ロッテが3連勝で勝率5割に復帰した。2回に荻野の3点二塁打で先制し4回に平沢の適時二塁打、5回に井上の適時打で差を広げた。佐々木は5回3安打無失点で2勝目。日本ハムは投打に精彩を欠き、9連敗で5位に転落した。
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千葉ロッテ | 0 | 3 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 6 |
北海道日本ハム | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
ロッテのドラフト5位左腕、中村稔弥投手が3回を単打1本に抑え、無失点リレーに尽力した。
2番手でマウンドに上がり、日本ハムの3番近藤、4番清宮を空振り三振に切るなど6、7回を3者凡退。四球で招いた8回2死一、二塁も、大田を投ゴロに打ち取った。
中村稔「テンポよく、自分の球に自信を持つことだけ考えました。1、2戦目が刺激になってます」。
このカード初戦は、ドラフト2位の東妻が4番手で8回を任され2勝目。前夜は同3位の小島が先発してプロ初勝利を挙げた。同期の活躍に負けじと「僕はロングリリーフの立場なので、しっかり役割を果たしたい」と53球を投げきった。
10連戦、9連戦と過密日程の8月を“ルーキーズ”が支えた。井口監督は「若い力は必要。しっかり底上げしてくれている」とたたえた。チームは日本ハムに3連勝して単独4位に。3位楽天とも1ゲーム差と、5月21日以来のAクラスが見えてきた。
昨年8月に国指定の難病「黄色靱帯骨化症」の手術を受けたロッテ南昌輝投手が、1軍で復帰登板を果たした。
今季初昇格し、6点リードの9回に登場。先頭こそ四球を出したが、清宮を146キロで見逃し三振に仕留めるなど、無安打で無失点リレーを完成させた。「マウンドに上がった時の歓声がすごく響いた。今までの球を求めてもしようがないので、また一から作っていけたら」と喜びをかみしめた。
ロッテのD5位・中村稔弥投手(23)=亜大=の好投で、勝利へ加速した。2番手で3回を1安打無失点。2ホールド目を記録した。
「点差もあったので、あとは自分の球を投げるだけだと。ロング(リリーフ)として、しっかり3回を投げられてよかった」。
5−0の6回からマウンドに上がり、7回まで三者凡退に。8回は2死一、二塁とされたが、大田を投ゴロに仕留めて無失点で切り抜ける。直球の球速は140キロ台中盤だが、ツーシームを生かして打者を打ち取った。チームは3投手で無失点リレーを完成させ、日本ハム3連戦3連勝。“大卒ルーキーズ”が3タテに貢献した。
D2位・東妻(日体大)が13日に救援で今季2勝目を挙げ、前日14日はD3位・小島(早大)が先発でプロ初勝利をマーク。そして、この日は中村稔が力投した。
新人9選手のうち、大卒投手はこの3人。周囲に惑わされないのが中村稔の特長だ。沖縄・石垣島での春季キャンプ2日目、3人が並んでブルペン入り。雄叫びをあげて投げる東妻を、「全く気にならなかった」とマイペースを貫いた。それでも、今カードの東妻と小島の活躍に「すごいなと刺激にもなった」。同期入団の仲間の奮闘も発奮材料だった。
まだまだ上位は諦めない。「若い力は必要。しっかり底上げしてくれている」と井口監督。疲れのたまる夏場に、フレッシュな3人組がチームの活力になる。
先発全員安打で快勝。0−0の2回、2死満塁から荻野が右中間を深々と破る走者一掃の二塁打を放った。「せっかくつないでくれたチャンスで、自分もとにかくつなぐ意識でいった」。前日14日の先頭打者弾に続く先制パンチに、「後半戦は1打席目で出塁できていなかったので、奮起したいと思っていた」と胸を張った。
ロッテは3投手で無失点リレーを完成させた。佐々木は5回を3安打無失点で、7月9日以来の2勝目をマーク。86球と早めに降板したが「序盤に点を取ってもらいリズム良く投げられた」と先発の役割を果たし、うなずいた。
ルーキー中村稔が8回まで抑え、9回は今季初登板の南が締めた。プロ9年目で30歳の南は昨年8月に難病の黄色靱帯骨化症の手術を受け、再起を果たし「マウンドに上がった時に、声援を頂いた。とりあえず一歩進めた」と汗を拭った。
ロッテの荻野が2試合連続で先制打を放った。2回2死満塁で杉浦の外角高めの直球を右中間へ運ぶ3点二塁打。前日14日に初回先頭打者本塁打から2打席連続アーチを放って3安打3打点と活躍した勢いを持ち込み「みんながつないでくれたチャンスだったので、自分も後ろにつなぐ気持ちでいった。抜けてくれて良かった」とうなずいた。
プロ10年目の今季は大きな故障がなく、初めてシーズンの規定打席をクリアした。その裏には、日頃の地道な積み重ねがある。大村打撃コーチは「毎日同じ時間に同じことをやり、ルーティンをきちんと守っている。まずいなという状態になっても、翌日には戻してくる」と信頼を寄せる。
荻野の口癖は「たまたまです」。どんなに打っても、華麗な守備や走塁を見せても、結果に一喜一憂することなく愚直に努力を続け、最高のシーズンを送っている。
ロッテの平沢大河内野手(21)が15日、日本ハム20回戦(東京ドーム)に「9番・遊撃」で出場。3−0の4回、2死一塁から左中間を深々と破る適時二塁打を放ち、貴重な追加点を挙げた。
「初球からストレートを待って、甘く来たら積極的にいこうと思っていた。よかったです」。
右大腿二頭筋損傷で離脱した正遊撃手の藤岡に代わって、7月21日に1軍再昇格を果たすと、同じ遊撃手の三木も左手甲に死球を受け左第4手骨を打撲。8月8日からスタメンで起用されると、これで7試合中6試合で安打をマークしている。
藤岡は2軍で別メニュー調整中。1軍に帯同している三木もスタメン復帰できずにいる中で、4年目の若武者が遊撃のレギュラー奪取へ懸命なアピールを見せている。
前日14日に、念願のプロ初勝利を手にしたロッテのドラフト3位・小島和哉(23)=早大=が15日、一夜明けて前夜の出来事を語った。
「なかなか寝られなくて、夜中の3時くらいまでは寝つけませんでしたね。(ラインやメールは)200件くらいはきていました。まだ全部は返しきれていないです」。
プロ5度目の先発。日本ハム打線に対して切れのある直球で6回4安打、6奪三振。前回登板から5回までは11回連続無失点、最後に1点は失ったが自己最多114球を投げ抜いた。昨夏甲子園準優勝の日本ハム・吉田輝との投げ合いで、2013年選抜優勝投手が威厳を示した。
試合後には、浦和学院高の森士監督、早大時代の高橋広監督(現神戸医療福祉大監督)の恩師2人に、自ら電話をかけると、「おめでとう、ここからスタートだから、とにかく頑張れ」と力強く背中を押された。
「初勝利はもちろんよかったですが、投球としては5回までに100球かかって本来ならノックアウトされる内容。もっとストライクで勝負できる投手ですから」と吉井投手コーチ。その思いは小島も同じで「昨日の映像は、夜も今日の朝も見た。勝負どころでいい球は投げられるようになってきたけど、それまでの球数を減らしていけるようにしたいです」と早くも次回登板を見据えた。
5点リードの6回、マウンドを託されたのはロッテのドラフト5位左腕・中村稔だった。6、7回と完全に抑え、8回2死一、二塁のピンチも無失点。9連戦の6試合目と疲弊する中継ぎ陣を救う3回1安打無失点だ。
「(中継ぎは)みんな連投で疲れている。長い回を投げられてよかったと思います」。
ソフトバンク・東浜やDeNA・山崎ら亜大の先輩と同じ、ツーシーム「亜細亜ボール」を操る。6回2死、その決め球で近藤を空振り三振。「テンポよく投げれば点につながる」と同じ、ロングリリーフのチェン・グァンユウに教わった通り、ストライク先行を心がけた53球だった。
日本ハム3連戦は1戦目でドラフト2位の東妻、2戦目で同3位・小島が勝利投手。白星はつかなかったが「凄く刺激になった」と中村稔がバトンをつなぎ、同一カード3連勝へ導いた。
勝率5割で自力優勝の可能性も復活。「(中村稔は)今日の内容ならまた先発機会もくる」と井口監督。上位進出へまた1人、新戦力にメドが立った。
ロッテは5点差の8回2死一、二塁。9番・平沢が右前へこの日、2本目となる適時打を放った。先発全員13安打で6得点のチームは今季500得点。132試合目だった昨季より、23試合早い109試合目での到達だった。
2回2死満塁、走者一掃の右中間二塁打を放った荻野は「みんなつないでくれるから何とかしたいと思った」と笑顔を浮かべた。
ロッテ・南が、国指定の難病・黄色靱帯骨化症手術を乗り越え、1軍のマウンドに上がった。6点リードの9回無死、近藤は四球を与えたが、後続は抑え1回無失点。1年ぶりの笑顔が浮かんだ。
「ストライクを取りにいったらボールが続いた。(四球で)走者をためたらまた、ブルペンで肩を作る人が出てしまう。しっかり、抑えようと思った。とりあえず一歩、進んだなと思いました」。
昨年7月20日のオリックス戦(ZOZOマリン)以来391日ぶりの1軍マウンド。昨年8月に手術し、順調にリハビリは行ったが、今季ここまで2軍暮らし。ロッテ浦和球場でファンから「マリンで待っているよ」と掛けられる声が、はげみになったという。
ケガの功名もある。「(手術した)背中の感覚をより、気にするようになった。背中の張りによって、調子の良し悪しも分かるようになりました」。1年以上、1軍からは遠ざかったが、悪いことばかりではなかった。
「また、ケガしたっていい。自分ができることをやろうと思うようになりました」。吹っ切れた笑顔の背番号33が、万雷の拍手とともに戻ってきた。
ロッテの16年ドラフト1位・佐々木が今季2勝目。5回3安打無失点の好投を見せた。
「先頭を出さなかったことがいい投球につながった」と振り返った右腕。ボールを低めに丁寧に集め、打者18人から9つのゴロアウトを奪った。
5回86球での降板に「短い回で降りてしまって申し訳ない」と話したが、「ここ3試合いい投球ができていなかった。これを機に勝ち星を重ねていきたい」と7月9日の日本ハム戦以来となる1ヶ月ぶりの白星を喜んだ。
ロッテ・南昌輝投手(30)が9回から登板。1イニングを投げ打者4人を無安打1四球で無失点に抑えた。
「南コール」を浴びながらマウンドに上がった。左翼スタンドのファンからはこの日1番の大歓声と「おかえり〜!」との温かい声援が南を優しく包んだ。 先頭の近藤に四球を与えたが、続く清宮を見逃し三振に抑えると、後続の打者も打ち取り完封リレーの最後を締めた。復帰登板を終えた右腕は「一歩進んだなと思う」と大粒の汗を拭い、「マウンドに上がった時の声援がすごく響きましたね」とファンに感謝した。
昨年8月に国指定の難病「黄色靱帯骨化症」の手術を受けた背中には約20センチの手術痕が残る。長いリハビリを乗り越え戦列復帰し、試合前には「ケガした時は戻って来られるとは思えない感じだった。ここまで来られてよかった。嬉しい気持ちと不安もありますね」と心境を吐露。万感の思いも募っていたのかと問われると、「マウンドではそれどころじゃなかった」とユーモアたっぷりの言葉で周囲を笑わせた。
井口監督は「手術してからの1軍復帰登板でいろんな思いもあったと思う。下で頑張って投げていた。こういうチャンスでしっかり投げてくれたのは(チームにとっても)大きい」と称賛した。
術後に抱いていた南の目標は「もう1度マリンで投げたい」。今回は東京ドームでの登板だったが、順調にいけば大阪遠征後、20日からの楽天3連戦で本拠地登板のチャンスが舞い込むだろう。マリンのファンも背番号33の姿を待ち侘びているはずだ。
ロッテは投打がかみ合い、今季3度目の同一カード3連勝を完封で飾り、5割に復帰した。井口資仁監督(44)は「千隼が5回しっかり投げてくれて、その後の中村もしっかり投げてくれた。打線もしっかり点を取れて最後に南ちゃんも投げてられて本当に良い形だった」と先発全員安打の打線と無失点リレーの3投手をたたえた。
先発・佐々木が5回3安打無失点の好投。6回からはドラフト5位・中村稔が3イニングを無失点。9回には国指定の難病・黄色靱帯骨化症から復活した南が1イニングを抑えるなど継投策も完璧だった。
打線は2回2死満塁の好機で荻野が3点二塁打を放ち先制した。4回には平沢の適時二塁打、5回には井上の左前適時打。着実に加点した。
チームは16日からは敵地・京セラドームでオリックスと3連戦。追撃のスピードを加速させる。
ロッテ・佐々木千隼投手(25)が5回3安打無失点の好投で7月9日以来の2勝目を挙げた。
最速144キロの直球を軸にシンカーとスライダーを織り交ぜ、テンポ良く5つのゼロをスコアボードに刻んだ。打線も2回に3点を先制し、その後も着実に加点した。右腕は「序盤に点を取ってもらったのでリズム良く投げることができたと思います。野手の皆さんのおかげです。ただ、短いイニングで降板になってしまい、そこは反省点です」と野手に感謝した。
チームは5割復帰し、Aクラス戦線をキープ。上位追撃へ態勢が整ってきた。
ロッテ・南昌輝投手(30)が15日の日本ハム戦(東京D)で今季初昇格した。
昨年8月に国指定の難病「黄色靱帯骨化症」の手術を受けた背中には約20センチの手術痕が残る。長いリハビリ期間を乗り越え戦列復帰した右腕は「ケガした時は戻って来られるとは思えない感じだった。ここまで来られてよかった。嬉しい気持ちと不安もありますね」と心境を明かしつつ、「少しでもチームの力になれたら」と決意を示した。
左翼スタンドに陣取ったロッテファンがドッと沸き、次に温かい声援が起こった。南の胸にグッとくるものがあった。「戻って来れるとは思っていなかったのに…」。
昨年8月に国が指定する難病「黄色靱帯骨化症」の手術を受けた。長く、辛いリハビリ生活を乗り越えて、ファームで実績を残し、この日今季初の出場選手登録を果たした。
出番は6点リードの9回だった。先頭の日本ハム・近藤にボールが先行。3−1から四球を与えた。これで逆に「しっかりやらなきゃ」と気持ちを落ち着かせた。
清宮を見逃し三振、渡辺、田中賢をキッチリと打ち取った。約1年ぶりのマウンドは18球で無安打無失点。「取りあえず一歩前進の感じです。マウンドに上がった時の声援が響きました」。その一歩は次へのステップだ。
背中に大きな傷跡が残る。その感覚が調子のバロメーターのように感じる−。今、こう思えるようになった。
家族が見守る中で復帰を果たして、「少しでもチームに貢献したい」。南の言葉はたくましかった。