わたしはかもめ2021年鴎の便り(1月)

便

1月2日

ロッテ井上「重みを感じた」アジャコングからゲキ[ニッカン]

アジャと親しまれ今季で8年目、ロッテ井上晴哉内野手(31)のもとに本家から新年のゲキが届いた。本家とはもちろん、人気女子プロレスラーのアジャコングだ。

「今年は良かろうが悪かろうが、最後には“俺が何とかしてやるからお前らしっかりついてこい!”ぐらいの、根拠はないけど有言実行しちまったらやるしかねーなの“アジャの何とかなるさ精神”で、去年の悔しさ晴らしてみんなで笑いましょう!」。

愛を受け、球界のアジャは「熱いメッセージ、ありがとうございます。アジャを名乗ることの重みをあらためて感じました」と真顔になった。

「去年の後半は弱い自分が出てしまいました。アジャさんのように攻めて攻めて攻めまくる姿勢が大事で、アジャ魂を忘れてはいけないと思います。戦う姿勢、相手に向かう姿。チームが苦しんでいる時に自分が何とかするという気概を出していけるようにしたい」と気を引き締めた。

2人は19年12月にテレビ番組で初対面。「ホームラン王になります」と誓っていた。昨年3月29日の日本ハム戦(ZOZOマリン)でアジャコングが始球式を務めることが決まっていたが、開幕延期で白紙に。球団は今夏に実現できるよう打診予定だ。本家からは「そん時には1発どでかいの、よろしくです」とアーチの厳命が。レアードの復帰、エチェバリアの加入。内野争いも激化するが、笑顔で再会するためにも負けられない。

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ロッテ・井上、“本家”アジャから激励メッセージ!始球式で「一発どでかいのよろしく」[サンスポ]

女子プロレスラー、アジャコングに顔が似ていることから『アジャ』の愛称を持つロッテ・井上が2日、本家から新年の激励メッセージを受けた。「せっかくアジャを名乗ってくれてんだから、有言実行でやるしかねぇ。“俺が何とかしてやるから、お前らしっかりついてこい!”ぐらいに。(始球式を行った際は)一発どでかいのよろしくです」。2人は2019年12月にテレビ番組の収録で初対面。井上は「攻めまくる姿勢が大事。アジャ魂を忘れてはいけない」と感謝した。アジャコングは7月か8月にロッテ戦で始球式を務める予定。

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ロッテ鳥谷「もう1回優勝したい」MBSせやねんでオリックス能見と元虎共演[サンスポ]

ロッテ・鳥谷敬内野手(39)が2日、MBSテレビ「せやねん!」に出演。オリックスに入団した能見篤史投手(41)と新春トークを繰り広げ、ロッテ2年目のシーズンに向け「もう1回、優勝したい」とV宣言した。


いつでもユニホームを脱ぐ覚悟はできている。だからこそ、もう1度頂点へ−。新年を迎え、鳥谷が熱い抱負を語った。

「やっぱりもう1回優勝したいっていうのはある。(2005年はプロ)2年目に、なんとなくついていったら優勝できた。しっかり優勝。じゃないと、優勝ってこういうもんなんだというのを他人に話せない」。

早大から阪神に入団し、すぐにリーグ優勝を経験した。ただし、このときは金本、今岡、矢野(現監督)ら先輩が流れを作ってくれた。昨季は新天地のロッテで42試合に出場。精神的支柱としても期待に応え、今度は勝利の美酒に酔う。

今年で不惑の40歳を迎える。「俺はもう明日辞めてもいい。もういつ辞めてもいい。(プロに)入ったときから『明日辞めるんだったらどうするか』っていうのを考えている」と率直な思いも吐露した。それでも、体を突き動かすのは応援してくれる家族、ファンの存在。そして何より、優勝への飽くなき思い、だ。

「(順位は)下の方はたくさん経験したから、上もしっかり経験して終わりたい」。

4年連続日本一に輝いたソフトバンクが席巻するパ・リーグ。打倒・鷹へ、「微々たる力だけどね」と笑った。鳥谷が千葉で、最後にもう一花咲かせる。

◇オリ能見は鳥谷に宣戦布告「対戦したいよ」

鳥谷とともに出演したオリックス・能見は番組内で「僕が入ることで(チームが)いい方向に向かっていけたらいい」と力を込め、鳥谷を見つめながら「対戦はしたいよ」と微笑んだ。

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ロッテ・井上が新春の誓い、「アジャ魂」で「攻めだるま」に変身必ず、本家アジャからサプライズメッセージ[スポニチ]

ロッテ・井上晴哉内野手(31)が2日、新春の誓いとして「アジャ魂」で「攻めだるま」に変身することを宣言した。昨年は悔しさと不甲斐なさにまみれた。チームは2位と躍進したが、自身は夏場以降に失速。2年連続24本塁打をマークしていた打撃はわずか15本塁打に終わった。

そんな井上に、悪役女子プロレスラーの本家アジャ・コングからサプライズメッセージが届いた。「終わっちまったもんは仕方がない。今年は良かろうが、悪かろうが、最後には“俺が何とかしてやるからお前らしっかりついてこい!”ぐらいの、根拠はないけど、“アジャの何とかなるさ精神”で、昨年の悔しさ晴らしてみんなで笑いましょう!」−。1メートル80、114キロの巨漢スラッガーだが、心優しい男には、新年から奮い立つ言葉となった。

「アジャを名乗ることの重みを改めて感じた。2020年の後半は弱い自分が出てしまった。アジャさんのように攻めて攻めて攻めまくる姿勢が大事。戦う姿勢、相手に向かう姿。チームが苦しんでいる時に自分が何とかするという気概を出していきたい」。

風貌がそっくりなことでプロ入りした際から、井上は「アジャ」の愛称で呼ばれる。一昨年には本家アジャ・コングと初対面し「ぜひ始球式に来てください。僕は本塁打王になります」と約束した。昨年3月に予定していた始球式は新型コロナウイルスによる開幕延期で流れたが、球団は今夏にも再オファーする方針だ。あとは井上が活躍するだけ。「今年こそ、本塁打王を獲れるように頑張ります!」と気合を入れ直した。

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アジャ・コング ロッテのアジャへ「何とかなるさ精神で昨年の悔しさ晴らして」[スポニチ]

◇アジャ・コングから井上への激励メッセージ全文

一昨年の年末にやっと会うことができて、改めて公認の「アジャ」を名乗ってくれることになり、そうなると、やっぱり活躍が気になり、いつか球場で直接会えることを楽しみにしていたのですが、残念ながら昨年はかなわずで…。最後の方は本当に苦しみながらもリーグ2位という結果になって、凄いことだなと思いつつ、だからこそ、もう一歩先に進む姿を見たかったと思う。

応援してくれるファンの皆さんの気持ちも痛いほど分かって、そこに「アジャ」に対する色んな思いが募るんだと思います。そんなことは何よりご本人が1番分かってると思いますが、終わっちまったもんは仕方がない。せっかく、アジャと名乗ってくれてんだから、今年は良かろうが、悪かろうが、最後には「俺が何とかしてやるからお前らしっかりついてこい!」ぐらいの、根拠はないけど「アジャの何とかなるさ精神」(私の得意技です笑)で、昨年の悔しさ晴らしてみんなで笑いましょう!来年はぜひ球場にお邪魔できますことを楽しみにしてます。そんときには一発どでかいのよろしくです。

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井上晴哉、アジャ・コング魂でアジャキングになる「攻めて攻めて攻めまくる」[報知]

ロッテの井上晴哉内野手(31)が2日、女子プロレスラーのアジャ・コング(50)の激励を受け、改めて今季の本塁打王を約束した。似ていることから付けられた「アジャ」のニックネーム。19年12月にテレビ番組で初対面し、呼び名を公認してもらった。その際に昨季の本塁打王を約束したが、昨季は15本塁打に終わっていた。

そんな井上を本家が「せっかくアジャ名乗ってくれてんだから、今年は良かろうが、悪かろうが、最後には『俺が何とかしてやるからお前らしっかりついてこい!』ぐらいの“アジャの何とかなるさ精神”で、去年の悔しさ晴らしましょう」と激励。井上は「昨季後半は弱い自分が出てしまいました。アジャさんのように攻めて攻めて攻めまくるアジャ魂を忘れてはいけないと思います。今年こそ、お約束通りホームラン王を取れるように頑張ります!」と再び魂を燃やした。

昨年3月に始球式を行う予定だったが開幕が延期に。球団は今夏に再度始球式のオファーを検討している。「今年はぜひ球場にお邪魔できることを楽しみにしてます。そん時には一発どでかいのよろしくです」とアジャ・コング。ロッテでは86年の落合博満以来、35年ぶりのキングへ“アジャ”がバットを振る。

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ロッテ・アジャ井上に本家から猛ゲキ、球場へ“乱入”宣言「ドでかいのよろしく」[デイリー]

ロッテ・井上晴哉内野手(31)が2日、女子プロレスラーのアジャコングから猛ゲキを受け、本塁打王奪取を誓った。

19年12月に初対面した“本家アジャ”から、新年の熱い激励メッセージが送られた。「『俺が何とかしてやるから、お前はしっかりついてこい!』ぐらいの精神で、去年の悔しさを晴らしてみんなで笑いましょう」。アジャコングは、昨年2位に終わった悔しさをバネに井上がチームを引っ張り、リーグ優勝することを期待した。

さらに「今年はぜひ、球場にお邪魔できることを楽しみにしています。その時は一発ドでかいのよろしく」と球場に“乱入”した際には本塁打をかっ飛ばすことを要望した。

井上は「アジャさんのように攻めて攻めて攻めまくる姿勢が大事。アジャ魂を忘れてはいけない。今年は去年の悔しさを晴らしたい。ホームラン王を取れるように頑張ります」と決意表明。2021年は本家のゲキに応える。

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ロッテ井口監督独占インタ・前編、2019年に得た手応え「若い投手がしっかり投げた」[Full-Count]

2020年がいよいよ幕を開けた。今年も年明けから大きなスポーツイベントが目白押しとなるが、2月1日にキャンプインする日本プロ野球も大いなる盛り上がりが予想される。近年はソフトバンクの強さが際立つパ・リーグだが、その牙城を崩そうと今シーズンに狙いを定めているチームがある。それが千葉ロッテマリーンズだ。

◇就任3年目の井口監督が胸の内を語る、全3回シリーズの前編

2020年がいよいよ幕を開けた。今年も年明けから大きなスポーツイベントが目白押しとなるが、2月1日にキャンプインする日本プロ野球も大いなる盛り上がりが予想される。近年はソフトバンクの強さが際立つパ・リーグだが、その牙城を崩そうと今シーズンに狙いを定めているチームがある。それが千葉ロッテマリーンズだ。

現役引退直後の2018年から指揮を執る井口資仁監督は、就任1年目に6位から5位、2年目の昨季は5位から4位へとチームを引き上げてきた。就任時に掲げた「常勝軍団を作る」という公約を果たすべく、その土台作りに務めた指揮官は、2020年は「ホップ・ステップ・ジャンプの年にしたい」と、一気に10年ぶりの日本一を狙う。

「Full-Count」では新春特別企画として、井口監督に独占インタビューを行い、その胸の内に迫った。今回は全3回シリーズの前編として、2019年シーズンを振り返る。

≫監督就任2年目の2019年は、最終的に2ゲーム差でクライマックスシリーズ(CS)を逃す悔しいシーズンになった。
井口監督
「何とかCSに行きたかったですけど、最後の10試合(3勝7敗)でチームの実力が出てしまった。やっぱり今まで、ここ一番で競る争いをしたことのない経験の浅い選手が多いところが出たかなと。これは本当に経験でしかないんで、我々が色々な後押しをしてやっていくしかない。ただ、3位争いではあったけど、これを経験できたことが、今年さらに上に行くためのプラスになるんじゃないかと思います。」
≫この悔しい思いが選手にとってステップアップの糧になる。
井口監督
「2018年は早めに優勝争い、CS争いから脱落していたし、その前年も同じ。そういう意味で、2019年は若い選手に切り替えながらも、3位争いができて本当にいい経験になったと思います。」
≫2019年はホームランラグーンができるなど球場が大幅改修された。監督も戦術を変える必要があった?
井口監督
「レアードをはじめ長打を打てる選手がいたので、前年に比べたら機動力は使えなくなった部分はあります。そこで(鈴木)大地を2番において極力前半は打ちながら繋いで、1番の(荻野)貴司を走らせて、という攻撃になっていた。そういう意味では2018年とはちょっと戦い方は変わったかな。
でも、ラグーンができたからといって、そこに入るホームランが増えた訳じゃない。しっかり打てば(スタンドに)入るというのを、みんな分かってくれたと思います。去年は158本で、その前年は78本。倍以上か…だいぶ増えましたね(笑)。新加入のレアードが32本だったから、それを引いてもかなり増えましたね。」

◇左右の若手投手が大きく成長「期待を持たせるピッチングをしてくれた」

≫就任1年目には選手を1年間続けて起用することを意識していた。その積み上げを感じられる2年目になった?
井口監督
「2018年にシーズンを通じて出続けた選手、井上(晴哉)や中村(奨吾)だったりが、去年はなかなか調子が上がらなかった。彼らが1年間しっかりできたら、もっとチームとして上にいったかなと思います。ピッチャーに関していえば、涌井(秀章)、石川(歩)、ボルシンガーでなかなか貯金が作れなかった。ただ、その分、若い投手にチャンスがあったし、しっかりと投げてくれたので、2020年に続くシーズンになったと思います。」
≫外国人選手では、レアード、マーティンが大事なところで一発を打った。
井口監督
「やっぱり競っている場面で一発が出て勝てるのは、チームの層の厚みだと思います。2018年は78本で2試合に1本くらいしかホームランが出なかった。それもほとんど井上でしたから(苦笑)。やっぱり、どこからでも攻撃できる打線は、対戦相手にとって少しは脅威になったのかなと思います。」
≫レアード、マーティンは2020年も戻ってくる。ここに井上、中村が本来の調子を取り戻せば…。
井口監督
「そうですね。2人が中軸を打ってくれれば、もっと層が厚くなると思うし、大地が抜けたところに誰が上がってくるのか。安田(尚憲)だったり、(平沢)大河だったり、その辺は楽しみですね。ポジションが空くっていうチャンスはそうそうない。これはやっぱり、しっかりと誰かに掴んで欲しいですね。」
≫投手陣を見ると、2桁勝利に達した先発投手がいなかった。
井口監督
「う〜ん、そうですね。やっぱり1年間しっかりローテーションを回れる選手がいなかったところでしょう。その中で、吉井(理人)投手コーチが若い投手どんどん組み込ませながら、しっかりローテーションを組んでくれた。若手はいきなりローテを守るのは厳しかったと思うので、土肥(星也)だったり、小島(和哉)だったり、最初は10日に1度くらい投げながら、後半にはしっかりローテに入れるような、本当に今季に繋がる投球をしてくれたと思います。右だったら岩下(大輝)、種市(篤暉)が最後、しっかりローテを回ってくれた。左で言えば中村(稔弥)、小島、土肥というあたりが期待を持たせるピッチングをしてくれた。そういう意味では、先発はそこそこ数が増えてきたかなというのはありますね。」
≫就任1年目は手探りだったものが、徐々に形になってきた。
井口監督
「2018年は自分自身が手探りだったし、どういう環境で全員がやっているのかを僕が知るまでの1年になってしまった。去年は結果的には4位でしたけど、戦いの内容としては前年とまったく違ったし、あと1歩という試合が何試合もあった。そこを今年はどうやって勝ち抜いていくかが勝負だと思います。」
≫当然、今年ファンが望むのは…。
井口監督
「優勝しか頭にはないでしょう。この2年間、悔しい思いもあると思いますが、僕達は計画を立てて勝てるチームを作っている。就任1年目で優勝しても、すぐに落ちるチームでは意味がない。勝ち続ける球団の土台をしっかり作るということで2年やってきた。ホップ、ステップときて、今年は最後のジャンプをするところかな、と。球団もしっかり補強をしてくれていますから。」

◇1軍と2軍、監督とコーチが好連携、球団も手厚いサポート「プレーヤーズファーストを実践」

≫監督就任以来、1軍と2軍が一貫性を持って選手育成に取り組めている。
井口監督
「そうですね。今岡(真訪)2軍監督がよくやってくれています。全て情報を共有してくれるし、2軍で徹底して欲しいこともをしっかりやってくれるので、2軍監督の存在はすごく大きいですよね。
また、今年から球団本部長になった松本(尚樹)さんも協力的で、選手に甘くなるのではなくて、プレーにいい影響が出る形で、プレーヤーズファーストを実践してくれています。少し前は寮に門限はあっても形だけだったり、栄養管理が十分ではなかったり。今はそれがなくなりました。キャンプ中も栄養管理をしっかりして、プロ入り後まもない選手は寮やホテルで食事をしなければいけないシステムになっている。あと、体重や体脂肪、筋量を毎日計ったり、今年は血液濃度などから疲労度を判断して、練習量を調整することも始めてみました。来年は順天堂大学の全面サポートが加わるので心強いですね。」
≫医療、コンディショニング、栄養の面でプロのサポートを得られるのは大きい。
井口監督
「そうですね。就任1年目は夏の暑い時にチームが失速してしまった。どうしても屋外球場なので、試合中に足が攣ってしまう選手もいたんですよ。でも、去年は室内練習場にクーラーを設置してもらい、その中で練習するなど工夫をして1年間を戦いきった。今年は1年を戦って勝ち抜く、というのがチーム目標ですね。」
≫サポート態勢も強化される中、監督自身とコーチとの連携も強まった。
井口監督
「1年目より2年目の方が連携できてきました。僕とコーチの連携以上に、選手とコーチがしっかりコミュニケーションを取ってくれているのが嬉しいですね。僕は選手に直接何かを言うことはあまりしません。選手がコーチではなく、監督しか見なくなってしまうので。だから、何か伝えたいことがある時はコーチを通して間接的に伝えるようにしているし、もし直接話すことがあっても、コーチにも『こういう話をしますね』『しました』と共有しています。
その代わり、僕は極力選手を見て『お前のこと見ているぞ』って、見られている感を出しています、ずっと(笑)。だから、練習中もそんなに話はしないし、コーチの横でずっと見ている。目でプレッシャーをかける。それが監督の仕事だと思うので。僕自身の経験から考えても、何も言わずに見ているのが選手は1番のプレッシャーだと思うんですよ。」

(中編に続く)

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「勝つことと育てることは正反対」千葉ロッテ井口監督の“育成方針”と成長認める若手は?[Full-Count]

◇主砲離脱とコロナ禍で際立った若手の奮起…井口資仁監督独占インタ第2回

2020年、井口資仁監督率いる千葉ロッテは13年ぶりにパ・リーグ2位となり、4年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出を果たした。CSでは2試合連続で先制点を挙げながら逆転負けを喫して敗退。日本シリーズV4を達成した福岡ソフトバンクを越えることはできなかったが、指揮官は「今年、来年と繋がるチームになってきた」と手応えを語った。

コロナ禍で揺れたシーズンに、井口監督はどんな手応えを感じたのか−。

2021年の幕開けとともに、就任4年目を迎える井口監督の本音に迫る全3回の独占インタビュー。第2回は「育てる」をキーワードにお届けする。


新型コロナウイルス感染拡大の影響で、開幕が約3ヶ月遅れた2020年。開幕当初から優勝争いを繰り広げた千葉ロッテだったが、決して万全な戦力で臨んだシーズンとは言い切れなかった。前年にチーム最多となる32本塁打を記録したレアードは腰の故障で状態が上がらず、8月に離脱。優勝争いが過熱する10月には1軍選手7人がコロナ陽性と判定され、2軍から11選手が緊急昇格。度重なるピンチでチームを救ったのは、しっかり育ててきた若手選手達だった。

「我々もピンチをチャンスに変える選手が出ることを望んでいるところだった。結局、離脱した選手の話をしても仕方がない。逆を考えれば、若手にとってこんなチャンスはなかなかない。そこでしっかり掴んでくれた選手がいたのは、すごく大きかったと思いますね」。

レアード不在のピンチをチャンスに変えたのは、井口監督が就任直後の2017年ドラフトで交渉権を引き当てた安田尚憲だった。期待の和製大砲は、プロ1年目の2018年に1軍デビューこそ果たしたが、2年目の2019年は1度も1軍に上がることなく、2軍でシーズンを終えた。1軍に呼んでもらえない悔しさを昇華させ、ファームで最多本塁打、最多打点のタイトルと2冠を獲得。そのオフにプエルトリコのウインターリーグも経験した安田は、昨季開幕1軍入りを果たした。

開幕当初は打率1割台と低迷したが、井口監督は「彼はもう下(2軍)でやることは何もない。下にいても当たり前のように打てる。あと伸びしろを広げるのは1軍での経験でしかない」と1軍で起用。さらに、7月21日の埼玉西武戦で4番に抜擢すると、86試合連続で使い続けた。

「今年は開幕からずっと1軍に置いて、どのタイミングで試合に出そうか悩んでいたんですけど、『出すからには4番』という想いはありました。実際にレアード以外に4番を打つ選手もいなかった。安田は選球眼がいいから出塁率が上がるので、とりあえず繋ぐ4番で起用しようと。後半ちょっと調子が落ちて来た時、周りから色々な意見はありましたけど、我慢しないと育たない。打順を下げたり、スタメンから外すのは簡単。育てるって本当に難しいんですよ。今年も含めて、来年、再来年……、先を言えば5年後、10年後のマリーンズを背負って立つのは彼。そういう想いを伝えたい意図もありました」。

突然降ってきた大役。思うような結果が出ない安田は頭を悩ませ、気に病む時もあったが、ベテラン鳥谷敬の「準備をしっかりするように」という教えを胸に、戦い抜いた。成果となって現れたのが、CSだ。安田は第1戦で2回に先制2ランを放つと、第2戦も初回にタイムリー二塁打で同じく2点を先制。福岡ソフトバンクが誇る鉄壁の投手陣に襲い掛かった。

「シーズン中はずっと4番を任せていたけど、最後の1ヶ月くらいですかね。毎日特打をやるようになって、自分の中で何かが掴めたんでしょう。その結果がCSで出て、いい形でシーズンを終えられた。課題だった守備が急成長したこともあって、自分の中の不安が解消されて、打つ方に集中できたのかもしれません。今年は3割、20本塁打以上は期待できるんじゃないかという想いはあります」。

◇「経験値が上がれば、メジャーに行った秋山翔吾選手以上になる」

コロナに揺れたピンチを救ったのは、2018年ドラフト1位の藤原恭大だ。井口監督が黄金の右手で交渉権を引き当てた、走攻守3拍子揃った外野手は、10月7日のオリックス戦から1軍でスタメン出場。勝負強い打撃でヒットを重ねると、プロ第1号と第2号を先頭打者ホームランで飾る離れ業も演じながら、26試合で打率.260、3本塁打、10打点と奮闘し、首脳陣の信頼を勝ち取った。CS第2戦では史上最年少となる20歳6か月で猛打賞を記録している。

「恭大は、色々な意味で思いきりのいいスイングをする。後半26試合に出る中で、ほぼ全員が初対戦のピッチャーで、何が何だか分からずに打ちにいきながら結果を残してくれました。あとは経験値と1年間戦う体力をどれだけつけるか。まず、1軍に来て、2軍以上の成績が出せる選手はなかなかいない。それは彼が持っている力だと思います。チームは当時、沈んだ雰囲気でしたけど、恭大が1軍に来て『野球が楽しい』って言いながら、新鮮な想いでやってくれた。そういう選手がいたので頑張りが利いたんだと思います。経験値が上がれば、メジャーに行った秋山翔吾選手以上になるんじゃないかな」。

かつて、期待の高卒ルーキーは、1年目からどんどん1軍で起用された。だが、井口監督は期待する若手だからこそ、あえて2軍で育成。今岡真訪2軍監督と密にコミュニケーションを取りながら、チームとしての育成方針を一貫させている。

「勝つことと育てることは正反対。優勝争いをしながら若い選手を育てるのは、まず無理です。どうやってバランスを取るかが大事。そこは球団と我々とでビジョンを共有して取り組むことができている。今年勝つだけじゃなくて、3年後、5年後、10年後、常に優勝争いをするチームを作るのが球団としてのビジョンです。そこに向けてどうやって戦力を整えていくか、経験させるか。勝ちたいと思うなら経験値が高い選手を出せばいいけど、若手に経験させることも大事なんですよね」。

福岡ソフトバンクとのCS第2戦、2点を追う9回2死満塁の場面で、指揮官は代打としてルーキーの佐藤都志也を送った。起用の理由を「今後の経験として、1回でもいいから打席に立たせてあげたいという想いはありました」と明かす。結果はセンターフライで試合終了を迎えた。

「ベンチに帰ってきた時、本当に悔しそうで泣きそうな顔をしていましたよ。でも、そういう想いを持って、打席に立ってほしかったんですよね」。

少し先の未来を見ながら、どうやって育てるか。就任4年目の今年、井口監督が着手した「育てる」成果がそろそろ現れてくるはずだ。

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