台では声を震わせながら「監督から思いきっていけと言われた。なくすものはない」と振り抜くと最高の結果が待っていた。今季は骨折など故障に見舞われ、この日が18試合目の出場。ほとんど実績がなかっただけに本人も「貢献できてなかった。しっかり巻き返したい」とキッパリ。
これで楽天とは4.5差、残り43試合あれば逆転は十分に可能だ。頼れるベテランは「明日もしっかり勝つ」と首位3タテを誓っていた。
ロッテの先発、セス・グライシンガー投手(38)は5回8安打5失点だった。
立ち上がりで崩れた。1回先頭から連打を許すと、1死二、三塁で打席には4番ジョーンズ。内を攻めきれず、2ストライクに追い込んでから132キロの直球を大きな中犠飛とされた。さらに5番マギーに中前適時打、6番枡田に2ランを浴びて連続失点。開始早々に4点のビハインドとなった。
「初回のワインドアップ時の投球は良かったが、セットでのリズムが悪く、苦しいイニングになってしまった。セットに課題を残してしまった。今日の試合に関しては初回が全てだよ」と反省した。
ロッテが4点を追う5回に3点を返し、1点差に詰め寄った。
まずは先頭のクレイグ・ブラゼル内野手(33)が高め145キロの直球をたたき、右翼への今季7号ソロ。「追い込まれていたけど、より集中して打つことができた」と話した。
さらに四球後、無死一塁から大松尚逸内野手(31)の右中間適時二塁打と、里崎智也捕手(37)の中犠飛で2得点。8月初適時打となった大松は「打ったのはストレート。何とかしたい気持ちだけ。とにかく気持ちだけだよ。楽天には仙台でやられているから、千葉ではやり返さないとね」と話した。
ロッテは14日、事前にチャリティーオークションで希望者を募った、野球少年がプロ野球の仕事に携われる1日体験イベントを行った。
体験したのは9歳の行木悠祐(なめき・ゆうすけ)くん。井口資仁内野手(38)とキャッチボールやベースランニングを行ったほか、先発メンバーのアナウンスやボールボーイも任された。「井口選手にボールの投げ方を教えてもらいました。この投げ方でこれから頑張りたいと思います」と嬉しそうに話した。
落札額は11万1円。収益は日本赤十字社千葉県支部に全額寄付される。
サブマリンのロッテ・渡辺が、右肩痛で出場選手登録を抹消された西野の代役として、15日の楽天戦(QVCマリン)に先発する。登板は4月20日以来、約4ヶ月ぶり。36歳は14日、「新鮮な気持ちでマウンドに上がれると思う。(1軍に)必要とされたときに力になれるように、準備をしてきた」と今季初勝利に意欲を見せた。