ロッテ山口航輝外野手(20)のアピールが続く。9日、石垣島キャンプでの打撃練習で左腕山本大貴投手(25)と対戦。バックスクリーン直撃の推定130メートル弾を含む、2本の柵越えを放った。
外角の直球に力負けせず、豪快にぶち当てた。「バットのヘッドがちょうど返るとこに当たったので、1番飛ぶ打ち方で打ったなと思いますし、ヘッドの力だけで打った感じがあったので、これ、いい打球やなと思いました」と自画自賛の1発だった。
8日はドラフト1位左腕・鈴木昭汰投手(22=法大)からも左中間、右中間に1発ずつ。ボール球をしっかり見極めながら、一振りで仕留める姿に期待が高まる。「我慢して、我慢して。去年まではがっつくことも多かったんですが」。アピールしたい場面でも焦らずに待つスタイルが、いい方向に出ている。
11日の紅白戦では4番で起用される予定だ。「嬉しいことでもあるし」としながら「本当にまだまだな部分もいっぱいあるので」と緩まない。この日も夕方まで振り込んだ。
中学校時代、国語の授業で伊藤園主催「おーいお茶 新俳句大賞」に応募。佳作特別賞に選ばれた。
1月末には日刊スポーツからのリクエストで、今季への意気込みを五七五でよんだ。この日は某放送局から「今日も1日鍛え上げての思いを五七五で」とリクエスト。「…何かないっすか?」と笑いながら目で訴えてきたものの、最後はしっかり整えた。
「下半身 鍛えまくって ひざ笑う」。
ロッテのドラフト2位・中森俊介投手(18=明石商)が9日、沖縄・石垣島キャンプでプロ入り後初のブルペン投球を行った。
清々しい表情でブルペンを引き揚げた中森は「今日の投球というのをベースに、これからもっといい球を投げられるようにやっていきたいなと思います」と振り返った。
ワインドアップで15球、セットポジションで6球の計21球をリズミカルに投げた。投球前には美馬らのブルペンを見学した。「常に低めを意識されている投球であったり、捕手の構えたところに、その周辺にずっといっている印象でした」。同じように、初ブルペンとは思えないほど制球は安定した。中溝ブルペン捕手のミットをしっかり鳴らし、自身も返球を甲高い音でキャッチ。いい空間を作っていった。
入団前はブルペン投球を続けていた。入団後は一転、控えた。チーム方針もある。吉井投手コーチは6日に「去年の横山、佐々木と一緒で、高校時代の体の使い方が絶好調になるまで待ってる状態ですね」と話していた。神経と筋肉の合致を待ち、この日を迎えた。
11日の紅白戦では、中森以外のルーキー投手全員が投げる予定だ。じっくり鍛え、シーズン開幕後のイースタン・リーグでの実戦デビューに備える。
「早く実戦で投げてみたい気持ちもあるんですけれども、まだプロの体にもなってないですし、今はしっかり土台づくりをして、それからアピールできる場所で自分の投球ができるようにしていきたいと思います」。
今季15勝を目標にしても、焦るつもりはない。強い意志だけは忘れずに、この春は中森俊介の礎を築く。
ロッテは9日、YouTubeチャンネル「テレビ東京スポーツ」で11日の紅白戦をライブ配信することが決定したと発表した。
午後1時半から試合終了まで配信される。野球解説者の斉藤和巳氏(43)とロッテOBの成瀬善久氏(35=栃木ゴールデンブレーブス選手兼投手コーチ)が都内のスタジオから解説する。
ロッテが11日に予定している紅白戦の先発投手が、古谷拓郎投手(20)と本前郁也投手(23)に決まった。
9日、両先発を明らかにした吉井投手コーチは「失敗しました」と一言。石垣島はこれまで25度前後の晴れ日が続いていたのに、11日だけが本降りの雨予報だ。古谷は昨季、先発デビュー予定が3試合連続で、雨天中止になった実績がある。井口監督もこの日「雨古谷(降るや)ですね」と追随するコメントを出した。
当日は7イニングの試合を予定している。10日はキャンプ休日のため、9日夕方時点で球場には防水シートがはられる。「何とか時間をずらしてでも」と指揮官は開催を願う。
なお9日午後4時時点では、石垣島地方は11日未明から正午にかけ大雨予報となっている。午後3時から4時にかけて雨があがる予報だが、さて。
ロッテのドラフト2位・中森俊介投手(18=明石商)が9日、沖縄・石垣島キャンプで初のブルペン投球を行った。
中溝ブルペン捕手を相手に、直球のみ21球を投げ込んだ。吉井投手コーチは、中森について「去年の横山、佐々木と一緒で、高校時代の体の使い方が絶好調になるまで待っている状態ですね。絶好調で投げてた時から何もしない期間があったと思うので、いま投げさせると体も疲れてくるし、形が変わってしまうので、まずは神経と筋肉がうまく合致して、感覚が絶好調になるように」と6日の取材で話していた。
ロッテ石垣島キャンプに6日、侍ジャパンの稲葉篤紀監督(48)が訪れた。1軍の打撃練習やブルペンを視察し、井口資仁監督(46)らと言葉を交わした。
その頃、同じ敷地内にある2軍球場。侍入りに憧れる若者が、バント練習をしていた。育成ドラフト1位の谷川唯人捕手(18=立正大淞南)だ。背番号122の育成選手。オリンピック(五輪)どころか、1軍公式戦への出場資格もまだない。
報道陣に「日本代表に入りたいですか?」などと問われて、初めて「はい」という選手が多い。谷川は違った。昨年12月の新入団選手会見で夢を問われ「侍ジャパンを担えるような捕手になることです。小さい頃から『侍ジャパンで試合に出たい』という夢があったので、かなえるために頑張っていきたいです」と堂々と宣言した。
小学生になる直前の、09年3月だった。WBCのテレビ中継に、幼心に興奮した。「城島さんと、それにイチローさんの韓国戦のセンター前ですね。侍ジャパンの雰囲気を見ていたら、ここでやりたいなって感じました」。
侍入りのチャンスはあった。高校進学直前にプレーした「Kボール」で島根県代表に選ばれ、全国大会に出場。強豪を破り4強入りした。U15日本代表の選考には漏れたが「全国にはすごい選手がいっぱいいるんだな」と夢を新たにする学びの場になった。
今は無理でも、いつか。「5、6年後を目安に伸びていきたい」と見据える。二木康太投手(25)の投球を堂々と受け、自慢の肩のスタミナを磨き、充実のキャンプを過ごす。育成指名でも期待は大きい。「チャンスが来たら一気につかめるようにしたいです」。日焼けした笑顔で夢見た。
12球団のキーマンに迫るインタビューの第4回は、岩手・大船渡高からドラフト1位で入団し、プロ2年目を迎えたロッテ・佐々木朗希投手(19)。昨季1、2軍の公式戦で登板機会がなかった“令和の怪物”が、デビューを目指す今季に懸ける決意や、発生から10年の節目となる東日本大震災への思いを語った。
沖縄・石垣島での1軍キャンプで1日の初日から投球練習を行い、捕手を立たせて37球を投げた。昨年より12日も早い初ブルペン入りで、3日に捕手を座らせて33球、8日には3度目の投球練習に臨んで20球を投じた。9日はキャッチボール、ランニング、強化トレーニングなどを精力的にこなした。
ロッテの石垣島キャンプ中、選手は不要不急の外出と外食が禁止されている。それでも佐々木朗は「コロナに関係なく、(プロ1年目の)去年も外出したことはなかったので」と意に介さない。宿泊しているホテルは1人部屋で選手間の行き来も禁止。自室では「携帯(電話)を見がちなので、最近は見ないように」と心掛け、代わりに「音楽をかけたり、海を眺めたりしています」と“ステイホテル”でのリラックス法を明かした。
ロッテ・山口航輝外野手(20)が沖縄・石垣島キャンプ4日目の9日、フリー打撃で左腕の山本大貴投手(25)と対戦して、中越えを含む3本塁打をたたき出した。
明桜高(現ノースアジア大明桜高)から入団3年目で、活躍が期待される右の大砲。8日のフリー打撃ではドラフト1位・鈴木昭汰投手(22)=法大=から2本塁打を放っており「もっとアピールして開幕から1軍でいられるように頑張りたいです」と念願の1軍戦初出場を目指す。
初の1軍キャンプでは一塁の守備にも就く。11日の紅白戦では4番。高校時代に対戦して抑えられた日本ハム・吉田輝星投手(20)=金足農高=に激しいライバル意識を燃やし「向こうも成長している。1軍の舞台でやりたい。負けていられない。ホームランを打ちたいです」と語った。
13歳のときに伊藤園主催「おーいお茶 新俳句大賞」で応募した俳句『ラグビーの選手の体湯気が立つ』で佳作特別賞を受賞。居残り特打を終えた後は「下半身 鍛えまくって 膝笑う」と一句詠んだ。
ロッテは9日、YouTubeチャンネル「テレビ東京スポーツ」が2月11日の石垣島キャンプ紅白戦(14時、石垣市中央運動公園野球場)をライブ配信すると発表した。配信は13時半から試合終了まで。
野球解説者の斉藤和巳氏とロッテOBの成瀬善久氏(現栃木ゴールデンブレーブス選手兼投手コーチ)が解説者として参加予定。実況・解説は都内スタジオから実施する。配信リンクなどのライブ配信詳細は以下の通り。
配信リンク:YouTubeチャンネル「テレビ東京スポーツ」(https://www.YouTube.com/watch?v=OfaaYKPnhhA)
ロッテのドラフト2位・中森俊介投手(18)=明石商高=が沖縄・石垣島キャンプ第2クール4日目の9日、ブルペンでキャンプ初の投球練習を行い、捕手を立たせて21球を投げた。
高校時代に甲子園をわかせた最速151キロ右腕は、ワインドアップから16球、セットポジションから5球。全て直球を投じた。ワインドアップからゆっくりと左足を上げる投球フォーム。ボールは投げるごとに球威を増していった。
中森は1月7日にさいたま市南区のマリーンズ寮に入寮した。生まれ育った兵庫・丹波篠山(たんばささやま)市のふるさと大使に就任予定。今キャンプは2軍スタートで練習を続けている。
右の長距離砲として期待されるロッテ3年目・山口が左腕の山本貴とフリー打撃で対戦し、3本塁打を放った。
右翼ポールのはるか上を巻く一撃を放つと、さらにバックスクリーンへも130メートル弾。そして右越えにもう一発放り込んだ。「当たった打球は飛んでいる。あとは確率を上げたい」と気を引き締めるが、前日もドラフト1位の鈴木(法大)から2発と絶好調。
中学時代に川柳で入選した経験を生かし「下半身 鍛えまくって 膝笑う」と一句も詠んだ。井口監督は「どの球にも対応できる」と11日の紅白戦では安田とともに4番に起用する方針だ。
2軍キャンプに参加しているロッテ・ドラフト2位の中森(明石商)が初めてブルペン入りし、捕手を立たせて21球を投じた。
首脳陣、チームスタッフらを前に「少し力んでしまった」と反省。井口監督は「急がせる選手ではない」と言うが、1年目から15勝を目標に掲げる右腕は「試合ではたくさんのファンの前で投げる。どんな環境でも自分のボールを投げられるようにしたい」と頼もしかった。
ロッテは9日、YouTubeチャンネル「テレビ東京スポーツ」で11日の石垣島春季キャンプ紅白戦(石垣市中央運動公園野球場、午後2時試合開始)をライブ配信することを発表した。
ライブ配信は午後1時半から試合終了まで。野球解説者の斉藤和巳氏と球団OBの成瀬善久氏(現栃木ゴールデンブレーブス選手兼投手コーチ)が解説者として参加する予定。なお、実況・解説は都内スタジオから実施する。
配信リンク等のライブ配信詳細は次の通り。配信リンク:YouTubeチャンネル「テレビ東京スポーツ」(https://www.youtube.com/watch?v=OfaaYKPnhhA)。
球団広報室は「ファンの皆様から紅白戦を見たいとの多数のご要望を受け、今回の中継が実現しました。当日はぜひライブ配信を楽しんでいただければと思います」とPRした。
ロッテの高卒3年目・山口航輝外野手が9日、石垣島キャンプで、左腕・山本とフリー打撃で対決し、バックスクリーン弾を含む、3本の柵越えをマークした。
昨季2軍でチーム最多タイの7本塁打を放った右の大砲候補で、推定130メートルのバックスクリーンを直撃した一撃も衝撃的だったが、右翼超えだった残りの2発も圧巻だった。
8日のフリー打撃でもドラフト1位・鈴木(法大)から、2発をマークしている。
ロッテのドラフト2位・中森俊介投手(明石商)が9日、石垣島キャンプで初めてブルペン入りし、捕手を立たせた状態で21球を投げ込んだ。
2軍キャンプに参加し、高卒ルーキーとあって、ここまではじっくりと調整してきた。昨年のドラフト1位・佐々木朗希はキャンプが打ち上げとなった2月13日が初ブルペンだっただけに、1年前の佐々木朗のペースを上回る状態といえそうだ。
ロッテの佐々木朗希投手(19)が、このほどスポーツ報知のインタビューに応じた。“令和の怪物”と称されプロ野球の世界に飛び込んだ昨年は、実戦登板なしに終わった。そこには目に見えない葛藤の日々があったという。2年目となる今季、佐々木朗はどう進化したのか。新フォームの背景にも迫った。
本人が実感しているように、昨季から担当として取材している私にも朗希の成長が手に取るように分かった。1月28日の石垣島先乗り自主トレ。オンラインでの取材が続いていたため報道陣と選手が直接会うのはこの日が2021年初めてだった。
たくさんの選手が久しぶりに会う報道陣と「お疲れさまです」といつも通りの挨拶を交わす中で、最速163キロ右腕が返した言葉は「お疲れさまです。明けましておめでとうございます」だった。15人近くいる選手の中でこの言葉を発したのは朗希ただ1人。
昨季は1年目で慣れないことも多く、とても控えめなイメージだった右腕を思い返すと、確実に大人になっていた。私は今年入社して3年目になるけれど、1年目はおろか、大学1年生だった19歳から胸を張って成長したと言えるだろうか。取材をしていていつも朗希の言葉に感銘を受ける。今年は成長したと言えるよう、私も頑張ってみようと思う。
ロッテの佐々木朗希投手(19)が、このほどスポーツ報知のインタビューに応じた。“令和の怪物”と称されプロ野球の世界に飛び込んだ昨年は、実戦登板なしに終わった。そこには目に見えない葛藤の日々があったという。2年目となる今季、佐々木朗はどう進化したのか。新フォームの背景にも迫った。
ロッテの佐々木朗希投手(19)が、このほどスポーツ報知のインタビューに応じた。“令和の怪物”と称されプロ野球の世界に飛び込んだ昨年は、実戦登板なしに終わった。そこには目に見えない葛藤の日々があったという。2年目となる今季、佐々木朗はどう進化したのか。新フォームの背景にも迫った。
表情からは充実感が漂っていた。佐々木朗は「すごく落ち着いて冷静に周りが見えるようになってきたなと思います」と明かした。1年たって、マウンドから見える景色は変わった。
気温20度超えの石垣島。夕日が沈む海を眺めながらこの1年間を思い返した。「うまくいかない時とか、それを改善しようと努力したけど全部がうまくいく訳じゃない。頑張ったけど報われなかった。そういうことが多い中でも周りの人に負けないように立ち向かってきた」。
1年目のプランを自身でも描いていた。「1試合は投げたいと思っていた。でももう終わったことなので次は確実にいけるように」。1軍帯同など黄金ルーキーの“異例”ともいえる育成プランには、ファンや周りから「特別扱い」といった指摘がなかった訳ではない。「『周りが』とか『昔は』とか比べがちだけど前例はなくていいと思う。それは僕がつくればいいと思うので」と力を込めた。
去年の自分を「ワガママ」と捉える。「思ったらすぐに口に出しちゃう。選手にとっては大事なことだけどちょっとやり過ぎました(笑)」と反省しつつ「自分に負けそうになった時とか妥協しそうになった時でも踏ん張れるようになったかな」と成長も実感している。
まずは1軍のマウンドに立つために、今オフからフォームもオリックス・山本を参考にし改善に取り組んだ。「言葉では言うのが難しい」。感覚的なものを参考にした。それを取り入れることによって左足を高く上げる独特なフォームも以前より少し足が下がった。無駄なところに力を入れない“省エネフォーム”にするためだ。「去年はボールより体に力が入ってちょっと間違った方向に行きかけてた。今はボールに伝える必要な分だけ、なるべく消耗少なく投げられるようにしている」。
山本由伸と佐々木朗希の比較表 | ||
---|---|---|
山本由伸(22) | 名前・年齢 | 佐々木朗希(19) |
1998年8月17日 | 生年月日 | 2001年11月3日 |
岡山県 | 出身地 | 岩手県 |
178センチ、80キロ | 身長、体重 | 190センチ、85キロ |
小学1年で野球を始め宮崎・都城高では甲子園出場なし | 球歴 | 小学3年で野球を始め大船渡高では甲子園出場なし |
右投右打 | 投打 | 右投右打 |
16年ドラフト4位 | 入団 | 19年ドラフト1位 |
今年は先発ローテとしても期待される。「そこ(ローテ)はモチべーションの1つ。自分のポテンシャルを信じて頑張ります」。オリックス・山本も高卒2年目でブレイクし、日本代表まで成長した。同じ道筋をたどり、目指すは初勝利だ。ウィニングボールはもちろん家族に届ける。「実家に贈ってそこからは任せます(笑)」。天国の祖父母、そして父もきっと待っているはずだ。
ロッテのドラフト2位・中森俊介投手(18)が9日、沖縄・石垣島キャンプでプロ入り後初となるブルペン投球を行った。
初めは先にブルペン入りしていた美馬や東條らのブルペン投球を見学。その後10時30分頃に捕手を立たせて21球を投げた。少々緊張した面持ちだったが、力強いボールも見られ約15分間のプロ初ブルペンを終えた。
ロッテから海外フリーエージェントの権利を行使して米大リーグ挑戦を目指していた沢村拓一投手(32)がレッドソックスと正式合意したことが8日(日本時間9日)、米球界関係者の話で分かった。巨人からトレード移籍したロッテで復活のきっかけをつかんだ右腕が、憧れだったメジャーのマウンドで輝きを放つ。
夢をつかんだ。メジャー挑戦を決意して、ロッテから海外FA権を行使した沢村が選んだのは、名門のレッドソックスだった。米球界関係者によるとメディカルチェックをクリアしたもようで、ついに正式合意に至った。
2月に入り、メジャー球団のキャンプインも間近に迫る中、ついに行く先が決まった。昨年12月、マリナーズやブルージェイズなど米6球団が興味を示していると報じられたが、FA市場はコロナ禍の影響を受けて停滞。だが、FAの目玉だったトレバー・バウアー投手のドジャース入団が発表されるなど、ここに来て一気に市場が活性化した。沢村も代理人のジョン・ボッグス氏らとメジャー球団との最終交渉に臨むため、4日に渡米していた。
新天地に選んだレッドソックスは昨季、ア・リーグ東地区最下位に沈んだ。開幕時の抑えのワークマンを早々と放出し、後任のバーンズは防御率4.30。元広島のブレイシアは昨季10ホールドも防御率は3.96と安定感を欠いた。今オフにヤンキースからオッタビノ、エンゼルスからアンドリースを補強したが救援陣の手薄さは否めない。ロッテ移籍後、威力を発揮した150キロ超の直球とフォークを武器に、沢村が救世主となる可能性もある。
海外FA権の行使を表明した際に「1番、必要としてくれる球団で腕を振りたい。世界中の優れた選手がプレーする場所。憧れもあるし、夢もある」と目を輝かせて語ったメジャーのマウンドに立てる。2007年に松坂大輔、岡島秀樹、13年には上原浩治、田沢純一らが奮闘して世界一を勝ち取ったレッドソックスで、新たな歴史を刻む。
レッドソックスの主な救援投手 | |||||
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投手(年齢) | 登板 | 勝−敗 | H | S | 防御率 |
M.バーンズ(30) | 24 | 1−3 | 4 | 9 | 4.30 |
★A.オッタビノ(35) | 24 | 2−3 | 2 | 0 | 5.89 |
R.ブレイシア(33) | 25 | 1−0 | 10 | 0 | 3.96 |
★M.アンドリース(31) | 16 | 2−4 | 3 | 2 | 4.50 |
D.ヘルナンデス(24) | 7 | 1−0 | 2 | 0 | 2.16 |
沢村拓一(32) | 35 | 1−3 | 14 | 1 | 3.41 |
[注]★新入団。Hはホールド、Sはセーブ。
ロッテの山口航輝外野手(20)がフリー打撃で中堅スコアボード直撃弾を含む3発の柵越えを放ち、猛アピール。11日の紅白戦4番での出場が有力となった。
97キロの巨体から鋭いスイングで打球をはじき返した。山本貴の直球を中堅方向へはじき返した打球はバックスクリーンを直撃する推定130メートル弾。さらに右方向へも2発、放り込んだ。「自分の長所をしっかりアピールできた。打球はいい感じで飛んでいっている」と腕をぶした。
前日8日はドラフト1位・鈴木(法大)から2発。この日の3発と2日間で計5発はいずれも左投手。左打者育成に力を入れる松中臨時コーチからも右打者ながら声をかけられ「内角球は1球で仕留めろ」とアドバイスを受け、失投を逃さない打撃を心がける。
井口監督は「うちにはいないタイプ。どこの方向も関係なく打てる」と逆方向への飛距離にも目を見張る。高卒3年目の大砲がマリーンズの左キラーとして、今季、台頭しそうな予感だ。
ロッテの井口資仁監督が、3年目の山口航輝外野手の柵越えに目を細めた。
8日のフリー打撃で2本の柵越えを放ち、この日も中堅バックスクリーン弾を含む計3発。ここまでのキャンプの内容を評価し、11日の紅白戦は4番で出場予定させる見込みだ。「去年は荒削りだったが、今年はしっかり下半身を使ってどの球にも対応できてくるんじゃないかと思ってます。どこの方向にも打てるバッターなので楽しみ」と新鋭に期待した。
秋田・明桜高時代は高3夏の決勝で日本ハム・吉田に4打数3三振で敗れた。プロでの対決を実現させるためにも、目標の開幕1軍へ実戦でも打ってアピールする。
ロッテは9日、YouTubeチャンネル「テレビ東京スポーツ」にて2月11日の石垣島春季キャンプ紅白戦(石垣市中央運動公園野球場、14時試合開始)をライブ配信することが決まったと発表した。
ライブ配信は13時30分から試合終了まで実施し、野球解説者の斉藤和巳氏とマリーンズOBの成瀬善久氏(現栃木ゴールデンブレーブス選手兼投手コーチ)が解説者として参加する予定。
配信リンク等のライブ配信詳細は次の通り。配信リンク:YouTubeチャンネル「テレビ東京スポーツ」(https://www.YouTube.com/watch?v=OfaaYKPnhhA)
千葉ロッテマリーンズ広報室は「ファンの皆様から紅白戦を見たいとの多数のご要望を受け、今回の中継が実現しました。当日はぜひライブ配信を楽しんでいただければと思います」とコメントした。
ロッテの山口航輝外野手がキャンプ2度目のフリー打撃で特大のバックスクリーン直撃弾を放った。
井口監督が、見守る中、山本貴との対決。右前打を放った後、直球を振り抜いた打球はグングン伸びてスコアボードを直撃。前日8日にはドラフト1位・鈴木(法大)とのフリー打撃で2発の柵越えを放った高卒3年目が、2日連続で豪快な一発を放った。
ロッテのドラフト2位・中森俊介投手(明石商)が、初のブルペン入りした。立ち投げで直球のみの21球を投じた。
今キャンプは2軍で参加の中森。石垣島入り前「体づくりをテーマにして取り組んでいる。しっかりキャンプで先輩方に負けないように必死についていきたい」と話していたが、高卒ルーキーながら昨年の佐々木朗の立ち投げより早い、第2クールでのブルペン入りとなった。
ロッテ4年目の山本大貴投手は「強いボールを投げること」をテーマにキャンプに臨んでいる。昨季は1軍で自身最多の12試合に登板。「去年を超える活躍がしたい」と札幌生まれの25歳は確固たる決意を胸に2021年シーズンに挑む。
山本大貴は北海道の北星学園大附属高出身。元々は勉強して公立高校に入る予定だったというが、近くのグラウンドでプレーしていた左腕をたまたま見かけた監督に声をかけられ、北星学園大附属高に進学した。
「監督が僕のキャッチボールしてる姿を見て、そこで声をかけてもらった。僕も何かしらの縁を感じて、この高校でお世話になろうと言うと親とも相談して決めました」。
高校時代は全道大会にも出場できなかったが、スカウトからの注目を集めていたこともありプロ志望届を提出。しかし指名はされず、北海道から遠く離れた愛知の三菱自動車岡崎へと進むことになった。
「地元が好きで、最初は北海道から出ることを考えていなかった」。プロ野球選手も輩出する道内の大学で野球を続けようとしていたが、とある“縁”が彼を愛知へ導いていた。
「ちょうど(入団予定だった)二木(康太)がドラフトでプロに入って、高卒の投手枠が1つ空いたっていうのがあって、それで関係者の方に練習参加という形でもいいから行ってみてくれって言われたのがきっかけです」と明かす。社会人野球に入団する裏には後にチームメートとなる二木の存在があった。
練習に参加し、その後入団することとなったが、最初の2年はチームのレベルの高さに驚き、自信もなくしてしまっていた。「どうせ3年で終わって会社勤めかな、とかマイナスのようなことしか考えていなくて、毎日毎日自信を持てないまま過ごしていた」と振り返る。そんな意識が変わるきっかけとなったのが、社会人3年目にチームが本社の不祥事で活動自粛となった時だった。
「ほとんどの選手は実家に帰って親に顔を出したりとかしていたんですけど、僕は北海道で急遽帰るってことができなくて寮に残っていたので、暇だなと思ってウエートトレーニングを始めたのがきっかけでした」。
そこから自分で考えて練習する力が身につくと今度は肉体改造に挑戦。その結果、球速は143キロから148キロにアップし公式戦のマウンドも任されるエースに成長。都市対抗にも出場し、ドラフトで3位指名を受けた。
山本大貴のフォームは右手の使い方が特徴的で“猫だまし投法”とも呼ばれている。打者がタイミングのとりづらい独特のフォームが生まれたきっかけも社会人時代にあった。
「今言っても誰も信じてもらえないかもしれないんですけど、高校まではしなやかできれいなフォームというのがウリだったので…」と笑みを浮かべながら振り返る。
自信をなくしていた社会人時代、先輩とのキャッチボールで「暴投投げたらどうしよう」と、制球に苦しんでいた時期に試行錯誤した末にたどり着いたフォームだった。
「毎回(暴投して)すみませんすみませんって言って、自分の中で嫌になってきて、それをどうしたらいいのかなって、先輩やコーチに相談していく中で、あんな感じになっていきました」。
特徴的なフォームを武器に、プロの世界へ飛び込んだ。1年目にプロ初先発を果たすも3回4失点で負け投手に。プロ入りして2年間で1軍で投げたのはその試合だけだった。「やっぱり1軍のレベルはほど遠いところにあるんだなというのは痛感させられました」と当時の心境を語った。
その悔しさを胸に、昨年は1軍で自己最多となる12試合に登板。その内11試合で無失点と1軍の舞台で猛アピールを見せた。「ぶつかっていこうと決めていたので、それが結果として出てくれたのはよかった」と手応えを口にした。今季は「1試合でも多く投げて、とにかくチームの勝ちに貢献したいという思いが強いですね」と語る若き左腕の活躍に期待が集まる。
第2クール最終日も濃厚な1日となった。野手は徹底的に振り込み、下半身をイジメ抜いた。「下半身を使って打つ」。今キャンプで井口資仁監督が打撃陣にテーマの1つとして掲げている内容だ。
「打撃では下半身を意識して使ってもらいたい。何よりも下を使えば打撃の波を小さくできる。みんな大波だからね。小波にしてもらわないとね。オレも現役時代、そうだった。下半身を使って打つことを覚えてから波も小さくなったし長打力も増した」。
指揮官は自身の経験も踏まえて下半身主導の打撃を提唱する。打撃陣の波が激しかった昨年の反省から今年はキャンプ初日から下半身をしっかりと使って打つ練習を課した。松中信彦臨時打撃コーチが推奨するのも同じ理論。考えを共有し指導を行っている。
今年はホテル宿舎内の中庭での夜間練習も推奨している。自主的ではあるが夕食後の時間帯に1人、また1人と選手達が暗闇の中でバットを振る。井口監督にとってベランダに顔を出し、中庭でバットを振る選手達の姿を見るのが日課となっている。
「みんな振っている。誰が打っているかは暗いから分からないけどね。バットを振る音はしっかりと聞こえる。それくらいしっかりと振り込んでいるね。振らないと打つ体力はつかない。1年間通して下半身で打つには今の時期にしっかりと身体に染みこませる必要がある」と目を細める。
11日の紅白戦では将来の主軸候補を紅白の4番に据える考えだ。安田尚憲内野手と山口航輝内野手。2人ともフル出場を予定。「失敗を恐れず、思いっ切りやって欲しい」と高い期待をかける。徹底的に振り込んだキャンプ。打ち込んだ日々。実戦の中で新しいマリーンズの攻撃力を見せつける。
(千葉ロッテマリーンズ広報・梶原紀章)
自主トレ先から戻ってきた安田尚憲内野手の表情は充実感と自信にあふれていた。ホークス柳田悠岐外野手。1月、チームメートの福田秀平外野手、藤原恭大外野手と共に、佐賀県で球界を代表するスラッガーと体を鍛えた。プロ入りからこれまでは独自で練習を行ってきたが、初めて教えを乞う形で参加をさせてもらった。
あれは昨年のシーズン中。ZOZOマリンスタジアムでホークス戦が行われた際の練習中に「来年の自主トレ、ボクも一緒にさせていただけませんか?」とお願いをすると「おう、いつでも来いよ」と二つ返事で承諾をしてもらった。
「日本で1番すごい選手。そんな選手と一緒の時間を過ごさせていただき毎日が衝撃の連続でした。高いレベルで練習をさせていただきました」。
濃厚な日々を安田はそう振り返った。合流したのは1月上旬。雪が降り積もる寒い日だった。集合先は宿泊先の旅館。そこに憧れの選手は待っていた。翌朝から練習に向かうとロングティーを目の前で見て衝撃を受けた。「強烈だった。すごいパワー」と強い刺激を受けた。
メニューはバットも振ったが、走り込みがメイン。初日から12分間走を取り入れるなど身体を丁寧に慎重につくり上げていった。ここぞとばかりに練習の合間を見計らって、次から次へと質問を投げかけた。「打撃で意識していることは?」「打席ではどのようなことを考えているのか?」「調子が悪くなった時の対処法」などなど。その全てをノートにメモし反芻した。
中でも忘れられないのは調子を落とした時のメンタル面。「プロ野球は毎日のように試合がある。そんな中で誰だって調子が悪い時はある。悩みはある。そういう時に消極的になるのではなく声を出したり積極的にやった方がいい。切り替えが必要」と優しく語り掛けるように教えてもらった。
「柳田さんでも調子が悪い時があるのかと思いました。去年、ダメな時にすごく消極的になってしまった。精神的な弱さを出してしまった」と安田。
2020年シーズン、若くして4番に座った。当初は勢いで飛ばしたが中盤以降、怖さを知った。好機に自分が凡退をしてチームが負ける怖さだった。責任を背負い、大きな体が縮こまってしまう。消極的なプレーが負の連鎖を呼んだ。今、振り返ると自分の弱さがそこにはあった。切り替えの大切さ。メンタル面の大事さを知った。だからこそ憧れの大先輩の言葉が胸に突き刺さった。
「去年は4番を打ったのではなくて打たせてもらった。ボクはその場所にもう1度、自分の力で戻りたい。まずはアピールして競争に勝って開幕スタメンを勝ち取る。そこからです」。
安田の視線はすでに3月26日の開幕を見ている。相手は敵地福岡での柳田の所属するホークス。目の前で堂々たる立ち振る舞いを見せたいと意気込む。「ぶれない」。今年の安田のテーマだ。「昨年はぶれてばかりだった。身体も心もしっかりと軸をつくりたい」。憧れの背番号「9」に少しでも近づけるように。助言の数々を思い返し若者は石垣島春季キャンプで精力的にバットを振る充実の日々を過ごしている。今年こそ、心を体の真ん中に置いてシーズンに挑む。
(千葉ロッテマリーンズ広報・梶原紀章)