わたしはかもめ2021年鴎の便り(8月)

便

8月23日

鼻水など軽い症状でも検査徹底、NPBがコロナ対策強化[ニッカン]

日本野球機構(NPB)は23日、Jリーグとの新型コロナウイルス対策連絡会議と臨時12球団代表者会議を開き、デルタ株による感染拡大を受け、対策を強化することを決めた。

専門家からはオリンピック(五輪)開催でのバブル方式、検査態勢の充実化による感染制御の有効性が示された。その提言も踏まえて緊急事態宣言地域では、PCR検査の頻度を従来の1ヶ月に1度から1週間に1度を目安に変更。実際は5月末からその頻度で運用しているという。濃厚接触疑いの選定は発症2日前から3日前にさかのぼるとした。鼻水など軽い症状でも検査を受けることも徹底する。

またNPB斉藤惇コミッショナーは「差別のない方法で、できればワクチンを2度打った方は100%球場に入れて観戦していただきたいという希望は持っている」と私見を示した。だが臨時12球団代表者会議ではワクチンの接種証明による観客数の拡大については議論されなかった。

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大船渡高出身のロッテ佐々木朗希、次回は8・28楽天戦で東北里帰り登板[ニッカン]

プロ2勝目を目指すロッテ佐々木朗希投手(19)の次回先発マウンドが、28日の楽天戦(楽天生命パーク)に内定した。井口資仁監督(46)が23日に公表。2軍の楽天戦では宮城県内で2度登板したものの、東北地方で1軍公式戦に登板するのは初めてになる。

岩手・大船渡高の出身。小学生時代に家族や少年野球チームで3度ほど、宮城・仙台の同球場でプロ野球を見た。田中将大投手のファン。買ってもらったグッズとともに、三陸へと帰路についた。あれから10年近く。今回は1軍投手として“土産”を持ち帰りたい。5月27日に甲子園の阪神戦でプロ初勝利を挙げて以降、なかなか2勝目を手にできずにいる。

投球は確実に上向きだ。直球の平均球速は春先より3キロ前後増し、150キロ台終盤が出始めた。前回15日のオリックス戦(ZOZOマリン)では直球と変化球の比率を半々にし、緩急も意識するなど少しずつ幅も広げている。井口監督も「内容的には本当に良くなってきています」と認める。地元三陸からも大勢のファンが…というのは時世柄、来季以降になるが、注目と応援が集まるマウンドだ。上京し1年半。鍛えた姿を見せる。

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ロッテ岩下大輝、24日の日本ハム戦先発「自分の投球を」前回7失点KO[ニッカン]

ロッテ岩下大輝投手(24)が24日の日本ハム戦(札幌ドーム)に先発する。

前半戦で8勝を挙げ、後半戦は長いイニングを求められる火曜日の先発に送り出された。しかし、その初戦となった17日の西武戦(ZOZOマリン)は7失点でKO。序盤はいつも通りの力強い投球を見せたものの、5回表のマウンドでは1死も取れずに交代になった。「前回は何もできなかった感じがしたので、もう1回、自分の投球を優先的にしっかりやりたいです」と引き締めて臨む。

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[プロ野球番記者コラム]ロッテの選手達が高校球児だった頃、データベースに眠る青春[ニッカン]

雨にたたられた夏の甲子園も中盤戦に入ってきた。取材を担当するロッテでは小島和哉投手(25)が母校・浦和学院(埼玉)の試合を「試合開始から終了までテレビで見ることができました」と明かした。

高校の硬式野球部に所属していなかった和田康士朗外野手(22)以外はロッテの選手や首脳陣は皆、かつては高校球児だった。中には日刊スポーツの記事に載った選手もいる。

弊社のデータベースで当時の記事を読んでみると、結構面白い。一部を紹介する。

07年夏、成田(千葉)の唐川侑己投手(3年)は「高校BIG3」の一角として注目された。1歳年上の早大・斎藤佑樹投手(1年)とは同じ鍼灸院に通い、会話を交わすこともあった。

12年夏、日野(東京)の佐々木千隼投手(3年)は投打に大活躍で、西東京大会の「日野旋風」を牽引した。早実の友人から打撃用手袋を借り、高校通算33号を放った。

14年夏、西日本短大付(福岡)の小野郁投手(3年)の登板にはロッテのスカウトも視察に訪れた。試合中盤に右手中指の血豆が破れたが、炎天下で173球を投げて完投勝利した。

15年夏、秋田商の成田翔投手(3年)は甲子園の龍谷(佐賀)戦で16奪三振をマークした。途中に直球を狙われていると感じるも「それで打たれたらそこまでの投手」とあえて直球勝負を続けた。

17年夏、履正社(大阪)の安田尚憲内野手(3年)は府大会で大阪桐蔭に敗れた。「最後の相手が桐蔭でよかった。お互いにしのぎを削ってやってきて、成長できた」と目を赤くしながら感謝した。

18年夏、明桜(秋田)の山口航輝外野手(3年)は最後の夏の甲子園出場がついえた。ライバルの金足農・吉田輝星投手(3年)について「これからの人生で成功したり、あいつを抜かせる将来にできるようにしたいです」と誓った。

同じ夏、大阪桐蔭の藤原恭大外野手(3年)は春夏連覇を成し遂げ、何度も日刊スポーツの1面を飾った。「まだまだですけど、最終的にはトリプルスリーを目標にしたい」と語った。

記事は山ほどあるけれど、キリがないのでここまで。最後に1人だけ。

「春先に強引な打撃でフォームが崩れ、居残り1時間の打ち込みと、帰宅後のバドミントンのシャトル打ちを欠かさず、夏までにスイングを修正した」。

92年夏、国学院久我山(西東京)の井口忠仁内野手(3年)の記事も、しっかりとデータベースに収められている。

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プロ野球、PCR検査は全球団一律で週1度ペースに、12球団代表者会議[サンスポ]

12球団代表者会議が23日、オンラインで開かれ、新型コロナウイルス感染防止策について協議。感染の有無を調べるPCR検査を、週に1度を目安に実施することなどを決めた。

12球団には昨年からシーズン中に月に1度のPCR検査が義務付けられていたが、感染力が強いデルタ株の蔓延により今年5月末に見直され、緊急事態宣言が発令された地域の球団では既に週に1度に変更されていた。

チームから感染者が出た場合の濃厚接触者のリストアップは、感染者の行動を72時間前からさかのぼって確認する。濃厚接触者の認定は保健所と並行して行われており、これまで当日の試合を挙行するために球団が独自で行う行動確認は48時間前からだった。また、感染の疑いがある症状については、鼻水など軽いものでも球団に報告することになった。

NPBの井原敦事務局長は「検査のベースは週に1度が目安だが、(行動確認の)対象範囲の拡大や症状への厳しい見方で、検査の頻度は増えてくる」と説明した。

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NPBとJリーグ、デルタ株への対応で検査頻度の見直しを[サンスポ]

日本野球機構(NPB)とサッカーJリーグが連携して感染症の専門家から意見を聞く「新型コロナウイルス対策連絡会議」の第37回会議が23日、オンラインで開かれ、三鴨廣繁・愛知医科大大学院教授から感染の有無を調べるPCR検査などの頻度の見直しが提言された。

三鴨教授は東京五輪で検査に関わるグループで活動。「選手村のバブル方式と検査態勢は選手、スタッフへの感染制御に有効だった」との見解を示した。「プロ野球やJリーグの検査態勢はかなりしっかりしている」としながらも、「感染力が強いデルタ株に対して今すぐにできる対応策」として、検査頻度の見直しを求めた。

また、舘田一博・東邦大医学部教授は、観客への対応について提言。国内でワクチン接種が進んでいることを受け、プロ野球の斉藤惇コミッショナーは「2回打った人は100%、球場に入れて観戦していただきたい」との私見を述べた。

プロ野球は午後に12球団代表者会議、Jリーグは各カテゴリーで実行委員会を開き、対応策などを協議する。

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ロッテ・朗希、28日の敵地楽天戦で1軍初の東北凱旋登板[スポニチ]

ロッテの佐々木朗が、28日の楽天戦(楽天生命パーク)に先発する。井口監督が「(楽天戦の)2戦目の予定です」と明かした。岩手県出身の高卒2年目右腕にとって、1軍では初めての「東北凱旋登板」となる。

楽天との2軍戦では敵地での登板はあるが、楽天生命パークでは初だ。11年に起きた東日本大震災前に2度、震災後に1度、いずれも楽天戦を観戦した佐々木朗にとってプロ野球の原点。「凄く熱い応援をするファンの方がいた」と話していた思い出の球場での先発マウンドは特別だ。

前回15日のオリックス戦は5回2失点。勝敗はつかなかったが、指揮官は「内容は良くなっている」と太鼓判を押しており、東北の地でプロ2勝目を目指す。

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新型コロナ感染対策の変更点確認、濃厚接触疑い「72時間前以降」調査[スポニチ]

プロ野球は23日、Jリーグとの新型コロナ対策連絡会議と12球団代表者会議を開き、新型コロナ感染対策の変更点を確認した。対策連絡会議の専門家チームから提言を受け、陽性者が出た際に球団が独自に行う濃厚接触者疑いの調査について、発症や陽性判明の48時間前以降の行動履歴を洗っていたものを72時間前以降に変更する。また鼻水などの軽い症状も報告や検査の対象とする。

定期検査の頻度は、緊急事態宣言地域の球団は週に1度の検査を目安としており、日本野球機構(NPB)の井原敦事務局長は「濃厚接触疑いの調査範囲拡大、さらに軽い症状にも対処することで総合的に検査頻度は上がると思う」とした。

◇斉藤コミッショナー、 ワクチン接種者は観戦を

斉藤惇コミッショナーはワクチンパスポートについて言及。私見であることを強調した上で「ワクチンが打てない証明書も認めて、差別のない方法でワクチンを2回打った人には100%球場に入れて観戦いただきたい、という希望を持っている」と語った。昨年3月以降のコロナ下においては、集客は最大でも収容人数の50%以下となっている。

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佐々木朗希、8・28東北初凱旋登板、少年時代に3度観戦経験の楽天生命で[報知]

ロッテ・佐々木朗希の後半戦2度目の登板が28日の楽天戦(楽天生命)に決まった。15日のオリックス戦(ZOZO)から中12日。ビジターでの登板は、プロ初勝利を挙げた5月27日の阪神戦(甲子園)以来で、パ・リーグの敵地は初めて。岩手県出身の朗希にとって、少年時代に計3度観戦経験がある思い出深い球場で、約3ヶ月ぶりの2勝目を狙う。

前回は5回2失点で勝利投手の権利を得ながら、後続が逆転された。井口監督は「内容的には良くなってきてるので、しっかりとゲームをつくってくれると思う」と期待している。

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プロ野球、コロナ対策を見直し、より強化[報知]

プロ野球12球団と日本野球機構(NPB)は23日、オンラインで代表者会議を開催し、新型コロナウイルス感染予防対策についての変更点などを確認した。

午前中に行われたJリーグとの「新型コロナウイルス対策連絡会議」での専門家からの提言受け、見直す方針となった。

陽性者との濃厚接触疑いについては、これまで48時間にさかのぼってリストアップされていたが、72時間前までとなる方針。また、鼻水などの軽い症状でも報告するように変更される。

5月末から緊急事態宣言下の地域に本拠地のある球団は週1回を目安にPCR検査が行われている。新たな決定を受け、総合的に検査の頻度を多くし、感染予防を徹底していくことになる。

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PCR検査週1ペースへ、五輪の成功例受け専門家提案、NPB&12球団代表者会議[デイリー]

日本野球機構(NPB)と12球団は23日、臨時の代表者会議を開き、新型コロナウイルスの新たな感染予防対策を議論。感染者の濃厚接触者の割り出しで、調査基準となる行動記録を陽性判明や発症の48時間前以降から、72時間以降に範囲拡大することなどを決めた。

午前中に開かれたJリーグと合同の「新型コロナ対策連絡会議」では、専門家チームから東京五輪の成功例から検査頻度を上げることなどが提案された。

5月下旬から検査頻度は緊急事態宣言対象地域の球団で週1度を目安としたが、これを基準に、鼻水などの軽い症状も報告や検査対象に決定。NPB・井原事務局長は「濃厚接触疑いの範囲拡大、症状の厳しい見直しで総合的に(検査)頻度は高まる」と説明した。

また、コロナ会議後にプロ野球の斉藤惇コミッショナーは、今後のワクチン2回目接種が進むことを前提に「ワクチンを2回打った人は100%球場に入れて観戦して欲しい希望を持っている」と、ワクチン証明などを用いて観客動員を増やす私案を明かした。

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ロッテ・佐々木朗、パ敵本拠地で初登板、井口監督、楽天戦での起用方針明かす[デイリー]

ロッテ・佐々木朗がパ・リーグの敵軍本拠地で初登板することが23日、内定した。

井口監督は今週末の楽天戦(楽天生命)に先発で起用する方針を明かし、「2戦目(28日)の予定と思う。内容的に良くなっている。しっかりとゲームをつくってくれるのでは」と期待を寄せた。

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NPB・Jリーグコロナ対策会議、三鴨教授「検査頻度の見直しを」[デイリー]

Jリーグと日本野球機構(NPB)による「新型コロナウイルス対策連絡会議」が23日、オンライン形式で開催された。デルタ株による感染拡大が続く状況を踏まえ、出席した村井満チェアマン(62)は「改めて脅威を認識した」と語り、専門家からはPCR検査の頻度見直しや濃厚接触者のリストアップをこれまでの2日前から3日前での特定が提言された。

現在、Jリーグでは選手やスタッフらが公式検査として2週間に1度PCR検査を受けている。愛知医科大の三鴨廣繁教授は「五輪での経験が重要」と東京五輪で毎日行った検査の有効性を強調し、「検査の頻度はプロ野球、Jリーグでほぼ決まっている。頻度の見直しをまずは考えていただきたい」と増やす考えを示した。濃厚接触者のリストアップについても「(これまでの発症)2日前から3日前にすればかなりの部分(濃厚接触者)を拾っていける。感染を減らすことができるのではないかというデータも出ている」とした。

一部クラブでは7、8月にも新型コロナ陽性者が確認されている。ワクチン接種者が増えている中で、村井チェアマンは「まさにワクチン接種が同時進行している状況で、接種と感染状況の対比、感染の臨床例など具体的なデータが手元にある訳ではない。今後見ていく数値だ」と話した。

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[千葉魂]ロッテ加藤、亡き後輩思い、木下雄介さんの登場曲使用[千葉日報]

決めていた。加藤匠馬捕手は移籍後初スタメンとなった8月15日のバファローズ戦(ZOZOマリンスタジアム)、湘南乃風「黄金魂」を登場曲として流し、打席に向かった。3日に逝去したドラゴンズ時代の後輩、木下雄介さんの登場曲だった。

「育成で入ってきてファームで頑張っている姿を見てきたし、ケガをしても前向きにリハビリをしていた。マリーンズに移籍して最初のスタメンの日はこの曲とともに打席に入ろうと決めていました」。

加藤は空を見上げながら神妙に話をした。思い出は尽きない。捕手目線で見てきて1番印象的だったのは強気のストレート。とにかく速かった。

「どんどんストレートで押すタイプの投手。変化球を要求するとインコースのストレートのサインが出るまで首を振られたのが印象的で、それ以降はストレート中心の配球に変更をしました」と加藤は語る。その左手には今でも木下さんの力強いストレートの感触が残っている。

最後に会ったのはドラゴンズからマリーンズへのトレードが決まって、ナゴヤ球場に挨拶に行った時。木下さんから「今まで、ありがとうございました」と声を掛けられた。復帰に向けて順調に階段を上っている途中ということもあり元気そうに見えた。その後、ニュースで倒れたことを知った。8月6日に朝起きてスマホでニュースをチェックしていると、今度は死去の報道を目にした。

「びっくりしました。信じられなかった。今年も春先はいい形でいい場面で投げていた。アイツなら復活できると信じていた。みんなに愛される人間でした」。

加藤は最後に挨拶を交わしたナゴヤ球場での木下さんの表情を何度も思い返した。どうしても信じられなかった。

8月13日、ペナントレースは後半戦が始まった。翌14日にはプロ野球全球場で全選手が喪章を着けて試合に臨んだ。加藤も悲しみを胸に喪章を着けベンチ入りした。そしてカード3戦目の15日、加藤は佐々木朗希投手とバッテリーを組む形で先発マスクをかぶる。移籍後初のスタメン出場だった。

「アイツのことを思ってプレーをしました。一緒に戦いたいと思ってあの登場曲にしました。ボクも木下の分まで頑張りたい」。

この日、バッテリーを組んだ佐々木朗は最速157キロのストレートの剛速球を披露した。平均球速は150キロを軽く超えるストレート自慢の若者だ。その姿はどこかストレートのサインが出るまで首を振り続けた木下さんの姿にダブって見えた。試合には残念ながら敗れたが、佐々木朗の好投を引き出した加藤は存在感を見せた。加藤にとっても亡きチームメートに想いをはせながらプレーをした大事なスタメンデビュー戦となった。
(千葉ロッテマリーンズ広報・梶原紀章)

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イニング途中に登板するロッテ救援陣の安定感[BASEBALL KING]

◇2番手投手の存在

首位・オリックスと4ゲーム差の3位・ロッテ。前カードのソフトバンクとの3連戦では、先発投手の後を受けて登板したリリーフ陣が相手に傾きかけた流れを断ち切った。

初戦は5回まで無失点に抑えていた先発・二木康太が2−0の6回に柳田悠岐、栗原陵矢に連続適時打を浴び同点に追いつかれ、なお2死一塁という場面で田中靖洋が登板しデスパイネを遊ゴロに打ち取った。

続く2戦目も5回まで1失点に抑えていた美馬学が、6回に4点を失い2死一塁の場面で東妻勇輔がマウンドに上がり、今宮健太に安打を許したものの、松田宣浩を遊ゴロに仕留めた。

3戦目も2−1の5回に、先発・ロメロが3番・柳田に犠飛、続く4番・栗原に二塁打を浴び、1死二、三塁となったところで東妻が登板。東妻はデスパイネ、中村晃を連続三振に仕留めピンチを脱した。

この3連戦だけでなく、田中、東妻は走者を残し降板した先発投手の後を受けて登板することが多い。田中は7試合、東妻は4試合で、イニング途中(先発投手の後に限る)でマウンド上がっている。

田中は7試合中許した安打は2本。その他の5試合は無安打に抑え、先発投手が残した走者を生還させたのも、安打を打たれた2試合だけだ。東妻も先発・本前郁也の後を受けて登板した7月3日の楽天戦で、先発投手が残した走者を還してしまったが、その他の3試合はしっかりと抑え込んでいる。

東妻はピンチの場面で登板するときは、「本当に何とかなると思って投げているので、ランナーが出ていようが出ていなかろうが、自分のピッチングをするだけだと思って投げています」(7月上旬のオンライン取材)という心構えでマウンドに上がっている。

◇ピンチのあとにチャンスあり!?

相手に流れが傾きかけたところを封じ、その直後のイニングで大量得点に繋がるということも多い。

4月3日の日本ハム戦では、2−2の6回裏2死一、三塁となったところで先発・美馬学の後を受けて登板した田中が、西川遥輝を投手ゴロでピンチを切り抜けると、直後の7回表に打者一巡の猛攻で5点を奪い勝ち越しに成功。

5月2日の楽天戦も、1−3の5回裏に先発・鈴木昭汰が1点を失い、なお2死一塁の場面でマウンドに上がった田中が“ゼロ”に抑えると、直後の6回表に角中勝也の適時打、レアードの一時逆転となる3ランが飛び出すなど一挙4点を奪った。

最近では8月21日のソフトバンク戦がそうだ。0−5の7回に藤原恭大、中村奨吾の適時打なので一挙5点を奪い同点に追いつき、5−5の9回に3点を勝ち越し勝利した。

先発投手がイニング途中でマウンドを降りるときは、大体流れが相手チームにいきかけている場面。そこを封じるのは難しいところではあるが、マリーンズのリリーフ陣はその役割を果たしている。

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「神がかっていた」9回大逆転“ミラクル星稜”の主人公、ロッテ岩下が得た教訓[Full-Count]

◇今季は前半戦だけでキャリアハイの8勝、苦しむ先発陣の中で奮闘

若き右腕がエースへの階段を上っている。プロ7年目を迎えたロッテの岩下大輝投手は、今季前半戦で8勝をマーク。美馬学、石川歩らの離脱があった中で、ローテーションを守った。「皆さんに助けられて良い数字で前半は終わることができた」と謙遜するが、既に昨年の7勝を超える勝利数。若き右腕の奮闘がチームを支えた。

「真っ直ぐも力強く投げられていると思いますし、カウント取る球が増えたというのが1番大きい」と今季の投球を振り返る。これまでは投球のほとんどを直球とフォークが占めていたが、先発として結果を残すには厳しいと感じ、カーブやスライダーを使うようになった。

「先発する中で、3巡目が来た時に苦しむ投球が多かったので、どうにかして長いイニング投げないといけない。組み立てたいなと思った時に、さすがに2球種ではと思って去年から投げています。(この2球種で)ストライクを取れるのは大きいかなと思います」。

球速も追い求めている。「僕はスピードが1番武器になると思っているので、速ければ速いほどいい。上げれるなら上げたいです」。同僚の佐々木朗希にもアドバイスを求めるという。「ちょくちょく『どういうイメージで投げてるの?』と、たまに聞くんですけど、やっぱり天才なので。僕には分からないことはあったりします。感覚的に良かったところは自分のものにしようかなと思うんですけど、できないことはキッパリあきらめます」と苦笑いする。

◇9回に8点差をひっくり返した2014年石川大会決勝が分岐点に

今やチームの勝ち頭にまで成長したが、プロ入団前の岩下の知名度を上げたのは間違いなく「ミラクル星稜」だろう。

高校3年夏の2014年石川大会決勝。小松大谷を相手に0−8と大きく差を開けられたが、9回裏に打者13人の猛攻で一挙9点を叩き出し、劇的サヨナラ勝利。奇跡的な勝利から「ミラクル星稜」と呼ばれた。

しかし岩下は「総合的に見たら良い思い出です。でも個人的には悔しいイメージの方が残る試合ではありますね」と7年前の夏を振り返る。

この試合、先発した岩下は3回6失点。9回に再度マウンドに上がり3者連続三振に抑え、その裏に自身も2ランを放ち、劇的サヨナラ勝利に貢献したが、エースとして投球で試合を作ることができなかった。

小松大谷とは2年秋、3年春にも対戦。当然、対策を練ってきていた。「後々、選手から聞いた情報だと色々研究されていたみたいで、上のレベルの野球ってこういうことなんだなと感じました」。甲子園に出場しプロ入りする上で「良い勉強になった試合でしたね」と振り返る。

「神がかっていたなと思います。そのおかげでプロに入れた。もう1度ちゃんと見てもらえる場所まで連れて行ってくれたので、仲間には感謝しています」。

◇プロ入り後3年間は怪我に苦しむも「あまり暗くなることはなかった」

プロ1年目の10月に右肘内側側副靭帯再建術(トミー・ジョン手術)を受け、3年目にはヘルニアの手術も経験。幾度となく怪我に悩まされたが、高校時代に、諦めないことの大切さは誰よりも実感している。悲観することなく、前向きにリハビリに取り組んだ。

「あまり暗くなることはなかったと思います。やれることが増える日々を過ごしていく中で、楽しさを感じつつリハビリすることができたかなと思います」。

もちろん不安がないわけではなかったが、まだこれからの野球人生。焦らず怪我を治し、4年目の2018年に1軍初登板。1勝を挙げ、翌年以降は5勝、7勝と勝ち星を伸ばしてきた。

「前半戦はある程度試合を作れることが多かったですし、前半の結果に驕らず、自分のできることを継続してやりたいなと思います」。

怪我にも屈することなく、順調に結果を積み重ねてきた。後半戦も躍動し、エースとして大成するシーズンにする。

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