ロッテが首位を走る。スーパースターはいなくても、全員野球で束になる。己の持ち場で存分に輝く4人をクローズアップする。
佐々木千隼投手(27)はオフの契約更改で言った。
「来年5年目なので、何とか期待に応えたいなという思いですね。短いイニングだろうと先発だろうとロングだろうと、何でもやっていきたいです」。
勝利へつなぐ8回のマウンド。唐川の故障離脱があったとはいえ、自分の力で居場所をつかんで、はや3ヶ月になる。圧倒的な球威はないから、打たれることもある。それでも防御率は1点台前半を維持し、17日までに挙げたホールドは「20」に達した。
「どんな場所でも、どんな役割でも、自分がしっかり、やるべきことは変わらないと思いますし、しっかり投げて、抑えられるようにやるだけだと思っているので」。
居場所をつかんでも、言葉はそう変わらない。肩を故障し、球速が落ちた。「いかに速く見せるか」を工夫し、今のリラックス投法に行き着いている。
「そんなに焦らなくなったというか。バタバタしなくなってきたのかな、とは思います」。
内面もリラックス。まだ3日連続登板はない。味わいを深めながら、最終局面へ備える。日本ハム伊藤までとはいかないが、リリース時に舞うロジンの粉は絵になる。飄々とかわして、締めを益田の熱さに託す。
ロッテが首位を走る。スーパースターはいなくても、全員野球で束になる。己の持ち場で存分に輝く4人をクローズアップする。
加藤匠馬捕手(29)のスタメンマスクが増えている。今季途中、6月中旬に中日から移籍してきた。
セ・リーグとパ・リーグで配球が違う−。よく聞く話だ。井口資仁監督(46)に、加藤のリードについて感じることを尋ねた。
「本当に丁寧に丁寧に、しっかりとリードしてくれている。大量失点を取られないようなリードをしてるなというのはベンチから見ながら感じますし、投手を引っ張って、投手の1番いい球をどうやって使うかというところを含めて、やってくれているんじゃないかなと思います」。
日々蓄積される数多くのデータから、より戦略性が高まっているペナントレース。正捕手田村とは違う配球への相手の戸惑いもあったのか、9月にはチームの先発投手が6戦連続でクオリティースタート(6回以上自責点3以内、QS)を達成するなど、チーム防御率が改善。優勝への基盤構築に貢献した。
6月の入団会見では「投手と早く色々なコミュニケーションを取って、どの投手がどういうところがいいというのを把握して、投手をリードできるようにやっていきたいなと思います」と意気込んだ。チームは17日時点では、捕手2人制を敷いている。それほど頼れる存在になっている。
ロッテが首位を走る。スーパースターはいなくても、全員野球で束になる。己の持ち場で存分に輝く4人をクローズアップする。
東妻勇輔投手(25)は今季「ゲッツー」の印象が強い。17日時点で打者86人と対戦し、5度の併殺打を打たせている。
8月25日の日本ハム戦(札幌ドーム)では5回1死二塁でリリーフし、四球を出した後、大田を遊撃への併殺打に。直後に味方が逆転し、勝利投手になった。
9月4日の日本ハム戦(ZOZOマリン)でも5回無死一、二塁で登板。犠打を自身の好フィールディングで防ぎ、木村に二塁への併殺打を打たせ、相手の勝ち越しを防いだ。
プロ2年目の昨季はコロナ禍の開幕延期で調整に失敗し、自慢の球速が戻らなかった。悔しさをにじませ「アバウトでもいいから強い球で勝負できる投手になりたいです。沢村さんのような投球をしたいです」と誓っていた。
しかし今季、6月中旬に初昇格した東妻は少しスタイルをチェンジ。ツーシーム系で動かしながら、時折力強い150キロを投げ込むように。ゴロアウトが増え、勝負どころでも重宝される存在になりつつある。
1イニングに2〜3安打を浴びる試合も、まだ時折ある。井口監督は「勝ちパターンで投げるようにならないといけない」と小野らとともに期待をかける。この先、さらに緊迫する場面が増える。
ロッテが首位を走る。スーパースターはいなくても、全員野球で束になる。己の持ち場で存分に輝く4人をクローズアップする。
藤岡裕大内野手(28)が14日、パ・リーグの打率9位に浮上した。9月に限れば、17日時点の打率は4割0分4厘だ。
「9月に入って、何が良くなったか分からないですけど」。
困ったように笑う。井口資仁監督(46)には意外とは映っていない。「元々打撃のいい選手ですからね。本当にいい集中力を持って、今年はやってくれていると思います」。
開幕戦のスタメン遊撃手はベテラン鳥谷が選ばれた。藤岡は最後まで競ったが、鳥谷ほど調子が上がりきらなかった。
「悔しさはありました。けれど、いつかチャンスが来たら、少ないチャンスを絶対にものにしようという思いでやっていました」。
そのスタンスは今も変わらない。好調の秘訣を問われると「1打席を無駄にしないこと。打てる球をしっかり待ってという意識はすごくあります」と話す。指揮官がほめるように、高い集中力で貢献する。
105試合に出場し、そのうち21試合(17日終了時点)で試合中に三塁から遊撃(または遊撃から三塁)に移っている。極端なシフトを敷く時は、遊撃なのに二塁手の守備範囲を守ることもある。縁の下の力持ち。走攻守に、よく似合う奮闘ぶりだ。
ロッテは17日、9月23日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)で「おさきにハロウィーン supported by LOTTE」と題したハロウィーンイベントを開催すると発表した。
当日は仮装して来場したファン(仮装はキャラクターものに限る)を対象に、ロッテ商品「カスタードケーキパーティーパック」約1ヶ月分や、ハロウィーン仕様の選手ステッカーなどが当たる抽選会を実施する。
その他、イニング間イベントや球場外ライトアップもハロウィーン仕様になる予定。球団広報室は「当日来場される方はぜひ魔女、かぼちゃ、ドラキュラなどの仮装をしていただければ、より楽しめる1日になります。仮装といっても簡単なものでも結構ですので、ぜひよろしくお願いします」とコメントを寄せた。
ロッテは17日現在、パ・リーグの首位を走っており、早ければ18日にも優勝マジック25が点灯する。
ロッテ岩下大輝投手が18日の日本ハム戦(札幌ドーム)に先発する。前半戦はチームトップの8勝を挙げたが、後半戦は3戦で16失点。2軍調整を経ての復帰登板に「高望みせず、自分のやれることを集中してやりたいと思います」と話した。
2戦目以降は小島、石川の先発が予想される。
首位ロッテに朗報だ。発熱で福岡3連戦を欠場したレオネス・マーティン外野手(33)と左ふくらはぎ打撲で離脱中の藤原恭大外野手(21)が、18日の日本ハム戦(札幌ドーム)で1軍に復帰する。17日、井口資仁監督(46)が明らかにした。
主軸2人の復帰は、得点力にも大きく作用する。18日に勝ち、オリックスが敗れれば、いよいよ優勝マジック25が点灯する。
福岡3連戦を2勝1分けで終えた16日、午後10時頃にペイペイドームを後にしたロッテナインは、17日は朝6時40分に福岡市内のホテルを出発した。
台風14号が接近し、北海道への移動便欠航が決定。博多から新大阪まで新幹線で移動後、大阪・伊丹空港から新千歳空港へフライトした。予期せぬ事態だったが「急がば回れ」で、午後2時過ぎには札幌市内のホテルに到着。戦いに備え、しっかり休養できた。
追い風も吹く。発熱し、14日に特例2021で出場選手登録を抹消されたマーティンが、18日に1軍復帰する。すでに陰性判定は出ている。井口監督は「土曜日から試合復帰の予定です。スタートで2人とも行きます」と明かした。主砲だけではなく、左ふくらはぎ打撲で戦線離脱していた藤原も復帰する。5日の日本ハム戦で死球を受けて以降も1軍に同行。少しずつ運動強度を高めた。16日の練習では、もも上げの動きも問題なし。フリー打撃ではしっかりとサク越えも放った。
2番藤原と4番マーティンが戻り、打はベストな布陣で大事な秋に挑める。さらに、首痛で6月中旬に離脱した唐川侑己投手(32)についても、井口監督は「休みすぎですね」とチクリとしつつ「20日に2軍で投げるはずなので。良ければ1試合で(1軍に)上げられますし」と、強力リリーフ陣への合流見通しを明かした。マジック点灯はもう間近。万全の戦力で頂点へ積み重ねる。
首位ロッテに、早ければ18日に優勝マジック25が点灯する。18日の日本ハム戦(札幌ドーム)に勝利し、同日にオリックスが敗れることが点灯条件になる。
18日は岩下大輝投手(24)が先発する。「高望みせず、自分のやれることを集中してやりたいと思います」とコメントした。
今季は前半戦に8勝を挙げるも、五輪での中断期間直前には打ち込まれるシーンもあった。シーズン再開後も流れを変えられず、3戦で16失点していた。
2軍調整中は「決め球が甘く入ることが多くあったので、そこを意識的に修正できればと思ってやってきました」と、意図をもって励んできた。「チームのために自分の仕事ができるようにやりたいです」と、落ち着いた投球で自身の後半戦初白星も目指す。
パ・リーグ首位のロッテは17日、遠征先の福岡から札幌に移動。台風14号の影響を考慮して、福岡空港発の航空機は利用せず、博多−新大阪は新幹線で移動し、伊丹空港から札幌入りした。
リーグVへのカウントダウンは目前だ。18日の日本ハム戦(札幌ドーム)で勝ち、オリックスが西武に負ければ、マジックナンバー「25」が点灯する。大事なマウンドを託された先発の岩下は「後半戦は全く仕事ができていないので、チームのために自分の仕事ができるようにやりたい」と決意を示した。
チームは14〜16日のソフトバンク3連戦で2勝1分け。8戦連続負けなし(6勝2分け)で、今季最多タイの6連勝中と投打に充実しているが、さらなる追い風が吹く。
18日に主砲のマーティンと藤原が戦列に復帰する。今季25本塁打のマーティンは14日に発熱。コロナ感染の可能性があり、登録を外れていたが、PCR検査で陰性と判明し、「感染拡大防止特例2021」が適用されるため、10日間を待たずに再登録が可能となった。
一方の藤原は5日の日本ハム戦で左ふくらはぎに死球を受け、8日に登録抹消となったが、最短の10日間で再登録されることになった。
井口監督は2人のスタメン起用も明言。粘りの打線がさらに厚みを増し、16年ぶりのリーグ優勝へと突き進む。
ロッテは9月23日のソフトバンク戦(14時、ZOZOマリン)で「おさきにハロウィン supported by LOTTE」と題した約1ヶ月早いハロウィンイベントを開催すると17日、発表した。
当日の観戦チケットを持っている中学生以下先着2000人に、マリーンズキャップ(子供用)のプレゼント。また、仮装して来場した人を対象にロッテ「カスタードケーキ パーティーパック」約1ヶ月分(30セット)や、ハロウィン仕様の選手ステッカーなどが当たる抽選会などを実施する。主なイベントは以下の通り。
その他のイベント詳細はマリーンズ公式ホームページで。
6連勝中で首位を走るロッテにさらに追い風が吹く。18日の日本ハム戦(札幌ドーム)からマーティンと藤原が戦列復帰。打線の層は格段に厚くなる。井口監督は「2人とも土曜から一気に試合に戻れる」と先発起用の方針を明かした。
マーティンは14日に発熱し、新型コロナウイルス感染の可能性があったために出場選手登録から外れたが検査で陰性だった。「感染拡大防止特例2021」が適用されており、10日間を待たずに再登録が可能。藤原は5日の日本ハム戦で左ふくらはぎへの死球の影響で途中交代し、8日から登録を外れている。リーグ3位の25本塁打を放っているマーティンは4番で、7・8月度MVPに輝いた藤原は2番でスタメン復帰させる可能性が高い。
日本ハムに勝利しオリックスが西武に敗れれば1970年以来51年ぶりの優勝マジック「25」が点灯する。昨季はソフトバンクと優勝を争っていた10月にコロナ禍で主力の多くが離脱したことで失速し14ゲーム差の2位に終わったが今季はここから離脱者が続々と戻る。首痛で6月から離脱している唐川が20日のイースタン・リーグ西武戦で実戦復帰する予定。現在は国吉、佐々木千から守護神・益田につないでいるが、離脱するまで29試合で防御率1.88のセットアッパーが戻れば救援陣の厚みも増す。
チームは台風14号の影響を考慮して福岡から新幹線で大阪に移動し、そこから空路で札幌に入った。「残り試合、1日1日戦っていく」と井口監督。この日の移動と同様、細心の注意を払いながら「Vロード」を歩んでいく。
ロッテは9月23日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)で「おさきにハロウィン supported by LOTTE」と題した、約1ヶ月早いハロウィンイベントを開催することを発表した。
当日の観戦チケットを持つ中学生以下先着2000人にマリーンズキャップ(子供用)をプレゼント。また、仮装(魔女、かぼちゃ、ドラキュラ、キャラクターものに限る)して来場された方を対象にロッテ「カスタードケーキ パーティーパック」約1ヶ月分(30セット)やハロウィン仕様の選手ステッカーなどが当たる抽選会などを実施する。
その他のイベント詳細は球団公式ホームページに掲載。球団広報室は「昨年に引き続き、今年もハロウィンイベントを行うことになりました。ぜひ当日、来場される方は魔女、かぼちゃ、ドラキュラなどの仮装をしていただければより楽しめる1日となります。仮装といっても簡単なものでも結構ですので、ぜひ宜しくお願いします」とPRした。
首位・ロッテがベストメンバーで優勝へのマジック25を点灯させる。左ふくらはぎ打撲の藤原恭大外野手(21)と特例2021で登録を抹消されているレオネス・マーティン外野手(33)が18日の日本ハム戦(札幌D)から戦列に復帰することが17日、分かった。
18日に勝ってオリックスが敗れると51年ぶりにマジックがともるロッテに追い風が吹いてきた。藤原とマーティンの復帰について井口監督は「土曜日(18日)から試合に復帰の予定です」と明言した。7月から「2番・中堅」のレギュラーに定着した藤原は5日の日本ハム戦(ZOZO)で左ふくらはぎに死球を受けて同箇所を打撲。8日に登録を抹消されていたが、1軍に帯同しながら試合前練習に参加。状態がよくなってきたことでGOサインが出た。
マーティンは発熱のために14日、特例2021対象選手として登録を抹消されていたが、PCR検査の結果は陰性。14日からのソフトバンク戦(ペイペイD)は大事を取って欠場したが体調面も問題なし。ここ3試合の総得点は9点だっただけに、つなぎ役の2番と25本塁打、70打点の4番の復帰は心強い限りだ。
また、2軍で調整中の唐川侑己投手(32)も復帰間近。井口監督によれば20日のイースタン・西武戦(カーミニーク)に登板予定で「その試合を見て、よければ1試合で上げられる」とし、早ければ来週中にも昇格の見通し。前半戦で4勝2敗、19ホールドをマークした右腕が戻れば、好調の中継ぎ陣が厚みを増す。再加速へ、ロッテの戦力が整いつつある。
ロッテ・岩下大輝投手が18日の日本ハム戦(札幌D)に先発する。勝ってオリックスが敗れると優勝へのマジック25が点灯する大事な試合だが「高望みせず、自分のやれることを集中してやりたいと思います」と平常心を強調した。
チームトップタイの8勝を挙げている右腕は1日の西武戦(ZOZO)で先発し、2回6失点。2日に登録を抹消されていた。ファームでは「決め球が甘く入ることが多くあったので、そこを意識的に修正できれば」と調整を続けてきた。前半戦は好調も7月13日の西武戦(メットライフ)を最後に白星から遠ざかっている。「後半戦はまったく仕事ができていないので、チームのために自分の仕事ができるようにやりたいです」と意気込んだ。
18日にも優勝へのマジック25が点灯するロッテは17日、「おさきにハロウィン supported by LOTTE」と題した約1ヶ月早いハロウィンイベントを23日のソフトバンク戦(ZOZO・14時開始)で開催することを発表した。
当日の観戦チケットを持つ中学生以下先着2000人にマリーンズキャップ(子供用)をプレゼント。また、仮装して来場した観客を対象にロッテ「カスタードケーキ パーティーパック」約1ヶ月分(30セット)やハロウィン仕様の選手ステッカーなどが当たる抽選会などを実施する。詳細はマリーンズ公式ホームページまで。
ロッテの藤原恭大外野手(21)とレオネス・マーティン外野手(33)が18日の日本ハム戦(札幌ド)から1軍復帰することが17日、分かった。打線は役者がそろい、1シーズン制では51年ぶりとなる優勝マジックを今日こそともす。
打線の得点力の源となっていた2番と4番がついに戻ってくる。藤原は5日の日本ハム戦で死球を受け、左ふくらはぎ打撲で8日に出場選手登録を抹消。マーティンも発熱により「特例2021」の対象選手として14日に抹消されていた(PCR検査は陰性)。井口監督は2人について「土曜日(18日)から試合復帰の予定です」と明かした。
藤原は1軍に帯同しながらリハビリを続けてきた。15、16日の打撃練習では広いペイペイドームの右翼席へ柵越えをズドン。16日は全体練習に参加し、左足の太もも上げを無難にこなしていた。先発は18日に最終判断されるが、2人とも名を連ねることが有力だ。
18日は日本ハム戦に勝って、オリックスが敗れれば優勝マジック25が点灯する。チームは引き分けを挟んで6連勝中。その間、投手陣は15日のソフトバンク戦での4失点以外は踏ん張り、2失点以内に抑えてきた。両リーグ最速500得点へあと4点。今度は打線で打ち勝つ。
ロッテは23日のソフトバンク戦(ZOZOマリンスタジアム、14時試合開始)で「おさきにハロウィン supported by LOTTE」と題したイベントを開催すると発表した。
当日の観戦チケットを所持する中学生以下先着2000人へ子供用キャップをプレゼント。また、仮装してきた来場者を対象にロッテ「カスタードケーキ パーティーパック」約1ヶ月分(30セット)やハロウィン仕様の選手ステッカーなどが当たる抽選会を実施する。
18日にも優勝マジック「25」が点灯するロッテ。広報室は「昨年に引き続き、今年もハロウィンイベントを行うことになりました。ぜひ当日、来場される方は魔女、かぼちゃ、ドラキュラなどの仮装をしていただければより楽しめる1日となります。仮装といっても簡単なものでも結構ですので、ぜひよろしくお願いします」とコメントした。
6月にDeNAから交換トレードでロッテに加入し、8月13日に出場選手登録されて以降、国吉佑樹投手は故障離脱した唐川侑己投手の穴を埋め、佐々木千隼投手、益田直也投手と強力な「勝利の方程式」を形成している。ここまでの14イニングで許した失点はわずかに2。2勝1セーブ9ホールドの活躍を見せている。9月24日に30歳を迎える右腕が覚醒した理由はどこにあるのだろうか(成績は9月15日試合終了時点)。
国吉の年度別成績 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
年度 | 所属球団 | 試合 | 勝利 | 敗北 | ホールド | セーブ | 投球回 | 奪三振 | 防御率 |
2011 | 横浜 | 8 | 1 | 4 | 0 | 0 | 47 | 39 | 2.30 |
2012 | 横浜DeNA | 19 | 4 | 12 | 0 | 0 | 112.2 | 95 | 3.67 |
2013 | 横浜DeNA | 3 | 2 | 1 | 0 | 0 | 19.1 | 10 | 7.45 |
2014 | 横浜DeNA | 49 | 2 | 3 | 14 | 2 | 62.1 | 59 | 3.47 |
2015 | 横浜DeNA | 28 | 3 | 2 | 0 | 1 | 33.1 | 28 | 2.43 |
2016 | 横浜DeNA | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1.2 | 2 | 21.60 |
2017 | 横浜DeNA | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 8 | 3 | 2.25 |
2018 | 横浜DeNA | 13 | 0 | 0 | 1 | 0 | 16.2 | 15 | 4.86 |
2019 | 横浜DeNA | 53 | 5 | 3 | 9 | 0 | 69.1 | 81 | 4.80 |
2020 | 横浜DeNA | 42 | 3 | 4 | 10 | 0 | 46 | 51 | 3.13 |
2021 | 横浜DeNA | 18 | 1 | 1 | 0 | 0 | 29.2 | 37 | 5.16 |
2021 | 千葉ロッテ | 14 | 2 | 0 | 9 | 1 | 14 | 13 | 1.29 |
通算 | − | 252 | 23 | 30 | 43 | 4 | 460 | 433 | 3.80 |
国吉は秀岳館高校から2009年育成ドラフト1位で横浜(現DeNA)に入団。プロ2年目の2011年途中に支配下登録され、2012年に先発ローテーションに加わり112回2/3を投げた。救援に配置転換された2014年には49試合で62回1/3を投げ、2セーブ14ホールドと活躍した。
2015年もブルペンの一角として防御率2.43をマークするも、2018年までの3年間は登板機会が大きく減少。それでも2019年に自己最多の53試合に登板して69回1/3を投げ、奪三振率10.51を記録した。昨年も42試合で10ホールド、防御率3.13と投球内容も良化。奪三振率は9.98と高い水準を維持し、ブルペンの貴重なピースとなっていた。
今年もロングリリーフとして登板を重ねたが、防御率は5.16と悪化。6月14日に有吉優樹投手とのトレードでロッテに移籍するも、故障の影響で7月までは登板がなかった。しかし、8月のリーグ再開後は戦列に加わり、セットアッパーとして素晴らしい投球を続けている。
国吉が今季が投じた球種について見ていきたい。各打者の打席の最後に投じた、いわゆる「結果球」の割合を移籍前後に分けて紹介する。
DeNA時代とロッテ移籍後で、球種配分に大きな変化は見受けられない。ただ、ロッテ移籍後はツーシームをほぼ完全に封印し、フォークの割合を少し多くしているように、細かな違いが生じている。移籍前後のどちらも、決め球でもあるフォークの割合は10%前後。ロッテ移籍後は使用頻度が若干増加している。今季は速球とカットボールを軸に投球を組み立てているが、移籍後はその傾向にやや変化が見られた。
国吉の移籍前後の各種指標 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
年度 | 所属球団 | 試合 | 投球回 | 奪三振 | 防御率 | 奪三振率 | 与四球率 | K/BB |
2021 | 横浜DeNA | 18 | 29.2 | 37 | 5.16 | 11.22 | 3.94 | 2.85 |
2021 | 千葉ロッテ | 14 | 14 | 13 | 1.29 | 8.36 | 5.14 | 1.63 |
次に、移籍前後で記録した数字を基に、各種の指標について見ていきたい。
奪三振率、与四球率ともに移籍後は低下しており、K/BBは1.63と極端に悪い数字に。ロッテで抜群の安定感を発揮しているが、指標ではむしろ、DeNA時代のほうが良いという点はやや意外だ。
移籍前は三振を奪うことを主眼に置いた投球を繰り広げていたと考えられる。一方で、移籍後に記録した内野ゴロでのダブルプレーが14試合を投げた時点で3度もある点は見逃せない。奪三振率の低下も含め、打たせて取る投球へとシフトしつつあるという点が、各種の数字からも読み取れる。
国吉の球種別成績 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
球種 | 打席数 | 打数 | 安打 | 三振 | ゴロ | フライ | 四球 | 犠打・犠飛 | 被打率 |
ストレート | 26 | 20 | 5 | 2 | 7 | 6 | 4 | 2 | .238 |
カットボール | 23 | 20 | 4 | 7 | 6 | 3 | 3 | 0 | .200 |
フォーク | 6 | 6 | 1 | 4 | 1 | 0 | 0 | 0 | .167 |
カーブ | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .000 |
通算 | 56 | 47 | 10 | 13 | 15 | 9 | 7 | 2 | .213 |
※申告敬遠1
続けて、国吉が移籍後に記録した球種別の成績を見ていきたい。
まず目を引くのが、被打率.200と抜群の安定感を誇っているカットボール。この球種は一般的には打たせて取るために用いられることが多く、国吉もカットボールで6つのゴロを打たせており、四球や犠打などを除いた打数全体のうち、ゴロが占める割合が.319に達している。
一方で、国吉のカットボールは140キロ台中盤に達する速度から鋭く曲がるため、三振を奪うための球としても頼ることができ、球種別で最多の7三振を奪っている。打たせて取る際にも、空振りを取る際にも使える、まさに「決め球」と呼ぶに相応しい球種だ。
DeNA時代の2019年に161キロを計測した快速球は、国吉にとって最大の持ち味の1つだ。しかし、移籍後は被打率.238と、3つの球種の中で最も高い数字に。速球で奪った三振が2つにとどまっている一方で、20打数のうちゴロが7つと、カットボールよりも速球のほうがゴロ比率が高くなっている。
フォークは結果球になった回数が6回とさほど多投してはいないが、うち3回が三振と、空振りを奪う球として一定の威力を発揮している。速球とカットボールの割合が多いからこそ、フォークの存在そのものが投球術の幅を広げている面もあるだろう。
ロッテはチーム全体の奪三振率が6.97とリーグで2番目に低く、投手陣全体が打たせて取る投球を展開する傾向に。国吉も移籍後は速球とカットボールでゴロを打たせており、各種の数字を見てもグラウンドボールピッチャーへのモデルチェンジが機能している。
選手の獲得や補強は対象の選手の特性や長所を調査した上で、チームにプラスになるという判断のもとで進められる。国吉と同じく昨季途中にトレード加入し、チームの2位フィニッシュに貢献した澤村拓一投手(レッドソックス)の再来のような活躍を見せる国吉の獲得は、期待通りの成果をもたらしているといえそうだ。
今季の防御率が1.88という素晴らしい投球を続けてきた唐川の離脱は、チームにとっても非常に大きな痛手となる可能性が高かった。その穴を最小限にとどめている国吉の存在は、チームが中断明けに好調を維持している大きな要因の1つとなっている。
今後も安定感のある投球を続け、チームに2005年以来となるリーグ優勝をもたらすことができるか。身長196センチの巨躯に違わぬ存在感を発揮している新戦力が、優勝争いを繰り広げるチームに勢いをもたらしているのは疑いようのないところだ。