ロッテは開幕投手の石川が4回4安打無失点と順調な仕上がりを見せた。平沢は2安打し1軍定着へアピールした。日本ハムは万波が代打で3ランを放ち、高浜は4安打1四球と活躍。吉田は粘り強い投球で4回6安打無失点だった。
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千葉ロッテ | 0 | 4 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 |
北海道日本ハム | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 | 0 | 5 |
ロッテ高部瑛斗外野手(24)は足が速い。50メートル走は最速5秒8。昨季盗塁王の和田康士朗外野手(23)と互角だ。一塁駆け抜けタイムは何秒だろう。
「測ったことないです、それは」。
ならば測ってみる。ちょうどこの日の第3打席、たたきつけての遊撃内野安打を、確認用としてスマホ動画に収めていた。
映像をもとに、手押しのストップウオッチで5度測る。3秒72から始まり、3秒70、3秒73、3秒75と続き、最後は3秒75。だいたいこのあたりに固まる。左打席からしっかり振り切ってのタイムで、相当速い。
この打席は4球ファウルで粘って、最後の変化球も引っかけず、遊撃へたたきつけた。1日で4安打。2回の第2打席は4球連続でセーフティーバントの素振りで揺さぶり、有利なカウントからの甘めの直球をしっかり中前にはじき返した。内容が濃い。 本人に4安打のうちのベストを尋ねると「レフト前ですね」と迷わず答えた。「何て言うんですかね、ちゃんと状況を見れてたというか」。
7回1死一塁。引っ張って進塁打にしたい場面で、相手も変化球で引っかけさせにくる。「外にスライダーが来て、ちゃんとレフトに打てました。あれを引っ張り込んでたら、内野のぼてぼてのゴロだったり、アウトになってた可能性もあるので」。2軍では無双でも、1軍では結果が出ずに苦しんだプロ2年間。「そのまま素直に打てたのは、今までの練習が生きてるんじゃないかなと思います」と充実の表情だ。
守備走塁も含め、積極性と裏腹の失敗もある。「怖がらずにスタートを切ることがちゃんとできているので」。もちろん反省して練習するが、引きずりはしない。去年までとは違うシーズンになりそうだ。
ロッテのドラフト1位、松川虎生捕手(18=市和歌山)が、すでに開幕投手が決定している石川歩投手(33)とバッテリーを組んだ。
石垣島キャンプでもなかなか見なかった組み合わせ。初回には松川のサインミスもあったものの、右腕はそこで崩れない。しっかり無失点で切り抜け、尻をポンとたたかれた。2回以降も緩急を生かし、石川らしさを引き出した。クイックや間合いの変化にも、問題なく対応した。
「1回、ちょっと組ませてどんな感じかというのを見たかったので」という井口資仁監督(47)の狙いに、ドラ1ルーキーはしっかり回答。石川も「キャッチング良かったので、投げやすかったのはあります」と初々しい後輩をほめた。
松川は、石川から「カーブやシンカーの使い方を大事にしていければ」とのアドバイスをもらったという。開幕スタメンの壁は高いとはいえ、シーズンも迫る時期に貴重な経験を重ねている。
オープン戦、色々ある。8回裏、セカンドを守るロッテ平沢大河内野手(24)に、ボールデッドで近づく人影が。二塁打を打った日本ハムの新外国人ヌニエスだった。話し掛けられた平沢が振り返る。
「何って言われたんだっけな、How do you do?みたいな。調子どう?みたいな」。
笑顔で「GOOD!」のような感じで返したという。実際、GOODだ。この日は途中出場ながら2打席連続安打。2月の練習試合から数えると、21打数9安打で打率4割2分9厘。当たっている。
「しっかり間が取れて、足を使って振れているので。そこが今いいところかなと思ってます」。
持ち前の選球眼との相乗効果でアピールを続ける。バットにしっかり乗ったヒットも多い。
仙台育英(宮城)からドラフト1位で入団し、はや7年目。ここ2年間は1軍出場なし。「やっぱり守備で守れないと試合には出られないと思うので。信頼されるように」と意識は多岐にわたる。
この日は不慣れな三塁を守った。三塁線後方にフライが飛び、追い掛けた。最終的には遊撃藤岡が回り込み、途中で引いた。3アウト後、すぐさま藤岡から「大河、行けた?」と確認が入る「はい」と返答。周囲との確認も重ねながら、動きを高めていく。
開幕まで2週間少々に迫った。争いは続くものの、少しずつ見えてきた。「先を見過ぎても、あんまり僕の立場では良くないと思うので。1試合1試合やれることやって」と構える。その姿を、井口監督も「最後の最後まで、三塁なり遊撃なりのレギュラー争いをしてくれたらいいなと思っています」としっかり捉えている。
開幕投手が決定しているロッテ石川歩投手(33)が、毎回安打を許しながらも4回無失点で切り抜けた。
「(直球の)強さは大丈夫だったので、あとは精度を上げていきたいです」。この日は気温7度。25日開幕戦の楽天戦は仙台で午後4時開始になる。3月の仙台での登板経験は「ないです」。井口監督も「開幕も寒いので、いい予行演習になったと思います」と話していた。
ロッテ高部瑛斗外野手がさらに加速した。日本ハム戦に1番右翼で出場し、4打席連続安打の固め打ち。
オープン戦は21打数9安打、打率4割2分9厘まで上げた。唯一のアウトは第1打席、強い当たりだったが投ゴロ。「何とか1番打者として塁に出られるように、明日はやっていきたいです」と慢心なく、求めるものは高い。
2軍では無双のリードオフマンも、1軍に上がるとなかなかバットが出なかった。昨季だけで5度の2軍降格を経験。「ずっと悔しい思いをしていました」。同じ左打ちの藤原、和田もいる若手外野陣。学生時代からのこだわりあるフォームにも修正をかけ、生き残りへ必死の日々だ。
春男では終わらない。昨季は全試合で1番打者のベテラン荻野が、実戦に未合流。井口監督は「開幕までに間に合うスケジュールは立てています」とするも、1番を担える打者は何人いても心強い。藤原もまだ調子が上がりきらない。脚力も備えたバットマン高部が、必要不可欠な存在になりつつある。
ロッテのアデイニー・エチェバリア内野手(32)が今季の1軍初実戦でいきなり三塁を守った。
メジャー仕込みの遊撃守備でならした男が、いきなり三塁守備についた。「メジャー時代も数は多くないけれど経験はしたことがあるし、普段守っているショートと特に違和感もなく」。三塁線を抜かれる場面もあったが、打球勘を確かめながらの2イニング。ショートバウンドを止めたドラフト1位松川虎生捕手(18=市和歌山)には「ナイスキャッチャー」と声をかける場面もあった。
昨年はエチェバリアが遊撃を守ると、藤岡が三塁に回った。三塁に安田が入ると、エチェバリアはベンチスタートになることもあった。今季はドラフト2位池田来翔内野手(22=国士舘大)や平沢の猛アピールが続き、レギュラー争いも活性化。井口監督は「色々なオプションを使いながら、遊撃も含めて、二塁も」とし「バリエーションを増やしていきたい」とシーズンを見据えている。
昨季は打率2割0分3厘に終わった打撃も、この日は初打席でいきなり右前打と幸先よいスタート。「センターから逆方向を意識していて、外角のカットボールに対応することができた」と満足そう。「今日は寒すぎて、野球よりも手がかじかんだり、そっちの方ばかり意識してしまったよ」という中で、しっかり存在感を示した。
また、主砲として期待されるブランドン・レアード内野手(34)もこの日から実戦に合流。4番DHとして3打数1安打で「スゴイッスネ!感じよく試合に入れたかなって思うよ」とコメントした。開幕まで2週間少々、調整を進める。
ロッテは8日、エンニー・ロメロ投手(31)が、前日7日に羽田着便で来日したと発表した。
今後は政府指定の入国措置をとった上で、チーム本隊に合流する。
ロメロは昨季途中に入団。4試合に先発し1勝だったものの、クオリティースタートを3度達成。左腕からの力強い直球を武器に、優勝争いをするチームに大きく貢献した。今季も先発投手としての活躍が期待されている。
ロッテのブランドン・レアード内野手(34)とアデイニー・エチェバリア内野手(32)が、8日の日本ハム戦(鎌ケ谷)から出場する。
助っ人の合流に井口資仁監督(47)は「ファームの試合も含めて、基本的には打席にしっかり立てるように」と、メンバーを割り振っていく方針だ。レオネス・マーティン外野手(33)は11日以降に合流予定。荻野貴司外野手(36)については「まだ試合のところまでいっていない。もうちょっとかかります」(井口監督)と明かした。8日は開幕投手を務める石川歩投手(33)が先発する予定となっている。
国士舘大から入団3年目のロッテ・高部瑛斗外野手(24)が「1番・右翼」で先発出場。5打数4安打で自身初の開幕スタメンをアピールした。2月の練習試合から好調をキープしており「ちょっとずつやった結果、開幕スタメンで出られたら」と意欲をみせた。荻野が新型コロナウイルス感染で出遅れており、俊足好打の左打者が目の色を変えている。
2年ぶり3度目の開幕投手を務めるロッテ・石川歩投手(33)が先発。ドラフト1位・松川虎生(こう)捕手(18)=市和歌山高=との初バッテリーで4回4安打無失点に抑えた。
「(松川は)キャッチングがいい。投げやすかった。配球は初めてだったんで、別に問題なく。すごいなと思った」。
今季9年目の右腕が、大型ルーキーを称賛した。1、2、4回と得点圏に走者を背負ったが、要所を締めて順調な調整ぶりをアピール。最高気温6度の中で好投し、冷え込みが予想される25日の楽天との開幕戦(楽天生命パーク)に備えた。
開幕投手をリードした松川は「(石川から)『カーブやシンカーの使い方を大事にしていければ』とアドバイスをいただいたので、意識していきたい」。2006年の西武・炭谷(現楽天)以来、16年ぶりとなる高卒新人捕手での開幕スタメンに期待がかかる。
ロッテの平沢が途中出場で2安打した。6、8回ともに吉田の直球を捉えて右前へ運びオープン戦3試合連続安打とし「しっかり間が取れて、足を使って振れている。そこがいいところだと思う」と好調のポイントを挙げた。
昨季まで2年連続で1軍出場がない。1軍定着のため守備で信頼を得ることも課題としており「やれることをやって、シーズン開幕を迎えるだけ」と引き締まった表情で話した。
ロッテは開幕投手の石川が4回4安打無失点と順調な仕上がりを見せた。平沢は2安打し1軍定着へアピールした。日本ハムは万波が代打で3ランを放ち、高浜は4安打1四球と活躍。吉田は粘り強い投球で4回6安打無失点だった。
ロッテ・松川のサインに石川がうなずいた。初回2死三塁、1ボール2ストライク。宮田のバットに空を切らせた外角低め130キロの宝刀を、高卒1年目捕手はガッチリつかんだ。「シンカーが強くて凄かった」と素直に驚いたが、ベテラン右腕の勝負球を生かした、落ち着いたリードだった。
肩でも魅せた。3回2死一塁では、走者の松本剛のリードを見て、すかさず一塁へ牽制球を送った。4回2死一、二塁では、一塁手の山口との息が合わずに牽制悪送球となり一、三塁とピンチを広げたが、最後は石川亮を中飛に仕留めて切り抜けた。
開幕投手に指名された石川の球を実戦で初めて受け、4回4安打無失点と好リードを見せた。石川は「キャッチングがうまい。配球も問題なく、投げやすかった。凄いなと思った」と絶賛。井口監督はバッテリーを組ませた意図を「一度組ませて、どんな感じか見たかった」と説明した。想定を上回る内容に「しっかりやってくれた。石川も応えるように投げてくれた」と手応えを口にした。
すでに井口監督は5日のソフトバンク戦でバッテリーを組んだ佐々木朗とのコンビについて「今の状況だとシーズンでも組むことになる」と明言。石川との呼吸も問題なく、06年の西武・炭谷(現楽天)以来、史上3人目となる高卒新人捕手の開幕マスクも見えてきた。正捕手の田村や守備に定評のある加藤ら高い壁はあるが、16年ぶりの快挙も現実味を増してきた。
安打こそ出なかったが、6回無死一塁から四球を選ぶなど、オープン戦打率.182ながら出塁率は.357をキープする。1日にDeNAのドラフト1位右腕・小園と一緒に、市和歌山の卒業式に出たばかり。石川からカーブ、シンカーの使い方をアドバイスされた18歳は「今後、意識していきたい」と3月25日の楽天戦(楽天生命パーク)での本番を想定するように言った。
2リーグ制後、高卒新人捕手の開幕戦先発出場は55年谷本稔(八幡浜→大映)、06年炭谷銀仁朗(平安→西)といるだけ。松川が先発マスクをかぶれば16年ぶり3人目、チームでは初めてになる。また、高卒野手に広げても2リーグ制後の開幕戦先発出場は14人と狭き門。その中でロッテは前身球団を含め55年榎本喜八(早実=5番一塁)、65年山崎裕之(上尾=7番遊撃)、19年藤原恭大(大阪桐蔭=1番中堅)と3人。西武、近鉄の2人を抑え最も多い。
新人捕手が開幕1軍出場を目指して奮闘中。西武監督時代の06年に高校生ドラフト1位だった炭谷銀仁朗(現楽天)を開幕スタメンに抜擢したスポニチ本紙評論家の伊東勤氏(59)が、若手捕手の起用への鍵を分析した。
ロッテ・松川、楽天・安田、2人のルーキー捕手がいいものを出している。特に松川は開幕投手に指名されている石川と組んで4回無失点。高卒ルーキーとして開幕マスクの可能性が高くなったと聞く。石川は飄々とした懐の深い選手で、若い選手も受け入れてくれる性格。松川も思い切ったプレーができると思う。
ルーキー捕手が1軍で求められるものは打撃よりも守り優先。キャッチング、スローイング、ブロッキングが一定レベルに達していないと使えない。
私は2006年に高卒1年目の炭谷銀仁朗を開幕スタメンに使った。いいものを持っているとは聞いていたが、キャンプで見て思っていたよりも完成度が高いと確信した。基本的な構え方、捕り方、スローイングのスキルが驚くほど高かった。高校から入った捕手はこの部分を教え込むのに1番時間がかかる。そこができていたので2月の第2クール後半には開幕スタメンを決めていた。次のステップとして開幕までの間にオープン戦の実戦で投手とのコミュニケーション、配球を徹底して教え込んでいった。
松川も守備のスキルは高い。これから開幕までどんな準備ができるか。一昔前と違ってデータが豊富で、ミーティングだけでなく自分自身でリードを勉強することはできる。首脳陣もオープン戦で多くのことを試させるはずだ。同一リーグ相手には手の内を隠しながらセ・リーグ相手には思い切ったリードにトライさせる。
ただ開幕スタメンをつかんだとしてもプロは甘くない。炭谷も怖いもの知らずのリードで開幕から投手のいいものを引き出していたが、一回りした5月にはつかまるようになってきた。これは誰もが通る道。そこで我慢するのか、仕切り直しさせるのか。ルーキー捕手を使う以上、首脳陣はその判断を含め覚悟が必要だろう。
ロッテ3年目の高部が4安打を放ち、オープン戦打率.429で12球団トップに躍り出た。2回2死二塁では生田目のツーシームを捉え、中前適時打。9回には吉田から右前打で出塁すると二盗も決めた。
この日は「1番・右翼」で先発したが、11日からはマーティンも合流する予定。高部は「必死じゃないといけない立場なので。今は浮かれることはない」と引き締めた。
ロッテのレアード、エチェバリアが合流初日に結果を出した。「5番・三塁」で先発出場したエチェバリアは、2回の初打席で右前打し「逆方向を狙った。三塁の守備もメジャーで経験あるし、土のグラウンドでイレギュラーだけ気をつけた」と笑顔。「4番・DH」で3回に中前打したレアードは「スゴイッスネ!感じよく試合に入れたかなって思う」と明るかった。
ロッテはドラフト1位・松川虎生捕手(18)=市和歌山高=が開幕投手を務める石川歩投手(33)と初バッテリーを組み、4回無失点。石川は4回まで投げて毎回走者を背負ったが、粘りの投球で無失点に抑えた。井口監督、石川ともに期待の18歳に合格点を与えた。
どっしりと構えたその姿は、とても18歳には見えなかった。松川は、開幕投手に決まった石川のボールを必死に止め、頭をフル回転させて好リード。4回まで毎回走者を出しながら、無失点で抑えた。期待のドラ1捕手は「シンカーがすごく強かったです。もうちょっと真っ直ぐで押していければ良かったかなと思いますし、『カーブやシンカーの使い方を大事にしていければ』ともアドバイスいただきましたので、今後意識していきたいと思います」と振り返った。
開幕戦の予行演習はバッチリだ。石川と対外試合でバッテリーを組むのは初めて。その狙いを井口監督は「1回ちょっと組ませてどんな感じか見たかった」と説明した。25日の楽天戦(楽天生命)へのテストだったことをにおわせ「しっかりとやってくれたと思うし、石川もしっかり応えるように投げてくれたと思う」と合格点を与えた。
キャンプスタートから1軍に同行。06年の西武・炭谷(現楽天)以来3人目となる高卒1年目での開幕スタメンもいよいよ、現実味を帯びてきた。プロ9年目、33歳の石川も「配球は初めてだったけど問題なくいい感じだった。キャッチングがいいので結構投げやすかったのはあります」と絶賛した。
3回にはアウトにこそならなかったが、飛び出した一塁走者を見逃さず、鋭い送球を見せた。4回にはセーフティーバントも余裕を持って処理。先輩が並ぶ内野手への指示も積極的に飛ばした。安打は出なかったが、6回の3打席目には、8球粘って四球。高校通算43発の打撃力も持ち味で、田村、加藤、柿沼らライバルも多い中、成長を続けている。
貝塚シニアに所属した中学時代は日本一を経験。市和歌山高でも甲子園の舞台を経験した。捕手らしく「チームに必要とされるような選手になりたい」と意気込む18歳は、プロでも物怖じしない技術、精神力を持っている。
ロッテは、開幕投手を務める石川歩投手(33)が先発し、ドラフト1位・松川虎生捕手(18)=市和歌山高=と初めてバッテリーを組んだ。石川は4回まで投げて毎回走者を背負ったが、粘りの投球で無失点に抑えた。
松川は、開幕投手右腕との初コンビを無失点で終え「シンカーが凄く強かったです。もうちょっと真っ直ぐで押していければ良かったかなと思いますし、カーブやシンカーの使い方を大事にしていければともアドバイスいただきましたので今後意識していきたいと思います」。06年の西武・炭谷(現楽天)以来、3人目となる高卒1年目捕手の開幕スタメンへ、必死にリードした。
井口監督は松川起用の狙いを「(石川と)1回ちょっと組ませてどんな感じか見たかった」と説明。「しっかりとやってくれたと思うし、石川もしっかり応えるように投げてくれたと思う」と合格点を与えた。石川も「配球は初めてだったけど問題なくいい感じだったのですごいなと思いました。キャッチングがいいので結構投げやすかったのはあります。問題なく出来ました」と新人捕手をたたえていた。
ロッテは昨季、江村、柿沼、加藤、佐藤都、田村、宗接、吉田と7人の捕手が1軍で出場。固定できなかったポジションとあって、打力もある松川が開幕でマスクを託される可能性も、現実的になってきた。
3月25日に楽天生命で行う楽天との開幕戦の先発が内定しているロッテ・石川歩投手が、開幕へのW予行演習を順調にこなした。先発のマウンドに上がると、毎回走者を背負いながら、4回4安打無失点。「悪くはなかった。(球の)強さは大丈夫だった。全体的に精度を上げていきたい」とうなずきながら振り返った。
偶然にも開幕を見据えたマウンドとなった。この日の鎌ケ谷は、試合前には小雨が降り、気温10度を下回る厳しい寒さの中の登板。開幕戦もまだ寒さの残る仙台でのマウンドだ。降板後に取材を受けた際には「投げているときはそんなですけど、今は寒いです」と苦笑い。井口監督も「しっかりと自分の持ち球を投げてくれた。今日寒かったのでね。ちょっとタフだったですけど、その中でしっかり投げてくれたと思う。開幕も寒いので、いい予行演習になったと思う」とたたえた。
さらに、開幕スタメンに着々と近づいているドラフト1位・松川虎生捕手=市和歌山高=とも初バッテリー。目立ったミスも見られず「配球は初めてだったけど問題なくいい感じだったのですごいなと思いました。キャッチングがいいのでけっこう投げやすかったのはあります。問題なく出来ました」と手応えを口にした。井口監督も「(松川は)しっかりとやってくれたと思うし、石川もしっかり応えるように投げてくれたと思う」と合格点を与えた。
開幕まで、対外試合登板は限られた試合、イニングになるが、石川は「精度はまだまだ。変化球ももうちょっと決めるところは決めたい」と気を引き締め直していた。
ロッテのレアード、エチェバリアの助っ人コンビが、この日から1軍に合流。レアードが「4番・指名打者」、エチェバリアが「5番・三塁」でスタメン出場し、ともに1安打を放って好発進した。
昨季29本塁打を放ち、来日8年目を迎えるレアードは、3回2死の2打席目に、二遊間を破る中前安打。3打数1安打で途中交代し、今季初の対外試合を終え「スゴイッスネ!感じよく試合に入れたかなって思うよ。先週浦和でシート打撃をやって今日実戦でピッチャーの球を見て、これから毎日しっかり準備していこうという気持ちに改めてなった」とうなずいた。
エチェバリアは、2回2死の1打席目で初球を右前安打。今季初スイングで出塁し、このイニング4得点となる大量得点の起点になった。「今日は寒すぎて野球よりも手がかじかんだりそっちのほうばかり意識してしまったよ(笑)。第1打席に関してはセンターから逆方向を意識していて、外角のカットボールに対応することができてヒットに繋がってくれたかなと思います。2打席で1本ずつバットを折ってしまったが1本だけ運を味方につけてヒットを打てました」。2打数1安打で3回表までの出場だったが、舌もなめらかだった。
「超人」と言われる遊撃の華麗な遊撃の守備で昨季は、チームを救ってきたが、この日は昨季経験のない三塁で出場。守ったのは2イニングのみだったが「サードに関してはメジャー時代も数は多くないけど経験はしたことがある。サードを守る時も常にイメージをしながら守っています。今日は土のグラウンドなのでイレギュラーが多く起こるのでそこだけ注意しながら守りました」。井口監督も「色んなオプションを使いながらショートも含めて二塁も色々考えている。今年はキャンプから三塁の練習もしているし、そこは色んなバリエーションを増やしていきたいと思う」と説明した。
ロッテの高部瑛斗外野手(24)が、「1番・右翼」でフル出場し、5打数4安打1打点、1盗塁と大活躍を見せた。オープン戦6試合で21打数9安打の打率4割2分9厘。12球団で打率トップに躍り出た。3年目で初の開幕スタメンを狙う若武者は「球が見えているというよりは、ちゃんとタイミングを意識して、できているんじゃないかなと思う。やっぱり必死にやらないといけない立場なので、そういう面でちゃんと準備できているんじゃないかなと思う」とうなずいた。
神奈川・寒川町出身の高部は、東海大甲府高、国士舘大を経て19年のドラフト3位でロッテに入団。昨季までの2年間は5、33試合の出場にとどまり、定位置奪取は遠かった。昨季、2軍で盗塁王(28盗塁)を獲得するなど存在感を示してきたが、1軍では4盗塁どまり。持ち味を出せなかったとあって、「この2年間やりましたけど、ずっと悔しい思いをしていた。今浮かれているということもない。その気持ちがあるので。この悔しかった時の気持ちを忘れずに今できていることが、もっとできるように、新しいこともできるように、と常に考えている。ちょっとずつやって結果、開幕スタメン出れたら」と今季へかける思いは人一倍だ。
井口監督は活躍をたたえながら「しっかりと今やってくれているので、開幕までこの状態でいけたらもうレギュラーもあるんじゃないかなと思う。(藤原)恭大に関しても、まだそこまで調子が上がってきていないし、まだまだレギュラーのポジションというのはあると思う」と開幕スタメンへの抜擢の可能性を示唆。左翼は荻野、右翼はマーティンが君臨するが、荻野は出遅れていまだオープン戦は出場しておらず、中堅のレギュラーは流動的だ。高部にも十分チャンスはある。
ロッテ・平沢大河内野手(24)が、3回の守備から途中出場。三塁と二塁を守り、打っても2打数2安打と存在感を見せた。オープン戦6試合の成績は9打数5安打で驚異の打率5割5分6厘となった。
限られた機会の中でも、必死に結果を残している平沢。「しっかり間が取れて、足を使って振れている。そこがいいところかな」と冷静に好調の要因を分析した。井口監督も「打席では選球眼も常にいいし、その中でしっかり、今捉えられてきているので、これが最後の最後まで三塁なり遊撃なりのレギュラー争いをしてくれたらいいなと思っている」と目を細めた。
仙台育英高から15年ドラフト1位でロッテ入り。1年目の16年から1軍での出場機会をつかみ、3年目の18年には112試合に出場した。だが、右肘手術などもあって、20年からの2年間は1軍出場なし。毎年のように加入する若手の台頭にも負けじと、再起に燃える7年目だ。「1試合1試合やることは一緒だと思う。先を見過ぎても僕の立場では良くない。1試合1試合やれることやって、あとは開幕を迎えるだけかなと思います。秋のキャンプ、春のキャンプでやってきたことができているので、それを開幕まで維持できるようにやっていきたいなと思います」と平沢。この日守備に就いた三塁は本職ではないが、「これからもっと練習して慣れていかないとだと思いますけど、そこまで嫌な感じはしない」と無難にこなした。
内野では、この日からレアードとエチェバリアが合流。二塁には不動のレギュラー・中村奨も君臨しており、定位置争いは開幕へ向けて激化していく。「スタメンで出たらしっかりと結果を残して、途中から出てもしっかり準備していきたいなと思います」。19年以来、3年ぶりとなる1軍の舞台へ、平沢は必死にもがいている。
ロッテの小野郁投手(25)が、4点リードの7回に3番手で登板。1イニングを9球で3者凡退に抑える好投を見せた。
先輩にも最高の姿を見せた。小野にとって、日本ハムのビッグボス・新庄剛志監督(50)は、西日本短大付高の大先輩。面識はないと言うが、今季の日本ハム戦初登板で、木村から空振り三振を奪うなど、最速151キロもマークした。
小野は1月に取材に応じた際には「あまり伝説とかはあまり聞かないですね…」と新庄監督について明かしていた。
先発したロッテの石川歩投手が、4回56球を投げ、4安打無失点、4奪三振の好投を見せた。
要所を締めて、本塁は踏ませなかった。初回。先頭・松本剛に左中間フェンス直撃の二塁打を許したが、木村、宮田の3、4番から連続で空振り三振を奪うなど無失点で切り抜けた。2回1死二塁で細川、石川亮を連続で内野ゴロ。3、4回も走者を背負ったが、踏ん張って無失点でビッグボス・新庄剛志監督率いる日本ハム打線を封じた。
1日のオリックス戦(京セラD)で、今季対外試合初登板のマウンドに上がった右腕。3回8安打2失点で、試合後には井口監督が25日の楽天との開幕戦(楽天生命)で先発を託すことを公言した。「1年間しっかり投げられる準備をするだけ」と意気込んでいた石川は、順調な調整ぶりを見せた。
また、この試合では、ドラフト1位・松川虎生捕手(18)=市和歌山高=と、対外試合では初めてバッテリーを組んだ。パ新人捕手では06年の炭谷銀仁朗(西武)以来、16年ぶりに開幕マスクを狙う若武者とのコンビも上々。プロ9年目を迎える33歳の石川は、信頼しきったようにボールを投げ込んでいた。
ロッテが、2回に岡大海外野手の2点適時二塁打などで一気に4点を先取した。オープン戦6試合で12球団最少の9失点、防御率1.33のビッグボス・新庄剛志監督率いる日本ハムを打ち崩した。
両軍無得点で迎えた2回1死。この日から1軍に合流して「5番・三塁」でスタメン出場したエチェバリアが右前安打で出塁。山口が四球を選んで1死一、二塁と得点圏に走者を置くと、日本ハム先発・生田目が一塁に牽制を悪送球する間に1点を先取した。さらに2死一、三塁から岡が中堅の頭を越える2点適時二塁打。「1番・右翼」で先発した高部も中前適時で続き、一気に4点を奪った。
先発のマウンドに上がったのは、開幕投手を務めることが決まった石川。1、2回はともに得点圏に走者を背負ったが、無失点で切り抜けた。エチェバリアとともにこの日から1軍に合流し、「4番・指名打者」でスタメン出場したレアードは、3回の2打席目に中前安打を放った。
午後1時開始予定のオープン戦・日本ハム−ロッテ戦(鎌ケ谷)のスタメンが発表された。
ロッテは、ドラフト1位の松川は「6番・捕手」で、開幕投手を務めることが決まった先発・ 石川とバッテリーを組む。この日から合流したレアード、エチェバリアがともに4、5番で即スタメン。両軍のスタメンは以下の通り。
3年目のロッテ・高部が5打数4安打の固め打ち。オープン戦打率.429とし、12球団トップに躍り出た。
「この2年間、ずっと悔しい思いをしていた。その気持ちがあるので、今浮かれているということもない」。表情を変えず、淡々と答える姿が今季への意気込みだ。
ロッテの“社会人出身ルーキー”ドラフト3位・廣畑敦也、同5位・八木彬は、その存在感を日に日に高めている。
先発、リリーフの両方をこなせる廣畑は対外試合、4試合・5回1/3を投げて、失点は1。春季キャンプ中の取材で開幕1軍入りに向けて必要なことについて訊くと、「ヒットとか打たれたとしても、0点で抑えることがピッチャーとして大切だと思っている。点を取られないピッチャーというのが勝ちに近づくためには大事だと思う。どれだけ打たれても点を取られないというところをこだわりたい」と話していたが、2月24日のソフトバンク戦で失点したものの、その他の登板では無失点に抑えている。
オープン戦初登板となった3月1日のオリックス戦は圧巻の投球だった。0−2の8回から登板し、先頭の紅林弘太郎を2球で簡単に追い込むと、最後は外角いっぱいの129キロスライダーで見逃し三振。続く小田裕也に対しても2球で追い込むと、最後は3球目の138キロチェンジアップで一ゴロに仕留めた。太田椋も3ボール2ストライクから投じた8球目の152キロのストレートで見逃し三振と、パーフェクトリリーフ。
5日のソフトバンク戦では0−0の7回2死二、三塁と走者を背負った場面で登板した。リチャードに四球と暴投が重なり、1点を失うも続く代打・野村大樹を中飛で、最少失点で切り抜けた。イニングまたぎとなった8回は連打で一、二塁とされたが、松田宣浩を中飛、上林誠知を148キロのストレートで空振り三振に斬ってとった。
「自分の投球をするという意識で投げていきたいと思います」。
春季キャンプ中のオンライン取材で八木は、対外試合に向けて武器である力強いストレートと落差の大きいフォークで抑えていくことを誓ったが、現時点では言葉通りの投球を見せている。
対外試合は4試合・5回を投げて、自責点は2。対外試合初登板となった2月17日の巨人戦、続く2月24日のソフトバンク戦では失点したが、オープン戦に入ってからは2試合に登板していずれも無失点だ。
ストレートは社会人の2年間で大学時代から6キロアップし最速152キロを誇っていたが、3月2日のオリックス戦で自己最速を1キロ更新する153キロを計測。同日のオリックス戦では、昨季本塁打王に輝いた杉本裕太郎をフォークで空振り三振に仕留めるなど、1イニングをわずか8球に抑えた。
6日のソフトバンク戦は0−0の9回から登板し、先頭の今宮健太を2ボール2ストライクから138キロのフォークで空振り三振。ストライクゾーンからボールゾーンへ落ちる素晴らしいフォークだった。2死走者なしから谷川原健太の初球に自己最速タイとなる153キロを記録するなど、最後は高めの152キロストレートで空振り三振に打ち取り試合を締めた。
開幕まで残り3週間をきり、各球団開幕に向けて主力選手の出場が多くなる。その中で、変わらず打ち取っていくことができるか注目だ。