11月8日11月8日今季海外FA権を取得したロッテ今江敏晃内野手（30）が、権利を行使せずに残留する可能性が8日、高まった。9日にも表明する見込み。今江は千葉・鴨川市内で秋季キャンプに参加中で、条件提示を受けた5日に続き、7日夜にも林球団本部長と交渉の場を持った。この日の練習後は「近々、発表できると思います」と話すにとどめたが、これまでも「ロッテに残れるのが1番いい。早く決めたい」と残留に前向きな姿勢を見せていた。
ロッテ・今江は8日、昼すぎまで打撃と守備練習をこなし、午後にはチームとともに鴨川市の内浦海岸に移動した。
伊東監督からは特別メニューの「砂浜ダッシュ」と伝えられていたが、実際には海岸の清掃作業というボランティア活動。約200人のファンが見つめる前で約1時間、ゴミを拾った今江は「ビーチクリーニングとは聞いていなかったのでビックリしたけど、海岸にごみが多かったのでナイスアイデア」と笑顔だった。
ロッテ秋季キャンプ（8日、鴨川）伊東監督の発案で、宿舎に隣接する内浦海岸の清掃を行った。秋季キャンプの練習メニューには「スペシャルランニング」と記されていたが、「はじめからこのつもりだった。散歩していて、あまりにも汚かったから」という指揮官の“どっきり企画”。ナインは1時間にわたってゴミを拾い、選手会長の成瀬は「リフレッシュできました」と満足げな表情だった。
海外FA権を持つロッテの今江が8日、権利を行使せず、残留を表明することになった。一時は「他球団の評価も聞いてみたい」と権利行使に含みを持たせていたが、既に林運営本部長と3度にわたる交渉を行い、好条件を提示されたもよう。「色々話はしている。近々ちゃんと発表できると思う」と満面の笑みで話した。
ロッテの伊東勤監督は8日、国内フリーエージェント（FA）権行使を7日に表明した西武の涌井秀章投手について「チームにとって当然、必要。取りに行かない理由はない。一緒にやれるなら先発として考えている」と興味を示した。
ただ契約交渉の解禁は15日からとなるために指揮官は「フライングはいけない。何も進んでいない」と話した。林信平球団本部長も「コメントできない。動いてはいけないことになっているので」と語った。
プロ野球の第11代コミッショナーで、東京高検検事長などを務めた根来泰周（ねごろ・やすちか）氏が4日午前6時20分、肺がんのため、東京都渋谷区の病院で死去した。81歳だった。葬儀・告別式は近親者で行った。
根来氏の業績は球界再編と切っても切れない。04年2月に就任すると、同6月に近鉄、オリックスが球団合併を発表。日本プロ野球選手会が反発し、同9月には史上初のストライキを招き、球史に残る混乱が起こった。
根来氏は再編騒動の中で「権限は私にはない」と繰り返した。球界の内規にすぎない野球協約が、球団の親会社の経済活動や経営判断を縛ることはできないという法律家としての信念だった。当時の選手会やファンから強い批判を浴びたが、一方では野球協約の抜本的な改定、コミッショナー職の権限強化を実現すべく尽力した。
自らの報酬の一部を充当し、元東京地検特捜部長の熊崎勝彦氏をコミッショナー顧問に招聘して遂行した暴力団排除やアジアシリーズの創設もまた根来氏の功績だ。
清貧の人物だった。日本野球機構（NPB）のハイヤーは使わず、赤坂の自宅から地下鉄で通勤。新幹線は「グリーン車に乗っている人間が嫌い」と一般車両を利用した。阪神の大ファンで在任中も自宅に近い神宮球場の外野席に通った。NPBが席を用意しても、「金を払って見に行きたいんだ。人をわずらわせたくない」と自費観戦を貫いた。野球に対する愛情が常に根底にあった。
球界再編当時のNPB事務局長だった長谷川一夫氏は「根来さんがあれだけ法律にのっとって処理すべきだと一生懸命やって参入したのが楽天。優勝して喜んでいるのでは」と話した。根来氏は楽天が初の日本一になった翌朝、静かに息を引き取った。