わたしはかもめ2013年鴎の便り(9月)

便

9月16日

今江1軍復帰へ、4番復帰でラストスパートだ[スポニチ]

右足関節捻挫で離脱していたロッテの今江が、17日のオリックス戦(QVCマリン)で1軍復帰する。

7日に出場選手登録を外れたが、13日から2軍で実戦出場。西武戦が台風の影響で中止となった伊東監督は「上(優勝)を狙っていく」と話した。3位・ソフトバンクが0.5ゲーム差に接近したが4番打者の復帰でラストスパートをかける。

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新ポスティング案浮上、マー君メジャー3球団から選べる[スポニチ]

ポスティング・システム(入札制度)の新制度が11月から導入される可能性があることが15日(日本時間16日)、分かった。米紙によると、入札額の上位3球団から選手が交渉球団を選べる案が有力だという。現在は「日米間選手契約に関する協定」が失効しており、新制度策定へ日米が協議中。実現すれば、選手の球団選択の幅が広がるなど利点は多い。今オフにもメジャー移籍の可能性がある楽天・田中将大投手(24)らにも朗報だ。

ニューヨークの地元ニューズデー紙が、関係者の話として報じた大リーグ側の改革案は「(議題に挙がっている1つの提案として)入札額の上位3球団から選手が希望する1球団と交渉できる」というものだった。早ければ11月から採用され、「楽天の田中がその恩恵を受けることになりそうだ。従来のものよりも選手に有利とみられている」としている。

昨年までは入札最高額を投じた1球団に独占交渉権が与えられた。しかも日本の所属球団がその金額を受諾するまで球団名すら明かされなかった。ところが、改革案ならばシーズン終了後に入札制度の利用を所属球団に了承されれば、申請後は選手の意思が大きく反映される。3球団とはいえ、日本人選手の受け入れ態勢、本拠地の住環境などを総合的に判断した上で、交渉に入ることができる。

条件交渉も有利に働く。06年オフの松坂大輔(現メッツ)、11年オフのダルビッシュ(レンジャーズ)は約5000万ドル(約50億円)の法外な入札額の後、年俸など契約への投資が抑制される傾向にあった。しかし、3球団からの選択であれば、資金力のある球団を見定めることも可能だ。

大リーグ側にもメリットはある。選手に興味のない球団による妨害目的の入札を避けられる。法外な入札額を理由に参加できなかった球団も、獲得に乗り出しやすい環境となる。松坂やダルビッシュの入札に参加した球団は5球団前後だったが、新制度が導入されれば、10球団以上の参加が見込まれる。

一方で問題もある。大リーグ関係者は「ヤンキース、レッドソックスや、ドジャースなど西海岸の球団に有利に働く」と一部球団に偏る可能性を指摘する。さらに選手自身が交渉球団を逆指名できることから、日本の所属球団は高額入札した球団があっても、低い落札額を受け入れなければならない危険性も抱える。

今オフにもメジャー移籍の可能性がある田中についてスカウトは登板ごとに視察している。ア・リーグのスカウトは「ヤンキース、レンジャーズ、ドジャースは熱心だが、ほぼ30球団が調査を行っている」と話す。

昨年、大リーグ機構(MLB)が同システムを含む「日米間選手契約に関する協定」を破棄。現在は新制度導入へ、日米間で協議を進めている。ニューズデー紙は大リーグ機構、キム・アング副社長の「NPB(日本野球機構)とは長い間、話し合いを行っている。今後も様々なシナリオを考えながら協議していく」とのコメントを紹介した。早急な決着が迫られている。

ポスティング・システム(入札制度)
日本の所属球団が大リーグ挑戦を容認すれば、海外フリーエージェント(FA)権を持たない選手でも移籍が可能となる制度。大リーグ機構から公示された日本選手に対し、大リーグの獲得希望球団が入札。最高入札額を日本の所属球団が受諾すれば30日間の独占交渉権が発生する。1997年オフに伊良部秀輝(当時ロッテ)が強引にヤンキースと契約した経緯から、日本選手獲得の機会均等を求めた大リーグ機構側の要望もあって日米間選手契約に関する協定で定められた。だが、入札額1位(落札球団)と2位の金額に開きがあるケースが多発。落札球団には高い金額を払い過ぎたという意識があり、制度の見直しを求める声が出た。

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選手会の松原事務局長望む、選手の意思反映を[スポニチ]

米国の報道を受け、労組日本プロ野球選手会の松原徹事務局長は「なるべく選手の意思が反映されるような制度になって欲しい」とコメントした。

すでにNPB側は10月中の新制度確立を目指し、MLB側と協議を再開しているが、NPB関係者は「相手のことがある交渉事なので(途中経過の)内容は明らかにできない」と説明。島田利正国際関係委員長(日本ハム球団代表)も「(新制度の内容についてはまだ何も)聞いていません」とした。

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[千葉魂]古谷、妻と二人三脚の修正法、リビングでキャッチボール[千葉日報]

「明日も投げます」。古谷拓哉投手(32)が首脳陣に直訴した。先発をした8日の西武戦(QVCマリン)は2回を投げ終わった直後に雨が激しくなり雨天中止。予備日として設定していた翌9日月曜に試合が順延となった。首脳陣はすでに50球を投げている古谷を無理に連投はさせず、別の投手で切り抜ける作戦を進めようとしていた。その矢先、雰囲気から、その流れを察した古谷が自ら頭を下げた。

「悔しくてどうしても自分の手でなんとかしたかった。コーチの方が『どうするか?』と意思確認に来て下されば、『行きます』と言うつもりでした。しかし、なかなか聞かれなかったので、これは自分の口から意志を伝えなくてはいけないと思い、『投げさせてください』とお願いしたんです」。

左肩の違和感を訴え、8月24日を最後に1軍から離れた。誰よりも迷惑をかけたという思いが強かった。そして巡ってきた8日の復帰登板。結果は2回を投げて4失点と散々だった。西武打線に簡単に連打を食らった。「しっかり調整する時間をもらっていたので、怪我明けの復帰初戦からしっかり投げたかったのにそれができなかった。悔しくて…」。

ベンチでうな垂れていると、雨が強くなった。30分の中断の後、雨天中止が決定した。試合は翌日に順延。幸いにもこの日の2回、4失点という成績は記録からは消えた。普段の古谷なら、連投を直訴するタイプではない。そのように私は思う。だが、この日は血走るような目で訴えた。そしてその心意気を指揮官は買った。練り上げていた作戦を急遽変更。連投が決定した。

「周りからも言われましたね。『本当に自分からお願いしたの?』って。確かに自分で考えてもいつもの自分だったら、そんな行動には出なかったかもしれません。でも、あの時の悔しさは尋常ではなかった。ここで受身になって行動に移さなければ後で後悔すると思ったのです。その思いしかなかった」。

ここからの古谷のリベンジに向けた準備は凄かった。時間にして残されているのはもう24時間もない。その中で可能な限りのピッチングの修正に取り組んだ。捕手の里崎と反省会を行うと、スコアラーからも意見を求めた。そして、この日のピッチング映像のDVDを自宅に持ち帰った。

自宅に戻ると連投をすることになった経緯とその時の自分の想いを彩香夫人に伝えた。妻は優しく頷くと夫の決断を応援してくれた。そしてリビングの机と椅子を移動させ、自宅での2人だけの反省会が始まった。映像を見ながら柔らかいゴムボールを古谷が投げる。それを夫人がキャッチする。その繰り返し。納得いくまで続いた。途中、アドバイスを求めた。「今のどうだった?」。彩香夫人が遠慮気味に答える。「ちょっとボールの出どころが見えにくくなってよくなった気はする」。夫婦のキャッチボールは古谷が納得できるまで延々と続いた。すでに日付は変わっていた。

「あの日は悔しくてあまり寝ていませんね。ずっとリベンジに向けた準備をしていた。実は今年から嫁には、よく手伝ってもらっています。家のリビングでキャッチボールをしてもらっている。1人で反省するのではなくて誰かに聞いてもらいながら意見を聞きながら行うと安心するというか、納得できるものがある。嫁も、もちろん野球の事は詳しくないので、あまり言いたがりませんけど、自分はとても気持ち的に楽になります。今年の自分には必要不可欠な準備作業になっています」。

翌9日、リベンジのマウンドで古谷は結果を出した。前夜、自宅のリビングで取り組んだ特訓の成果が功を奏してのリズムのいい安定した投球を披露し、勝利投手となった。2日で148球。魂のこもった投げっぷりだった。今季ここまで12試合に登板をして7勝1敗。防御率2.42。後半戦、チームの大黒柱ともいえる活躍をしている背景には社会人時代に出会った彩香夫人の内助の功がある。これからもリビングでのキャッチボールは続くだろう。夫婦の力を合わせて、マウンドに向かう。家族の想いも乗せてボールを投げる。古谷家の必死の日々は続く。

(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)

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