わたしはかもめ2021年鴎の便り(3月)

便

3月16日

北海道日本ハム3−2千葉ロッテ(札幌ドーム)

日本ハムは河野がコースを突いて6回2安打1失点と好投し、先発入りへ前進した。中田は1回にオープン戦3号となる2ランを放ち順調な仕上がり。ロッテは先発の小島が制球に苦しみ、5回を投げて7安打3四球で3失点だった。

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ロッテ3位小川2番で無安打も「作戦しやすい」監督[ニッカン]

ロッテ若手が怯まない。

シーズン開幕まで残り5試合となり、ドラフト3位小川龍成内野手(22=国学院大)が初めて2番でスタメン。無安打だったものの積極的に仕掛け「小技が利く選手なので色々な作戦もしやすいですし、そこでどうなるのかを見たかった」という井口監督の期待に応えた。腰に不安が残るレアードが「開幕もギリギリかなというところ」(井口監督)という状況で、強振自慢の山口は12試合連続で4番で起用された。新顔2人がロッテの攻撃に新しい風を吹かせている。

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ロッテ小島5回3失点「しっかり課題を」引き締め[ニッカン]

ロッテ小島和哉投手(24)が5回7安打3失点と不安を残した。

初回、2死後に3番近藤に四球を許し、4番中田に先制2ランを許した。外角に抜ける球がやや目立ち、5回までに103球。ただ、この日は100球をメドとしていた。井口監督は「そこを今日はメドにしていたので(100球を)投げられたのは収穫だと思います」と振り返った。

小島自身は「今年に入って1番悪かったピッチングだと思います」と反省。30日の楽天戦(ZOZOマリン)での先発が予想される。「立て直す時間があるので、しっかり課題を出して、次の登板で同じような失敗をしないようにしていきたいと思います」と引き締めていた。

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ロッテ山口あるか開幕抜擢、遊撃は「横一線」監督[ニッカン]

開幕まで残り5試合となっても、ロッテ山口航輝外野手(20)が16日の日本ハム戦(札幌ドーム)で「4番DH」で起用された。プロ2年間で1軍未経験の男が、開幕戦でも大抜てきされる可能性が高まる。

3月10日、井口資仁監督(46)は「ベストメンバーはいつから組むか?」という問いかけに「今週でほぼ1軍は決めようと思っているので、あと4試合ですか」と答えた。その4試合を終えての札幌遠征だ。4番候補のレアードは調整遅れで同行せず、井上は5番一塁。昨季の4番安田も低調続きで、この日も7番起用になった。物怖じせず振れる山口がリードする。

遊撃手争いも注目される。昨季のレギュラー藤岡裕大内野手(27)とドラフト3位・小川龍成内野手(22=国学院大)が競争し、井口監督は「横一線」と表現する。小川は15日までオープン戦4試合でスタメン出場し活躍を見せるも、いずれも下位起用だった。

その小川がこの日、初めて2番遊撃で起用された。「1軍戦力か」から「打線内でどう生かすか」の段階へ。初回、1番荻野が三塁打でいきなりのチャンス。小川は初見の日本ハム河野の初球を捉えた。好捕に阻まれ遊直。2打席目も投直にはなったものの、積極性とセンスを示した。

基本線は「1番藤原、2番荻野」だ。選択肢が増えれば、調子の波による得点力低下も軽減できる。昨季2位でも現状維持はない。新鮮な顔ぶれが、どんどん塗り替える。

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ロッテが開幕戦でフリースパーカー付きチケット販売[ニッカン]

ロッテは16日、本拠地開幕戦となる3月30日の楽天戦(ZOZOマリン)を対象に、ホワイトフリースパーカーを受け取ることができるグッズ付きチケットを販売すると発表した。

ビジター外野応援席を除く全席種でチケット購入時にグッズ有無を選択可能で、先着5000人限定で販売。30日当日は開場30分前から球場正面の特設ステーションで、チケット1枚につき1着を受け取ることができる。当日のチケットは座席毎に一定の間隔を空けての全席指定席として、18日以降に順次販売する。

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元ロッテ・ボルシンガーがアストロズ訴えた裁判破棄[ニッカン]

元ロッテのマイク・ボルシンガー投手(33)がアストロズを訴えた裁判が破棄されたと、16日付のロサンゼルス・タイムズ電子版が伝えた。ロサンゼルスの裁判所が、証拠不十分と判断した。

ボルシンガーはブルージェイズに所属していた17年8月4日、アストロズ戦に登板し打者7人連続で出塁を許し4失点、直後に解雇された。アストロズは当時、ハイテク機器によるサイン盗みを行っていたとして昨年1月に処分され、ボルシンガーはそれを受け球団を提訴。アストロズ戦で投げた29球のうち12球はごみ箱をたたくことにより打者に球種が伝わっていたと訴え、3100万ドル(約32億6000万円)の支払いを求めていた。

ボルシンガーは解雇後の18年から2年間、ロッテでプレー。現在も現役続行を目指し投球練習を続けているという。同紙の取材に対し「アストロズは実際のところ何も処分を受けていないということに、誰もが同意するだろう。彼らには何の影響もなかった」と話している。

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ロッテ・小島は5回3失点「今年に入って1番悪かった投球」[サンスポ]

ロッテの小島は5回を投げ、7安打3四球で毎回走者を背負って3失点と苦しんだ。1回に中田に甘くなった速球を捉えられて2ランとされ、4回は松本に適時打を浴び「今年に入って1番悪かった投球」と反省した。

30日の本拠地開幕戦での先発が濃厚となっている。昨季7勝を挙げ、今季は石川が下半身の不調を抱えて開幕に間に合わないだけに期待は大きい。「シーズンに入る前なので立て直す時間がある」と前向きに話した。

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ロッテが30日のホーム開幕戦で、グッズ付きチケットを限定販売[サンスポ]

ロッテは16日、ホーム開幕戦30日の楽天戦(18時半、ZOZOマリン)を対象に、WHITE(ホワイト)フリースパーカーを受け取れるグッズ付きチケットを、先着5000人限定で販売すると発表した。

グッズの有無はビジター外野応援席をのぞく全席種において、チケット購入時に選択可能(グッズの有無による金額差なし)。グッズ付きチケットの購入者は、30日楽天戦の開場30分前からZOZOマリンスタジアム球場正面に設置される特設ステーションで、チケット1枚につきWHITEフリースパーカーを1着受け取れる(開場時間は後日発表)。

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ロッテ・小島、3度目先発も5回3失点で反省「今年に入って1番悪かった」[スポニチ]

オープン戦3度目の先発となったロッテの3年目左腕・小島が5回で102球を投げ、7安打3失点の内容に「今年に入って1番悪かった」と反省した。

初回、簡単に2死を奪ったが、3番・近藤を四球で歩かせると4番・中田に先制2ランを浴びた。開幕2カード目の初戦となる3月30日の楽天戦(ZOZOマリン)先発へ課題が出た一方で、井口監督は「今日は100球をメドにしていたのでそこは収穫」と前向きに捉えた。

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ロッテ3・30楽天戦で、フリースパーカー付チケットを限定発売[スポニチ]

ロッテはホーム開幕戦である3月30日の楽天戦(ZOZOマリン)を対象としてWHITE(ホワイト)フリースパーカーを受け取ることができるグッズ付きチケットを先着5000人限定で販売することを発表した。

グッズの有無はビジター外野応援席を除く全席種にてチケット購入時に選択可能(グッズ有無による金額差なし)。グッズ付きチケットの購入者は開場30分前から球場正面に設置される特設ステーションにてチケット1枚につきWHITEフリースパーカーを1着受け取ることができる。

なお、チケットは座席毎に一定の間隔を空けて全席指定席として、ダイナミックプライシング(価格変動制)で3月18日午前10時〜午後10時に受付するシーズンシート及びホーム外野応援指定席マイシートオーナー向け優先販売から順次販売する。

球団広報室は「WHITEフリースパーカーはフリース生地を使用したモコモコした肌触りのパーカーであり、春先の肌寒いZOZOマリンスタジアムでの試合観戦にぴったりのグッズです。ぜひこの機会に入手ください」とPRしている。

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井口監督、2軍調整中のレアードは「開幕もギリギリかなというところ」[報知]

ロッテの井口監督が2軍調整中のレアードについて、「開幕もギリギリかなというところ」と現状を説明した。

この日は2番に小川、9番に藤原を配置したが、4安打2得点と機能しなかった。4番の山口も無安打で、起爆剤がいない現状だ。昨年10月に腰の手術を受けたレアードの復帰が待たれるが、指揮官は「いる選手が調子を上げていかないと」と現有戦力の奮起を促した。

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30日の本拠地・楽天戦を対象にグッズ付きチケットを先着5000人に販売[報知]

ロッテは16日、ホーム開幕戦となる30日の楽天戦を対象に「WHITE(ホワイト)フリースパーカー」を受け取れるグッズ付きチケットを先着5000人限定で販売すると発表した。

グッズの有無はビジター外野応援席を除く全席種でチケット購入時に選択が可能(グッズ有無による金額差なし)。購入者は楽天戦の開場30分前から球場正面に設置される特設ステーションでWHITEフリースパーカーを1着受け取ることができる。

チケットはダイナミックプライシング(価格変動制)を適用し18日から順次販売。球団広報は「WHITEフリースパーカーはフリース生地を使用したモコモコした肌触りのパーカーであり、春先の肌寒いZOZOマリンスタジアムでの試合観戦にぴったりのグッズです。ぜひこの機会に入手ください」とコメントした。

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ロッテ、チーム23イニングぶり適時打も打線また不発、2番小川起用もツキ乗らず[デイリー]

9回。ロッテの主将・中村奨が右前へチーム23イニングぶりの適時打を放ったが、打線はわずか4安打と不発に終わった。井口監督は「色々やっていこうかなというのがあったんですけどね。いい当たりもあったので、そこは責められない」とツキのなさを悔やんだ。

前試合の完封負けで打線を動かした。オープン戦で初めてドラフト3位・小川(国学院大)を2番で起用。さらに藤原を初めて9番に据えるテコ入れを敢行した。だが初回、先頭荻野が三塁打を放つも小川は不運な遊直。後続も凡退し先制の絶好機を逃した。

マーティン、山口、井上の中軸も無安打と奮わなかった。主砲レアードは腰の張りで合流時期が未定。井口監督は「今はいる選手が調子を上げないといけない」と現有戦力の奮起を願った。

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ロッテ・小島が反省「今年1番悪かったピッチング」中田には一発許す[デイリー]

ロッテの小島和哉投手が5回7安打3失点。登板後は投球内容を反省した。

初回に2死から近藤に四球を許した後、中田に先制2ランを浴びた。4回にも2死三塁から西川に四球を与えた後、続く松本剛に左前適時打を許した。

本拠地開幕3月30日の楽天戦の先発が有力視される左腕は毎回走者を許す苦しい内容に「今年に入って1番、悪かったピッチングだと思います。シーズンに入る前ですし、立て直す時間があるので、しっかり課題を出して、次の登板で同じような失敗をしないようにしていきたい」と立て直しを誓った。

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ロッテ・井口監督「いい当たりもあったので」打線低調も流れ待つ[デイリー]

ロッテが打線が散発4安打と奮わず、連敗を喫した。9回1死三塁から中村奨の右前適時打で23イニングぶりのタイムリーによる得点を放つもわずか2得点。

初回無死三塁からは小川の遊直、マーティンが死球で一、三塁も山口、井上と凡退。2点をリードされた2回には藤原の中犠飛で1点を返すが、3回以降はゼロ行進。前試合、ホークス戦は完封負け。ドラフト3位・小川を初の2番で起用する、藤原を初の9番に起用し打線のテコ入れも大量点にはつながらなかった。井口資仁監督は「色々とやっていこうかなというのはあったんですけど、いい当たりもあったので、そこは責められない」と流れがくることを願った。

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ロッテ、ホーム開幕戦でフリースパーカー付チケット販売[デイリー]

ロッテは16日、ホーム開幕戦である3月30日の楽天戦(ZOZOマリンスタジアム)を対象としてWHITE(ホワイト)フリースパーカーを受け取ることができるグッズ付きチケットを先着5000人限定で販売する。

グッズの有無はビジター外野応援席を除く全席種にてチケット購入時に選択可能(グッズ有無による金額差なし)。グッズ付きチケットの購入者は3月30日楽天戦の開場30分前からZOZOマリンスタジアム球場正面に設置される特設ステーションにてチケット1枚につきWHITEフリースパーカーを1着受け取ることができる(開場時間は後日発表)。

なお、3月30日楽天戦のチケットは座席毎に一定の間隔を空けて全席指定席として、ダイナミックプライシング(価格変動制)で3月18日10時〜22時に受付するシーズンシート及びホーム外野応援指定席マイシートオーナー向け優先販売から順次販売する。

ロッテマリーンズ広報室は「WHITEフリースパーカーはフリース生地を使用したモコモコした肌触りのパーカーであり、春先の肌寒いZOZOマリンスタジアムでの試合観戦にぴったりのグッズです。ぜひこの機会に入手ください」とコメントした。

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ロッテ・佐々木朗希「嬉しくなります」OP戦初登板グッズを異例の発売[デイリー]

ロッテが、12日の中日戦(ZOZOマリン)でプロ初登板を飾った佐々木朗希投手(19)のビギニンググッズを16日から23日まで発売する。オープン戦でのプロ初登板を受けてグッズを出すのは球団史上初。

発売するグッズはTシャツ3500円(M、L、XL、カラー、ホワイト、ブラック)、フェイスタオル1800円(カラー、ホワイト、ブラック)で、いずれも税込み価格。

佐々木朗は「ビックリしました。でもありがたいことです。スタンドでファンの皆さまがタオルを掲げている姿を想像すると今から嬉しくなります」とコメント。

ロッテ広報室は「佐々木朗希選手が初登板をした3月12日の中日戦で見せたダイナミックな投球フォームが、マリーンズを象徴するカラーであるブラックとホワイトの2色でTシャツとフェイスタオルにデザインされています。メモリアルな一品ですので、ぜひご購入ください」とコメントした。

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小島、鈴木、本前…今季こそ“左腕不足解消”なるか?[BASEBALL KING]

ロッテは長年左腕不足に悩まれながらも、ここ数年で若手の左投手が台頭し、“左腕不足解消”に兆しを見せていたが、今季こそ“左腕不足解消”が実現しそうな雰囲気だ。

昨季規定投球回に届かなかったものの、シーズン通して先発ローテーションを守った小島和哉は、マリーンズのサウスポーでは15年のチェン・グァンユウ以来となる5勝以上の7勝をマークし、中村稔弥は、先発とリリーフの両方をこなし2勝を挙げた。

リリーフでは新人時代の13年から7年連続で40試合以上登板していた松永昂大が5試合にとどまったが、19年に自己最多の44試合に登板したチェン・グァンユウがロングリリーフを中心に19試合に登板し、山本大貴も12試合中11試合に無失点に抑えた。

新シーズンに向けて、シーズン途中に加入したチェン・ウェインが阪神へ移籍し、長年先発、リリーフにフル回転したチェン・グァンユウが退団したが、ドラフトで最速153キロを誇る左腕・鈴木昭汰(法政大)を1位で指名。

その鈴木は春季キャンプ1軍スタートを切り、2月13日からはじまった対外試合では、持ち味である“強気のピッチング”を披露する。本拠地・ZOZOマリンで初登板となった3月7日の西武戦では、初回から金子侑司、山川穂高といった主力打者をインコースに攻めるなど、4回2失点にまとめた。14日のソフトバンク戦では4回までノーヒットに抑えこむなど、5回を1安打無失点。オープン戦では2試合に先発し、いずれも安定した投球を見せており、先発ローテーション入りが有力だ。

そして、鈴木が先発した14日に育成選手だった左腕の本前郁也が、支配下選手登録を勝ち取った。本前は1年目の昨季ファームで、11試合・38回2/3を投げて、2勝0敗、防御率2.56の成績を残した。今春のキャンプでは育成選手でありながら、異例の1軍キャンプに大抜擢。2月13日からの沖縄遠征にも帯同し、2月24日のソフトバンク戦では3イニングをパーフェクト、オープン戦初

登板となった3月11日の楽天戦でも3回を1安打無失点とアピールを続け、支配下選手となった。

本前は自身の持ち味について「マウンドで表情を出さないことと、ストレートと変化球をコースに投げ分けられるコントロール」と話すが、ここまでの1軍の対外試合では8イニングを投げ、与えた四球はわずかに2つ。ここまでの投球を見れば、開幕先発ローテーション入りも十分に考えられる投球内容だ。

仮に小島、鈴木、本前の3人が先発ローテーション入りとなれば、3人も左投手がローテに入るということになる。左不足に悩まされ続けたことを考えれば、かなりの充実ぶりといえるだろう。

先発左腕が育ってきている一方で、左のリリーフが手薄なのは気になるところ。オープン戦では実績のある松永をはじめ、左のリリーフ候補達がピリッとしない。ただ昨季開幕してから山本が存在感を示したように、開幕後に左のリリーフ候補達が1軍定着していることもありえない話ではない。特に左のリリーフはファームで結果を残し、あとは1軍で結果を残すだけという人材ばかりだ。

近年のドラフトでマリーンズに将来が楽しみな若手左腕が増えてきた。先発、リリーフで1軍に定着する若手左腕が出て、シーズンが終わったときに、“左腕不足解消の兆し”から“左腕不足解消”といえるようなシーズンになっていることを期待したい。

◇直近5年のロッテ左腕成績

[2016年]5勝
松永昂大:3勝(先:0勝 リ:3勝)
チェン・グァンユウ:1勝(先:1勝 リ:0勝)
藤岡貴裕:1勝(先:0勝 リ:1勝)
[2017年]4勝
チェン・グァンユウ:3勝(先:1勝 リ:2勝)
松永昂大:1勝(先:0勝 リ:1勝)
[2018年]4勝
松永昂大:2勝(先:0勝 リ:2勝)
土肥星也:2勝(先:2勝 リ:0勝)
[2019年]8勝
小島和哉:3勝(先:3勝 リ:0勝)
松永昂大:2勝(先:0勝 リ:2勝)
チェン・グァンユウ:1勝(先:0勝 リ:1勝)
土肥星也:1勝(先:1勝 リ:0勝)
中村稔弥:1勝(先:0勝 リ:1勝)
[2020年]10勝
小島和哉:7勝(先:7勝 リ:0勝)
中村稔弥:2勝(先:2勝 リ:0勝)
チェン・グァンユウ:1勝(先:0勝 リ:1勝)

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[千葉魂]「牙」刺繍に込めた想い、ドラ1鈴木、ベンチ外からはい上がる[千葉日報]

『牙』。ドラフト1位ルーキー・鈴木昭汰投手のグラブの内側に刺繍されている漢字一字には独特の味わいがある。プロの世界に1位指名を受けて、期待をされて入団をした若者にとって忘れてはいけない原点ともいえる大事な一字である。

「この一字と出会って人生が変わったと言っても過言ではないかなと思います。いつもあの時の気持ちを忘れないように、プロに入っても変わらぬ気持ちで投げるために刺繍を入れさせてもらいました」。 鈴木は大事そうにグラブを触りながら大学2年秋のリーグ戦が終わった時のことを振り返った。

プロ野球入団を目指して常総学院高から東京六大学の名門・法政大に進んだ。高校時代は甲子園に出場するなど自信を胸に大学入り。しかし壁にぶつかった。1年秋のリーグ戦は3試合に登板して防御率7.11。ストレートは140キロに満たず、高校時代は通用しても大学ではあっさりとはじき返された。2年生になると、どん底に陥る。春秋合わせて登板機会はなし。ベンチ入りすらできず、スタンド観戦を余儀なくされた時期を続けた。そこにはもうプロ野球に入るという目標を掲げて希望を胸に大学入学をした若者の姿はなかった。完全に自信を失っていた。

秋のリーグ戦が終わりオフに入ると地元茨城に戻った。向かった先は中学時代に通っていた野球塾。指導をしていただいたコーチと久しぶりに対面をすると思わず弱音が漏れた。悩みを聞き入っていたコーチは何度もうなずくと静かに語りだした。「百獣の王、ライオンはな」。突然、ライオンの話を切り出され、意表を突かれた。

「ライオンは獲物を一撃で仕留めるため、常に牙を磨いて準備をしているんだ。それは人間だって同じだ。いつチャンスが来るか分からない。いつチャンスが来てもいいように。チャンスが来た時に一発でチャンスをつかめるように。常日頃から牙を磨いておく必要があるんだよ」。

その言葉に鈴木は目を覚ました。ズシリと胸の内まで届く言葉だった。それからだ。もう弱音を吐くことはなかった。ひたすら練習をした。愚痴を言う時間があれば体を動かした。オープン戦からアピールし、3年生の秋には中継ぎとして投げる機会が増えた。7試合に登板をして防御率0.56。最長で4回。短いイニングを全力で投げたことで逆に手応えを感じた。気がつけばストレートは140キロを超えるようになっていた。切れのある速い直球を投げる新たな感覚をつかんだ。

「あの時、中学時代のコーチに言われた言葉が間違いなく自分のターニングポイントでした。大学でどん底からはい上がって頑張った気持ちを忘れないために今もグラブには牙と入れさせてもらっています」と鈴木。

グラブには大学3年の時から『牙』と刺繍が入っている。そしてドラフト1位でプロ入りした後に作ったグラブにも初心を忘れないようにと同じようにこの漢字一字を入れた。

「プロは厳しい世界。しっかりと牙を磨いてチャンスをつかみたい。プロ入りを目標にこれまでやってきましたけど、大事なのはここから。しっかりと結果を残せるようにしたい。色々な想いを込めて今もグラブに牙と刺繍を入れさせてもらっています」。

3月14日のホークス戦(ZOZOマリンスタジアム)に先発登板をした鈴木は5回を1安打、5奪三振、無失点。4年連続日本一、昨年のチャンピオンチーム相手に躍動感あふれる投球を披露した。強気にインコースを攻める投球スタイル。威風堂々たるマウンドさばきは、まさに百獣の王の姿そのものだった。目指すは先発ローテーション入りをしての新人王。大きな獲物を狙い、牙を磨く毎日が始まっている。
(千葉ロッテマリーンズ広報・梶原紀章)

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