ロッテは1回、ソフトバンクの摂津を攻め、サブローの3点二塁打など打者13人で一挙7点。一時3点差まで迫られたが、着実に加点して突き放し、連敗を3で止めた。エースが1回で降板のソフトバンクは、反撃も継投にかわされた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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福岡ソフトバンク | 0 | 1 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 5 |
千葉ロッテ | 7 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 4 | x | 14 |
クライマックスシリーズ(CS)進出を目指し、ロッテが一丸となった。ベテランのサブロー外野手(37)が先陣を切る。1回2死満塁から走者一掃の左中間二塁打を放つと打線に火が付いた。打者13人で7点を奪ってエース摂津をKO。結局14安打14得点で2位を争うソフトバンクを粉砕した。本拠地開催権を得られる2位を確保するために、重要な3連戦の初戦を快勝した。
サブローは強い気持ちで打席に入った。1回2死満塁。「この3連戦で順位が決まってしまうくらいの気持ちだったから、1点でも欲しかった」と。その思いをバットに乗せる。カウント3ボール1ストライク。マウンドはエース摂津だ。外角高めだったが「真っ直ぐを狙っていたから、うまくかぶせることができた」という打球は左中間の真ん中を破り、走者を一掃する先制二塁打となった。
ソフトバンクとの2位争いを控えた19日の練習では、伊東監督がナインを前に「ここまで積み上げてきたものを、ここでつぶす訳にはいかない」と鼓舞していた。「何度も死にそうになったシーズン。この3連戦の持つ意味は言わなくても分かっている」と、選手を信じて臨んでいた。6月28日の逆転負けが脳裏にこびりついている。先発の摂津から5点を先制しながら10点を奪われた。しかも完投まで許した。「あと1点が取れなかった。今日はいい取り方ができた」と中押し、ダメ押しの理想的な展開を喜んだ。
サブローは7月31日から8月19日まで、右手中指の負傷で2軍で調整をしていた。しかし、この終盤にきて10試合連続でスタメン出場をしている。「ベテランに期待しているのを意気に感じる。監督がいう束になってかかって行けという試合が今日はできた」と言う。1回は13人、8回は9人の猛攻だった。
監督、ベテラン、若手…。この一丸を呼んだのが引退を決めた小野晋吾投手(38)の存在だった。前日(20日)の練習で正式に挨拶をした。サブローは「強いときも弱いときも19年ずっと一緒だった。かっこいい花道を飾らせてあげるためにも早くCS進出を決めたい」と言う。この言葉はナインも同じで、最終盤のスパートを生みそうだ。
ロッテのサブローが初回2死満塁から走者一掃の先制二塁打。打者13人で一挙7点の猛攻を呼び込み、2位を激しく争うソフトバンクに大勝した。
同じ高卒でプロ入りした1歳上の小野が19日に引退を表明し「早く順位を決めて晋吾さん(小野)の花道をいい形でつくってあげたい」とサブロー。順位が確定していれば本拠地最終戦の10月6日、オリックス戦が小野の引退試合となるプランがあるだけに、一丸となって2位を死守する。
パ・リーグ2位のロッテは21日、ソフトバンク22回戦(QVCマリン)に14−5で快勝した。2位と3位とが対戦するクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(10月12日から)の前哨戦ともいえる3連戦の初戦で、サブロー外野手(37)が走者一掃の先制適時二塁打を放つなど、ソフトバンク・摂津正投手(31)から7点を奪ってKO。鷹に大きなダメージを与えた。
2位へ、そしてCSでの再戦へ−。大きな勝利だ。鷹のエース、摂津をボッコボコ。1回7失点でKOした。
「相手はエースで、なかなか点は入らないと予想していた。あそこで点を取らなかったら(展開は)違っていた。1番いい打球がいった」。
火をつけたのはサブローだ。1回2死満塁で、138キロの直球を狙い澄ましてジャストミート。鋭い打球が左中間を真っ二つに破り、走者一掃の適時二塁打となった。この一打から5連打。荻野貴の押し出し死球もあって、なんと大量7点を奪い、この回で摂津をKOした。
「大げさに言えば、ここで順位が決まるぐらいの試合だと思う」とサブロー。摂津との対戦には因縁があった。6月28日のQVCマリン。2回に5点を奪いながら逆転負け。3回以降はわずか3安打と立ち直られ、完投を許した。
楽天の優勝が近づき、CSファーストステージでの対戦の可能性が高い。苦手ではないが勝てない…では、短期決戦へ不安を残す。それだけに大きなKOだった。
「滅多に大量点は取れないのに。サブローが打って、一気にノって行けた。中押し、ダメ押しもできて、いい点の取り方ができた」。
伊東監督も満足げ。チームが一丸になる理由は、下克上への思いだけではない。現役引退を決めた小野の引退登板を実現するために、早く2位を確定させる決意だ。
ロッテの伊東監督、林球団本部長、松本編成統括、永野チーフスカウトが21日、ソフトバンク戦後に緊急のドラフト戦略会議を行った。伊東監督が出席するのは初めてで、神奈川・桐光学園高の松井裕樹投手(3年)ら約20人の映像をチェック。会議は2時間半に及び、終了後に伊東監督は「松井!松井!松井!」と連呼して帰路についた。
ロッテは1回、サブローが価値ある一打を放った。無死二、三塁から井口、今江が2者連続で凡退したものの、続く角中が四球を選び、満塁のチャンス。ここでベテランは、左中間へ強烈な二塁打で走者3人を迎え入れた。「何とか1点が欲しかった。いい感じに打てた」と振り返った。
勢いづいた打線は一気に7点を奪い、この回限りで摂津をマウンドから降ろした。2位を争うソフトバンクに大勝し、伊東監督は「ベテランらしい打撃。打ってくれてベンチも乗っていった」と笑み。サブローも「(この3連戦は)ここで順位が決まってしまうぐらいの重要なゲーム。明日も勝ちます」と宣言した。
ロッテは1回2死満塁からサブロー外野手(37)が、左中間を破る走者一掃の先制二塁打を放った。「これからは全て負けられない試合だけど、特にホークスには今後のことも考えると絶対に負けられない。その意味でも、初回に大きな先制パンチを与えられたのは良かった」とコメントした。
「ベースボールオペレーション」と「ベースボールビジネス」−。
こんな用語が飛び交うようになったのは、2007年に根来前コミッショナーが退任する前後からだった。コミッショナーと日本野球機構(NPB)は統括組織としてシーズンの運営をする(オペレーション)のか、収益を拡大する(ビジネス)のか、という議論だ。当時からパ・リーグの球団や日本プロ野球選手会は「コミッショナーはCEO(最高経営責任者)であるべきだ」という主張をしていた。
しかし実際に、NPBが自由にビジネスをするには、権限が狭すぎた。たとえば楽天・田中と同学年の1988年生まれが大学4年だった10年のドラフトを前に田中、巨人・坂本、広島・前田健をモデルにした「俺世代、こい。」というポスターが作られた。このポスターを作ったのは、スポンサー(当時)の東芝で、NPBではなかった。12球団の特定の選手について、NPBが単独で肖像を使用できなかったためだ。
レギュラーシーズン、CSの放映権料やスポンサー料、肖像使用もすべて球団で、収益はオールスターと日本シリーズが中心。「侍ジャパン」もまだ軌道に乗ったとはいえない。「CEO型コミッショナー」を招くには、組織面でも制度面でも難題が多すぎる。
27日に予定される、統一球問題の第三者委員会の報告は、相当厳しい内容が予想される。仕様の変更を公表しなかった下田邦夫事務局長の引責は避けられまい。NPBはトップとナンバー2を失うことになる。早期の後任決定にこだわる必要はない。球界の番人としてのコミッショナーと、実務型のナンバー2とをじっくり選ぶことから、NPBの再生は始まると考えるべきだ。