ロッテは1−1の5回にエチェバリアの2点適時打で勝ち越し、4−3の8回にエチェバリアの来日初本塁打となる3ランで突き放した。美馬は6回6安打2失点で4月17日以来の3勝目。広島は投手陣が踏ん張れず5位に転落した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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広島 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 3 |
千葉ロッテ | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 1 | 0 | 3 | x | 7 |
ロッテ藤原恭大外野手(21)が、29日のイースタン・リーグのヤクルト戦で3安打猛打賞をマークした。1回2死三塁から先制の右前適時打。4回には右前打、6回には右翼フェンス直撃の二塁打を放った。
今季は開幕スタメンを飾ったが、打率1割6分1厘と不調で4月22日に出場選手登録を抹消。イースタン・リーグでは、打率2割3分1厘、1本塁打。ヤクルト原から放った3安打の詳細は以下の通り。
来日が遅れ、4月30日に1軍合流してから1ヶ月。ロッテの新助っ人が初めてお立ち台からファンに声を届けた。「アデイニー・エチェバリアと申します。パンテーラと呼んでいただきたい。この瞬間を待っていました」。スペイン語でクロヒョウを意味する、大リーグ時代からお気に入りのニックネーム。じっくり研いだ牙をここぞとむいた。
同点の5回2死満塁で内角高めを中堅右に落とす2点勝ち越し打。8回2死二、三塁では外角高め158キロを逆方向の右中間へスタンド・インさせた。来日1号3ラン含む初のマルチ安打は、同郷で旧知の仲であるマーティンの助言が効いていた。「最近、遠くに飛ばしたい気持ちが強すぎてスイングが遠回りしていた。小さく振れと言われたよ」。
6回に好守で併殺を完成させたように、売りは守備。9度の先発出場はいずれも7番以下で、スタメン9人中本塁打ゼロは3人だけだった。「早くゼロを1にしたかった」。それと、友と約束していた。「今日、彼から打ったら同じポーズをしてやるからな」。広島コルニエルは前日マーティンを三振に仕留めた後、ベンチに戻って麺をすするような仕草をしていた。ホームランの後、同じ仕草で“お返し”した。
和食など異国の地にまだ慣れてはいないが、今この時が嬉しい。「イチローさんがメジャーで野球を学んだように、僕が日本で野球を学んでいるなんて興奮する。全てをリスペクトしている」。米マーリンズで同僚だった憧れのスターの母国で、主役をさらった。
ロッテ・美馬が先発し、6回2失点、8奪三振の力投で今季3勝目(2敗)をマーク。4月17日以来、約1ヶ月半ぶりの白星は「色々な意味で風に助けられて、打線にも援護していただきました」と感謝した。5月は4度の先発全てで6回以上を投げて、3失点以下と安定の投球を見せている。
ロッテの新助っ人、アデイニー・エチェバリア内野手(32)が4−3の8回、逆方向となる右越えに来日1号本塁打。広島を突き放す3ランを放った。
「1本出てよかった。ホッとしている。勝利に貢献できて嬉しい」。
4月30日の来日初出場から16試合&39打席目の一発。ベンチ前では、カメラに向かって何かを食べる仕草をするパフォーマンスを披露した。
キューバ出身で、広い守備範囲と強肩が持ち味の遊撃手。米大リーグで7球団に在籍し、2013〜17年途中までプレーしたマーリンズではイチローと同僚だった。
右打者として通算778安打、37本塁打をマーク。この日の打順は8番と下位を打つことが多いが、5回に2点打を放つなど3安打5打点。遊撃守備でも好守を見せた。5回2死一、三塁。宇草の高く弾んだ打球が投手・美馬の頭を越えた。エチェバリアは素早く処理し、得点を許さなかった。
試合後は、メジャー時代の愛称だった「パンテーラ(スペイン語でヒョウ)と呼んでいただきたい」とアピール。シュークリーム、チャーハンを好む32歳が日本の野球に適応し始めた。
30日の広島戦(ZOZOマリン)に先発するロッテ・小島和哉投手(24)が29日、自身初の交流戦登板に向けて「初めてってことは、真っ直ぐに絶対張ってくると思うので、頑張って真っ直ぐでファウルを取れたらもっと楽になってくるし、真っ直ぐと思わせて変化球でもいい。キャッチャーと話して、しっかりプランを立てたい」と広島打線に備えた。
早大から入団3年目の今季は7試合全て先発で1勝2敗、防御率4.81。前回登板した5月23日の楽天戦(ZOZOマリン)では、早大の2年後輩にあたる早川隆久投手(22)との初の投げ合いで敗れ、2敗目を喫した。一方の早川は、ハーラートップの6勝目(2敗)を挙げた。
貴重な左腕の先発は、5月9日の「母の日」に今季初勝利。オリックス3連戦で1勝1敗から勝ち越しを決める白星だった。今回も広島と1勝1敗で登板。交流戦初登板を白星でインパクトを残したい。
ロッテのアデイニー・エチェバリア内野手(32)が来日1号アーチを放った。「8番・遊撃」でスタメン出場し、4−3で迎えた8回2死二、三塁から右越え3ランを放った。
エチェバリアは来日1年目で、来日初の1試合3安打も記録した。
ロッテの新外国人エチェバリアが1点リードの8回に右中間へ来日初アーチとなる3ランを放った。
ベンチ前では両手を広げて「ガオー」とポーズ。ヒーローインタビューで「ファンの皆さんには“パンテーラ”と呼んで欲しい。ブラックパンサーという意味で、(このポーズは)メジャー時代からやっていた」と語った。
同点の5回には中前へ決勝打となる2点適時打を放ち3安打5打点。コロナ禍で開幕1ヶ月後の合流となったが、遊撃守備でも好プレーを連発し、井口監督は「ようやく調子も上がってきた。次も使う」と期待した。
ロッテの新外国人エチェバリアが、同点の5回に中前へ決勝2点適時打、さらに1点リードの8回には来日1号となる3ランを右中間へ運んだ。
3安打5打点の活躍を見せ、試合後の自身初のヒーローインタビューは自己紹介から始まった。
「アデイニー・エチェバリアです。皆さんにはパンテーラと呼んで欲しいです。この瞬間を待っていた。皆さんの前で活躍する姿を見せられて本当に嬉しいです」。
メジャーリーグ時代からの愛称「パンテーラ」は「ブラックパンサー」を意味する。この日は打棒が目立ったが、遊撃手として守備でも、5回2死三塁ではボテボテの打球を一塁へランニングスローし、6回無死一塁ではゴロを自ら捕球すると、自ら二塁ベースを踏んでジャンピングスローを見せるなど軽快だった。
待望の一発を放った後には、ベンチ前では両手を広げて「ガオー」とポーズをとった。「メジャー時代からやっている。ブラックパンサーをイメージすることをやった。ファンの皆さんに感謝しています。皆さんの応援のおかげで打てました」と笑顔を見せた。
メジャー通算922試合出場を誇るが、同じキューバ出身で、米国の自宅が近所のマーティンと行動をともにするなどして、日本での生活も楽しんでいる。「長く日本でプレーできることを願ってします。常に笑顔で踊っていたりするので、真面目な顔をしていても内心は笑っている。いつでも話しかけてください」。フレンドリーな姿勢をファンにも訴えていた。
尊敬するイチローの母国で、新外国人のエチェバリアが勝利の立役者となった。「1本打てて良かった。チームに貢献できたのが1番嬉しい」。1点リードの8回2死一、二塁、コルニエルの158キロ直球を振り抜き右翼席へ1号3ラン。同点の5回2死満塁には勝ち越しの2点適時打など、3安打5打点で試合を決めた。
メジャー通算37本塁打、778安打を誇る助っ人は、15〜17年途中までマーリンズでイチローと同僚だった。「リスペクトしてるし、イチローさんがメジャーで野球を学んだように、僕は日本で野球を学んでいる。とても興奮するよ」。来日して約1ヶ月半。まだ日本食には対応できていないが「シュークリームとチャーハンが好き」。クールな見た目とのギャップも、チーム内で“エっちゃん”と愛される理由だ。初のお立ち台では「(メジャー時代のあだ名の)パンテーラ(スペイン語でヒョウ)と呼んで欲しい。いつでも話しかけて」とファンを和ませた。
ロッテは新外国人・エチェバリアが打ちに打ちまくった。来日初アーチを含む3安打5打点。「『パンテーラ』と呼んでください。真面目な顔をしている時も内心は笑っているので、怖がらずにいつでも声をかけてね」。パンテーラとはスペイン語で「ヒョウ」のこと。お立ち台でも積極的に自己紹介トークだ。
8回2死二、三塁でコルニエルの158キロを捉えて、右翼席へ1号3ラン。逆方向へのダメ押し弾で、中距離打者のイメージを払拭した。
尊敬する人は、日米通算4367安打のイチローさん。マーリンズ時代に同僚だったこともあり「全てをリスペクトしている。イチローさんがメジャーで野球を学んだように、僕は日本で野球を学んでいる」。研さんの毎日を過ごし、日本野球に適応しつつある。
ロッテが快勝した。0−1で迎えた3回2死一、二塁からレアードが同点の左前適時打を放つと5回2死満塁ではエチェバリアが勝ち越しとなる中前2点適時打。6回には萩野が左越えソロで貴重な追加点を挙げると8回にはエチェバリアが試合を決定づける来日1号の右越え3ラン。新助っ人は3安打5打点と大活躍した。
投げては先発した美馬が6回6安打2失点で3勝目を飾った。
広島は林が2回にプロ初本塁打となる右越えソロで先制点を挙げ、6回には松山が今季1号となる右越えソロ、7回2死二塁では田中広が左前適時打を放つなど終盤で粘ったが反撃も及ばなかった。
先発した高卒2年目の玉村は5回7安打3失点で3敗目。中継ぎ陣も崩れ、広島は交流戦3試合目で初黒星を喫し、チームは5位に転落した。
令和の怪物と呼ばれる佐々木朗希投手の1軍デビュー戦で注目を集めた5月16日の埼玉西武ライオンズ戦(ZOZOマリンスタジアム)。吉井理人投手コーチは自身のプロ初先発を振り返り、思い出し笑いを浮かべた。
「内容なんて覚えていないよ。何にも覚えていない。覚えているのはテレビ中継があって、父親が仕事で見れないからと中継を録画していたのだけど、番組内で本日の解説者を紹介している間にノックアウトされていたということぐらい。ホンマ、すっとこどっこいなピッチングをしてしまって、全く思い出として残っていない」。
それはプロ2年目、1985年9月18日の南海ホークス戦。今はない大阪球場で行われた一戦だった。初回に5失点をすると、2回にも3失点。2回を投げて8失点で、あっという間にマウンドから消え、負け投手となった。
ただ、もちろん、この試合で得た教訓があり、それがその後の人生に活きることになる。1つは四球。初回に先頭打者に四球を与え、このイニングだけで5点を失った。
「四球はもったいない。1番打者が2軍でよく打たれていた人だったので嫌な感じがして四球になってしまったのだと思う。やっぱり四球からの失点だよね」(吉井コーチ)
2つ目はマウンドに上がる時の考え方。これはのちになって気が付き、指導者になっても大事にしていることだ。「自分のできないことをマウンドでやろうと思ってもダメ。若い実績のない選手は、あくまでチャレンジャー。2軍でやってきたことを1軍でもやるだけということ。オレは初先発の時に2軍でもできなかったことを1軍でもやろうとしていた。それは思い上がり。実力以上の結果なんて出る訳がない。それは指導者となった今でも指導をする上で大事にしている。選手本人には、まずはなにが得意で何が苦手かと自分をしっかりと知ってもらって、得意なこと、出来ることに集中をしてもらう」と吉井コーチは熱弁する。
そして、3つ目が自身にプロ初先発の思い出が全くと言っていいほど残っていないという事実だ。投手コーチとなった今、若い選手達が自分と同じようなもったいない想いをして欲しくないと考え、環境作りをしている。
「一生に1度のプロ初先発は嬉しいもので、記憶に残らないといけないもの。特別なもの。オレみたいに、何が何だか分からないようなピッチングになって、何も覚えていませんでは、あまりにも、もったいない。だから、若い選手がプロ初先発や初登板する状況はしっかりと考えて準備をして送り出してあげるようにしたいといつも思っている」。
だから吉井コーチはいつも選手の初先発や初登板はしっかりとスケジュールを練り上げて、調整をした上で送り出すようにしている。佐々木朗希のデビュー戦もしっかりと計算をしながら、入念な準備を重ねて決められた。
ちなみに吉井コーチには2度目の初先発がある。メジャー初先発である。ニューヨーク・メッツに入団して迎えた1998年4月5日のピッツバーグ・パイレーツ戦(シェイ・スタジアム)で初登板初先発し、メジャー初勝利をした。その時のことは鮮明に覚えている。そして当時、メッツで監督を務めていたボビー・バレンタイン監督から言われた言葉が忘れられない。
「試合前に『今日はキミの日だ。Have some fun(楽しんできてね)』と言ってもらった。ああ、日本でのプロ初登板の時はその気持ちがなかったなあと思い返した」。
だから佐々木朗希にもデビュー戦で「楽しんでこい。好きなように気持ちよく投げてこい。色々と考えなくてもいい」と言って送り出した。佐々木朗希の表情はとても落ち着いているように見えた。
「佐々木朗希は去年、実戦は投げていなくて、今年は2軍で5試合。その前は高校3年までさかのぼる。それで1軍デビュー戦であのピッチング。たいしたものだと思う」と吉井コーチ。ただ試合後に初先発の感想を聞くと「無我夢中で、よく覚えていないです」と言われ、思わず笑った。
吉井コーチは苦いプロ初先発から日本で89勝。メジャーで32勝を挙げ、引退後はファイターズ、ホークス、そしてマリーンズでコーチを務め、沢山の若い選手達を1軍の舞台に送り出し続けている。そんな吉井コーチがプロの舞台で活躍をするキッカケとなった秘蔵エピソードを最後に紹介する。本人談なので嘘のような本当の話だ。
「宮崎での日向キャンプ中の休日に何とかシュートを覚えようと自分で色々と考えて行き詰って本屋に入ったら田淵幸一さん監修の野球本があった。その中に載っていたシュートの握り方を試してみたら、イメージ通りに曲がった。今、思うとなんで田淵さんが球種について語っていたかは分からないけどね。でもあれがキッカケ。やっぱり自分で考えて探して見つけたものは大きい。だから選手達にもなるべく自分で考えさせるように導いてあげて、何かを見つけ出して欲しいと思っている」。
通算474本塁打の田淵氏が、なぜシュートの握りを本の中で解説したのかは今となっては謎だが、それがキッカケとなり、あれほど1軍打者を抑えるのに苦しんでいたのが?のように凡打の山を築けるようになった。人生とは本当に分からないものである。だからこそ吉井コーチは指導者として選手達に色々なキッカケを提供したいと考えている。
5月27日、2度目の先発で佐々木朗希はプロ初勝利を挙げた。一生、忘れられない思い出の舞台は甲子園であった。「上出来。細かいことを言えばいっぱいあるけど、これからの子で賢い子なので。本人も気づいていると思うので次にしっかりと生かして欲しい」と吉井コーチは目を細めた。そしてマスコミから試合前にどのような言葉を言って送り出したかと問われると「2回目なんで好きにやれと送り出しました」と言うと満面の笑みを浮かべた。変わらない流儀がそこにはあった。
梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ広報)