ロッテ西野勇士投手(30)が26日、キャンプ地の沖縄・石垣島で行っている先乗り自主トレの後、リモート取材に対応した。
20年に開幕ローテーション入りが内定していたものの、右肘の痛みを訴え、同年6月29日にトミー・ジョン手術を受けた。昨季までの2シーズン、ちょうど働き盛りの年代ながら公式戦登板はなかった。
「順調にやっていればしっかり投げられてただろうなと思っていたので、すごい悔しさはありましたけど、仕方ないなという気持ちもあったので。今まで肘、何回もやってきたので」。
同年2月に同じ手術を受けたDeNA東克樹投手(26)の経過も報道で確認しながら、リハビリを進めていった。昨季キャンプでもキャッチボールは行ったものの「6割くらいは出せてたのかなというくらい。100(%)までは去年1年間では1回も行けなかったので」。現時点の状態も「100で投げられています。今までに比べてもいい状態だなっていうのはすごく感じているので」とハッキリと口にする。
リハビリ中に佐々木朗や小島、岩下ら年下の先発投手陣がめきめきと力をつけてきた。石川、美馬のベテラン陣に加え、種市も同じトミー・ジョン手術からの復活を期す。負けるつもりはない。「自分がしっかり投げられさえすれば」。石垣島キャンプはまずはB組(2軍)スタート。じっくりと力を示していく。
ロッテは26日、今季のオフィシャルスーツが完成したと発表した。
オフィシャルスーツサプライヤー契約を締結している「オーダースーツSADA」(株式会社オーダースーツSADA)がスーツ、ネクタイ、ワイシャツを仕立てている。ジャケットとスラックスで違う生地を組み合わせており、スラックスは移動時にもシワになりにくいストレッチ素材を採用している。同社のスーツを着用するのは8年目で、今回のスーツで4代目となる。
キャンプ地の石垣島に移動する1月30日から首脳陣、選手、スタッフが着用を始める予定。2月上旬からは同社各店舗で一般販売も行う。同社の佐田展隆代表取締役社長は球団を通じ「高品質ウール100%服地を使用したブラック基調のテーラードジャケットと、伸縮性に優れた服地を使用したライトグレー基調のスラックスを合わせたジャケットパンツスタイルとなっております。裏地には千葉ロッテマリーンズのイニシャルマークを織柄で入れ、上品な雰囲気におしゃれ感もプラスした仕上がりとなっております。ぜひ皆様にもご愛用いただけますことを願っております」とコメントを寄せた。
ロッテは26日、アデイニー・エチェバリア内野手(32)が羽田着便で25日に来日したと発表した。
政府指定の入国隔離措置をとり、隔離期間終了後にチームへ合流する予定となっている。
井口資仁監督(47)は1月18日の報道対応では、エチェバリアについて「キャンプ中に合流になると思います」と見通しを話していた。同日にはブランドン・レアード内野手(34)レオネス・マーティン外野手(33)の1軍本隊合流が3月上旬になる見通しについても言及している。
また、育成選手のホルヘ・ペラルタ外野手(20)も25日の成田着便で来日したこともこの日、発表された。
ロッテの西野が26日、キャンプ地の沖縄県石垣市での練習後にリモート取材で今季に懸ける思いを語った。2020年6月に右肘内側側副靱帯の再建手術を受けて2年連続で1軍登板がなく「巻き返せるように頑張って開幕から1軍でやっていけるようにしたい」と意気込んだ。
13年に9勝を挙げ、14年から3年間は抑えとして活躍した。右肘の調子はいいようで「しっかり投げられたらまだいけると正直思っている。手術前よりもいいパフォーマンスで投げたい」と闘志をみなぎらせた。
ロッテは26日、エチェバリアと育成選手のペラルタが25日に来日したと発表した。隔離期間後にチームに合流する予定。
沖縄・石垣島での先乗り自主トレに参加しているロッテ・西野がリモート取材に対応し、開幕ローテーション入りしてのフル回転を誓った。
開幕直前だった20年6月に右肘の靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受け、2年間公式戦から離れているが「(ブルペンで)100%の力で腕を振れている」と説明。「自分がしっかりと投げられたら、まだいける」と先発争いに自信をみせた。
ロッテ・西野勇士投手が26日、沖縄・石垣島で、春季キャンプ前の先乗り自主トレを行った。
オンラインでの取材に応じ、「(先乗りした)みんなと一緒にランニング、トレーニングして、あとはキャッチボールとウエートトレーニングなど、一通りやりました。目的通りのことはできているのかなと思います」と明かした。
一昨年の開幕直前に右肘を痛め、6月にはトミー・ジョン手術を受けた。2年間登板なしに終わってるが「自分の感覚ではすぐにいけると思っている。キャンプ、オープン戦でアピールして開幕から1軍でやっていけるようにしたい」と開幕ローテーションを視野に入れてトレーニングに励んでいる。
2022年ロッテオフィシャルスーツが完成し、1月30日のチーム移動から井口監督、コーチ、選手、チームスタッフの全員が着用を開始する。
オフィシャルスーツサプライヤー契約を締結している「オーダースーツSADA」(株式会社オーダースーツSADA、本社:東京都千代田区)で仕立てられたもので、スーツ、ネクタイ、ワイシャツが対象となる。
ジャケットとスラックスで違う生地を組み合わせたスタイルで、スラックスにはチーム移動時にもシワになりにくいストレッチ素材を採用している。「オーダースーツSADA」によるオフィシャルスーツを採用するのは8年目で今回のスーツで4代目となる。
オフィシャルスーツは2月上旬からオーダースーツSADA各店舗にて一般販売を予定している。
ロッテは26日、アディニー・エチェバリア内野手が羽田空港着の航空機で、育成選手のホルヘ・ペラルタ外野手が成田空港着の航空機で25日に来日したことを発表した。
政府指定の入国隔離措置をとり、隔離期間終了後にチームへ合流する予定。
ロッテは26日、2022年千葉ロッテマリーンズオフィシャルスーツが完成したことを発表した。
同スーツはオフィシャルスーツサプライヤー契約を締結している「オーダースーツSADA」で仕立てられ、今年はジャケットとスラックスで違う生地を組み合わせたスタイル。スラックスにはチーム移動時にもシワになりにくいストレッチ素材を採用している。オフィシャルスーツは2月上旬からオーダースーツSADA各店舗にて一般販売を予定(詳細はオーダースーツSADAホームページで後日発表)。
佐田展隆代表取締役社長は「2022年のオフィシャルスーツは、高品質ウール100%服地を使用したブラック基調のテーラードジャケットと、伸縮性に優れた服地を使用したライトグレー基調のスラックスを合わせたジャケットパンツスタイルとなっております。裏地には千葉ロッテマリーンズのイニシャルマークを織柄で入れ、上品な雰囲気におしゃれ感もプラスした仕上がりとなっております。ぜひ皆様にもご愛用頂けますことを願っております」とコメントした。
ロッテは26日、アディニー・エチェバリア内野手と育成のホルヘ・ペラルタ外野手が25日に来日したことを発表した。
今後は政府指定の入国隔離措置をとり、隔離期間終了後にチームへ合流する。
ロッテの西野勇士投手(30)が26日、沖縄・石垣島で先乗り自主トレを行い、20年6月に受けた右肘のトミー・ジョン手術から復活し、開幕ローテをつかむと意気込んだ。
「肘の状態はすごくいい。今は100で投げられている。開幕から1軍でやっていけるようにアピールしていきたい」。かつては抑えを務め、通算88セーブの実績を持つ右腕は完全復活を誓った。
19年8月に先発再転向し、6試合投げた後に痛みを覚えた。術後2年間は公式戦登板はなかったが調整は順調だ。昨秋のフェニックス・リーグで実戦復帰し、直球は140キロ台前半まで戻ってきた。「自分がしっかり投げられれば(先発は)いける」。競争を勝ち抜き、先発枠を勝ち取る自信をみせた。
プロ野球界を新型コロナウイルスの猛威が襲っている。この日も阪神の新守護神候補・岩崎、中日からFA移籍したソフトバンク・又吉、西武・金子らが感染。すでに各球団はキャンプ1、2軍のメンバー振り分けを行っているが、合流時期が未定でスタートに間に合わないなど大きな影響を及ぼしている。
第1クールから紅白戦などの実戦を予定している球団もある中、広島、阪神、オリックスで長くコーチを務めてきたデイリースポーツ評論家・岡義朗氏は「こればっかりは国全体のことだから」と前置きした上で「気をつけなければいけないのは、コロナにかかってしまった後。ペース配分であったり、用心せなあかんことはあるよね」と語った。
「特に1、2、3年目の選手達は遅れを取り戻そうとして、無理にペースを上げて故障してしまう。ピッチャーでもいきなり全開で投げて肩を痛めてしまう選手というのは過去にもいた。ベテランや実績がある選手はある程度、目標に向けて調整できるけど、若手選手は競争下におかれるわけだから。それぞれで立場も違うし、ペースだけ気をつけないといけない」と解説。首脳陣が取り組むべきこととして、焦りが生じる選手達のメンタルケアができるか、そしてペース配分をしっかり見極められるかがポイントになりそうだ。
一方で「怖い」と岡氏が指摘したのが発熱による影響。「よく球界では1日の発熱で元に戻るのは3日かかる。2日ではその倍になるということはよく言われてきた。それだけ筋肉がダメージを受けてしまうんだよね」。岡氏自身も南海での現役時代、1月末の発熱によりキャンプインが10日ほど遅れたことがあり「その年は本当に走れなかった。体がフワフワして地に足がついていないような感じ。ドカベン(香川伸行)よりも遅かった。それだけ発熱の影響というのはあるんよ。プロは熱を出してゼロになったとしても、100の力で戦わないといけない。だからコロナにかかって熱が出たとしても、本当にその後が大事になると思うよ」と明かす。
3月25日の開幕まで各球団、どう調整を進めていくか。選手の状態を見極めることも、首脳陣の大きな仕事となりそうだ。
ロッテの西野勇士投手が26日、沖縄・石垣島でのキャンプ先乗り自主トレ後、20年6月に行った右肘のトミー・ジョン手術から今季への復活に懸ける思いを明かした。
温暖な地でキャッチボール、ランニングなどを行った。14年から3年連続で抑えを務め、19年の終盤には先発に転向後、右肘を痛め登板機会はなかったが「肘の状態はすごくいい状態。(ブルペン入りは)投手コーチが決めた予定通りにいこうかなと思う」と意気込んだ。
今季の目標については「キャンプ、オープン戦でしっかりアピールして、開幕から1軍でやっていけるように」。昨年9月29日の3軍戦で実戦復帰後、球速も徐々にアップ。今後について「良ければでると思います」と答えた。
ロッテは26日、「2022年千葉ロッテマリーンズオフィシャルスーツ」が完成し1月30日のチーム移動から井口監督、コーチ、選手、チームスタッフの全員が着用すると発表した。
2022年千葉ロッテマリーンズオフィシャルスーツはオフィシャルスーツサプライヤー契約を締結している「オーダースーツSADA」(株式会社オーダースーツSADA、本社:東京都千代田区)で仕立てられたものでスーツ、ネクタイ、ワイシャツが対象。2022年のオフィシャルスーツはジャケットとスラックスで違う生地を組み合わせたスタイルで、スラックスにはチーム移動時にもシワになりにくいストレッチ素材を採用している。「オーダースーツSADA」によるオフィシャルスーツを採用するのは8年目で今回のスーツで4代目となる。 オフィシャルスーツは2月上旬からオーダースーツSADA各店舗にて一般販売を予定している(詳細はオーダースーツSADAホームページにて後日発表)。
株式会社オーダースーツSADAの佐田代表取締役社長は「2022年のオフィシャルスーツは、高品質ウール100%服地を使用したブラック基調のテーラードジャケットと、伸縮性に優れた服地を使用したライトグレー基調のスラックスを合わせたジャケットパンツスタイルとなっております。裏地には千葉ロッテマリーンズのイニシャルマークを織柄で入れ、上品な雰囲気におしゃれ感もプラスした仕上がりとなっております。ぜひ皆様にもご愛用頂けますことを願っております」とコメントした。
ロッテは26日、アディニー・エチェバリア内野手が羽田着便で、育成のホルヘ・ペラルタ外野手が成田着の便で25日に来日したと発表した。
政府指定の入国隔離措置をとり、隔離期間終了後にチームへ合流する予定。エチェバリアは来日1年目の昨季は79試合に出場し、打率.203、4本塁打、24打点。
2021年、ロッテの荻野貴司外野手が最多安打と盗塁王の2冠に輝いた。プロ入り当初から、抜群の脚力を活かしたスピード感のあるプレーで大きなインパクトを残していた。だが、毎年のように故障によって戦列を離れ、能力をフルに活かせない時期が続いていた。
しかし、近年は故障が減少、2021年には全143試合に1番打者として出場した。高い能力を発揮できるようになりつつあるが、故障が続いていた時期に比べ、選手としての特性にも変化がみられることにお気づきだろうか。
今回は、年度別成績や各種指標に加えて、盗塁成功率や内野安打数といった数字を紹介。それらの情報から見えてくる変化について見ていきたい。
ロッテ・荻野貴司の年度別成績 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
年度 | 試合 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 四球 | 死球 | 打率 | 出塁率 |
2010 | 46 | 175 | 57 | 1 | 17 | 25 | 16 | 2 | .326 | .383 |
2011 | 23 | 91 | 24 | 0 | 10 | 14 | 7 | 1 | .264 | .320 |
2012 | 61 | 165 | 37 | 1 | 8 | 13 | 11 | 5 | .224 | .293 |
2013 | 102 | 335 | 92 | 4 | 28 | 26 | 32 | 9 | .276 | .351 |
2014 | 40 | 142 | 37 | 3 | 12 | 15 | 8 | 0 | .261 | .300 |
2015 | 82 | 279 | 75 | 2 | 13 | 18 | 16 | 4 | .269 | .317 |
2016 | 71 | 192 | 48 | 3 | 21 | 16 | 14 | 4 | .250 | .314 |
2017 | 103 | 356 | 94 | 5 | 24 | 26 | 25 | 2 | .264 | .315 |
2018 | 78 | 317 | 91 | 2 | 25 | 20 | 13 | 9 | .287 | .330 |
2019 | 125 | 508 | 160 | 10 | 46 | 28 | 40 | 8 | .315 | .371 |
2020 | 53 | 203 | 59 | 1 | 10 | 19 | 24 | 2 | .291 | .370 |
2021 | 143 | 570 | 169 | 10 | 45 | 24 | 53 | 12 | .296 | .367 |
通算 | 927 | 3333 | 943 | 42 | 259 | 244 | 259 | 58 | .283 | .343 |
1年目の2010年序盤に2番打者として鮮烈な活躍を見せたが、5月に負った怪我で残りのシーズンを棒に振ることに。続く2011年も再び5月に故障し、残りシーズン全休となった。その後も出場した試合では高い能力を発揮していたものの、なかなか故障による負の連鎖を脱出できずにいた。
しかし、背番号を「0」に変更した2017年から、風向きが変わり始める。同年は序盤こそ不振で2軍調整も、1軍復帰後はスタメンを奪回。プロ入り後初めて、故障離脱を経験せずにシーズンを戦い抜いた。
続く2018年には開幕から1番打者に定着も、7月の打席でスイング中にボールを右手に当て、残りのシーズンを棒に振ることに。それでも翌年には再びリードオフマンとして活躍。腰痛による短期離脱こそあったが、自身初の規定打席に到達し、打率.315という好成績を記録。ベストナインとゴールデングラブ賞もそれぞれ初受賞する、充実のシーズンを送った。
2020年も引き続きトップバッターとして躍動したが、故障や新型コロナウイルス感染の影響で出場試合数は減少。捲土重来を期して臨んだ2021年、ついにキャリア初となる全試合出場を果たし、それぞれ自身初の最多安打と盗塁王も受賞。2年ぶり2度目となるゴールデングラブ賞も受賞し、不動の主軸として力強くチームを牽引した。
ロッテ・荻野貴司の年度別指標 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
年度 | 試合 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS | 三振率 | 四球率 | IsoD | BB/K |
2010 | 46 | .326 | .383 | .417 | .800 | .1106 | .0737 | .057 | .667 |
2011 | 23 | .264 | ..320 | .308 | .628 | .0583 | .0680 | .056 | 1.167 |
2012 | 61 | .224 | .293 | .273 | .566 | .0909 | .0588 | .069 | .647 |
2013 | 102 | .275 | .351 | .370 | .721 | .0655 | .0806 | .076 | 1.231 |
2014 | 40 | .261 | .300 | .423 | .723 | .0903 | .0516 | .039 | .571 |
2015 | 82 | .269 | .317 | .337 | .654 | .1230 | .0518 | .018 | .421 |
2016 | 71 | .250 | .314 | .365 | .679 | .1142 | .0639 | .064 | .560 |
2017 | 106 | .264 | .315 | .374 | .689 | .1117 | .0635 | .051 | .568 |
2018 | 78 | .287 | .330 | .372 | .703 | .0712 | .0370 | .043 | .052 |
2019 | 125 | .315 | .371 | .470 | .842 | .0984 | .0703 | .056 | .714 |
2020 | 53 | .291 | .370 | .389 | .759 | .0975 | .1017 | .079 | 1.043 |
2021 | 143 | .296 | .367 | .425 | .791 | .1089 | .0824 | .070 | .757 |
通算 | 927 | .283 | .343 | .392 | .735 | .0971 | .0685 | .060 | .704 |
続いて、これまでに記録した各種の指標についても確認しよう。
2018年までの9年間で出塁率.350を超えたのは2度と、かつてはそれほど四球を選ぶタイプではなかった。しかし、2019年以降は出塁率が3年連続で.367を上回り、四球率も直近の2年間は.800を超える水準に。IsoDも2年続けて.070以上と、リードオフマンとしての適性が高まりつつある。
また、特徴として四球は多くないが三振も少ない、いわゆる早打ちの選手でもある。現在に至るまでその傾向は続いており、三振率は12シーズン中7度にわたって10%未満と、かなり優れた水準にある。俊足で相手守備にプレッシャーをかけられる存在でもあるため、三振の少なさは、選手としての適性にもマッチしていると考えられる。
先述した三振も四球も少ないという特性はBB/Kにも影響しており、BB/Kが1.00を超える、すなわち三振数を四球数が上回った年も3度存在。そんな中でも、近年は四球が増加したこともあり、3年続けて.710以上とBB/Kが向上している。こうした点からも、打者としての成熟ぶりがうかがえる。
加えて、バットを短く持つスタイルながら、2019年と2021年に2桁本塁打を記録するなど、長打力も増しつつある。出塁率に加えて長打率も上がったことにより、打者としての能力を示す指標となるOPSも良化。2015年から2017年までは3年連続でOPSが.600台だったが、2019年以降は3年連続で.750を超え、規定打席に到達した2019年と2021年は、いずれも.800前後の数字を記録している。
ロッテ・荻野貴司の年度別盗塁成績 | ||||
---|---|---|---|---|
年度 | 試合 | 盗塁 | 盗塁刺 | 盗塁成功率 |
2010 | 46 | 25 | 3 | .89 |
2011 | 23 | 14 | 1 | .933 |
2012 | 61 | 13 | 3 | .813 |
2013 | 102 | 26 | 3 | .897 |
2014 | 40 | 15 | 1 | .938 |
2015 | 82 | 18 | 5 | .783 |
2016 | 71 | 16 | 2 | .889 |
2017 | 103 | 26 | 3 | .897 |
2018 | 78 | 20 | 6 | .769 |
2019 | 125 | 28 | 10 | .737 |
2020 | 53 | 19 | 4 | .826 |
2021 | 143 | 24 | 11 | .686 |
通算 | 927 | 244 | 52 | .824 |
ここからは盗塁数と、盗塁成功率について触れていきたい。
最大の持ち味と言えば、何といってもその圧倒的な脚力だろう。度重なる故障によって出場試合数が50試合を下回ったシーズンも3度ありながら、プロ初年度から12年連続で2桁盗塁を記録。盗塁成功率が非常に高いことも特徴であり、通算盗塁成功率は一般的にセイバーメトリクスで損益分岐点とされる.700という水準を大きく上回っている。
しかし、2017年以前は8年間全てで盗塁成功率が.810を上回る驚異的な精度を誇っていたが、2018年以降は4年中3年で盗塁成功率.700台以下と、ベテランの域に差し掛かってからは成功率に陰りがみられる。特に2021年は自身初の盗塁王に輝いたものの、盗塁成功率はキャリアで初めて.600台に落ち込んでいるのは気がかりだ。
ロッテ・荻野貴司の内野安打成績 | ||||
---|---|---|---|---|
年度 | 試合 | 安打 | 内野安打 | 内野安打率 |
2015 | 82 | 75 | 10 | .1333 |
2016 | 71 | 48 | 6 | .125 |
2017 | 103 | 94 | 10 | .1064 |
2018 | 78 | 91 | 9 | .0989 |
2019 | 125 | 160 | 15 | .0938 |
2020 | 53 | 59 | 3 | .0508 |
2021 | 143 | 169 | 25 | .1479 |
通算 | 655 | 696 | 78 | .1121 |
最後に、2015年以降の内野安打数と、安打の中に占める内野安打の割合を「内野安打数÷安打」で求めた数値を、紹介したい。
盗塁成功率は2021年に大きく低下した荻野だが、内野安打に関しては真逆の傾向が示されている。2015年以降は内野安打率が年々低下していき、2020年は.0508と非常に少なくなっていた。しかし、2021年は内野安打率が大きく上がり、安打数全体の15%近くを内野安打が占めていた。
俊足の選手が多くの内野安打を記録している場合、いわゆる「走り打ち」の傾向があるとして懸念される。しかし、2021年は2桁本塁打を記録し、二塁打と三塁打もそれぞれリーグ上位5傑入り。力強く振り抜く打撃を維持したうえで、活かすべきところで持ち前の俊足を活かしていると言えそうだ。
また、2020年までセンターを主戦場としていたが、現在は主にレフトを守っている。新人時代には圧倒的な守備範囲とアクロバティックなプレーで印象を残したが、現在は当時のようなアグレッシブな守備を見せる機会は減少しつつある。
それでも、2021年は瞬発力や球際の強さを活かし、幾度となく好守を見せてチームを救ってきた。外野手としては12球団最多の得票数でゴールデングラブ賞を受賞した事実が、その守備力の評価を示している。守備でも、以前と違った形で、高い野球センスを発揮していると言えるだろう。
各種指標にも表れている通り、30代半ばに差し掛かった頃から、打者としての完成度を高めつつある。その脚力が内野安打に活かされるようになったように、身体能力が若手時代には及ばない中でも、攻守にスタイルを変化させながら、成績を向上させているのが出色だ。
それでいて、決して脚力頼みの打撃に転換した訳ではないことは、出塁率と長打率が向上している点に示されている。故障の減少と打者としての成熟が重なり、高い野球センスが存分に発揮できるようになったと言えよう。
リードオフマンにとっての勲章である最多安打と、俊足選手にとっての勲章である盗塁王を、ともに獲得。2021年10月に36歳を迎えたが、まだまだ選手としての成長を続けている点は驚異的と言える。飽くなき進化を続ける万能の韋駄天の活躍からは、今季以降も決して目を離すことができなさそうだ。
1974年以来の勝率1位でのリーグ優勝を目指すロッテの中で、田村龍弘の奮起、意地に期待したい。
田村は12年ドラフト3位でロッテに入団し、高卒3年目の15年に117試合でマスクを被り1軍に定着すると、16年から捕手として3年連続で120試合以上出場。18年には全143試合出場を果たした。19年以降は19年が『急性腰痛症』、20年が『右手第2指末節骨剥離骨折』、21年が『左大腿二頭筋肉離れ』、『左内腹斜筋損傷』と試合中の怪我などにより、毎年のように故障に泣いている。
故障で離脱している期間も、チームに貢献するのが田村という男だ。
昨季ファームでリーグ最多の18セーブを挙げた小沼健太は昨年7月のオンライン取材で、「田村さんに受けてもらったときに、自分の真っ直ぐとフォークを自信持って、その2つだけで抑えられるようにしろという言葉をもらいました。打たれてもその2つ。基本的にはその2つで抑えられるように、自分では意識的にやっています」と田村から助言をもらい、実際にストレートとフォークの2球種しか投げていない時期もあった。昨年8月1日の西武戦では4−3の9回に登板し、1イニングを13球で三者凡退に抑えたが、ストレートが10球、フォークが3球。育成の長谷川に対しては6球全てストレートで二ゴロに仕留めた。
また小沼はその時の取材で「益田さんの(登板までの)作り方であったり、考えというのを田村さんに教えてもらった上で、“お前の意識が低い”と言われました。逆に燃えたというか、やってやるぞ!という感じになりました。意識的に取り組んでいます!」と、モチベーションアップに繋がる声をかけてもらったことに感謝した。
1軍に復帰してからも、昨季途中に加入した加藤匠馬は田村にとってポジションを争うライバルだが、チームの勝利、優勝のために、投手の特徴について聞かれ情報共有した。
「田村はロッテで長く出場しているキャッチャー。どういう風にリードしているのかな。僕より田村の方がロッテのピッチャーを知っているので、聞きにいったりしますね」(加藤匠馬)
後半戦は加藤が60試合中46試合でスタメンマスクを被り、加藤が捕手として先発出場した試合は23勝17敗6分。不安定だった先発陣を立て直し、小島和哉は2度の完封勝利、佐々木朗希は後半戦の防御率が1.22と抜群の安定感を誇った。
昨季は見えないところでチームの貢献度が大きかった。今年は田村自身がプレーでチームの勝利に貢献する機会を増やしたい。
田村は昨季打率こそ.235だったが、8月29日の楽天戦で0−0の9回2死二、三塁の場面で宋家豪が投じた10球目のチェンジアップをレフト前に弾き返す決勝の適時打を放てば、10月は8試合に出場して打率.333(15−5)、3打点の活躍を見せた。
走っても“1つ先の塁”を狙った走塁を何度も見せ、4月7日のオリックス戦では岡大海のレフト前の安打で一塁走者の田村は一気に三塁を陥れ、4月13日の楽天戦でも角中勝也が放った二塁へのゴロで二塁手がお手玉している間に、三塁走者に続き二塁走者の田村もホームインする好走塁。
守備では10月5日の西武戦で、先発した石川歩を6回1安打無失点に抑える好リード。石川は同日のヒーローインタビューで「田村がすごく良いリードをしてくれた」と感謝した。続く10月13日のオリックス戦では、10球以内で終えたイニングが3回、6回、8回、9回と4イニングあり、6回はわずか5球で打ち取るなど、わずか97球で石川の完投勝利に導いた。
ロッテの捕手事情は、加藤、柿沼友哉、佐藤都志也など年々、競争する選手が増えている。田村はその競争を勝ち抜き、ロッテの不動の“正捕手”と呼ばれるような存在になりたいところ。田村の成長、そして捕手陣の競争レベルが上がることで、チームはもう一段階強くするはずだ。今季はプレーでも勝利に貢献して欲しい。