ロッテが22年の年明けから、選手をイメージした香水「マリーンズ オーデパルファム」を販売することになった。
球団が誇る“イケメン5”として荻野貴司外野手(36)、藤原恭大外野手(21)、平沢大河内野手(24)、佐藤都志也捕手(23)、和田康士朗外野手(22)が選出され、それぞれのイメージに合う香水がラインアップに並ぶ。
来季から背番号1をつける藤原は「優雅なひと時を思わせる上品で華やかな香り」として“オンゼ”と命名される香水になった。「試合前にロッカーで香水をかけてグラウンドに行くようにしています。使っていたものは1年間ほとんど同じで今回、販売していただく香水に似た匂いです。来年はプライベートでも試合でもこれを使います」と気に入った様子だ。
球団のグッズ担当者は「最近、香水をかけてプレーをしている選手が多いと聞いていたこともあり、今回の企画を考えました」とコメント。「選手がグラウンドでどんな匂いを漂わせているのか、なかなか分からないと思いますので、これをご購入いただきイメージを膨らませていただければと思います」と話した。
荻野は「ゴージャスなフローラルブーケの香り」に、平沢は「かれんな甘味の都会的な香り」に、佐藤都は「リゾート気分を満喫できるトロピカルな香り」に、和田は「優しく気品のあるフローラルな香り」に、それぞれ決まった。
前ロッテヘッドコーチの今岡真訪氏(47)に在籍4年間の挑戦を聞いた。
18年から3シーズンは2軍監督として球団のサポートを受けて組織作りを推進。今季は優勝こそ逃したが、総合力を高めて2年連続2位に押し上げた。阪神での現役時の経験も生かし、教えることと見ることの「1対9」の指導哲学を確立する。安田尚憲内野手(22)や藤原恭大外野手(21)、山口航輝外野手(21)ら期待の若手にエールを送った。
前ロッテヘッドコーチの今岡真訪氏(47)に在籍4年間の挑戦を聞いた。
大局的に見て、勝てる組織をつくる。この4年間、僕が前ロッテヘッドコーチの今岡真訪氏と会話を重ねたなかで感じてきたスタンスだ。
井口体制で優勝するため、チーム作りに尽力してきた。近年のロッテのドラフト1位は輝かしい顔ぶれがそろう。19年佐々木朗を筆頭に安田、藤原ら才能豊かな若手が注目される。
だが、1年前の秋、今岡氏は言った。「このチームは中村奨吾。彼が柱にならないといけない」。今季プロ7年目、29歳で生え抜きの主力内野手だ。その後、キャプテン就任でリーダーの自覚を促し、全試合出場。不動の二塁手としてチームを支え続けた。「組織が人を育てる」と話す通りのマネジメントだろう。
「個に生きる」。阪神での現役時代から今岡氏が貫くプロフェッショナルの本質だろう。やるか、やらないかは自分次第。思い悩めば、自ら指導者に聞きに行くはずだ。だから教えることと見ることの「1対9」の考え方に行き着くのだろう。選手に声を掛ける光景はほとんどなく、一見、突き放しているように映るが実は選手の自覚を重んじている。「放っておいても育つよ、いい選手は」とは、放言ではなく、一流になる選手の姿をとらえている。
僕にとって耳の痛い言葉だ。かつて、名コーチが有望株を熱心に教えれば「○○コーチに弟子入り」などと安直な記事を書いては、選手とコーチの“美しい関係”を持ち上げてきた。だが、冷静にグラウンドを見れば、組織のコーチなのに売り出し中の若手だけを教えたり、特定の選手とのおかしな関係が浮き彫りになり、果てには試合前に対戦相手と長時間、談笑しているコーチもいたりする。
コーチ主導ではなく、自分を背負った選手は目の色を変える。数年前、今岡氏は言った。「選手にコーチがマンツーマン指導しない環境なら、選手はメチャクチャ練習するよ」。言い訳や逃げ道を断つ。自ら人生を背負う。今岡氏の考え方は、あるべきプロフェッショナルの姿を示す。安田、藤原、山口…。今岡氏はこの4年間、彼らが来季以降、主力でロッテを引っ張るための道を整えてきたようにも映った。
ロッテが球団初の選手香水グッズ『マリーンズ オーデパルファム』を年明けに販売することが28日、分かった。
定価は3500円(税込)。球団グッズ担当がイケメン5≠選び、香りと名称が決まった。名称は、荻野が『クラシックローズ&リリー』、藤原が『オンゼ』、平沢が『リセット』、佐藤都が『トレイス』、和田が『オイト』。
藤原の『オンゼ』は、優雅なひと時を思わせる上品で華やかな香り。来季から背番号1をつける期待の成長株は「試合前にロッカーで香水をかけてグラウンドに行くようにしています。みんなつけているのでマナーみたいなものなのかなあと。使っていたものは1年間ほとんど同じで今回、販売していただく香水に似た匂いです」と球団を通じてコメントした。
年明けから、異例のロッテ選手グッズが発売される。球団が選定した「イケメン5」の荻野、藤原、平沢、佐藤都、和田をイメージした「マリーンズ オーデパルファム(香水)」。選手によって「優雅なひと時を思わせる上品で華やかな香り」(藤原)、「優しく気品あるフローラルな香り」(和田)など多彩だ。
球団グッズ担当は「イメージを膨らませていただければ」とPR。藤原は「試合前にロッカーで香水をかけてグラウンドに行く。来年はプライベートでも試合でもこれを使います」とコメントした。
ロッテのレオネス・マーティン外野手(33)が帰国前にスポーツ報知のインタビューに応じ、今季を振り返った。昨オフ新たに2年契約を結んだ来日3年目の今季は、右足甲の骨折に見舞われながらも116試合に出場し27本塁打、75打点、打率2割3分3厘をマーク。チームの優勝争いに欠かせない存在となった頼もしい助っ人のここまでの心境に迫った。
ロッテが千葉へ移転した92年からマリンスタジアムの全試合に立ち会った場内アナウンス担当・谷保恵美さん(55)が、来季で通算2000試合の本拠地アナウンスを達成する。28日、巨人の伝説の場内アナウンサー・山中美和子さんの“教え”を糧に、初の優勝アナウンスへの意欲を明かした。
ZOZOマリンスタジアム30年目のシーズンを無事、完走。谷保さんはここまで同球場での全1957試合を見届けてきた。来季は2000試合アナウンス達成が確実だ。
「川崎球場最後の年からアナウンスをさせていただき、球団、皆さまに感謝しております。2000試合目も『試合終了でございます』のアナウンスができることをドキドキし、楽しみにしております」と声を弾ませた。
巨人で45年間もアナウンス業務を行い、今季で引退した山中美和子さんを目標に重責を担ってきた。王貞治の現役時代もアナウンスした経歴を持つレジェンドからは、声の質を保つために腹筋トレーニングを欠かさないことなどを教えられたという。
「本当に尊敬ですよね。大先輩がやっているなら、私もやらなきゃと思って。見習うことはたくさんありました」。助言を参考にした体調管理のおかげで、無事にアナウンスに携わり続けられた。
来季は通算2000試合達成と、移転後は一度もない本拠地での優勝の瞬間をアナウンスすることを目標にする。「これまでは全てビジターなんですよ。来年はぜひ、優勝の瞬間をアナウンスしたいですね」。31年目のアナウンスシーズンを一番の思い出の年にする。
ZOZOマリンスタジアムはオフでも活気にあふれている。キャプテンの中村奨吾内野手は契約更改を行った24日は午前8時から身体を動かし、時間を有効利用していた。この日、誕生日だった平沢大河内野手も姿を現し藤岡裕大内野手と2人、黙々と打ち込んだ。安田尚憲内野手もマシン相手に連日、打ち込みを行っていた。誰もクリスマスムードに浸ることはない。マリーンズの選手達はそれぞれの課題と向き合い、自分達で考えながら身体を動かし、来る2022年シーズンに照準を合わせていた。
「選手達にはこの時期の大事さを分かって欲しい。この時期にしっかりとウエートや振り込みを行えば必ず来年4月に生きる」と井口資仁監督。
常々オフの期間の重要性を説いていた。2月1日から身体をつくりあげるのではない。2月1日は戦いのスタート。初日から実戦を行える万全の状態で臨むためのオフだという方針を就任以来ずっと説き続けてきた。だからこそキャンプ初日に紅白戦を行ったこともあった。戦いはもうこの時から静かに、しかし確実に始まっているのだ。
「2月1日からポジション争いは始まる。若手には休んでいる時間はない。毎日を大事に過ごして欲しい。充実した日々を過ごして欲しい。今、頑張るとその頑張りは必ず結果となって返ってくる」。
指揮官の想いはこの4年間で浸透している。考え方、戦い方、方針。だからこそ選手達はオフに浸ることなくジャージーに着替え、汗を流す。ZOZOマリンスタジアムだけではない。浦和球場で、それぞれの故郷や借りている練習施設で。選手達は見えない努力を続けている。それはまだ1軍昇格の機会のない若手選手も同じだ。寮では夜遅く駐車場で黙々とバットを振る選手の姿がある。屋上の簡易打撃スペースで夜遅くに身体を動かす選手もいれば、1度、汗を流した後の夕食後に再び室内練習場で打ち込む選手がいる。それが当たり前の光景である。
そんな若手選手達の貪欲に取り組む姿に井口監督は目を細める。そして「若手の底上げは絶対に必要。選手達も頑張ってくれている。自分も我慢が大事。すぐにうまくいくことはないということは分かっている。我慢強く使ってあげないといけない時はある。すぐに変えても何の意味もない。変えても何も生まれない」と決意を語る。
あと3勝だった。141試合目でリーグ優勝の目標は潰えた。それは目の前にあった。誰もが月日は経った今も野球の話になると第一声は「悔しい」から始まる。22年こそ。来年の師走は、このオフの鍛錬の日々を笑顔で振り返りたい。若手選手達は確実に成長している。ケガが癒え、逆襲に燃える選手達もいる。今年、手ごたえを掴んだ選手達もいる。まもなく年は変わる。21年は去り、22年を迎える。丑年から寅年へ。マリーンズ最高の年が始まる。
打率.233、27本塁打、75打点、4盗塁、出塁率.355。
ロッテ・マーティンが残した今季の成績だ。マーティンは昨年もそうだったが、数字だけでは判断できないチームへの貢献度の高さがある。
打撃面でいえば打率.233とは、感じさせない働きぶりだった。5月25日の阪神戦で2−3の8回無死一塁から2番手・岩崎優が2ボール2ストライクから投じた6球目の外角スライダーをライトスタンド中段へ逆転2ランを放てば、9月8日のオリックス戦では1−1の8回に吉田凌から決勝の3ラン。これが球団通算8000号となるメモリアルな一発となった。楽天とのCSファーストステージ第2戦でも、3−4の7回2死走者なしの場面で酒居知史からライトへ値千金の同点弾。この本塁打により試合は4−4に引き分け、ファイナルステージ進出が決まる一発となった。
昨季はマーティンが本塁打を放った試合は12連勝ということもあったが、今季も5月25日の阪神戦から10月6日の西武戦にかけてマーティンが本塁打を放った試合は引き分けを挟んで11連勝を記録した。
また、マーティンは無安打でも四球を選んで出塁し、足で魅せるのも特徴だ。5月28日の広島戦は3打数0安打も2つの四球を選び足で魅せた。0−0の初回の第1打席、中村奨吾が放った打球をレフトとセンターがぶつかりながらも、最後はセンターがキャッチしたのを見て、一塁走者のマーティンがタッチアップし二塁へ進塁。
4−7の5回は1死二、三塁からレアードが打ったセカンドへの飛球が、風に流されたこともあり、捕球体勢が崩れ、セカンドが倒れこむように捕球。それを見て三塁走者のマーティンがホームインした。無安打でも“走塁”でチームに貢献するのがマーティンだ。
“相手の隙”をついた走塁は5月28日の広島戦だけじゃない。4月25日のソフトバンク戦では、やや右中間寄りの当たりでセンターが反転しながら送球するのを見て二塁に進み二塁打にすれば、5月16日の西武戦ではセンター前に安打を放ち、一塁ベースを回ったところでスピードを緩める動きを見せるも、センターの緩慢な動きを見逃さず、二塁へ進塁する好走塁。
今季の盗塁数は4つだが5月19日のオリックス戦では、山本由伸の投球モーションを完全に盗み、三塁盗塁を決めた。捕手の伏見寅威も三塁へ送球できないほどのスタートの良さだった。
6月8日のヤクルト戦ではセンター前に抜ける安打を放つと、二塁ベースに誰も入っていなかったのを見て一気に二塁を陥れた。6月29日のオリックス戦では安田の左飛で二塁走者のマーティンは三塁へ進み、田村の犠飛で生還。
今季もシーズン通して、相手の緩慢な動きを見逃すことなく、次の塁を狙う姿勢は非常に素晴らしかった。
守備でも頭脳プレーが光った。4月13日の楽天戦、辰己涼介の一、二塁間を破るライト前へのゴロを捕球すると、一塁を大きくオーバーランしていたのを見て素早く一塁へ送球。ベースカバーに入っていた投手・石川歩が、一塁に戻ろうとしていた辰己をタッチしアウトにする“相手の隙を見逃さない”守備を披露した。
外野手チームトップの9補殺をマークした“肩”でも、6月13日の巨人戦では5点リードの7回に4点を返され、なお2死一、二塁のピンチが続き、中島宏之が放ったライト前への打球に、二塁からホームを狙った二塁走者の岡本和真をライト・マーティンがホームで刺した。嫌な流れを断ち切る好守備だった。
時折、手痛いミスはあるものの、シーズン通してみれば、チームを救う守備が多いことは確かだ。
マーティンは9月19日の日本ハム戦で右足に自打球を当て、『右足中間楔状骨骨折』で離脱したが、10月3日の楽天との2軍戦で実戦復帰し、10月5日の西武戦で1軍に復帰。10月14日のオリックス戦では右足に自打球を当て苦悶の表情を浮かべるも、そのまま出場を続けガッツを見せた。チームの勝利のために常に全力プレーでする姿は、非常に心強い。来季こそ、リーグ優勝し、マーティンが喜ぶ姿を見たい。