ロッテは4−4の延長12回に代打ダフィーが右中間へ二塁打して1点を勝ち越した。11回を抑えた松永が今季初勝利。益田が7セーブ目を挙げた。広島は5回に4点差を追い付く粘りを見せたが、12回にブレイシアが打たれた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | R | |
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千葉ロッテ | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 5 |
広島 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 |
ロッテは延長12回2死二塁、代打ダフィーが決勝打となる適時二塁打を放った。伊東勤監督のコメント。
「最後の最後に残っていて良かった」。
先発涌井は5回にエルドレッドにソロ、田中に同点3ランを許し4点のリードを守れなかったが「よく同点で止めてくれた」と評価した。
出番は最後の最後に回ってきた。延長12回2死二塁、ロッテはダフィーが代打で登場。7番手ブレイシアに、ファウルで2ストライクと追い込まれた。3球目は外角低めの直球。ストライクにも見えたが、捕手会沢が落球した。判定はボール。ダフィーは「いい球は間違いない。捕手が捕れなくてボールになったのかは分からないが、野球の面白いところ」と冷静だった。
場内にため息と歓声が入り乱れた後の4球目は、ダフィーが待ち構えていた高めに来た。「打つゾーンを絞った。自分のいいスイングができた」。外国人投手にはタイミングが合うという。「米国人と日本人は球の出方が違う」。これを期待して代打起用した伊東監督も「最後の最後に残っていて良かった」と振り返った。
真面目な性格で、ベンチスタートでも腐らない。「がっかりはしていない。他の選手もバットが振れているし、チームに得点を与える機能をしている。自分の役割は分かっている」。新外国人サントスの加入にも「僕というよりチームに火を付けてくれている」と刺激を受けている。
4時間38分、21人を起用した熱戦を制したロッテ。ベンチ一丸となって6月は連勝スタートを切った。
ロッテが延長12回、4時間38分の熱戦を制した。
12回2死二塁、代打のマット・ダフィー内野手(28)が右中間を破る勝ち越し二塁打を放った。「打てるゾーンを絞っていた。向こうの力に、自分のいいスイングができた」と振り返った。
伊東監督は「粘りのあるいいゲームだった。不調だった人達が打ってくれた。今日みたいなゲームをすれば連敗しなかった。今日を境に自信を持ってくれれば」と充実感をにじませた。
ダフィーの代打起用については「外国人投手が出てきてくれたので、タイミングが合うかなと思った。最後の最後に残っていてくれてよかった」と話した。
ロッテ打線が初回に爆発した。
先頭の大嶺翔が二塁打で出塁すると、新外国人のサントスが得意の送りバントで1死三塁。3番清田育宏外野手(31)が内角低めの直球を中前にはじき返し、先制した。5月27日オリックス戦以来の適時打に「打ったのはシュートです。1、2番でいい流れを作ってくれたので、自分も流れに乗り遅れないように、先制のチャンスで打つことができて良かった。何とか、カードの頭を取りに行きたい」と話した。
さらに連続四球で1死満塁とすると、根元俊一内野手(33)が右前に2試合連続となる適時打を放った。「打ったのはスライダーです。いい流れで打たせてもらいました。本当にそれだけです。イケイケでいけました」。
三木の左犠飛で3点目を奪うと、8番吉田裕太捕手(25)が、右中間にエンタイトル適時二塁打を放った。「打ったのはカットボールです。打てて良かったです。まだ初回終わったばかり。油断はできない。しっかり守備に集中してやっていきたい。相手もいい打線ですので」と気を引き締めていた。
ロッテのダフィーが延長12回、代打で決勝打を放った。2死二塁でブレイシアの速球をコンパクトな振りで右中間に打ち返して適時二塁打とした。「相手はいい投手。力の全てを込めてきたけど、いいスイングで打ち返せた」と笑顔で振り返った。
最近は控えに回ることが多い。それでも「失望はない。野球を分かっているし、自分の役割で貢献したい」と謙虚に話す。サントスが新加入したが「彼は僕だけでなくチームの刺激になっている。加入して一体となる野球ができている」と話した。
ロッテの涌井は2勝目を手にできなかった。1回に4点の援護を受けて序盤は無難に滑り出したが、5回に制球が乱れた。先頭打者のエルドレッドにソロを浴びると、田中に同点3ランを右中間席に運ばれ、悔やまれる2球となった。
4月15日を最後に白星から遠ざかっている。「初回に4点を取ってくれ、いい流れをつくってくれたのだから、守り切らないと」とコメントに悔しさをにじませた。
ロッテのキューバ出身の新外国人サントスが3試合目で初長打を放った。4回に九里の変化球を捉えると打球は右中間で弾み、フェンスを越えてエンタイトル二塁打となった。
1日の初安打となる適時打に続く一打。独特の走りながら打つ打法は「毎回やる訳ではない。やった方が良いと思った時にやる」そうで、どっしりと構え、球を手元まで呼び込んで振り抜いた。
最後はベンチで祈っていた。勝利を見届けたロッテ・ダフィーの頬が緩む。4−4の延長12回2死二塁。代打で打席に立つとブレイシアの148キロを右中間へはじき返し、あとアウト1つで勝ちがなくなる状況を救った。
「何とか走者を還そうと思った。力の全てを込めて、いいスイングができた」。
ベンチ入りした野手全員を使う総力戦。初回に4点を奪いながら追加点が奪えなかったが、打率.208と低迷する助っ人が来日初の決勝打をマークした。伊東監督は「外国人投手が出てきたので合うかなと思った。最後に残っていてくれてよかった」と勝負手がはまり、満足げだった。
1軍に加わり3試合目の新外国人サントスは4回に来日初長打となる二塁打。9回にも右前打と2戦連続の安打を記録した。ダフィーは言う。「彼はチームにとって刺激となる存在。彼がラインアップに入り、チーム全体がやる気になっている」。同じ助っ人として刺激を受け、控えに回ることが増えても「長く野球をやっているのでその役割は分かっている」と訪れた出番で結果を残した。
「粘りのあるいいゲームだった。今日を境に自信を持ってやってくれれば」と伊東監督。今季チーム最長となった4時間38分の戦いも心地よい疲労感となった。
ロッテのダフィーが4−4の同点12回2死二塁の場面で代打決勝打を放った。あと1死でチームの勝利がなくなる崖っぷちの場面にも「何とか強い打球を」とミートを心がけた。
コンパクトにとらえた打球は右中間を真っ二つ。「(広島の7番手)ブレイシアはタフでいい投手だと聞いていたので、いい当たりができて嬉しい」と謙虚に振り返った。 両軍ベンチ入りメンバーをほとんど出場させた消耗戦。最後の最後に最高の仕事をし「チーム一丸の勝利。今日の勝利は大きいね」と笑顔を見せた。
敵地にもかかわらず左翼席からは12回でも大きな声援が助っ人の耳に届いており「(代打の)準備をしているときから、応援を聞いていた。いつもいつもありがとうございます」とファンに感謝した。
これでチームは6月を連勝でスタート。チームを救う殊勲打を放った男は「チームの調子があがってきている。打線も頑張って点を取れているし、連勝を伸ばせるように頑張ります」と力強く宣言した。
延長12回の激闘を制しての白星に、ロッテ・伊東監督は開口一番こう言った。「(勝って)よかった」。前日1日はナイターで阪神戦を戦い、朝の新幹線で広島入り。試合前には「長旅で今日は疲れた。選手も疲れている。でも勝って、心地いい疲れにしたい」と話していた。
打線が1回にエース涌井を援護したが、5回に吐き出すと、お互いに0行進となった。「粘りのあるチームで、打線が乗るとつながる。セーフティーリードじゃなかった」と振り返ったが、中継ぎ陣がしのぎにしのいで“ヒーロー”を待った。
12回、ポツンと出番を待っていたダフィーが代打で決勝タイムリー。「いいところで貢献できてよかった」と殊勲の助っ人。試合時間は4時間38分。黒星なら倍増の疲れはもちろん、心地よい疲れとなった。
延長12回表。この夜、何度目のチャンスだったろうか。局面は2死二塁。ロッテ・伊東監督が代打で告げた名前はダフィーだった。
ベンチスタートの助っ人にやっと出番が回ってきた。ブレイシアが1−2から投じた高めの球をたたいた。
打球は右翼への適時二塁打となり、貴重な貴重な1点がロッテに刻み込まれた。
試合後、伊東監督は満面の笑顔だった。「(勝って)よかった」と話し、「外国人が出てきたので(ダフィーの)タイミングが合うと思った」と起用の理由を明かした。
ダフィーも大きくうなずいた。「アメリカ人と日本人では球の出方が違う。いい投手だったが、自分のスイングができた」。
チームは1日の阪神戦をナイターで戦い、この日東京駅9時半発の新幹線で広島入りした。交流戦では最初にして最後の遠征だ。
「今日は疲れたよ。選手も疲れている。長旅だったからね」とは伊東監督。そして笑いながら言った。「(勝って)心地よい疲れにしたい」。
1回に打線が先発のエース・涌井を援護した。先頭・大嶺翔の二塁打から1死三塁で清田が中前へ先制のタイムリー。さらに一死満塁から根元の適時打、三木の左犠飛、吉田の二塁打で4点をもぎ取った。
「エースが投げるのでなんとか主導権を取りたい」と話していた指揮官の思惑通りに進むかと思われたが、エースが5回に崩れた。
1点を失って、なお1死一、二塁。田中の3号同点弾が右中間スタンドに吸い込まれた。先頭のエルドレッドに14号ソロを右翼ポール際に運ばれると、新井の四球と会沢の安打からピンチを招いて被弾だ。
ロッテは8回から大谷、内、有吉、松永らを投入した。8回2死一、三塁、9回2死一、二塁、10回2死一塁。中継ぎ陣は広島の攻撃をしのいだ。
だが、ロッテもまた9回2死満塁で鈴木と根元が連続三振、10回1死一、二塁でも大嶺翔、サントスが空振り三振に倒れた。好機を生かせずに我慢比べになっていた。そこで飛び出した、それまでベンチを温めていたダフィーの一撃。最後は益田がキッチリと締めた。
「(広島は)粘りがある。打線も何かのきっかけでつながってくる。(4点は)セーフティリードの感じがしなかった。(涌井が)よく同点で止めてくれた」と伊東監督は試合を振り返った。
チーム一丸で12回を戦いきっての1勝は大きな1勝だ。
「今日みたいなゲームをやっていたら、そう連敗することはなかった。自信を持ってやって欲しい」。
負けていたら2倍にも3倍にも膨らんでいただろう疲労感。それが何とも言えぬ“心地よさ”になって、この日の伊東ロッテの長旅は終わった。