ロッテが4投手の無失点リレーで逃げ切った。1回にマーティンの適時二塁打で先制し、2回に田村の適時打で加点。石川が6回無失点で4勝目を挙げ、益田が35セーブ目。西武は打線がわずか1安打に抑え込まれて3連敗を喫した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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埼玉西武 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
千葉ロッテ | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | x | 2 |
戦線復帰の喜びを乗せた。ロッテのレオネス・マーティン外野手(33)は1回2死一塁、1ボールから浮いたスライダーをたたいた。復帰後初スイングが右中間フェンス直撃の先制二塁打に。これが決勝点になった。「興奮しました。ようやくこの球場に戻ってきた。勝利に貢献できたのが1番嬉しい」と笑った。
絶望から舞い戻った。9月19日、札幌で自打球を右足甲に当てた。診察で骨が折れていると分かった。「お医者さんに言われた時、今年の中で最悪の3、4分でした。去年のことを思い出して」。チームトップの25発を打った昨季も10月後半に負傷離脱。2位争いとCSに出場できなかった。
今回も直後は痛みがひどく、ペナントレース中の復帰は微妙なところだった。5日後、少し歩けるようになった。「ちょっといけるんじゃないかと、希望を持てるようになった」。1週間がたった頃、朝目覚めたら痛みが軽減していた。そのまま打撃練習を再開。患部はまだ、折れている。気力がバットを振らせた。
不在の間、1軍ではナインが自身の背番号「79」を帽子に入れたり、リストバントを着けて戦ってくれた。「17年間、キューバ、米国、日本でプレーしているが、こんなに素晴らしいチームメートを持ったことがない。彼らのために何ができるか」。1日でも早く戻りたい。背中を押された。
DHではあるが、いきなり4番でのスタメン復帰。コロナ禍で来日が遅れた夫人と4人の子供が観戦に来ていた。11歳の長女と1番下の1歳の男の子は、パパのプレーを初めて生で見た。お立ち台で拍手を一身に受け、涙ぐみながら「100%、優勝できます」と言った父の姿は、幼心に深く刻まれたに違いない。
ロッテ石川歩投手が6回を1安打無失点に抑え、4勝目を挙げた。
三塁を踏ませたのは2回2死二、三塁の場面のみ。「まあ、いつも通りでいきました」と外角シンカーで西武戸川を左飛に打ち取った。101球を要し「ちょっと球数が多かった。次はもう少し長い回を投げたい」と反省も口にしたが、後ろをつないだ3投手はいずれも無安打で0封リレーを完成させた。
ロッテのレオネス・マーティン外野手が復帰後初打席で適時打を放った。
9月19日に自打球を右足甲に当て、右足中間楔状骨骨折で登録を抹消されていた。4番DHでスタメン出場すると1回2死一塁、1ボールからのファーストスイングで浮いたスライダーをたたいた。右中間フェンス直撃の二塁打で先取点を挙げ「いきなりチャンスで回ってきたので、何とかここで1本打っていいスタートを切りたかった」と話した。
東京オリンピック(五輪)柔道男子100キロ級で金メダルを獲得した日本代表ウルフ・アロン(25=了徳寺大職)が始球式を行った。
柔道着姿でリリーフカーに乗って登場。降りると目の前に、柔道着姿の球団マスコット「謎の魚」が立ちはだかった。白球より先に魚を投げ飛ばし、はだしのままマウンドへ。投球は緩やかな放物線を描いて真っ直ぐミットに収まった。
「ノーバウンドでストライクが取れてよかったです。魚をさばくのが好きなので謎の魚に会えて嬉しかったのですが、思っていたよりも弱すぎたので次回はもっと練習してきてください」と、謎の魚に出直しを命じた。
同試合は球団オフィシャルスポンサーである了徳寺大学の冠協賛試合イベント「了徳寺大学スペシャルナイター」として開催された。
最速163キロ右腕がついにローテ入りする。
ロッテ井口資仁監督(46)は5日の西武戦前、7日の楽天戦(ZOZOマリン)に先発する佐々木朗希投手(19)の今後について「残りはしっかりと週1回投げることになると思う」と、プロ初の中6日で起用することを明言した。
佐々木朗は腰の張りのため、先発予定だった9月23日ソフトバンク戦の登板を当日に回避。回復してブルペン調整を進め、この日、ZOZOマリンの1軍練習に再合流した。井口監督は「状態はもう万全だと思います」と話し、復帰戦の相手に9月10日の対戦で8回2失点と好投した楽天を選んだ。
2年目の今季はここまで8試合に先発。翌日に出場登録を抹消し、いずれも登板間隔を10日以上空けてきた。「まあここまでね、十分に空けてきたんで。最後はしっかりと投げてもらいたいと思います。(終盤でのローテ入りは)予定通りです」と井口監督。7日の登板後は、順調なら14日オリックス戦(京セラドーム大阪)の先発が見込まれる。逆転優勝へ、大きなカギを握る。
涙の復活タイムリーだ!!右足甲の骨折から戦列復帰したロッテのレオネス・マーティン外野手(33)が、1回2死一塁で先制の右中間適時二塁打。主砲がチームに流れを呼び込んだ。
「興奮しました。勝利に貢献できたのが1番嬉しい。アリガトウ」。
「4番・DH」で12試合ぶりに出場した主砲は、復帰後初打席の初スイングで快打。試合後のお立ち台では、目頭を押さえて涙ぐんだ。
9月19日の日本ハム戦(札幌ドーム)で自打球を右足甲に当てた。3日間は歩けず、同21日に右足中間楔状骨の骨折と診断された。欠場中は本拠地でオリックスとの直接対決を生観戦。同一カード3連敗に深く落ちこんだ。
チームは1日に首位から転落。来日3年目の助っ人は意を決し、完全にはくっついていない骨の上に特製のレガースを装着し、4日の2軍練習試合で本塁打を放った。この日はフル出場で4打数1安打1打点。井口監督は「100%ではないが、打席の中でのスイングがしっかりしている」と残り18試合もDHで起用する方針を示した。
8連勝の首位・オリックスとは、1.5ゲーム差のまま。だが、勝ち続ければ最短で9日に優勝へのマジック「11」が点灯する可能性がある。
欠場中は中村奨や荻野が帽子にマーティンの背番号「79」を記した。この日は9月中旬に来日した家族が今季初観戦。周囲の期待に応え、「100%の確率で優勝できます!!」と逆転Vを予告した。
石川が6回1安打無失点の好投で4勝目を挙げた。被安打は2回に打たれた外崎の左翼線二塁打だけ。本調子ではなかったというが、ボールを丁寧に低めへ集め「田村に引っ張ってもらって、何とか抑えることができました」と、10試合ぶりにスタメンマスクをかぶった田村のリードを称賛した。
復活を告げる先制タイムリー二塁打だ。ロッテの主砲、レオネス・マーティン外野手(33)が二塁ベース上で胸を張った。
「復帰戦いきなりチャンスで回ってきたので、何とかここで1本打っていいスタートを切りたかった。先制点を取ることができてよかった」。
1回2死一塁で、西武先発・高橋がボールワンから投じた2球目のスライダーを強振した。主導権を握る右中間フェンス直撃の二塁打。12試合ぶりに出場し、復帰後初打席でのファーストスイングだった。
9月19日の日本ハム戦(札幌ドーム)で自打球を右足甲に当て、翌20日の試合を欠場した。21日に出場選手登録を抹消され「右足中間楔状骨骨折」と診断された。全治不明の重傷だった。
だが、予想を上回る驚異の回復。今月3日のイースタン最終・楽天戦に「4番DH」で4打席立ち、4打席目には右翼線二塁打を放った。4日のヤクルトとの2軍練習試合も「4番・DH」で、2打数1安打で右越え本塁打をたたき出した。
西武戦の試合前はいたって普通にフリー打撃を行い、満を持して出場選手登録された。4日に視察した井口監督は「本人もいけるっていってますし、残り19試合頑張ってもらいたいと思います」と期待した。
マーティン不在の11試合は4勝7敗。10月1日には首位から2位に転落した。この日は戻ってきた主砲の活躍に発奮したのか、先発した石川が6回1安打無失点と好投。3日の小島の完封勝利に続いて、2試合連続で4投手で完封リレーを完成させた。
首位オリックスも勝ち1.5ゲーム差は変わらず。ただ、主砲の復帰でロッテが間違いなく上昇気流に乗った。
ロッテの石川が6回1安打無失点の好投で4勝目を挙げた。三振は1つだけだったが、丁寧に打たせて取った。2回1死で外崎に浴びた二塁打以外は安打を許さず「田村に引っ張ってもらって何とか抑えることができた」とバッテリーを組んだ捕手への感謝を口にした。
優勝争いも大詰めを迎え、33歳のベテランの存在は大きい。「プレッシャーの中でやれているのがありがたい」と充実感に浸った。
腰の張りで戦列を離れているロッテ・佐々木朗が試合前練習で1軍に合流した。井口監督は「状態はもう万全」と話し、7日の楽天戦(ZOZOマリン)で先発させることを明らかにした。佐々木朗は9月23日のソフトバンク戦に先発予定だったが、腰の張りを訴えて登板を回避。復帰すれば10日以来、約1ヶ月ぶりの登板となる。その後は初めて中6日の登板間隔で回る予定。
2位ロッテが快勝した。左足甲骨折から「4番DH」で復帰したマーティンが1回、2死1塁から右中間フェンス直撃の二塁打を放ち先制。2回には、2死三塁から田村の中前タイムリーが生まれ2点目を挙げた。
先発の石川は6回1安打無失点の好投。7回からは国吉、唐川、益田とつないで、投手陣は西武打線をわずか1安打に抑えた。石川は4勝目、益田はリーグトップ独走する35セーブ目。
ロッテは3日にチームの連敗を「4」で止めた後、これで2連勝。
右足中間楔状骨骨折で離脱していたロッテのレオネス・マーティン外野手(33)が「4番・DH」で復帰出場し、1回2死一塁で西武先発・高橋から先制の右中間適時二塁打を放った。
マーティンは復帰後初出場初打席のファーストスイングでタイムリー二塁打。9月19日の日本ハム戦(札幌ドーム)に「4番・右翼」でスタメン出場し、自打球を右足甲に当てて20日の試合を欠場し、21日に出場選手登録を抹消されていた。5日は12試合ぶりの復帰出場だった。
右足中間楔状骨骨折で離脱していたロッテのレオネス・マーティン外野手(33)が「4番・DH」でスタメン出場し、12試合ぶりに復帰する。
マーティンは9月19日の日本ハム戦(札幌ドーム)に「4番・右翼」でスタメン。自打球を右足甲に当て、翌20日の試合を欠場し、21日に出場選手登録を抹消されていた。
4日に行われたヤクルトとの2軍練習試合(ロッテ浦和)に「4番・DH」で出場し、右越え本塁打を放つなど2打数1安打。井口資仁監督(46)は「本人も行けるっていってますし、残り19試合頑張ってもらいたいと思います」と主砲の活躍に期待した。
2019年途中に来日したマーティンは3年目の今季、99試合出場で打率.249、リーグ3位タイの25本塁打、84打点の成績を残している。
ロッテ・佐々木朗希投手(19)が、7日の楽天戦(ZOZOマリン)に先発で復帰登板し、以降はプロ入り初めて中6日のローテーションで登板することが5日、分かった。
佐々木朗は9月23日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)に先発予定だったが、腰の張りを訴えて登板回避。翌24日に出場選手登録を抹消されていたが、5日にZOZOマリンで1軍投手陣の練習に再合流した。
井口資仁監督(46)は佐々木朗について「状態はもう万全だと思いますし、明後日投げて、残りはしっかり週1回投げることになる」と明言。プロ2年目の今季、1軍デビューした最速163キロ右腕に期待した。
お立ち台で「目頭が熱くなっているのか?」と聞かれたロッテ・マーティンは慌てて「ノーノーノ―」と答えた。初回2死一塁、右中間フェンス直撃の先制二塁打。これが決勝打となった。
9月19日の日本ハム戦で自打球を受け、右足甲を骨折した。昨季終盤も左足首捻挫で離脱し、首位争いをしていたチームは失速。「医者から診断を聞いた時は最悪だった」。ところが骨折判明から4日目。歩けるようになると1週間後には打撃練習を再開し、この日から4番で復帰した。
離脱中には中村奨、荻野らが帽子に背番号79を記し、角中はマーティンのリストバンドを着用した。「キューバ、米国、日本で17年間プレーしてきたが、これほど最高な仲間はいない。僕のモチベーションになった」。今季絶望と思われた中でスピード復帰。首位オリックスとは1.5ゲーム差のままだが、チームは2連勝で役者もそろった。主砲は「まだ折れている」と言った。それでも戦う。仲間と、ファンのために。
ロッテ・佐々木朗の「中6日」が解禁される。井口監督が「(佐々木朗は)明後日投げて、残りは週1回でいくと思う。ここまで十分に空けてきたのでね」と、7日の楽天戦(ZOZOマリン)に先発し、中6日で14日の首位オリックス戦(京セラドーム)に先発する方針を示した。
腰の張りで9月23日のソフトバンク戦を回避した右腕は2軍で調整し、腰の不安も払拭。5日から1軍合流し、指揮官も「(体調は)万全だと思う」と期待を寄せた。ここまで佐々木朗は登板翌日に出場選手登録を1度抹消し、次戦に備える調整法を取っていた。
ロッテは、西武を2−0で下し、本拠地では9月12日以来の白星を飾った。試合後の井口監督は右足甲骨折から復帰したマーティンの打撃などを称賛した。
以下は一問一答。
ロッテは先発の石川が6回無失点の快投で今季4勝目。打線も右足甲骨折から12試合ぶりに1軍復帰したマーティンが初回にいきなり先制の適時二塁打を放つなど得点を重ねてチームは2連勝を飾った。
石川は「凄く嬉しいです」と語り始め「ちょっと球数が多かったんですけど無失点に抑えられて良かったです」と自身の投球を振り返った。さらに「田村がいいリードをしてくれたと思いますし、リリーフ陣も凄く良かったと思います」とチームメートを称えた。
優勝争いをする中での先発登板にプレッシャーはあるか聞かれると「プレッシャーはありますけどプレッシャーの中でやれているのは凄くありがたいです」と答えた。
残るシーズンへ「次はもうちょっと長いイニングを投げてしっかり抑えられるように頑張ります」と優勝に向けて意気込んだ。
ロッテは先発の石川が6回無失点の快投で今季4勝目。打線も右足甲骨折から12試合ぶりに1軍復帰したマーティンが初回にいきなり先制の適時二塁打を放つなど得点を重ねてチームは2連勝を飾った。
ヒーローインタビューでマーティンは「まずはファンの皆さんにありがとうと伝えたいです」と話し始め、「ファンの皆さんは自分にとって家族の一員だと思っています。この球場に戻ってこれて勝利に貢献できてよかったです」と話した。
初回の先制となる右中間フェンス直撃適時二塁打については「いつも自分は常にポジティブに考えているのでそれが、ヒット1本を打って打点を挙げられて良かったです」と振り返った。
先週のオリックスとの首位攻防3連戦はバッターボックスの後ろにある金網の後ろからチームメートの試合を見守っていたマーティン。「辛い気持ちで見ていました。チームメートが全力で戦っているのに僕は何も出来なくて悲しかったです」とその時の心境を明かした上で「でも神様や皆さんがもう1度プレーするチャンスを与えてくれたので全力でプレーして優勝できるように頑張りたいと思います」と語り、「100%の確率で優勝します!」と最後は優勝宣言した。
ロッテは先発の石川が6回無失点の快投で今季4勝目。打線も右足甲骨折から12試合ぶりに1軍復帰したマーティンが初回にいきなり先制の適時二塁打を放つなど得点を重ねてチームは2連勝を飾った。
打線は0−0の初回2死一塁で右足甲骨折から12試合ぶりに1軍復帰したマーティンがボールカウント0−1から西武先発の高橋が投じた2球目のスライダーを打って、右中間フェンス直撃の適時二塁打で先制に成功した。その後、2回も田村の中前適時打で加点した。
投げては先発の石川が2回に2死二、三塁のピンチを招くが山川を二飛で打ち取ってピンチを切り抜けた。その後は3回から6回まで無安打投球を披露し、6回101球を投げて、1安打無失点で今季4勝目。対西武戦は19年9月16日以来となる2年ぶりの勝利となった。石川が降板後は国吉、唐川と継投し、9回は守護神の益田が試合を締めて今季35セーブ目をマークした。
西武は先発の高橋が7回2失点で今季7敗目。打線もロッテ投手陣から1安打しか打てず無得点に終わって3連敗となった。
ロッテのレオネス・マーティン外野手が右足甲の骨折から復帰し、いきなり先制二塁打を放った。「4番・DH」でスタメン出場し、初回2死一塁から高橋光の2球目スライダーを叩き、右中間フェンスを直撃した。
9月19日の日本ハム戦で自打球を右足に受け、骨折で出場選手登録を抹消。今季中の復帰も心配されていた。
東京五輪柔道男子100キロ級で金メダルを獲得したウルフ・アロン(了徳寺大職)が5日、ロッテ−西武戦(ZOZOマリン)で始球式を行った。
柔道着姿でリリーフカーに乗って登場すると、「謎の魚」を投げ飛ばして、マウンドへ。裸足のままだったが打席に入った安田を相手に、見事なノーバウンド投球を披露。9月11日のヤクルト−DeNA戦でも始球式を経験していたが、「先日、行われた始球式ではワンバウンドしたので、今日はノーバウンドで投げられてよかった」とホッとした様子だった。
ロッテ・佐々木朗希投手の「中6日」に解禁されることになった。井口監督が5日、「(佐々木朗は)明後日投げて、残りは週1回でいくと思う。ここまで十分に空けてきたのでね」と明かした。
腰の張りで9月23日のソフトバンク戦先発を回避した最速163キロ右腕は、7日の楽天戦に先発する。この日から1軍合流した2年目について、指揮官は「(体調は)万全だと思う」と期待し、その後はローテーションの一角として逆転Vのキーマンに指名する。
ここまでの佐々木朗は登板翌日に出場選手登録から抹消され、間隔を空けてコンディションを整えていた。
骨は折れても、心は折れていなかった。自打球による右足甲の骨折から12試合ぶりに戻ってきたマーティンが、復帰初戦の初打席・初スイングでいきなり先制二塁打を放った。
初回2死一塁、1ボールから高めのスライダーをフルスイングで右中間へ。特注の防具をつけた足を少しかばうように、ゆっくりと二塁まで走った主砲は「チャンスで回ってきたので、ここで一本打っていいスタートを切りたかった。ここからまたチームに貢献できるように頑張りマーティン!」と、両手を叩いて喜んだ。
9月19日の日本ハム戦(札幌D)で負傷してから、わずか2週間あまりでのスピード復帰。昨年もシーズン終盤に左足捻挫で離脱しており、骨折と診断された直後は「また今年も…」と落ち込んだ。だが、コロナ禍による制限が緩和され、9月にようやく来日できた家族に励まされ、気持ちを奮い立たせた。わずか1週間後に練習を再開。4日の2軍練習試合で、視察に訪れた井口監督の前でアーチを放ち、ゴーサインを勝ち取った。
今季初めて観戦した夫人と4人の子供達の前で放った殊勲打。離脱中、4勝7敗と失速して首位を明け渡したチームを、本拠地では9月12日の楽天戦以来となる勝利に導いた。「僕にとっては家族の一員」というファンの拍手に包まれたお立ち台で、頼れる主砲は「100%優勝できます!」と断言した。
井口監督も「勝ちたいという気持ちが、最初の打席から出ていた」と目を細めた復活劇。守っても右肘手術でブランクがあった石川が、6回無失点で復帰後2勝目。4番とエース。役者のそろったロッテが、首位奪回へ再加速だ。
ロッテは初回に右足甲の骨折から復帰したレオニス・マーティン外野手の適時二塁打で先制すると、2回には田村龍弘捕手の適時打で追加点。序盤に主導権を握ると、先発の石川歩投手が6回1安打無失点、後続の投手も得点を許さず、完封リレーで連勝した。
右肘クリーニング手術から復帰して4戦目の石川は、2回1死二、三塁のピンチを切り抜けると、その後は危なげない投球。復帰後最多の101球、奪三振は1つながら、打たせてとる巧みなマウンドさばき。井口資仁監督も「まだ本調子ではないが、低めに丁寧に投げていた」と、ベテランの投球術をたたえた。
マーティンとともにお立ち台に上がったエースは、「田村がいいリードをしてくれました」と女房役に感謝。優勝争いへ向け「プレッシャーはありますが、プレッシャーの中でやれているのがありがたい」と、さらなる白星の積み重ねを誓った。
東京五輪柔道男子100キロ級で金メダル、混合団体で銀メダルを獲得したウルフ・アロン選手が始球式を行った。
この日は所属する了徳寺大の協賛試合イベント「了徳寺大学スペシャルナイター」。ウルフが柔道着姿でリリーフカーに乗って登場すると、目の前には球団マスコット・謎の魚が同じく柔道着姿で立ちはだかった。突如実現したスペシャルマッチ。しかし、結果はもちろん秒殺。無事に始球式を終えた金メダリストは「ノーバウンドでストライクが取れて良かったです。魚をさばくのが好きなので謎の魚に会えて嬉しかったのですが、思っていたよりも弱すぎたので次回はもっと練習してきてください」と笑っていた。
右足甲の骨折で戦列を離れていたレオニス・マーティン外野手が、復帰初戦の初打席・初スイングでいきなり先制適時打を放った。
11試合ぶりに4番・DHでスタメンに名を連ねた主砲。2死一塁で巡ってきた初回の打席で、1ボールから西武・高橋の高めに浮いたスライダーをジャストミート。打球はあっという間に右中間フェンスを直撃し、一塁走者が生還した。
抑え気味のスピードで二塁まで走ったマーティンは「いきなりチャンスで回ってきたのでなんとかここで1本打って、いいスタートを切りたかった。先制点を取ることができてよかった。ここからまたチームに貢献できるように頑張りマーティン!」と両手を叩いて喜んだ。
ロッテの井口資仁監督は5日、腰の張りで9月23日のソフトバンク戦(ZOZO)の先発を回避した佐々木朗希投手について、7日の楽天戦(同)で復帰登板させるとともに、「残りはしっかり週1回投げてもらうことになると思う」と、今後は通常のローテーション投手と同じ中6日で起用する方針を明らかにした。7日の登板後、順調なら14日のオリックス戦(京セラD)に先発する見通しだ。
佐々木朗はこれまで8試合に先発し、いずれも10日以上の登板間隔を空けていた。井口監督ら首脳陣は、以前からシーズン終盤には間隔を詰めて使う意向を示しており、今回の“解禁”について指揮官は「予定通り」と話した。
優勝争いを演じる2位ロッテが接戦を制した。
初回2死一塁、右足甲の骨折からこの日1軍に復帰した4番・マーティンの適時二塁打で先制。2回は2死三塁から田村の中前適時打で加点した。
この2点を投手陣が守り切った。先発の石川が許した安打は2回の外崎の二塁打のみ。6回1安打無失点の好投で4勝目。7回以降は国吉、唐川、益田が無安打無失点に抑え、1安打完封リレーを完成した。
ロッテ・中村奨がアウトカウントを間違える失態を犯した。
2点リードで迎えた8回、1死から三塁への内野安打で出塁。続くマーティンはフェンス手前まで達する中飛に倒れたが、中村奨はスタートを切り三塁に達していた。ボールは一塁に転送され併殺が完成した。
2死一塁でレアードが打席に立つはずがチェンジとなった。
腰の張りで戦列を離れているロッテの佐々木朗希投手が5日、ZOZOマリンスタジアムでの西武戦の試合前練習で1軍に合流した。井口資仁監督は「状態はもう万全」と話し、7日の楽天戦で先発させることを明らかにした。
9月23日のソフトバンク戦に先発する予定だったが、当日に登板を回避。復帰すれば10日以来、約1ヶ月ぶりの登板となる。
これまでは体調面を考慮して登板間隔を10日以上空けていたが、今後は週1度は登板させる方針。オリックスとの優勝争いも大詰めを迎えており、井口監督は「ここまで十分に空けてきたので、最後はしっかりと投げてくれると思う」と話した。
打球がレフトスタンドに吸い込まれていった。プロ7年目の加藤匠馬捕手が9月29日のバファローズ戦の2回にプロ初本塁打となる1号2ランを放った。今シーズン途中にトレードでドラゴンズから加入の移籍1年目。後半戦、先発マスクをかぶる機会が急増し粘り強いリードでチームの勝利に貢献している男が、移籍後初打点を初アーチで決めた。
「ストレートを狙いました。ホームランを打ったことがないので感覚は分からない。だから打ったらいつも通りに全力で走りました。入った瞬間は何が何だか分からない感じでしたね」と本人は振り返る。
あの時があるから今がある。肩の強さを評価されてのプロ入り。しかし、それ以外は1軍レベルとは程遠かった。1年目はわずか3試合の出場。転機となったのはナゴヤ球場で行われた秋季キャンプ。当時、監督だった谷繁元信氏(現野球評論家)に声をかけられた。
「オレが若い時にやっていた練習をするぞ」。
どんな練習か分からず軽い気持ちで返事をしたが待っていたのは地獄の猛練習だった。徹底的な基礎練習、体力強化。ブロッキングにスローイングの足の使い方を何度となく繰り返し行った。アメリカンノックに走り込み。そしてひたすらスクワット。ボールを使う練習がほとんどなく、1日中ひたすら体をいじめ抜く日もあった。練習メニューは日が沈んでも続いた。
あまりの厳しさにわずかな休憩となる昼食の時間にカレーライスを食べながら、意識が薄れたことがあった。「オイ!」。監督に声をかけられ、ハッと意識を取り戻した。今でこそ笑い話として振り返られるが当時はそれほど厳しい練習の日々だった。
練習メニューをこなしながら監督に言われた。「体力をつけろ。そして捕手は頭の体力もつけないとダメだぞ。周りをみながら、色々と考えないといけない。頭をフル回転させるんだ」。そして忘れられない教えがもう1つある。「野球は準備だぞ。何事も準備」。キャッチボール1つとっても、ただ肩を慣らす目的でなんとなく行うのではなく肩の状態など色々と確認しながら行う。試合前に相手を研究し準備を繰り返す。つねに準備を求めた。
「あの練習があったから、大きなケガをすることもなく今のボクがあると思います。そしてプロの捕手としての基本を学んだ期間です」と加藤。
月日は流れ、加藤はマリーンズに移籍。1974年以来のリーグ1位でのリーグ優勝(前後期制を除くと1970年以来)の起爆剤となっている。そして9月29日の2位バファローズとの直接対決ではプロ初本塁打を放った。それでも加藤は浮かれない。
「バンバン、ホームランを打てる訳ではない。ボクがこの世界で生きているためにはチーム打撃をしていかないといけない。センター中心へのイメージをもって、バントを正確に決めて、チームに貢献していくだけです」。
いつも試合前は入念に準備を行う。そしてマスクを被れば頭をフル回転させ、意識を研ぎ澄ませる。後半戦、背番号「66」の事前準備によって導き出されるリードでマリーンズは勝利を重ねている。プロ1年目からひたむきに努力を重ねた男は、新天地で栄光をつかもうとしている。
(千葉ロッテマリーンズ広報・梶原紀章)