ロッテが快勝した。グライシンガーが6回無失点で4勝目を挙げた。打線は1回に井口の適時打などで2点を先制し、2回に暴投、3回には里崎の適時打で1点ずつを加えた。西武は先発した涌井が乱調で、3連勝を逃した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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埼玉西武 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
千葉ロッテ | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | x | 4 |
ロッテが首位楽天に3.5ゲーム差に迫った。1回、2者連続四球で無死一、二塁として井口資仁内野手(38)の適時打などで2点を先制。2回は四球、犠打など無安打で1点を追加した。四球を選び、足を絡めてミスを突く伊東ロッテらしい展開で西武に快勝。投手陣も散発5安打の無失点リレーを見せた。8月は全5カードで勝ち越し中。天王山と位置付ける、23日からの楽天戦に向けて勢いづく一戦となった。
ロッテが単打1本で3点を奪った。1回、四球を選んだ荻野貴司外野手(27)は、2番根元の5球目で迷わずスタート。今季17個目の盗塁でチャンスメークすると、再び四球で一、二塁。続く井口が「ボール球に手を出さないよう気を付けたよ」と外角143キロを右前へ流し、1アウトも取られないまま先取点をもぎ取った。2回にはまたも四球で出た鈴木が捕逸、犠打、暴投とバッテリーのミスをついて生還。無安打で3点目を挙げた。
スモールベースボールで快勝した。シーズン前半、首位を独走していた頃は、粘って粘って四球をもらっていた。この日は2回までに5四球。伊東監督は「涌井の自滅みたいなもん」と言ったが、里崎はきっちり犠打を決め、岡田も投手交代直後に盗塁を成功させた。打線はこの1試合で4盗塁。点に直結しなくとも、西武投手陣にボディーブローのようにプレッシャーを与えた。
根元の復活も大きかった。開幕からマリンガン打線をけん引してきたリードオフマン。7月25日の西武戦後に左太もも裏痛を訴えて離脱したが、2番二塁で戦線復帰した。不在の約1ヶ月間、1軍の試合を全てチェックしていたと言い、「チームのいい流れに乗せてもらおうと思った」と2打席連続四球出塁。1回に井口の右前打で三塁まで激走し、2点目のホームを踏むと、2回には3点目となる小石の暴投を誘った。
ロッテにとっては今週の6連戦が優勝を占う天王山だ。8月に入り、西武以外の4球団から全5カードで勝ち越してきた。この3連戦で楽天とゲーム差を縮めれば、23日からのKスタ宮城で首位攻防戦を繰り広げることも可能となる。7月まで5勝8敗と分が悪かった西武戦。井口は「落とせる試合は1つもない。大事な初戦で流れをつくれて良かった」と言った。3連勝なら勝率は五分。今こそ苦手を払拭する時だ。
先発のグライシンガーが6回3安打無失点と好投し、チームの貯金が7月4日以来の2桁に達した。伊東監督は「自分のペースで投げて、いいリズムをつくってくれた」とねぎらった。3連戦の初戦を制し、6カード連続勝ち越しに前進。23日からの楽天との直接対決に向け歩みを止めるつもりはない。グライシンガーは「しっかり準備したい。いい形で楽天戦に臨めたらいい」とチームの思いを代弁した。
ロッテ・井口らしい右打ちでチームを乗せた。初回無死一、二塁から決勝の右前適時打。痛めている右肘は万全ではない。強引に引っ張れば痛みが出る中、外角の直球を逆らわずにはじき返した。「いい形で点が取れて良かった。残りの試合は全部大事。特にこの6連戦はヤマになる」。
この日から負傷離脱していた根元、サブローが復帰。西武、楽天と続く6連戦は逆転優勝への正念場だ。井口も右肘の痛みが限界だった13日からの楽天3連戦こそ欠場したが、4回にも左前打と上り調子。首位・楽天に3.5ゲーム差と詰め寄り、気持ちも高まる。
先発のグライシンガーも6回3安打無失点で4勝目。伊東監督は「次回は中4日でいくので、球数を抑えていけたのは大収穫」と喜んだ。
不調で6月29日に出場選手登録を外れたロッテのエース成瀬が、約1ヶ月半ぶりに投球練習を再開した。
2軍でスタミナ強化中の左腕はロッテ浦和のブルペンで15球。24日の白鴎大か25日の法大との練習試合(いずれもロッテ浦和)で実戦復帰を予定しており、順調なら9月上旬に1軍復帰する。伊東監督は「朗報です。投手陣がバテてきているので戻って来てくれたら助かる」と話した。
最大のピンチを乗り切り、役割を全うした。4点リードの6回。グライシンガーが3四死球を与え2死満塁のピンチを招くも、大崎を空振り三振に仕留めた。「低めに球を集められて、今日は投球も内容もよかった」と、6回3安打無失点でつかんだ今季4勝目に、笑みを浮かべた。
首脳陣の期待にしっかりと応えた。登板前から、次戦は25日の楽天戦(Kスタ)に中4日で臨むことが決まっていた。斉藤投手コーチも「100球以内でうまくいってくれたら」と話していた。終始ストライクを先行させたことで、6回を82球に抑えた。
チームは5カード連続で勝ち越し中。大事な初戦をものにして「いい形で次に臨めると思う。しっかり調整したい」とグライシンガー。次戦も万全の状態で臨める助っ人右腕の存在が、首位追撃に向けて大きな収穫となった。
ロッテの井口が1回に先制打を放った。荻野貴、根元の連続四球で迎えた無死一、二塁で外角球を引っ張らず右前に運んだ。「うまく逆らわずに打つことができた」と振り返った。
右肘痛で欠場が続いた時期もあったがこれで3試合連続安打。9日以来の適時打も記録したベテランは「初回にいい流れがつくれて良かった」と話した。
ロッテが里崎智也捕手(37)の適時打で4点目を挙げた。
3点リードの3回2死一、二塁で、外角低め145キロの直球を中前へはじき返した。2試合連続の適時打で「フルカウントだったので、大振りせずにコンパクトにはじき返すイメージでした。前回立ち上がりに失点したセス(グライシンガー)が、いい立ち上がりでリズムをつくってくれたからね。今日はセスに勝たせてあげたい。しっかり守っていきたいです」と先発のグライシンガーを援護した。
ロッテ井口資仁内野手(38)が先制適時打を放った。
2連続四球で無死一、二塁と好機を広げた1回、143キロの直球を右前へ流し打った。「前の2人が四球で出ていたから、ボール球には手を出さないように心掛けたよ。追い込まれていたけど、外のボールをうまく逆らわずに打つことができた。今日から大事な6連戦。最初の試合の初回にいい流れがつくれて良かったよ」と話した。
ロッテは四球、暴投、捕逸など西武バッテリーのミスをつき、2回までに3点を奪った。
右肩痛で戦列を離れているロッテの西野勇士投手(22)が23日の楽天戦で先発復帰する見通しとなった。斉藤明雄投手コーチ(58)が20日、明らかにした。
3連戦の初戦で21連勝中の田中との投げ合いが予想される。チーム最多の9勝を挙げている右腕は「相手はエースで来ると思う。それで頭を取れたら勢いが出る」と意気込んだ。
すでに投球練習も再開しており「(右肩は)大丈夫です」と表情は明るかった。
ロッテの斉藤明雄投手コーチ(58)は20日、2軍で再調整中の成瀬善久投手(27)が9月上旬にも1軍に復帰する見通しであることを明らかにした。
成瀬は6月29日に出場選手登録を外れた後、走り込みなどに重点を置いて実戦登板がなかったが、8月24日の白鴎大か、25日の法大との交流試合で30〜40球程度を投げて実戦復帰することになった。
ファームで計2試合に登板して問題がなければ1軍に戻る予定。同コーチは「早めに帰ってくる可能性が出てきた」と話した。