1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
福岡ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 指 | 藤原 | 2 | 0 | 0 |
打指 | 福田秀 | 2 | 0 | 0 | |
2 | 遊 | 藤岡 | 2 | 1 | 0 |
遊 | 小川 | 1 | 0 | 0 | |
3 | 二 | 中村奨 | 2 | 0 | 0 |
左 | 高部 | 1 | 0 | 0 | |
4 | 三 | 安田 | 3 | 0 | 0 |
二 | 福田光 | 0 | 0 | 0 | |
5 | 右 | 加藤 | 3 | 1 | 0 |
6 | 左 | 菅野 | 2 | 0 | 0 |
二三 | 松田 | 1 | 0 | 0 | |
7 | 一 | 山口 | 3 | 0 | 0 |
一 | 岡 | 0 | 0 | 0 | |
8 | 中 | 和田 | 3 | 0 | 0 |
9 | 捕 | 柿沼 | 2 | 1 | 0 |
捕 | 佐藤都 | 1 | 0 | 0 | |
計 | 28 | 3 | 0 |
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 二 | 牧原大 | 3 | 0 | 0 |
捕 | 谷原原 | 1 | 0 | 0 | |
2 | 一 | 川島 | 2 | 0 | 0 |
一 | 明石 | 2 | 2 | 0 | |
3 | 指 | 中村晃 | 2 | 0 | 0 |
打指 | 釜元 | 1 | 0 | 0 | |
4 | 左 | 長谷川 | 2 | 0 | 0 |
左 | 佐藤直 | 2 | 1 | 0 | |
5 | 三 | 松田 | 2 | 0 | 0 |
三 | リチャード | 1 | 1 | 0 | |
走 | 周東 | 0 | 0 | 0 | |
6 | 右 | 栗原 | 1 | 0 | 0 |
右 | 柳町 | 1 | 0 | 0 | |
7 | 中 | 上林 | 2 | 1 | 0 |
中 | 真砂 | 2 | 0 | 0 | |
8 | 捕 | 甲斐 | 2 | 0 | 0 |
二 | 三森 | 1 | 0 | 0 | |
9 | 遊 | 川瀬 | 2 | 0 | 0 |
打遊 | 増田 | 1 | 0 | 0 | |
計 | 30 | 5 | 0 |
名前 | 回 | 安 | 責 |
---|---|---|---|
鈴木 | 3 | 1 | 0 |
山本貴 | 2 | 0 | 0 |
小野 | 1 | 0 | 0 |
南 | 1 | 2 | 0 |
河村 | 1 | 1 | 0 |
田中 | 1 | 1 | 0 |
名前 | 回 | 安 | 責 |
---|---|---|---|
武田 | 3 | 1 | 0 |
森 | 1 | 0 | 0 |
大竹 | 3 | 2 | 0 |
奥村 | 1 | 0 | 0 |
大関 | 1 | 0 | 0 |
王者に自慢の球威を示した。ロッテのドラフト1位鈴木昭汰投手(22=法大)が25日、ソフトバンクとの練習試合でプロ入り初先発。3回を内野安打1本のみの無失点に抑えた。
相手の強さはテレビ越しで分かっていた。フルメンバーでないとはいえ「実際に投げてみると迫力もありました」。それをも上回る充実感。「でも今日は、とても、自分の良さも出たので良かったかなと思います」と付け加えた。パワー系の即戦力左腕は常時140キロ中盤をマークし、最速は148キロ。中村晃も松田も、栗原も打ち取った。
ルーキーの見事な結果に井口監督も「素晴らしい投球でした。本当にいいものを見せてもらいました」とベタ褒めだ。中村稔らとの先発6人目争いは続く。「現段階で決められないくらい、みんないいので」と首脳陣が1人に絞るのはもう少し先になる。
より失敗しづらい状況で、さらなる精度が求められる。「どんどんイニングも増えてくると思いますし、しっかり結果を残せるように。より良い真っ直ぐを投げたいです」。13度の宮崎でもいつもの半袖スタイル。熱気をまとった直球でねじ伏せる。
ロッテ・ドラフト4位右腕の河村説人投手(23=星槎道都大)がまた好投した。
ソフトバンク戦の8回に登板し、走者を2人許したものの、決め球フォークで2三振を奪った。これで実戦4イニングで無失点。井口監督も「(スピード)ガン以上に相手が差されている感じはあります。もっともっと上がってくると思うので楽しみにしています」と期待を高めていた。
ロッテは25日、中村奨吾内野手(28)のキャプテンマーク付きレプリカユニホームを予約販売すると発表した。
サイズは4種類で、ホーム用、ビジター用をラインアップ。球団オンラインストア限定で2月27日から予約受け付けを開始する。発送は3月中旬以降の予定。今後はマリーンズストアミュージアム店、スタジアム店、海浜幕張駅前店でも販売する予定となっている。
球団広報室は「中村奨吾選手の胸にきらめくキャプテンマークを忠実に再現したレプリカユニホームとなります。ファンの皆様からのたくさんのご要望を受けての販売となりますので、ぜひお買い求めいただければと思います。今シーズン、中村奨吾キャプテンが引っ張るマリーンズに注目してください」とコメントを寄せた。
ロッテ石垣島キャンプが無観客で行われた。06年に八重山商工の甲子園初出場でお祭り騒ぎになった“野球の島”は、今年は実に静かだった。ロッテ大嶺祐太投手(32)をはじめ、当時の島の主役達は15年が過ぎた今、何を思うのか。
石垣島には毎年2月に帰る。到着しバスから眺める故郷は、変化があったとしても微々たるもの。島を離れ15年目。今年は決定的に違う。観光の島に観光客がいない。大嶺は驚いた。
「初めての感じなので、正直びっくりしている部分もあります」。
ありますけど…と続け、声を少し落とした。
「観光客が来ないと仕事できない人達もたくさんいるので、すごく大変だと思います。自分の周りは漁師が多いので。お店が開いていないと魚をとってきても買うお店がないし、競りに出しても安いと言っていたので…」。
夏には感染が拡大し始め、ずっと心配していた。この2月はホテルと球場の往復だけ。母なる大地はいつもより手狭だった。
大自然で育った。祖父武弘さんは漁師。幼少期から、夏休みにはいつも一緒に船に乗った。「おじいちゃんは釣りというか、潜って網を仕掛けてとるのが専門なので。それを手伝って」。ミーバイにグルクン。魚が掛かるまで時間がかかる。亜熱帯を好きなだけ泳ぎ回り、大漁を待った。
透き通る海で大きくなった少年はグラウンドでも強かった。小中高と伊志嶺吉盛監督の厳しい指導を受けた。大声がぶつかり合い、高め合い、小学生の頃から実績は抜群だった。「夏休みになると1週間は大会でどこかしらに行ってましたね」。中学硬式の「八重山ポニーズ」では世界大会3位に輝いた。小学校の遠足は竹富島、修学旅行は沖縄本島。普通なら島外に出る機会はそう多くないのに、祐太少年の海の向こうは一気に広がった。
甲子園で大嶺祐太の名を全国区とし、プロ野球選手として上京した。良いこともそうでないこともあって、もう15年になる。
「15年ですか…。考え方はだいぶ変わったんじゃないかなって思います。石垣島にいたら、1人では行動できないってことじゃないですけど、15年前までは誰かしらと常に行動してたんで。今は、年を重ねたのもありますけど、1歩引いているというか、自分も自分のことを考えるようになったかなって」。
人と人とが濃密な離島で18年、決してそうとは言えない都会で15年目。2000キロ近く離れた洋上の故郷は、外からどう見えるのか。印象はずっと同じだという。一言で「あったかい」とまとめる。
「人も気候も。全てにおいて、こう、親身になってくれるまではいかないけど、ちょっと誰かに相談しただけで、自分が求めている以上のことをやってくれるような気がします」。
それでも「五分五分ですかね」というのが素直な思い。「島のいいところもありますし、東京は東京でいいところもありますし…。どっちがいいか分かんないっす」。ヤンチャに駆け回っていた少年は、人生色々経験してきて、とてもあったかい顔をする。
トミー・ジョン手術の影響は消え、この時期から投げられることに喜びを感じる。沖縄本島の練習試合で先発するため、島にいたのも2週間ばかり。祖父母に孫の顔を見せることも今年はできなかった。
「頑張れよ」。
海の男の、短くて熱い言葉に押されて、今年も見慣れた景色を後にする。風が強い島。搭乗前日に天気予報を念入りにチェックする習慣は、世界がどんどん広がった少年時代のままだ。
ロッテのドラフト1位ルーキー鈴木(法大)が25日、宮崎市でのソフトバンクとの練習試合で初めて先発し、3回1安打無失点と好投した。4年連続日本一の王者を相手に先発入りをアピールし「普通にむちゃくちゃ打つ。テレビで見ていて分かるくらいすごい。自分の直球がどれだけ通用するかと思って臨んだ」とうなずいた。
1回は川島を147キロの直球で遊飛に打ち取るなど三者凡退。2回も栗原に対して最速の148キロをマークし、難なく3人で片付けた。3回に上林に詰まった当たりの内野安打を許しただけで、終始安定していた。
先発陣は左投手が手薄で、期待は大きい。次回は2軍で長いイニングを投げた後、再び1軍で登板する予定。「目の前の打者1人1人をしっかり、というのを変えずに自分の投球をしていけたらいい」と意気込んだ。
ロッテ・井口監督も「現段階では(ローテーションを)決められないぐらい、みんないいね」とニンマリだ。ドラフト1位の鈴木(法大)が3度目の実戦で初めて先発してソフトバンクを相手に3回を1安打無失点。前日の同戦で3回を完全投球した育成2年目の本前に続き、またも若手左腕がアピールした。
最速153キロを誇る新人からも笑みがこぼれた。「直球の強さが良くなってきた。ソフトバンクに自分の直球をどれだけ投げ込めるかを考えた」。過去2試合は140キロ前後だった直球が、この日は最速148キロだった。
先発6番目の枠を争う大嶺、中村稔、本前らもここまで好調を維持。開幕ローテーションを目指す鈴木は「自分は新人だし、全員と戦わないといけない。左右関係なく、誰かがいい投球をしたら、自分もいい投球をしなくてはならない」と力を込める。この日の宮崎は小雨が降った。最低気温5度だったが、半袖姿での投球はトレードマークになってきた。
ロッテのドラフト4位・河村(星槎道都大)が5番手として8回に登板し、味方の失策などで2死一、二塁とピンチを招いたが、最後は釜元をフォークで見逃し三振に斬った。
これで実戦3試合で計4回無失点。1メートル92の長身から投げ下ろす直球を評価する井口監督は中継ぎとして期待しており「球速以上の威力があり、相手の打者が直球に差されている」と目を細めていた。
ロッテのドラフト1位・鈴木昭汰投手(法大)が先発し、3回1安打無失点と好投した。最速148キロを計測し、自慢の直球の強さをアピールした。
開幕ローテーション候補の1人となる左腕は3回の先頭・上林に内野安打を許したが、慌てることなく後続を打ちとった。
20日のDeNA戦(宜野湾)では2回3失点だったが、この回はテンポの良さも際立った。
ロッテは27日からマリーンズオンラインストア限定で中村奨吾内野手のキャプテンマーク付きレプリカユニホームの予約販売を開始する。
今季からキャプテンを務めている中村奨が実際に着用しているものと同様のキャプテンマークをレプリカユニホームにも付けている。球団広報室は「中村奨吾選手の胸に煌めくキャプテンマークを忠実に再現したレプリカユニホームとなります。ファンの皆様からのたくさんのご要望を受けての販売となりますのでぜひお買い求めいただければと思います。今シーズン、中村奨吾キャプテンが引っ張るマリーンズに注目をしてください」とPRした。
ロッテのドラフト1位・鈴木昭汰投手(22)が3度目の実戦でプロ初先発。この日、最速148キロをマークした力強い直球を武器にソフトバンク打線を3回1安打無失点に封じ、開幕ローテ入りをアピールした。
小雨が降り続ける中、ドラ1左腕は半袖姿で快投。「ソフトバンク打線に自分の真っすぐがどれだけ投げ込めるかと思って臨んだ」と初回から直球を主体に、2イニング連続で3者凡退に封じた。3回は打ち損じの三塁への当たりが内野安打となる不運があったがスライダーなどの変化球をまじえ後続を断ち、3回無失点でマウンドを降りた。
前回のDeNA戦(20日)では2回3失点。直球の球質、コントロールにバラつきがあったが中4日で完璧に修正。「ソフトバンク打線はテレビで見てても分かるくらいすごい。実際投げてみて迫力もあったけどその中で自分の良さが出てよかった」と鈴木は自らに合格点を出した。
井口監督も「素晴らしいピッチング。いいものを見せてくれた」と称賛。今後は2軍で1度長いイニングを投げた後、1軍に再合流する予定の鈴木は「しっかり結果を残せるように自分の投球をしていきたい」。開幕ローテ入りへアピールを続ける。
ロッテのドラフト1位・鈴木昭汰投手(22)が対外試合3度目の実戦登板でプロ初先発。3回1安打無失点と好投し、開幕ローテーション入りをアピールした。
初回、牧原大を1球で投直に仕留めると続く川島、中村晃をテンポ良く抑えわずか8球で3者凡退に。2回も力強い直球で長谷川、松田をともに1球で仕留め、続く栗原にはこの日の最速148キロの直球で中飛。打者3人を計7球で“料理”した。3回は先頭の上林に内野安打で出塁を許したが、直球と変化球のコンビネーションで後続の甲斐、川瀬、牧原大を打ち取り3回1安打無失点。文句なしの投球だった。
ロッテは25日、マリーンズオンラインストア限定で中村奨吾内野手(28)のキャプテンマーク付きレプリカユニホームの予約販売を27日から開始することを発表した。
今シーズンからキャプテンを務める中村奨が実際に付けているキャプテンマークをレプリカユニホームにも付けて販売。価格は1万500円(税込み)でサイズはS、M、L、O。デザインはホームとビジターの2種類となっている。予約販売以降はマリーンズストアミュージアム店、スタジアム店、海浜幕張駅前店でも販売を予定している。
球団広報は「中村奨吾選手の胸にきらめくキャプテンマークを忠実に再現したレプリカユニホームとなります。ファンの皆様からの沢山のご要望を受けての販売となりますのでぜひお買い求めいただければと思います」とコメントした。
ロッテのドラフト1位・鈴木昭汰投手(22)=法大=が“プロ初先発”で王者相手に3回を1安打無失点。鷹斬りに成功し、開幕ローテ入りへ前進した。
熱い男が寒さを吹き飛ばす快投だ。最速148キロの直球を中心に鷹の主力を封じる。2回には長谷川を投ゴロ、松田を中飛とそれぞれ直球で抑え、栗原はスライダーで中飛に仕留めた。「どれだけ真っ直ぐでソフトバンク打線に通用するかをテーマに臨んだ。しっかりゼロで抑えられたのはよかった」。
小雨の中、半袖姿で攻めの投球を演じた。小島から「寒くはないのか」と心配されても「雪でも降らない限りは」とサラリ。投げやすさもあり、大学時代から続けているスタイルで結果につなげた。
前回20日DeNA戦では直球が指にかからず2回3失点も、しっかり修正した。「素晴らしい攻めのピッチングでした」と井口監督。前日はローテ入りを目指す同じ左腕の育成・本前が3回完全でアピールしたが、指揮官の頭の中には鈴木の名も深く刻み込まれた。
ロッテのドラフト1位・鈴木昭汰投手が先発し、3回を1安打無失点に抑えた。
開幕ローテ入りを目指している左腕は小雨が降る中、好投を続けた。半袖姿で最速148キロの直球にスライダーなどの持ち球を織り交ぜソフトバンク打線を封じた。
前回20日のDeNA戦(宜野湾)では2回を2失点もきっちり修正。ローテ入りへ望みをつなぐ投球をみせた。
ロッテは25日、マリーンズオンラインストア限定で中村奨吾内野手のキャプテンマーク付きレプリカユニホームの予約販売を開始すると発表した。
今シーズンからキャプテンを務めている中村が、実際に着用しているものと同様のキャプテンマークをレプリカユニホームにも付けて販売。価格は1万500円(税込)、サイズ:S、M、L、O、デザイン:ホーム、ビジター。販売はマリーンズオンラインストアにて2月27日10時から予約受付を開始する。
ロッテマリーンズ広報室は「中村奨吾選手の胸に煌めくキャプテンマークを忠実に再現したレプリカユニホームとなります。ファンの皆様からの沢山のご要望を受けての販売となりますのでぜひお買い求めいただければと思います。今シーズン、中村奨吾キャプテンが引っ張るマリーンズに注目をしてください」とコメントした。
プロ4年目を迎える今季、ロッテ藤岡裕大は例年以上に強い気持ちを持って、来たるシーズンへの準備を進めている。
「新外国人も来ますし、新人もいますし、今年ダメだったらもうダメ。そのくらいの気持ちでやらないと、結果もついてこない。4年目、しかも社会人卒の4年目なんで、今年こそは何とかしたいという気持ちでいます」。
藤岡は遊撃手として、昨年まで入団以来3年連続で開幕スタメン。シーズン中も主戦力として出場してきた。だが、キャンプイン前、井口資仁監督はレギュラーが決まっているポジションはないと明言。どのポジションも横一線で争わせる方針を示した。
その中でも遊撃は例を見ない大激戦区となっている。藤岡の他にも、福田光輝、松田進、ドラフト3位ルーキーの小川龍成、新外国人のエチェバリアが居並び、さらにはベテラン鳥谷敬、三木亮、平沢大河、西巻賢二、キャンプイン後に右脚を痛めた茶谷健太らも控えている状態。隙あらば、あっという間に居場所がなくなる。
これだけのライバルが揃う中、藤岡が勝負を懸けるのは打撃だ。強肩と思いきりの良さが光る守備も大切だが、守備自慢の選手も多く、差を付けるのは難しい。もっと自分がチームに貢献できる場所−それが打撃だ。
今季のチームスローガンは「この1点を、つかみ取る。」。さらに、中長期的なビジョン「Team Voice」を発表し、「1点の重み」を監督・コーチ・選手はもちろん、ファンと共有している。
惜しかった。
あと1点が取れていれば。
あの1点を守れていれば。
それで落としてきた白星がいくつある?
こう始まる「Team Voice」を初めて目にした時、藤岡は「チームのテーマですけど、自分に言われているかのように重く受け止めました」と背筋を伸ばした。
「自分はチャンスで打席が回ってきた時、ランナーを返せなかったことがたくさんある。『あそこで犠牲フライを打っておけば』『あそこでピッチャーゴロを打たなかったら』…そういう想いが、あのTeam Voiceを見た瞬間に甦りました」。
これまで「あと1点」の悔しさを何度も味わってきた。何であの球に手を出したのか。何で1つ前の球を打ちにいかなかったのか。ベンチに引き上げる時、ロッカーに戻ってから、自問自答を繰り返してきた。ただ、「終わってから後悔することは、野球をやっている間はずっと付きまとうもの。逆にその経験はしないといけないし、その経験をさせてもらっているだけ幸せなんだと思います」とも話す。
積み重ねた悔しさを無駄にしないためにも、今季は泥臭く1点を奪いにいく姿勢だ。「ヒットじゃなくてもランナーを返す。少しでもチームが試合を有利に運べるようなことをしてきたいと思います」と話す言葉には力がこもる。
沖縄・石垣島でのキャンプも泥臭く過ごした。平成唯一の3冠王として知られる松中信彦・臨時打撃コーチに打撃指導を仰ぎ、「この時期しか、あそこまで追い込めることはない」とティー打撃などで体に染み込ませた。
「松中さんも積極的にアドバイスをして下さるし、自分の思っていることと一致しているのもあって、すんなりと入ってくる。あれだけの成績を残していらっしゃる方のアドバイスは、すごく自分の財産になります」。
具体的にポイントを置いたのは「軸足の使い方」だ。両脚の内側を意識しながら、ボールを押し込むようにバットで捉える。松中臨時打撃コーチのアドバイスは、「もう1つ、ボールを押し込めていない実感があった」という藤岡にピンポイントで響いた。
通算352本塁打、1168打点、首位打者2度、本塁打王2度、打点王3度。子どもの頃、テレビの中で活躍していた“レジェンド”からアドバイスを受け、「技術だけじゃなくて精神的なところも噛み合わないと、ああいう成績は残せない。純粋にすごいな、と感じさせられます」と頷く。
入団以来、チームは少しずつ順位を上げ、昨季はリーグ2位でクライマックスシリーズ(CS)に進出した。今季目指すは優勝のみ。「練習する量が増えたと思います。選手1人1人が自分の時間を大切に、有効に使っているのを感じます」。CSで敗れ、日本シリーズに進めなかった昨季の悔しさを、チーム全体が今季の原動力に変えている。
チームを11年ぶりの日本一に牽引するべく、今季は一味違った藤岡裕大の姿が見られそうだ。