ロッテが延長戦で楽天を振り切った。0−0の7回1死一、三塁から代打ブラゼルの投ゴロの間に先制。9回に追い付かれたが、延長10回にブラゼルの勝ち越しソロと根元の2点適時打で3点を奪った。楽天は好機であと1本が出ず、9回1失点の則本を援護できなかった。9回にジョーンズが同点ソロを放ったが、直後に救援陣が崩れた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 3 | 4 |
東北楽天 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 |
ロッテがやり返した。1−1の延長10回、クレイグ・ブラゼル内野手(33)が、右翼ポール際に勝ち越しのソロ本塁打を放った。ファーストステージ3試合では9打数1安打と不振で、前日の初戦は出番がなかったが、代打で先制点をたたき出した7回に続く2打席連続の打点。伊東勤監督(51)の起用が的中した。楽天のリーグ優勝のアドバンテージを含めてロッテは対戦成績を1勝2敗とした。
勝負師の勘で接戦をものにした。互いに無得点の7回1死一、三塁。ロッテ伊東監督は代打に巧打の福浦ではなく、ファーストステージで不振だったブラゼルを送った。楽天則本の速球に空振り三振の可能性も高かったが「昨日の打撃練習からよかった。フォークがキレる縦変化の投手じゃないしね」と抜てき。投手強襲ゴロで先制に成功した。
延長10回では、左腕の金刃に対しても左打ちのブラゼルを代えなかった。「1発でゲームが決まるような展開では必要な選手。向こうの外国人が打って『おれも』と思ったはず」。結果は勝ち越しの右越えソロ。9回裏に本塁打した楽天ジョーンズに負けじと豪快な1発を放り込んだ。清田に指示したバスターもはまり、一気に3点を追加した。
継投のタイミングもさえた。6回まで4安打無失点と好投したグライシンガーを、この回限りでスパッと下げた。Kスタ宮城で3タテを食らった8月25日、6回までの無失点から一転して7回に4失点と炎上していた。「6回に先頭を出してひやっとしたけど、よく抑えてくれた。成瀬と左右のエースが戻ってきてくれて助かった」。9月12日以来の1軍登板も、最高のパフォーマンスを発揮した。
9回は守護神益田ではなく、シーズン終盤から“楽天戦限定クローザー”に指名した内を投入。2回で被本塁打2と、ここだけは予定通りにいかなかったが、「誰だって最後は1番難しい。このシリーズはこのまま後ろで使う」と勝利の方程式を徹底していく。
前日に田中に完封され、相手のアドバンテージ1勝を加えて0勝2敗からのスタート。だが田中と2本柱の15勝則本を撃破した。「十分エース格と言える投手をここまで苦しめた。これで明日から落ち着いていける」と伊東監督。第3戦からは古谷、松永、唐川とファーストステージで投げた先発陣が控え、投手の充実感では楽天を上回る。勝ち数では劣るが、精神的優位に立った。
ロッテは延長10回、ブラゼルが決勝本塁打。プレーオフ、CSの延長戦は12年ファイナルS第3戦の中日−巨人以来で10試合目。ロッテは、05年2S3戦●、10年1S第1戦○、同年1S第2戦○、13年ファイナルS第2戦○と、延長戦で最多の3勝目。延長戦のVアーチは、10年1S第1戦の11回に福浦(ロッテ)が打って以来3年ぶり2人目。10年は延長戦の連勝から波に乗り、レギュラーシーズン3位から日本一。今年はどうか。
パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第2戦(6回戦制)は18日、Kスタ宮城で行われ、ロッテが延長10回の末、4−2で勝利。クレイグ・ブラゼル内野手(33)が10回に決勝ソロ本塁打を放ち、下克上アゲインへ貴重な1勝をもたらした。対戦成績は楽天の2勝1敗(楽天のアドバンテージ1勝を含む)となった。
右翼席のロッテファンへ高々と右手を挙げた。同点とされ延長戦に突入した10回、先頭のブラゼルが左腕・金刃のスライダーをジャストミート。勝負を決める一撃が右翼ポール際に突き刺さった。
「プレーオフで本塁打を打つのは難しいが、いい場面で打てた。気持ちいい、感触のいい本塁打だった」。
7回には1死一、三塁でサブローの代打に起用され、則本のグラブを弾く投ゴロの間に、三走の井口が生還。楽天戦16イニング目で待望の先制点をもたらした。
レギュラーシーズンの11本塁打は全て右投手から。打率は右投手は.290も、左投手は.133で4安打しかない。それでも伊東監督は「(7回に)唯一の打点を挙げたツキもあったので、そのままいかせました」と左腕相手でも打席に向かわせ、采配がズバリ的中した。
6月に加入した当初は打ちまくったものの、徐々に打撃は降下。終盤はベンチを温めることも増え、CSに入ってからも、ここ3試合はスタメンから外れていた。それでも腐ることはなく、グラウンドや、ベンチ裏で伊東監督と談笑する姿がよく見られた。
指揮官は「なかなか結果が出なかったので、フラストレーションがたまっていたと思うけど、そういうところを見せないから偉いよな。人柄は申し分ないし、自分の立場をよく分かってくれている」と脱帽した。
ブラ砲は「準備をしっかりして、競った試合で、自分がどこで使われるのかと気持ちをしっかり持っていた。状況を見ながら、試合に臨んでいた」と分厚い胸を突き出した。
マー君に零封負けし、初戦を落としたショックをあっさり払拭。リーグ3位から日本一に駆け上がった2010年の再現へ。下克上アゲインがかつての本拠地・仙台から再び始まる。
ロッテ・伊東監督は遠征先では、午前8時ごろからランニングを行っている。18日は宿舎から約1.5キロ離れた東北大学まで走り「サラリーマンの人とかに『頑張ってください』と握手を求められたよ」と喜んだ。また前日17日は、昼食をとろうと、仙台駅の地下街を歩いていると30代の女性に「私、仙台なんですけど、ロッテファンなんです」と声をかけられたという。仙台は楽天の本拠地だが、伊東人気もなかなかのものだ。
ブラゼルの一発で勝ち越した後の10回1死二、三塁から、根元が中前へ2点ダメ押し打。今ステージでの初安打が楽天の息の根を止める一打となり「重圧はありませんでしたけど、いいところで1本出てホッとしました」と笑顔が弾けた。1回のバント処理で一塁ベースに入った際、打者走者の藤田と交錯して落球(失策)。この時に右目のコンタクトレンズが吹き飛ぶアクシデントもあり、“大当たり”だった!?
終盤にもつれたものの、先発で6回を88球、4安打無失点に抑えたグライシンガーの好投が光った。右肩に不安を抱え、9月12日の楽天戦(QVCマリン)以来の登板となったが、「要所を締めることができた。久しぶりで不安はあったが、自分の投球はできたと思う」と納得の表情。斉藤投手コーチも「145キロ出ていたし、力もあった。肩の問題はあるが、状態次第では中3日でも行ってもらう」と最終第6戦をにらんでいた。
パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(6試合制)第2戦は18日、ロッテが楽天に雪辱した。延長10回、クレイグ・ブラゼル内野手(33)が右越えに決勝ソロ。途中出場で7回に先制打を放った助っ人が、王手をかけられる危機を救った。セでは同じ3位の広島が巨人に3連敗。10年に3位から日本一になった本家・下克上軍団は粘り強さが違う。
嫌な流れを全て振り払う一発だった。同点とされた直後の延長10回。先頭打者のブラゼルが楽天2番手の左腕・金刃の外角高めのカットボールを振り抜いた。打球は右翼ポール際に弾丸ライナーで飛び込む。一振りで勝負を決めた。
「フェンスを越えるのは確実だと思った。いい場面で打てた。やっとチームに貢献できて、嬉しい、の一言」。
今季7月9日から途中加入した助っ人は11本塁打をマークしたが、全て右投手からだった。左腕には打率.133で0本塁打。絶対に負けられない一戦で、今年初めて左腕を完璧に攻略した。
伏線は0−0の7回1死一、三塁。そこまで2打席連続で空振り三振だったサブローの代打で登場したブラゼルは、楽天先発・則本のスライダーをしっかり捉えた。ピッチャー強襲。則本が打球をはじく間(記録は投ゴロ)に三塁走者の井口が生還して、待望の先取点をもたらした。「昨日の打撃練習もよかった。(則本に)落ちる球が少なかったからね」とは伊東監督。フォークやチェンジアップなど縦に落ちる変化球を苦手にしているブラゼルだがスライダーなど横の変化球なら対応できるという指揮官の見立てだった。
左腕・金刃がマウンドに上がった10回も、右打者を代打で起用する選択肢も十分にあった。それでも、指揮官は「先制点を挙げたツキもあったから」とそのまま打席に送った。そして値千金の決勝弾。「いい集中力だった。終盤に一発で決まる場面で、彼はチームに必要な存在」と上機嫌で振り返った。
西武とのファーストSは4三振を含む9打数1安打。前日の第1戦は出場機会さえ与えられなかったブラゼルは「監督や仲間がいつも楽しんでやろうというやりやすい空気をつくってくれる。だから、準備を怠らないようにしていたんだ」と表情を崩した。
楽天の2本柱の一角が登板した一戦をものにした。「緊張感のある試合だった。明日から落ち着いて試合ができる」と伊東監督。セ・リーグ3位の広島は敗れたが、「下克上アゲイン」を目論むパ・リーグ3位のロッテの灯はまだまだ消えそうにない。
ロッテが延長戦を制し1勝2敗とした。ロッテのプレーオフ、CSでの延長戦を見ると
敵地で3連勝としぶとい。この日はブラゼルが勝ち越し弾。PO、CSの延長決勝本塁打は10年第1S(1)の福浦(ロ)以来2人目となった。また、自身のCS本塁打は阪神時代の10年ファーストS(1)以来2本目。PO、CSの両リーグ本塁打は和田(西、中)、小笠原(日、巨)、サブロー(ロ、巨)、西岡(ロ、神)に次ぎ5人目で外国人はブラゼルが初めて。
ロッテ先発のグライシンガーが6回を4安打無失点の好投で試合をつくった。
右肩痛の影響で9月12日の楽天戦(QVCマリン)以来のマウンドだったが、最速も147キロを計測。「チェンジアップで緩急をつくれた。相手のタイミングを外すことができた」と胸を張った。次戦は日本シリーズ第1戦に待機が予想され、古巣の巨人相手に「投げられればいいね」。伊東監督も「今年一番の切れ。バッテリーの勝利だ」と評した。
ロッテは今江の守備でのビッグプレーが相手の勢いを止めた。
初回1死二、三塁でジョーンズの打球は三塁線をライナーで襲ったが、素早く反応して好捕し、すぐさま飛び出していた三走・岡島にタッチ。併殺でピンチを切り抜けた。「三塁線を詰めていなかったが、想定はしていた。うまく反応できた」としてやったりの様子。打っても2安打の4番は「シーズン後半からいい形で打撃ができている」と話した。
シーズン3位のロッテが延長10回、ブラゼルの勝ち越しソロなどで3点を挙げ、楽天から今シリーズ初勝利を挙げた。先発・グライシンガーが6回まで無失点に抑え試合を作り、内が9回にジョーンズに一発を浴び同点に追いつかれる嫌な流れから、総力戦で白星をつかんだ。「下克上アゲイン」に向けて、弾みのつく白星となった。
一振りで、興奮冷めやらぬ敵地をシーンとさせた。ブラゼルを奮い立たせたのは、スラッガーの本能だった。
「同じホームランバッターとして、自分の心の中にも燃えるものがあった」。9回にジョーンズのソロで追いつかれ、迎えた延長10回無死。右翼ポール際に勝ち越しソロをたたき込んだ。顔は紅潮していた。
Kスタでは今季2勝10敗。苦手意識にさいなまれるナインの中で、孤軍奮闘した。両軍無得点の7回1死一、三塁、サブローの代打で登場。則本のグラブをはじく強烈な打球を放ち、待望の先制点を生み出した。「何とか犠牲フライでも、という気持ちだった」。膠着状態の試合を動かし最後はV弾。鬼門で2打点を挙げチームを救った。
この破壊力が欲しかった。チームの長打力不足を感じていた伊東監督はシーズン序盤、球団に直談判した。「一発で試合を決められるような選手を取ってください」。指揮官の強い要望にフロントが応え、6月下旬に緊急補強したのが、ブラゼルだった。
自らの“肝いり”で獲得した助っ人砲が試合を決め、伊東監督は「一発で決まるゲームでチームに必要な存在。向こうの外国人が打って、『オレも』という気持ちだったと思う」と何度もうなずいた。
1勝2敗とし「下克上アゲイン」へ望みをつないだ。「明日もチーム一丸となって戦っていきたい」とブラ砲。楽天撃破へ、弾みをつけた。
シーズン3位のロッテが延長10回、ブラゼルの勝ち越しソロなどで3点を挙げ、楽天から今シリーズ初勝利を挙げた。先発・グライシンガーが6回まで無失点に抑え試合を作り、内が9回にジョーンズに一発を浴び同点に追いつかれる嫌な流れから、総力戦で白星をつかんだ。「下克上アゲイン」に向けて、弾みのつく白星となった。
頼れる助っ人がロッテを救った。先発グライシンガーは6回4安打無失点。楽天に傾きかけていた流れを止める快投で、自分自身の来季残留も決定的にした。「要所、要所を抑えて、自分の投球は出来た」。チームに貴重な1勝を呼び込み、満足感を漂わせた。
右肩痛のために9月15日に出場選手登録から外れたが2軍で調整。この日が復帰初戦だったが、豊富な経験を買われ大事な一戦のマウンドを任された。ケガの影響を感じさせず直球は140キロ台中盤を計測。チェンジアップとカーブを織り交ぜて的を絞らせず。4回1死一、三塁のピンチでマギーをチェンジアップで一邪飛、枡田を144キロの直球で空振り三振に仕留め、切り抜けた。
今季はわずか5勝止まりで、2年契約ながら来季の残留は決まっていない。しかし、「(仙台の寒さを)アツさで吹き飛ばしたい」と宣言し、マウンドへ。理論派として知られる右腕が気持ちの入った投球で、残留へ一発“快投”だ。
日本シリーズに進めば、古巣・巨人との対戦が実現する。「対戦したいか?彼らはいいチームだからね。明日も明後日も勝って、前に進み続けたい」と固く誓った。
ロッテのクレイグ・ブラゼル内野手(33)が先取点と勝ち越し打の2打点を挙げた。
互いに無得点の7回1死一、三塁で代打に立ち、投手強襲ゴロで先制に成功。その後同点に追いつかれて延長戦に突入したが、先頭で迎えた10回に右越えソロを放った。
9回に同点ソロを放ったのは楽天の助っ人ジョーンズだった。負けじと打った1発に「野球選手として、ホームランバッターとして『自分も』という刺激を受けた。嬉しいの一言だよ」と喜んだ。
伊東勤監督(51)は「いい集中力でやってくれた。終盤に1発でゲームが決まるような展開になった時、頼りになる存在」と話した。
ロッテ根元俊一内野手(30)が、延長10回1死二、三塁から、ダメ押しの2点適時打を放った。
楽天長谷部のスライダーに食らい付いた。「打席に入る前、立花さん(打撃コーチ)から『自分の時間だ。楽しんでいけ』と言われ、楽に立てました。昨日無安打なので、1本出るのと出ないのは大きな違い」と話した。
ロッテのセーブ王・益田直也投手(23)が、8回を3人で抑えた。「西武戦も相当緊張したのですが、さらに緊張した」と、いきなり四球でピンチを招いたが、岡島を併殺に仕留め、切り抜けた。
シーズン終盤も相性の悪い楽天戦は、9回を内に譲っていたが「今日投げたことで、余裕ができるかも」と、自信回復の手応えを得ていた。
ロッテのグライシンガーが6回無失点と好投した。何度も走者を出したが粘り強く投げた。無四球と制球が良く「ピンチで要所、要所をしっかり抑えることができた」と振り返った。
右肩痛のために9月15日に出場選手登録から外れたが2軍で調整し復帰登板に備えてきた。右腕は「自分の投球はできたと思う」と満足げ。伊東監督は「ボールが走っていた。気合も入っていた」と評価した。
ロッテの根元が2−1とした延長10回、適時打を放って貴重な2点を加えた。代わったばかりの長谷部からしぶとく中前に運んだ。勝利を大きく引き寄せる一打に「結果が出たんでホッとしている」と表情が緩んだ。
14日のファーストステージ第3戦の3回に左前打を放ってから12打席ぶりの安打だった。「1本が出るのと、出ないとでは大きな違い」と今後への手応えを口にした。
ロッテのグライシンガーが6回無失点と好投した。何度も走者を出したが粘り強く投げた。無四球と制球が良く「ピンチで要所、要所をしっかり抑えることができた」と振り返った。
右肩痛のために9月15日に出場選手登録から外れたが2軍で調整し復帰登板に備えてきた。右腕は「自分の投球はできたと思う」と満足げ。伊東監督は「ボールが走っていた。気合も入っていた」と評価した。
楽天に傾きかけた流れを、一発で引き戻した。延長10回、途中出場でこの試合2度目の打席に入ったブラゼルは、集中力を研ぎ澄ませていた。そしてフルカウントからの6球目。引っ張った打球は右翼ポール際へ。崖っぷちに追い込まれつつあったチームが息を吹き返す、値千金の勝ち越し弾となった。
「自分自身、チームに貢献できて嬉しい。試合前は(楽天2勝と)負けていることは考えず、リラックスしていこうと」とブラゼル。引き分け以下なら、楽天の日本シリーズ進出に王手がかかっていた大事な試合での大仕事に満足げだった。
これで「ファイナルステージ1勝」。まだ戦いはこれからだ。「選手全員で四球とか、ヒットをつなぐとか、小さなことをしっかりと、自分達の野球をやっていきたい」。ブラゼルは力強く言い切った。
日本シリーズ進出を懸けたパ・リーグCSファイナルステージは18日、Kスタ宮城で第2戦が行われた。1−1で延長戦に突入した熱闘は10回、ロッテはブラゼルの勝ち越しソロなどで3点を奪取。9回1死から追いつかれる嫌な展開から執念の白星をもぎ取り“下克上”へ踏みとどまった。
歓喜の敵地を一振りで静まり返らせた。1−1の同点で突入した延長10回。先頭・ブラゼルの豪快な打球は、楽天ファンの悲鳴とともに右翼スタンドへと飛び込んだ。歓喜に沸くロッテベンチ。伊東監督も満面の笑みで大砲を出迎えた。
これで勢いづいた打線はさらに襲い掛かった。連打から1死二、三塁とし、根元が中前に2点適時打。一気にリードを広げ、逃げ切った。
楽天は1点ビハインドで迎えた9回、1死からジョーンズが起死回生の同点ソロ。しかし延長10回、2番手・金刃が勝ち越しソロを被弾するなど救援陣が打ち込まれた。打線も序盤からの再三の好機を生かせず、9回を4安打11奪三振で1失点と好投した先発・則本を援護できず、球団初の日本シリーズ進出王手はお預けとなった。
ロッテのグライシンガーが6回無失点と好投した。何度も走者を出したが粘り強く投げた。無四球と制球が良く「ピンチで要所、要所をしっかり抑えることができた」と振り返った。右肩痛のために9月15日に出場選手登録から外れたが2軍で調整し復帰登板に備えてきた。右腕は「自分の投球はできたと思う」と胸を張った。
ロッテは同点とされた直後の延長10回、先頭打者のブラゼルが右翼ポール際に値千金の勝ち越し弾。「いい場面で打てた。嬉しい、の一言」と表情を崩した。
ブラゼルは0−0の7回1死一、三塁から代打で登場すると変化球を捉え、則本がはじく間(記録は投ゴロ)に先制点をもたらした。9回にジョーンズのソロで追い付かれたが、逆に「心の中で燃えた」と、すぐさま相手ベンチを一気に沈黙させる一打を浴びせた。
伊東監督は「いい集中力だった。終盤に一発で決まる場面で、彼はチームに必要な存在」とご満悦だった。