ロッテを来季構想外となった大嶺祐太投手(33)が現役続行を希望していることが2日、分かった。
退団後について未定と発表していたが、現役続行へのトレーニングを続けている。沖縄・石垣島出身で、八重山商工高から06年高校生ドラフト1巡目で入団。19年1月に受けた右肘のトミー・ジョン手術から復帰し、今年6月にはリリーフとして約4年ぶりに勝利投手となった。今季は8試合に登板後、7月以降は2軍調整に。秋にはフェニックス・リーグでも登板を重ねた。8日の12球団合同トライアウトは参加せず、NPB他球団からのオファーを待つ。
ロッテ荻野貴司外野手(36)が2日、三井ゴールデン・グラブ賞の外野手部門を受賞した。2年ぶり2度目の受賞になる。
有効投票数273の約85.7%にあたる224票を手にし、得票率では12球団の外野手でトップに輝いた。
ケガに泣かされるシーズンが多く、今季はプロ12年目にして初めて全試合に1番打者としてスタメン出場した。左翼では124試合、中堅では54試合に出場。試合途中のポジション変更も35試合ある中で、コンディションを維持し完走した。飛球が風の影響を受けやすい本拠地ZOZOマリンで、広い守備範囲を生かして何度もピンチを救った。
受賞が決まり、球団を通じて「2年前に受賞させていただいた時は全試合出場ではありませんでしたが、今年は全試合に出場してとれたことに充実感があります。1年間けがをすることなく試合に出続けた中で、こういう賞をとれたことを本当にうれしく思います。日頃から練習を見てくれているコーチ、手伝ってくれるスタッフ、そして体のケアをしてくださった皆様に感謝をして、受賞したことを報告したいです。今年の結果に満足せず、チームから信頼をしてもらえるような守備ができるように、来年はもっともっと頑張りたいと思います。これからもそのために精進していきますのでよろしくお願いします」と喜びのコメントを寄せた。
ロッテ中村奨吾内野手(29)が2日、三井ゴールデン・グラブ賞の二塁手部門を受賞した。
有効投票数273票の約72%にあたる197票を手にし、2位の楽天浅村(35票)に大差をつけ、3年ぶり2度目の受賞となった。ロッテの二塁手が1人で複数回、同賞を受賞するのは球団初となる。
4年連続で全試合出場を継続し、今季は昨年に続いて全試合でスタメン出場を果たした。チームは今季から相手の打球傾向に応じて大胆なシフトを敷くことが増えたものの、中村奨はその中で守備率9割8分7厘をマーク。全試合スタメン出場を果たしながら、守備につかなかったのは合計4試合9イニングのみ。若手投手陣にも積極的に声を掛けながら、チームの中心で活躍した。
受賞が決まり、球団を通じて「前回受賞させていただいた時からこの賞のことを毎年意識してプレーしていました。3年ぶりに受賞できてすごくうれしいです。今年は森脇コーチにキャンプの時から一から熱心に指導をしていただき、そのおかげでレベルアップすることができました。アドバイスをいただいた皆様、手伝ってくださったスタッフ、そして信頼しあいながら、お互いカバーしながらプレーをさせてもらったチームメート。皆様に感謝です。本当に1人でとれた賞ではありません。周りの皆様に感謝しかありません。ありがとうございました」と喜びのコメントを寄せた。
NPBの守備のベストナインを選ぶ三井ゴールデン・グラブ賞が2日、発表された。
選考は全国の新聞、通信、放送各社のプロ野球担当者の投票で行われた。パ・リーグの全投票結果は以下の通り(有効投票数は273)。
ロッテは2日、本拠地ZOZOマリンの三塁側観戦スペース「バルコニー・スイート」をリニューアルし、来季公式戦を対象にした年間販売を開始したと発表した。
バルコニー・スイート席は個室とウッドデッキが組み合わせられた定員8〜12人の部屋で、室内からもバルコニーからも観戦ができる。ソファやテーブルが新たに設置され、内装もマリーンズカラーに統一された。フードやドリンクのデリバリーも付帯サービスとなっている。来季の購入特典として、新たに専用駐車場の利用権も付帯される。
先着販売で、2022年のパ・リーグ公式戦全試合が対象になる。詳細は球団ホームページにて。
ロッテのエチェバリアが来季残留することが決定的となった。シーズン終了直後には「このチームに戻ってきたいが、まだ分からない」と答えていた。
打率.203、4本塁打ながら「鳥人」と呼ばれる身体能力を生かした守備で救ってきた。既にマーティン、レアード、ロメロの来季契約は発表されているが、遊撃守備の名手の残留交渉も最終局面を迎えている。
第50回三井ゴールデン・グラブ賞が2日発表され、ロッテからは中村奨吾内野手が3年ぶり2回目、荻野貴司外野手は2年ぶり2回目の受賞となった。
ロッテから複数受賞は15年の涌井秀章(投手)、クルーズ(二塁手)、清田育宏(外野手)の3選手受賞以来となる。
ロッテはZOZOマリン3塁側スタンドに設置されている個室とウッドデッキが組み合わせられた観戦スペースである「バルコニー・スイート」6部屋をリニューアルし、2022年パ・リーグ公式戦を対象とした年間販売を開始した。
「バルコニー・スイート」は部屋の大きさに合わせて8〜12人の定員が設定されており、室内もしくはバルコニーからの2通りの観戦を楽しめるスペース。今回のリニューアルではソファやテーブルが新たに設置され、部屋の内装もマリーンズカラーに統一された。
また、フードやドリンクを部屋から注文してデリバリーされるサービスも付帯している。年間販売を開始するにあたり、新たに購入特典として専用駐車場の利用権も付帯している。
バルコニー・スイートの概要は次の通り。部屋ごとの概要(定員、駐車場台数、年間販売価格):316号室(12人、2台、1300万円)、317号室(10人、1台、1100万円)、318号室(9人、1台、1000万円)、319号室(10人、1台、1100万円)、320号室(10人、1台、1100万円)、321号室(8人、1台、900万円)。
セ、パ両リーグの守備のスペシャリストに贈られる「第50回三井ゴールデン・グラブ賞」が2日に発表され、ロッテからは二塁手部門で中村奨吾内野手、外野手部門で荻野貴外野手が選出された。
中村奨は今季143試合全て二塁手で先発出場。シーズン9失策で守備率は9割8分7厘だった。18年以来、3年ぶり2度目の受賞に、「前回、受賞させていただいた時からこの賞の事を毎年、意識してプレーをしていました。3年ぶりに受賞できてすごく嬉しいです。今年は森脇コーチにキャンプの時から一から熱心に指導をしていただき、そのおかげでレベルアップすることができました。アドバイスをいただいた皆様、手伝ってくださったスタッフ、そして信頼し合いながらお互いカバーしながらプレーをさせてもらったチームメート。皆様に感謝です。本当に1人でとれた賞ではありません。周りの皆様に感謝しかありません。ありがとうございました」とコメントした。
荻野も左翼、中堅で全143試合先発出場。シーズン無失策で守備率10割を達成した。19年以来、2年ぶり2度目の受賞に「2年前、受賞させていただいた時は全試合出場ではありませんでしたが、今年は全試合に出場してとれたことに充実感があります。1年間、ケガをすることなく試合に出続けた中でこういう賞をとれたことを本当に嬉しく思います。日頃から練習を見てくれているコーチ、手伝ってくれるスタッフ、そして体のケアをしてくださった皆様に感謝をして、受賞したことを報告したいです。今年の結果に満足せず、チームから信頼をしてもらえるような守備ができるるように来年はもっともっと頑張りたいと思います。これからもそのために精進していきますのでよろしくお願いします」と喜びを語った。
ロッテは2日、ZOZOマリンスタジアム3塁側スタンドに設置されている個室とウッドデッキが組み合わせられた観戦スペース「バルコニー・スイート」6部屋をリニューアルし、2022年パ・リーグ公式戦を対象とした年間販売を開始した。
「バルコニー・スイート」は部屋の大きさに合わせて8名〜12名の定員が設定されており、室内もしくはバルコニーからの2通りの観戦が可能。今回のリニューアルではソファやテーブルが新たに設置され、部屋の内装もマリーンズカラーに統一された。フードやドリンクを部屋から注文できるデリバリーサービスや、新たに購入特典として専用駐車場の利用権も付帯する。
※年間販売対象試合は22年パ・リーグ公式戦全試合。価格は全て税別。先着での販売。
ロッテがアデイニー・エチェバリア内野手(32)と残留交渉を継続していくことが2日、分かった。この日、エチェバリアは保留選手名簿から外れ自由契約となったが、交渉は進んでいる模様。
来日1年目の今季は79試合に出場し、打率.203、4本塁打、24打点。遊撃の守備で好守を見せ、リーグ優勝へ欠かせない戦力として期待されている。シーズン後「来年もマリーンズでプレーしたい」と話しており、残留が有力となっている。
日本野球機構(NPB)は2日、今季の支配下選手のうち各球団が来季の戦力として契約する権利を持つ保留選手名簿を公示。ロッテからはアデイニー・エチェバリア内野手が保留者名簿から外れたが、球団は来季の契約交渉を進めていくことが明らかになった。
今季は79試合に出場し、打率.203、4本塁打、24打点。CSファーストS初戦楽天戦では同点本塁打を放つなど、終盤に活躍。メジャー仕込みの守備で好守をみせていた。シーズン後「本当にこのチームが好き。できればこのチームでプレーしたい」と語っており、残留が濃厚となっている。
2021年度の「三井ゴールデン・グラブ賞」が2日、発表されロッテからは中村奨吾内野手が二塁手部門で3年ぶり2回目、荻野貴司外野手が2年ぶり2回目の受賞した。
今季は4年連続となる143試合にフル出場を果たしリーグ2位に貢献。「前回、受賞させていただいた時からこの賞の事を毎年、意識してプレーをしていました。3年ぶりに受賞出来て凄く嬉しいです。今年は森脇コーチにキャンプの時から一から熱心に指導をしていただき、そのおかげでレベルアップすることが出来ました」。さらに続けて「アドバイスをいただいた皆様、手伝ってくださったスタッフ、そして信頼し合いながらお互いカバーしながらプレーをさせてもらったチームメート。皆様に感謝です。本当に1人でとれた賞ではありません。周りの皆様に感謝しかありません。ありがとうございました」とコメントした。
荻野貴司外野手はプロ12年目にして初の143試合フル出場を果たした。「2年前、受賞させていただいた時は全試合出場ではありませんでしたが、今年は全試合に出場してとれたことに充実感があります。1年間、怪我をすることなく試合に出続けた中でこういう賞をとれたことを本当に嬉しく思います」とコメント。さらに続けて「日頃から練習を見てくれているコーチ、手伝ってくれるスタッフ、そして体のケアをしてくださった皆様に感謝をして、受賞したことを報告したいです。今年の結果に満足せず、チームから信頼をしてもらえるような守備が出来るように来年はもっともっと頑張りたいと思います。これからもそのために精進していきますので宜しくお願いします」と喜びを語った。
ロッテは2日、ZOZOマリンスタジアム三塁側スタンドに設置されている個室とウッドデッキが組み合わせられた観戦スペース「バルコニー・スイート」6部屋をリニューアルし、2022年パ・リーグ公式戦を対象とした年間販売を開始したと発表した。
「バルコニー・スイート」は部屋の大きさに合わせて8〜12人の定員が設定されており、室内もしくはバルコニーからの2通りの観戦ができる観戦スペース。今回のリニューアルではソファやテーブルが新たに設置。部屋の内装もマリーンズカラーに統一した。
フードやドリンクを部屋から注文してデリバリーされるサービスも付帯した観戦パッケージで、年間販売を開始するにあたり、新たに購入特典として専用駐車場の利用権も付帯する。
バルコニー・スイートの概要は次の通り。
部屋ごとの概要(定員、駐車場台数、年間販売価格):316号室(12名、2台、1300万円)、317号室(10名、1台、1100万円)、318号室(9人、1台、1000万円)、319号室(10人、1台、1100万円)、320号室(10人、1台、1100万円)、321号室(8人、1台、900万円)。(全て税別)
セントラル・リーグ | パシフィック・リーグ | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
選手名 | 球団 | 得票数 | 選手名 | 球団 | 得票数 | |
◎ 柳裕也 | 中 | 206 | 投手 | ◎ 山本由伸 | オ | 245 |
森下暢仁 | 広 | 29 | 田中将大 | 楽 | 9 | |
青柳晃洋 | 神 | 16 | 岸孝之 | 楽 | 7 | |
大瀬良大地 | 広 | 9 | 小島和哉 | ロ | 4 | |
西勇輝 | 神 | 8 | 伊藤大? | 日 | 3 | |
清水昇 | ヤ | 5 | 則本昂大 | 楽 | 1 | |
スアレス | 神 | 5 | 上沢直之 | 日 | 1 | |
大野雄大 | 中 | 4 | 松本航 | 西 | 1 | |
九里亜蓮 | 広 | 3 | 平良海馬 | 西 | 1 | |
栗林良吏 | 広 | 3 | 該当者なし | 1 | ||
又吉克樹 | 中 | 1 | ||||
該当者なし | 3 | |||||
◎ 中村悠平 | ヤ | 167 | 捕手 | ◎ 甲斐拓也 | ソ | 254 |
木下拓哉 | 中 | 84 | 伏見寅威 | オ | 8 | |
梅野隆太郎 | 神 | 25 | 森友哉 | 西 | 8 | |
大城卓三 | 巨 | 12 | 該当者なし | 3 | ||
該当者なし | 4 | |||||
◎ ビシエド | 中 | 155 | 一塁手 | ◎ 中村晃 | ソ | 158 |
マルテ | 神 | 48 | 鈴木大地 | 楽 | 74 | |
ソト | デ | 28 | T−岡田 | オ | 20 | |
オスナ | ヤ | 20 | レアード | ロ | 10 | |
該当者なし | 41 | 山川穂高 | 西 | 3 | ||
濱祐仁 | 日 | 1 | ||||
該当者なし | 7 | |||||
◎ 菊池涼介 | 広 | 173 | 二塁手 | ◎ 中村奨吾 | ロ | 197 |
山田哲人 | ヤ | 81 | 浅村栄斗 | 楽 | 35 | |
吉川尚輝 | 巨 | 35 | 安達了一 | オ | 28 | |
牧秀悟 | デ | 2 | 外崎修汰 | 西 | 6 | |
該当者なし | 1 | 三森大貴 | ソ | 2 | ||
該当者なし | 5 | |||||
◎ 岡本和真 | 巨 | 188 | 三塁手 | ◎ 宗佑磨 | オ | 210 |
宮ア敏郎 | デ | 37 | 茂木栄五郎 | 楽 | 48 | |
村上宗隆 | ヤ | 35 | 松田宣浩 | ソ | 5 | |
高橋周平 | 中 | 27 | 藤岡裕大 | ロ | 4 | |
林晃汰 | 広 | 1 | 野村佑希 | 日 | 1 | |
該当者なし | 4 | 該当者なし | 5 | |||
◎ 坂本勇人 | 巨 | 222 | 遊撃手 | ◎ 源田壮亮 | 西 | 188 |
中野拓夢 | 神 | 30 | エチェバリア | ロ | 45 | |
京田陽太 | 中 | 29 | 今宮健太 | ソ | 29 | |
小園海斗 | 広 | 9 | 紅林弘太郎 | オ | 10 | |
西浦直亨 | ヤ | 1 | 藤岡裕大 | ロ | 1 | |
該当者なし | 1 | |||||
◎ 鈴木誠也 | 広 | 233 | 外野手 | ◎ 荻野貴司 | ロ | 234 |
◎ 近本光司 | 神 | 210 | ◎ 辰己涼介 | 楽 | 166 | |
◎ 大島洋平 | 中 | 125 | ◎ 柳田悠岐 | ソ | 91 | |
丸佳浩 | 巨 | 83 | 岡島豪郎 | 楽 | 46 | |
塩見泰隆 | ヤ | 64 | 淺間大基 | 日 | 42 | |
松原聖弥 | 巨 | 46 | 栗原陵矢 | ソ | 35 | |
青木宣親 | ヤ | 33 | 福田周平 | オ | 34 | |
桑原将志 | デ | 28 | マーティン | ロ | 33 | |
西川龍馬 | 広 | 20 | 西川遥輝 | 日 | 29 | |
オースティン | デ | 11 | 杉本裕太郎 | オ | 22 | |
佐野恵太 | デ | 4 | 吉田正尚 | オ | 21 | |
佐藤輝明 | 神 | 3 | 岡大海 | ロ | 19 | |
野間峻祥 | 広 | 2 | 島内宏明 | 楽 | 16 | |
山崎晃大朗 | ヤ | 1 | 藤原恭大 | ロ | 6 | |
渡邉大樹 | ヤ | 1 | 愛斗 | 西 | 6 | |
サンズ | 神 | 1 | 岸潤一郎 | 西 | 4 | |
該当者なし | 11 | 金子侑司 | 西 | 2 | ||
該当者なし | 13 |
ロッテは1日、同日までにエンニー・ロメロと来季契約の合意を発表した。
ロメロは球団を通じて「千葉ロッテマリーンズと来季の契約することができました。私を信じて下さったチームの皆様に感謝し、登板する全ての試合に全力でチームの勝利に貢献することを誓います。そしてファンの皆様の為にも一生懸命頑張ります。来年も応援宜しくお願いします」とコメントした。
ロメロはシーズン途中に加入すると、4試合・23回1/3を投げ、1勝0敗、防御率1.54と、頼りになったサウスポーだ。4回1/3を投げ2失点で降板した8月22日のソフトバンク戦以外は全てクオリティ・スタート(6回以上3自責点以内)を達成し、8月29日の楽天戦は6回、2安打、無失点、9月5日の日本ハム戦は7回、7安打、1失点、9月14日のソフトバンク戦は6回、1失点だった。
ロッテは今季、小島和哉が球団の左腕では2012年の成瀬善久投手以来となる2桁勝利を達成したが、計算のできる左腕は少なく、ロメロの“残留”はチームにとって大きい。
ロメロが残留したからといって、慢性的な左腕不足が解消された訳ではない。来年に向けては小島、ロメロに続く左腕が出てきて欲しいところ。特にこの2年は左打者に強い右のリリーフが控えていたとはいえ、1軍で左のリリーフが不在となる期間が長かった。
左投手を補うだけの右投手が控えていれば問題ない、と言われてしまえばそれまでだが、チームのバランスを考えれば、1軍に左投手の枚数がいればいるほど起用法の選択肢は広がる。やはり、1人でも多く“左投手”が出てくることが、チームにとっては望ましい。
成瀬投手が退団した15年以降は深刻な左腕不足に悩まされ、16年から19年にかけて左投手全体で10勝に到達しておらず、17年と18年にいたっては左腕全体で5勝にも届かなかった時期もあったが、その頃に比べると現在は左の中継ぎ、左の先発候補が全くいない訳ではない。
19年以降は小島をはじめ、中村稔弥、土肥星也、山本大貴、成田翔、本前郁也、鈴木昭汰、育成の佐藤奨真といった期待の若手左腕が増えてきている。小島はこの2年で先発ローテーションの地位を確立したが、その他の20代の左腕達もきっかけを掴めば一気に飛躍する可能性を秘めた投手達ばかりだ。
小島と同期の中村稔はファームでは圧倒的な投球を見せ、1軍でもロングリリーフで存在感を示せば、開幕先発ローテ入りしたルーキーの鈴木も勝ち星に恵まれなかったものの、力強いストレートを軸に試合を作り、夏場以降はロングリリーフを中心にリリーフでチームに貢献した。
1軍定着まであと一歩のところまできている左腕はいるが、19年からの3年間で1軍に定着した左腕は小島のみというのも事実。“期待の若手左腕”から卒業し、ロメロ、小島とともにシーズン通して一軍で投げる左腕が、先発、リリーフでも1人でも多く出てくれば、長年いわれてきた“左腕不足”が解消されるだろう。来年こそは左腕不足が解消されたといわれるシーズンを送りたいところだ。
ロッテ佐々木朗希投手にとって、2021年はプロ2年目にして大いに存在感を示したシーズンだった。高校時代に最速163キロを記録した剛腕は、プロ1年目の昨年は2軍でも登板せず、身体づくりを含めた基礎固めに専念。満を持してデビューを飾った今季の成績は11試合、63回1/3を投げて3勝2敗、51安打、68奪三振、16四球、防御率2.27だった。
佐々木朗希の年度別各種指標 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
年度 | 試合 | 防御率 | 奪三振率 | 与四球率 | K/BB | 被打率 | WHIP |
2021 | 11 | 2.27 | 9.66 | 2.27 | 4.25 | .216 | 1.06 |
奪三振率は9.66。この数字にも快速球と鋭く落ちるフォークの質の高さが表れているが、速球を最大限に活かしたパワーピッチで押していくというタイプではない。優れた制球力に下支えされた、「四球を出さず、球数が少ない」という投球スタイルを若くして確立しつつある。実際に制球力を示す各種の指標を見てみると、与四球率は2.27。一般的に3.50を上回れば優秀とされるK/BBも4.25と優秀な数字を残している。WHIPも1.06と優れた水準だ。与四球の少なさに加え、被打率も.216と低く、痛打されるケースも少なくなっている。
また、登板した11試合でいずれも5回以上を投げきり、自責点3以下に抑えていた点も見過ごせない。失策が絡んで4失点以上した試合は3度あったものの、試合を壊さずに後続の投手につなげる確率が高かった点は、強力なリリーフ陣を擁していたロッテの戦力にもマッチしていた。
佐々木朗希の月別成績 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
月 | 試合 | 勝 | 敗 | 投球回 | 奪三振 | 四球 | 防御率 |
5月 | 2 | 1 | 0 | 10 | 10 | 5 | 4.50 |
6月 | 2 | 0 | 1 | 11.1 | 11 | 3 | 3.18 |
7月 | 1 | 0 | 1 | 5 | 3 | 3 | 3.60 |
8月 | 2 | 1 | 0 | 10 | 8 | 2 | 1.80 |
9月 | 1 | 0 | 0 | 8 | 9 | 0 | 2.25 |
10月 | 3 | 1 | 0 | 19 | 27 | 3 | 0.47 |
3月と4月は登板がなく、プロ初登板は5月16日の西武戦。その5月は2試合で防御率4.50だったが、6月は3.18、7月は3.60に。8月は大きく良化して1.80だった。そして、9月までは基本的に中10日の間隔で登板していたが、優勝争いが佳境を迎えた10月には中6日での先発も経験した。登板間隔が変化しても投球内容は乱れるどころか、成績はさらに改善。10月は勝ち星こそ1勝どまりながら、3試合全てで6回以上を投げ、19イニングで自責点1という驚異的な投球を披露した。8月以降の6試合の成績は、37回を投げて2勝0敗、21安打44奪三振、5四球、防御率1.22。楽天との「パーソル CS パ」の初戦でも6回を4安打10奪三振1失点(自責0)と好投した。
佐々木朗希の月別指標 | |||||
---|---|---|---|---|---|
月 | 試合 | 防御率 | 奪三振率 | 与四球率 | K/BB |
5月 | 2 | 4.50 | 9.00 | 4.50 | 2.00 |
6月 | 2 | 3.18 | 8.74 | 2.38 | 3.67 |
7月 | 1 | 3.60 | 5.40 | 5.40 | 1.00 |
8月 | 2 | 1.80 | 7.20 | 1.80 | 4.00 |
9月 | 1 | 2.25 | 10.13 | 0.00 | − |
10月 | 3 | 0.47 | 12.79 | 1.42 | 9.00 |
※9月のK/BBは与四球が0であるため、計算不能。
与四球率は5月から7月まで4.50、2.38、5.40とやや高く、制球面に課題があった。しかし、後半戦は大きく改善。8月が1.80、9月が0.00、10月が1.42となり、奪三振率も9月が10.13、10月が12.79だった。9月は腰の張りの影響で1試合の登板にとどまっており、8回9奪三振無四球投球だった9月10日の楽天戦の内容が、そのまま月間成績として示されている点には留意する必要がある。そういった意味でも、3試合でK/BBが9.00(27奪三振、3四球)という圧倒的数値を記録した10月の投球内容が進化をより明確に示していると考えられる。
佐々木朗希の捕手別成績 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
捕手 | 試合 | 勝 | 敗 | 投球回 | 奪三振 | 四球 | 奪三振率 | 与四球率 | 自責点 | 防御率 |
佐藤都志也 | 2 | 1 | 0 | 10 | 10 | 5 | 9.00 | 4.50 | 5 | 4.50 |
柿沼友哉 | 1 | 0 | 0 | 6 | 5 | 2 | 7.50 | 3.00 | 1 | 1.50 |
田村龍弘 | 2 | 0 | 2 | 10.1 | 9 | 4 | 7.84 | 3.48 | 5 | 4.36 |
加藤匠馬 | 6 | 2 | 0 | 37 | 44 | 5 | 10.70 | 1.22 | 5 | 1.22 |
ではバッテリーを組んだ捕手によって投球内容に違いはあったのだろうか。プロ初登板から2試合はドラフト同期入団の佐藤都志也捕手とバッテリーを組んだが、捕手別防御率では佐々木朗と組んだ4人の捕手の中で最も悪い4.50だった。奪三振率は9.00と高かったものの、与四球率が捕手別で唯一の4点台(4.50)となっている。田村龍弘捕手と組んだ2試合でも防御率4.36。佐々木朗が今季喫した2敗はいずれも田村と組んだ際に記録されたものだった。
柿沼友哉捕手と組んだのは6月10日のヤクルト戦だけだったが、6回4安打5奪三振2四球1失点と好投した。そして、最も相性が良かったのが加藤匠馬捕手。6試合で防御率1.22、奪三振率10.70、与四球率1.22だった。実際、8月以降の6度の登板ではいずれも加藤とバッテリーを組んでおり、月別成績が大きく改善されたタイミングとも符合している。
デビュー当時から一定以上の奪三振率を記録していたが、当時はまだ球速が抑えめであり、制球面にも多少の乱れが見られた。しかし、登板を経るごとにスピードが増し、フォークの精度も上がり、制球力も持ち合わせるように。「令和の怪物」は、これからどんな成長曲線を描いていくのだろうか。