ロッテ佐々木朗希投手(19)の言葉に驚いた。11日、沖縄・石垣島キャンプでブルペン入り。変化球も交え30球を投げた。「フォークがすごく良かったなと思いました」と口にした。
大船渡高2年の3月から、取材を担当している。取材メモをざっと見返すと、自身の投球を「すごく良かった」と表現したことは多分ない。「けっこう良かった」はあったにしても。
プロ入り後、人知れずフォークの扱いに苦労していた。「落ちなかったりとか、それで落とそうとして力が入ったりとか、うまく投げれなかったので」。昨春のシート打撃では、フォークとしては自己最速の146キロをマークしている。それでも満足はなかった。
左足を高く上げるフォームや、そこからの快速球、鋭い変化球といったボールそのものは、18歳時点では圧倒的に見えた。本人は試行錯誤の中にいた。「プロに入って…入る前からですけど、少し、何と言うんですかね、見失ってた部分があったので、そこに色々なアプローチを掛けて、色々な取り組みをして、また自分らしくいい形になってきたと思うので」。
実戦デビューを前に、フォーム修正を決断した。オリックス山本由伸投手(22)のフォームを参考にする。多くの引き出しから今の最適を選ぶ。佐々木朗に携わってきた多くの指導者が「吸収が早い」と評する。このキャンプでも「納得する球は?」と問われ「ゼロです」と答えたことがある。心配の声もある中で、2週間の中でしっかり修正を図ってきた。
1軍キャンプは12日で終わる。1年目の昨春は、沖縄本島への練習試合遠征に帯同し、何度かのブルペン投球を行いながら体作りに励んだ。今年は石垣島に残る。2軍キャンプでの打撃投手の段階を経て、3月中の1軍再合流を目指す。
「先ばかり見るよりも、目の前の課題を。そこをまずはクリアした結果が3月の登板になると思うので、焦らずにやっていきたいと思います」。
2軍キャンプは引き続き無観客で行われる。島外からの報道陣も、12日のうちには島を離れる。ここからの数週間でどこまで完成に近づけるか。次はどんな佐々木朗希を見せてくれるのだろう。「すごく良かった」と振り返る実戦の日を、楽しみに待ちたい。
大リーグ移籍を目指し、ロッテから海外フリーエージェント(FA)権を行使した沢村拓一投手(32)が、レッドソックスと大筋で合意したことが11日、分かった。米球界関係者によれば、2年以上の複数年でのメジャー契約。肩や肘などのメディカルチェックをクリアしたとみられ、契約の細部を詰め、早ければ12日にも正式発表される。
この日、米メディアでも「SAWAMURA」の名前が飛び交った。大リーグ公式サイトでは、レッドソックスと合意間近であると伝え、沢村が守護神争いに加わる可能性に言及。同サイトのイアン・ブラウン記者は現状、クローザーは未定とした上で「沢村は、ボストンで重要な役割を担う日本人投手になるチャンスがある」と述べた。
巨人では2年間、クローザーを務め、16年には最多セーブを獲得した。最速159キロの直球、150キロ台前半のスプリットはメジャーでもトップレベル。昨季9セーブのバーンズが守護神筆頭候補で、ともに新加入のオッタビノ、アンドリースらが控えるが、昨季、30球団中ワースト4位の防御率5.79の救援陣の整備は今オフの課題だった。
大リーグでのプレーは長年の夢だった。米球界関係者によれば、今季の年俸は昨季の1億5400万円(推定)よりも低いとみられるが、異国の地での挑戦を優先した。同地区のヤンキースなどとともに世界的な球団で知られ、かつては野茂英雄、上原浩治、西武松坂大輔らが在籍するなど、多くのファンから愛される名門で剛腕を振る。
ロッテは11日、沖縄本島遠征メンバーを発表した。13日から21日まで、NPB各球団と7試合の練習試合を行う。メンバーは以下の通り。
ロッテは公式YouTubeチャンネルで鳥谷敬内野手(39)の「教えて!鳥谷先生!」コーナーを開き、好評を博している。
10日にアップされた今回は、同選手へ約100件の質問が届いた。「仕事をする上で1番大事にしていることは何ですか?」というファンからの質問に対し「準備をつねに意識している。野球だと試合の結果というよりも、その前の準備段階を意識している」と回答をした。
ロッテ佐々木朗希投手(19)が11日、沖縄・石垣島キャンプでブルペン投球を行った。
育成ドラフト1位の谷川唯人捕手(18=立正大淞南)が座った状態で30球。フォーク、スライダーも交え「ブルペンに入るにつれて、回数を重ねるにつれて良くなっている感覚はあるので、このまま順調に投げたいと思います」と振り返った。
石垣島1軍キャンプは12日で打ち上げとなる。佐々木朗は13日以降も石垣島に残留し、2軍キャンプ(〜25日)で対打者への打撃投手の段階を踏んでから、1軍に再合流する見込みとなっている。
プロ野球キャンプは11日、前日休日だった10球団が練習を再開し、全12球団が練習を行う。
ロッテの石垣島キャンプでは紅白戦のメンバーを発表した。
紅組は9番でルーキー西川僚祐外野手(18=東海大相模)が先発する予定。安田尚憲内野手(21)は4番に入った。白組は1番で藤原恭大外野手(20)が先発。当初は正午開始を見込んでいたが、天候不良のため遅れる可能性が高くなっている。
白組(ホーム) | 紅組(ビジター) | |||||
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打順 | 守 | 氏名 | 背番 | 守 | 氏名 | 背番 |
1 | 8 | 藤原恭太 | 2 | 9 | 高部瑛人 | 38 |
2 | 7 | 菅野剛士 | 31 | 6 | 藤岡裕大 | 4 |
3 | 4 | 中村奨吾 | 8 | 7 | 加藤翔平 | 10 |
4 | 3 | 山口航輝 | 51 | 5 | 安田尚憲 | 5 |
5 | 5 | 福田光輝 | 40 | 3 | 吉田裕太 | 39 |
6 | 9 | 岡大海 | 25 | 2 | 佐藤都志也 | 32 |
7 | 2 | 柿沼友哉 | 99 | 4 | 松田進 | 50 |
8 | 6 | 小川龍成 | 57 | 8 | 和田康士朗 | 63 |
9 | D | 宗接唯人 | 45 | D | 西川僚祐 | 59 |
ロッテが11日、沖縄本島でNPB球団と行う練習試合(13〜21日、7試合)の遠征メンバーを発表した。
今季初実戦となる予定だった紅白戦が悪天候のために中止になった。2軍から期待の若手も呼んでいただけに、井口監督は「キャンプの感じがかなり良かったので見たかった」と残念がった。
ドラフト5位新人の西川(神奈川・東海大相模高)が2軍で持ち味の長打力をアピールして、指名打者で先発に起用される予定だった。13日以降の沖縄本島での練習試合には同行しないが、井口監督は「こちら(石垣)で打ち込みをしたり、体力づくりをやらせたい」と今後に期待した。
ロッテはマリーンズ公式YouTubeチャンネルで、沖縄・石垣島キャンプ特別企画として、今年6月に40歳を迎える鳥谷敬内野手の「教えて!鳥谷先生!!」のコーナー第4回を10日にアップした。内容は、鳥谷がYouTube内のコメントから質問を募集して回答するもの。
今回は100件を超える質問の中から「仕事をする上で1番大事にしていることは何ですか?」という質問を採用。「準備を常に意識している。野球だと試合の結果というよりも、その前の準備段階を意識している」という2分3秒の動画回答をアップした。
質問はマリーンズ公式YouTube内の企画動画内にコメント。質問を大募集している。
ロッテ・佐々木朗希投手(19)が11日、沖縄・石垣島キャンプでブルペンに入り、捕手を座らせて30球を投げ、今キャンプで初めて変化球を投じた。直球、スライダー、フォークを投げ「フォークがすごいよかったです。フォークは苦労していた部分があったので、すごい収穫です」と好感触をつかんだ。
プロ1年目の昨季もフォークを投げたが「落ちなかったりとか、落とそうとして力が入ってうまく投げられなかった」。だが、今キャンプ4度目のブルペンでは「自然な形で気持ちよく投げられていると思う」と試行錯誤した結果、ボールを浅めに握ることにたどりついた。
登板する予定はなかったが、11日の紅白戦は降雨中止。チームは12日に石垣島キャンプを打ち上げ、翌13日から沖縄本島で練習試合を行う。
佐々木朗は2軍が25日までキャンプを続ける石垣島に残留。「課題をクリアしていかないといけない。先を見るよりも目の前の課題をクリアした結果が、3月の登板になると思う。あせらずにやっていきたい」と地に足を着けて、3月の実戦初登板を見据えた。
ロッテの佐々木朗が4度目のブルペン投球で初めて変化球を解禁した。捕手を座らせ、直球にスライダーとフォークも交えて30球。「フォークが凄い良かった。プロに入ってフォークは苦労していたので、収穫かなと思った」と自画自賛した。
12日に1軍キャンプは打ち上げとなるが、2年目右腕は石垣島に残って2軍に合流する。順調なら打撃投手などを務めてから1軍に再合流となる。3月中の実戦登板を見込んでいる井口監督は「だいぶ腕が振れるようになってきた」と期待した。なお、この日の紅白戦は雨天中止となった。
ロッテ・佐々木朗希投手が11日、石垣島キャンプで4度目のブルペン投球を行い、初めて変化球を解禁した。直球に加え、スライダーとフォークも交えて30球。「フォークが凄いよかった。プロに入って、フォークは苦労していたので、その辺りが収穫かなと思った」と手応えをつかんだ様子だ。
12日に1軍キャンプを打ち上げるが、佐々木朗は2軍キャンプに合流して石垣島に残留する。順調ならば、そこで打撃投手などを務めて、その後、1軍合流となる見通しだ。
なお、この日の紅白戦は雨天中止となった。
ロッテから海外フリーエージェント(FA)権を行使した沢村拓一投手(32)と正式合意したレッドソックスが、近日中に入団を正式発表すると10日(日本時間11日)、メジャー公式サイトが報じた。
同サイトは「レッドソックスは岡島、上原、田沢ら日本の救援投手に貢献を受けてきた。沢村も、バーンズやオッタビノらとともに、大きな役割を果たす投手となるかもしれない」と報道。「150キロを超える速球にスプリットも投げる」と紹介して、コーラ監督が守護神に登用する可能性も指摘した。
沢村は、メジャー球団との交渉が最終局面に入った4日に渡米した。米国内で代理人のジョン・ボッグス氏らと話し合い、メディカルチェックもクリアして、レ軍とすでに正式合意したことが判明している。昨季ア・リーグ東地区最下位だったチームの救世主として期待は高まるばかりだ。
ロッテの佐々木朗希投手(19)が11日、変化球解禁で開幕ローテーション入りへ意欲を見せた。
この日の石垣島は早朝から雷が鳴るほどの暴風雨。紅白戦は中止となり、最速163キロ右腕は4度目のブルペン入り。初めて捕手を座らせてスライダー、フォークを交え30球を投げ込んだ。「フォークがすごい良かったし、スライダーもブルペンに入っていけば段々良くなってくると思う。プロに入ってフォークに苦労した部分があったので、そこはすごい収穫かなと思います」とうなずいた。
フォークが課題の1つでもあった。全く落ちなかったり、力んだり…。握り方など試行錯誤を繰り返し、納得のいく形に近づいてきた。オリックス・山本を参考にした新フォームも「自分らしい良い形になってきた」と手応えを感じている。13日以降は1軍に帯同せず石垣島に残留。実戦形式での練習を重ねながら本島合流を目指していく。
井口監督は順調にいけば3月中の実戦登板も示唆しているが「先ばかり見るよりも目の前の課題をクリアした結果が3月の登板になると思うので。焦らずにやっていきたい」と朗希。冷静に照準は定めているようだ。
ロッテは11日、沖縄本島で行われる13日からの那覇遠征メンバーを発表。ルーキーではドラ1・鈴木昭汰投手(22)、ドラ3・小川龍成内野手(22)、ドラ4・河村説人投手(23)の大卒3選手がメンバー入りした。
以上32選手。
ロッテは11日、球団公式YouTubeで石垣島春季キャンプ特別企画「教えて!鳥谷先生!!」の第4回を10日にアップしたことを発表した。
この企画は視聴者から質問を募集し鳥谷が回答する企画。100件を超える質問の中から今回は「仕事をする上で1番大事にしていることは何ですか?」という質問が採用された。これに対し鳥谷は「準備を常に意識している。野球だと試合の結果というよりもその前の準備段階を意識している」などと回答。質問はコメント欄で募集している。
球団広報は「各方面から非常に大きな反響をいただいておりテレビ番組でもご紹介いただくなど、鳥谷先生の影響力の凄さを改めて感じています。若い方を中心にぜひ多くの人に見てもらい、人生のヒントを見つけてもらえたらと思います」とコメントした。
ロッテの佐々木朗希投手(19)がキャンプ4度目のブルペン入りで、変化球を解禁。新フォームで投じた高速フォークがしっかり落ち、収穫を明かした。
充実の表情が物語っていた。直球にフォーク、スライダーを交え30球。捕手から「ナイスボール」との声が響いた。投球後「フォークがすごい良かった。プロに入ってフォークに苦労していたので、そこはすごい収穫かなと思います」。はっきりと手応えを口にした。
最速163キロの直球に、切れ抜群のフォークが決まればまさに鬼に金棒。昨年と握りは変えてないが、右腕をコンパクトに振る新フォームとマッチし、確かな感覚をつかめた。「試行錯誤した結果、良かったので続けていきたい」と今後は石垣島2軍キャンプに残留し磨いていく覚悟だ。
1軍GOサインのめどはフリー打撃に登板し5分間、問題なく投げきること。井口監督は「フォームも固まってきている。順序をしっかり踏んで、石垣でしっかり投げ込んで、試合に合流できれば」。最短3月中旬の1軍初登板を期待した。
ロッテは13日から21日まで沖縄本島で行われる楽天戦(金武)、ヤクルト戦(浦添)、広島戦(コザ)、日本ハム戦(名護)、DeNA戦(宜野湾)の遠征メンバーを以下の通り発表した。
いずれもビジターゲーム。
ロッテの佐々木朗希が11日、沖縄県石垣市の今キャンプで4度目のブルペンに入った。体調面を考慮して調整のペースを1度、落としたため前回の8日は捕手が片膝をついた状態で投げたが、今回は座らせて30球。「回数を重ねるにつれて良くなっている感覚はあるので、このまま順調にやっていきたい」とうなずいた。
力強い直球に加え、変化球もキャンプで初めて解禁した。特にプロ入り後、制球に苦しんでいたフォークボールの改善に向けて手応えをつかんだ。「落ちなかったり、落とそうとして力が入ったりとか、うまく投げられなかった。自然な形で気持ち良く投げられた」と満足げだった。
ロッテの井口監督がチーム初実戦となる予定だった紅白戦が雨天中止になり、残念そうに振り返った。
紅組の4番には安田、白組の4番にはフリー打撃で柵越えを連発する山口を起用する予定だったが、どしゃぶりの雨で中止に。「みんなこのキャンプで感じがよかったので、見たかったかなと。そういう意味では残念ですね」と天を仰いだ。 12日で1軍キャンプは打ち上げ。13日からは沖縄本島で対外試合を行っていく。当面の4番は安田を予定していることを明かしたが「山口の4番も試したい」と新鋭の活躍にも期待した。
ロッテは公式YouTubeチャンネルで、石垣島春季キャンプ特別企画として今年で40歳を迎える鳥谷敬内野手の「教えて!鳥谷先生!!」のコーナー第4回をアップした。
これは鳥谷がYouTube内コメントから質問を募集し回答をするもの。今回は100件を超える質問の中から「仕事をする上で1番大事にしていることは何ですか?」という質問を採用した。
鳥谷は「準備を常に意識している。野球だと試合の結果というよりもその前の準備段階を意識している」(要約)という2分3秒の動画回答をアップし多くの反響を呼んだ。
ロッテ広報室は「各方面から非常に大きな反響をいただいていおりテレビ番組でもご紹介いただくなど、鳥谷先生の影響力の凄さを改めて感じています。私もいつしか質問の回答を聞くのが楽しみで仕方がなくなっています。若い方を中心にぜひ多くの人に見てもらい、人生のヒントを見つけてもらえたらと思います」とコメントした。
ロッテの佐々木朗希投手が8日以来、3日ぶりにブルペン入りした。
捕手を座らせ30球、直球を中心に投げた。時折、伸びのある直球にブルペン捕手から「ナイスボール」との声も響いた。
13日以降は沖縄本島での1軍練習試合には帯同せず、石垣島キャンプに残留し、フリー打撃などに登板するプランを立てている。
沖縄・石垣島でのキャンプ第2クールを終えたロッテのドラフト2位ルーキー、中森俊介投手は「毎日内容の濃い練習をできていますし、とても充実した日々を送らせていただいています」と振り返る。キャンプでは昨年の佐々木朗希投手と同じく、まずはプロの世界で戦える体作りをテーマに、トレーニングを中心に取り組んでいる。
9日にはキャンプ初となるブルペン入り。投球前には美馬学投手や益田直也投手らのピッチングも目の当たりにした。一流クラスの投手が投げ込む軌道に「コントロールが安定していて、球威のある球を投げてましたし、リリースからミットに収まるラインができていた」と、レベルの高さ実感。
ブルペンでは立ち投げで21球を投じた。「少し力んでしまった部分もあったんですけど、いい回転の球もあったり、反省するべき課題とかも見つかったので、これからもっと成長できるように上を目指してやっていきたいなと思います」と振り返った。
昨年12月の新入団会見で、夢は「160キロ!」とボードに書き込んでいたが、球速だけでなく制球力の向上も必要だと分析している。
「プロの世界には何人も自分より速いピッチャーはいますし、自分がプロの世界で生きていく上では、コントロール、球威、変化球とのコンビネーション、緩急をつけたピッチングっていうのが大切になってくると思う」。
甲子園をなしに中森は語れない。1年夏に甲子園初登板を果たすと、2年時にはエースとして明石商を選抜ベスト4に導き、オリックスから3位指名を受けた来田涼斗外野手と共に、一躍注目を浴びた。
同年夏の甲子園の準々決勝の八戸学院光星戦では2年生として歴代2位の151キロをマークする。練習試合や地方大会では1度も出すことができなかった球速を甲子園の舞台で記録した。
「甲子園では凄い応援があったりとか、観客の皆さんがいて興奮しました。いつも以上の力が発揮できたので、応援の力っていうのは凄いなと思います。自分が大舞台に強いかは分からないですけど…」と笑みを浮かべながら謙遜する姿はなんとも初々しかった。
3年夏の交流試合では2失点完投も課題は残った。「ここで決めに行きたいなっていうボールが引っかかったり…。交流試合から反省点が見つかった。コントロールには自信がないんで。高めていけたらなと思います」と、上の舞台で活躍するため必要なことを再認識する貴重な機会となった。甲子園という舞台はまた、彼に成長のチャンスを与えてくれた。
これまで意識してきた投手の1人に同校OBの西武・松本航投手の名前を挙げる。高校1年の時に、教育実習のため母校に帰ってきた当時大学4年の松本の投球を後ろから見学する機会があった。
「真っ直ぐがとてもきれいで、迫ってくるような球威でした。自分もそういう真っ直ぐを投げられたらなと憧れました。間近に自分の高校からプロ野球選手が出てるというのはとても親近感が湧きました。自分がプロ野球選手になりたいなという思いは強くなりましたし、松本航さんの存在というは大きかったなと思います」。
中学時代に141キロだった球速は、高校での練習を積み重ね10キロアップ。「真面目に、コツコツと練習を積んで努力していけば、中森ならプロに行けるから」という先輩の言葉を励みに、練習に取り組んできた。
そしてようやく憧れの先輩と同じ舞台に立とうとしている。「15勝というのを目標に掲げているので、まずは1勝して、それを積み重ねられるように」。今度はZOZOマリンの1軍マウンドで、ロッテの応援団を背に、躍動する姿を思い描いている。
紅白戦はあいにくの雨天中止となった。前夜から降り続いた雨は朝になってもやむことはなかった。前日の休日もずっとスマホで天気予報をチェックし空を眺めていた井口資仁監督は残念そうに渋々、中止を決断した。
「このキャンプ、みんなとても良い手応えがあった。その感覚を実戦で見たかった。若い選手達の仕上がりを見るチャンスだっただけに残念だね」。
恨めしそうに降りしきる雨を眺めた。手応え十分のキャンプとなった。打者は振り込み、投手陣は第1クールから早い仕上がりを見せた。特に若手選手達が存在感を見せてくれたことが嬉しかった。
「どこまでこのキャンプで若い子が成長したかを見たかったね」と若手の頑張りに目を細めながらも、報道陣からバットを振り込む量が増えたことを問われると「ボクにはそれが普通に見える」と目を見開きながら返答した。
「練習量をこなすのは当たり前のこと。それがキツいとか多いとか言っているようでは上の壁はぶち破れない。これはキャンプで終わりではなく1年を通して貫いてもらいたい。強いチームはどこも練習量が多いし濃い練習をしている」。
石垣島キャンプを12日に打ち上げ、沖縄本島に移動する。若手中心のメンバー構成。実戦の中で育てていく。「安田と山口はほぼフル出場してもらう。試合に出ない日はウエートの日とか打ち込みの日になる。4番は安田で行くことが多いけど山口も試してみたい」と構想を話す。
一方で、石垣島に残り調整を任せる中堅、ベテランに関しては「この期間に打者は振り込んで、投手はしっかりと投げて調整をして欲しい」と全幅の信頼を置いての1軍合流を待つ。
紅白戦を中止にせざるを得なかったことを、とにかく悔しがった指揮官。それは充実の証。感じ取っていたこの手応えを肉眼でしっかりと確かめる機会はしばし延びた。その分、13日から始まる那覇での練習試合では若手選手がグラウンド所狭しと暴れまわる姿をベンチから存分に味わう。
(千葉ロッテマリーンズ広報・梶原紀章)