プロ野球は22日、自主的な新型コロナウイルス感染症対策として、濃厚接触疑いの特定と行動制限を続けることを決めた。
オミクロン株の特性に応じた厚労省の方針変更により、事業所等は、感染者が出ても濃厚接触者の特定や行動制限は必ずしも行う必要がなくなった。ただ、この日の午前中、Jリーグとの新型コロナウイルス対策連絡会議に出た斉藤惇コミッショナーは「クラスターでも発生した場合は興行ができない」とプロ野球は団体行動が多いことから、自主的な対策継続を表明。午後の臨時12球団代表者会議で、ガイドラインの改訂を確認した。
チーム内で陽性事案が発生した場合、引き続き濃厚接触疑いを洗い出す。ただし、陽性者の行動履歴の確認は従来の72時間前から48時間前までに短縮する。濃厚接触疑いとなった者の待機期間も7日間から短縮。4日目および5日目の検査で陰性が確認されれば、5日目から解除する。
イースタン・リーグは22日、5月1日のロッテ対楽天戦(午後0時半開始)の開催球場を、成田大谷津から成田ナスパに変更すると発表した。
ロッテは22日、佐藤奨真投手(23)を支配下選手登録したと発表した。背番号は育成時代の129から「64」に変更になる。
佐藤奨の最大の個性は「130キロ台の直球」だ。100キロ前後のカーブとの緩急。2月の練習試合では、早くも160キロ台連発の佐々木朗とのコントラストも鮮烈だった。
入団から1年少々。取材する度に球速のことを聞いてしまっている。その回答を紹介したい。
「ここ最近150キロを投げる投手ばかりの中で、自分は平均130キロ台で抑えてきて、遅くても抑えられることを証明したいです。」(20年12月9日・入団会見)
「大学1年までは周りの速さに憧れもあって、むきになって球速追い求めた時期もあったんですけど、ちょっと速くなって打たれ始めたので…。」(21年1月、新人合同自主トレ)
「160キロくらいまで上げました。やっぱり、160キロは実際では絶対に無理なんで、夢の姿を。」(21年8月のオンラインインタビューで、野球ゲームで自分の分身を作る際のこだわりを尋ねての回答)
「目に見えない数字、ベース板の強さとかを追い求めていったほうが1軍で投げる1番の近道なのかなと自分は感じます。」(21年12月9日、契約更改)
「半分諦めているというか。そこまで自分にも期待してないので(笑)。他のところでやっていこうかなと。163キロですか?アニメみたいな夢のような数字ですね。」(22年2月20日、ヤクルト戦で)
「1軍の打者でも緩急や間とかを使って、真っ直ぐで押し込めるなというのは感じ取れたので。そこが1番の収穫です。」(22年3月、オープン戦を終えて)
質問する度に違う言い回しや切り口で、130キロ台を表現してくれる。特に考えた様子もなく、スッと爽やかに答えてくれる。頭の回転が速く、引き出しが多い。投球の肝に「間合い」「奥行き」を挙げる。ちょっとした会話からもその力を感じさせられる。
井口監督も先発左腕候補として起用し、オープン戦終盤はリリーフ起用。その対応力を買ってのことだろう。並みいる強打者たちから軽やかにアウトを重ねていくマウンドが楽しみだ。
ロッテは22日、小沼健太投手(23)を支配下選手登録したと発表した。背番号は育成時代の121から「50」に変更になる。
「野球が仕事って、すごい幸せだなって。あらためて思います」。
2月23日、オリックスとの練習試合後のこと。しみじみと情感あふれる言葉に、これまでの歩みが詰まっていた。
東総工(千葉)を卒業後、国内独立リーグである「BCリーグ」に挑戦した。埼玉武蔵ヒートベアーズに入団し、環境を変えるために茨城アストロプラネッツでもプレーした。独立リーグでの4年間、シーズンオフには色々なアルバイトをしたと、ドラフト指名直後に聞いた。
「1年目はスポーツショップと、ホテルの中華料理店のホール担当を掛け持ちして。2年目はお菓子工場で。茨城に移った3年目は、福祉施設で支援員の仕事を」。
阪神の宜野座キャンプで打撃投手や補助のアルバイトをしたこともある。シーズン中は野球に打ち込み、オフはバイトに励む日々。九十九里浜が目と鼻の先にある実家には、年末年始以外は帰る余裕もない。家賃3万円の部屋に住み「自炊も全部やっていました」。
大変な毎日がかけがえのない経験になった。入団会見で、他のルーキー同様に「あなたの野球人生を象徴する数字は?」と尋ねた。小沼は「4です」と答えた。
「独立リーグに4年間いたからです。独立リーグにいなければここにいないと思っているので」。
茨城の福祉施設の人々から心温まる寄せ書きをもらって入寮し、1年少々。念願の支配下登録を受け、あらためて振り返る。
「自分は独立リーグでもチームを渡り歩いて、他の人とは結構違う経験をしてきたので。たくさんの方が関わってくれたおかげでここまで来れたので、みんなに感謝したいです」。
BCリーグ出身の育成選手経験者の先輩には、昨季盗塁王の和田康士朗外野手(23)もいる。和田は高校では硬式野球部に所属していない。色々な道で、NPBを目指す若者が増えている。
「とにかく、諦めないことですね。僕も、4年間独立リーグにいたというのは珍しいことだと思うんですけど、その中でも“まだできる”と思ってやってきたので。諦めないことだと思います」。
1つの目標をクリアし、小沼は後輩達にエールを送った。
ロッテは22日、育成選手の小沼健太投手(23)佐藤奨真投手(23)を支配下選手登録したと発表した。新しい背番号は小沼は「50」、佐藤奨は「64」に決まった。
好循環が続く。ロッテでは近年、育成ドラフトで入団した選手の成長が著しい。とりわけ、井口監督が初めてドラフト会議に出席した17年以降は、20年までの4年間で9選手を育成ドラフトで指名し、今回の2投手を含め6選手が支配下登録を手にしている。すでに退団したが高浜や大嶺は1度育成選手になってから支配下へ復帰。育成外国人のフローレスが支配下登録を受けた事例もあった。
近年のロッテ育成選手の飛躍で代表的なのが、17年育成1位指名でBCリーグ富山から獲得した、和田康士朗外野手(23)だ。埼玉・小川高時代は硬式野球部に所属していなかった。甲子園に出場する資格さえなかった。そんな無名の存在の身体能力を見いだし、開花させ、昨季はついに1軍で盗塁王に輝いた。
和田とともに都城商(宮崎)から17年育成2位で入団した森遼大朗投手(22)も、大学進学と等しい4年間の育成期間で大きく成長し、昨年12月に支配下登録された。松本球団本部長はその際に「1人でも2人でもこうやって支配下になってもらえれば、また他の育成選手にとってもプラスになる」と相乗効果への期待をコメントしている。
20年育成3位で開星(島根)から入団した山本大斗外野手(19)も今春の石垣島キャンプでは打撃でアピールを続けた。昨秋ドラフト会議でも田中楓基投手(18=旭川実)ら4選手を獲得。機運はますます高まっている。
ロッテは22日、育成選手の小沼健太投手(23)佐藤奨真投手(23)の2投手と支配下選手契約を結んだと発表した。小沼の背番号は「50」に、佐藤奨は「64」にそれぞれ変更となる。
小沼は20年育成ドラフト2位で、国内独立リーグ「BCリーグ」の茨城アストロプラネッツから入団。プロ1年目の昨季は2軍でストッパーとして起用され、イースタン・リーグ最多となる18セーブを挙げた。
地元千葉出身で、少年時代はZOZOマリンで観戦したことも多い最速152キロ右腕は「たくさんの方が関わってくれたおかげでここまで来られたので、皆さんに感謝したいです。8回や9回を任せてもらえるような投手になりたいです」と意気込みを新たにした。
佐藤奨は20年育成ドラフト4位で専大から入団。プロ1年目の昨季は、イースタン・リーグで2完封を含む7勝をマーク。直球は130キロ台が主体ながら、緩急と奥行きをうまく使ってアウトを重ねていくスタイルが持ち味だ。
先発、リリーフと適性を見定められてきた左腕は「安心したというのと、ホッとしたというのと、あとは素直に嬉しいです。1イニングずつしっかりとゼロに、こつこつと抑えていければと思っています」と喜びを口にした。
井口資仁監督(47)は「キャンプからここまで、1軍でも登板しながら良いものを本当に見せてくれました。小沼も佐藤も、今年は1軍で必要になってくる選手だと思います」と期待を込めた。2人の支配下登録によって、ロッテの支配下選手は67人となった。
ロッテは22日、育成選手の小沼健太投手(23)、佐藤奨真投手(23)と支配下契約を結んだと発表した。小沼は背番号50に変更となり「待っていた日が来たという感じ。速球で打者に向かっていける投球を見せていけるように日々、精進していきたい」と意気込んだ。
背番号64になった佐藤奨は「1軍の戦力となれるように気持ちを引き締めて頑張っていきたい」と力を込めた。
イースタン・リーグは22日、千葉県の成田市大谷津球場で5月1日に予定されていたロッテ−楽天の開催地を同市のナスパスタジアムに変更すると発表した。
ロッテは22日、育成選手の佐藤奨真投手(23)、小沼健太投手(23)と支配下選手契約を結んだと発表した。ともに入団2年目で、佐藤奨は背番号129から64に、小沼は121から50となる。
技巧派左腕の佐藤奨は「緩急や間を使って真っ直ぐでも押し込めると感じた」と中継ぎに加え、先発としてもチャンスをうかがう。BC・茨城時代に阪神の春季キャンプで打撃投手のアルバイト経験がある小沼は「1軍で(阪神と)対戦したい」と次なる夢を明かした。
12球団代表者会議が22日、オンラインで開かれ、まん延防止等重点措置解除後も、チーム内に新型コロナウイルスの陽性者が出た場合の「濃厚接触疑い」を独自に洗い出すことを確認した。
感染者の発症から48時間前までさかのぼり、接触の有無を判定する。政府は職場での濃厚接触者の特定を義務としないことにしたが、プロ野球は練習や移動中など共有時間が長いため。「濃厚接触疑い」の待機期間は従来の6日間から5日間に変更する。
ロッテは22日、育成選手の佐藤奨真投手(23)と小沼健太投手(23)を支配下登録することを発表した。
いずれも入団2年目でサウスポーの佐藤は直球の球速こそ140キロ前後ながら、抜群の制球力と緩急をつけた投球が武器。先発だけでなく、左打者のワンポイントとしても期待できる。
大型右腕の小沼は球威ある直球と落差あるフォークが武器で、昨季は2軍でクローザーを任された。今季は中継ぎとして活躍が求められている。
日本野球機構(NPB)と12球団は22日、代表者会議をオンラインで開き、独自の新型コロナウイルス「濃厚接触者疑い」の扱いを定めた。
21日でまん延防止等重点措置が解除された。厚労省では、企業などで感染者が出た場合において濃厚接触者の特定が強制されなくなった。
しかしプロ野球は練習や移動など基本が団体行動で共有する時間が長いことから、NPBではクラスターを避けるため、これまで通り独自に「濃厚接触疑い」を洗い出していくことを決めた。
チーム内に感染者が出た場合の「濃厚接触疑い者」の待機期間を5日間とし、5日目(最終接触翌日を1日目とする)にPCR検査で陰性が確認されれば解除される。待期期間中も感染リスクを減らした状態でトレーニングが可能となる。
また、これまで陽性者の行動履歴を72時間前までさかのぼって調査していたが、オミクロン株の特性を考慮し48時間前までに緩和する。
ロッテは22日、育成の小沼健太投手、佐藤奨真投手と支配下選手契約を結んだことを発表した。
小沼は東総工高からBC武蔵、BC茨城を経て、20年育成ドラフト2位で入団。昨季はファームで34試合に登板し、防御率2.86をマーク。イースタン・リーグの最多セーブのタイトルも獲得するなど結果を残した。今季はキャンプから1軍に帯同しオープン戦では主にリリーフとして3試合に登板。2年目のシーズン開幕を前に念願の支配下登録を勝ち取った。
小沼は「待ってた日が来たのでシンプルに嬉しいです。もっとプレッシャーが掛かる試合で投げることが多くなると思うので、そこに対しての不安もあります。自分は独立リーグ行ったり、他の人とは結構色々違う経験をしてきて、たくさんの方が関わってくれたおかげでここまで来れたのでみんなに感謝したいです」と笑顔で話した。
佐藤奨は専修大から20年育成ドラフト4位で入団。最速は141キロと決して早くはないが、緩急を付けたピッチングが売りで、昨季はファームで先発として17試合に登板。7勝のうち2度の完封をマークした。
佐藤奨は「安心したというのと、ほっとした気持ち。直球はそこまでスピードがないけど、1軍のバッターでも緩急を使って、真っ直ぐで押し込めるなというのが1番の収穫だった。去年大嶺さんに1番お世話になってたので、その背番号を引き継げたのかは分からないですけど、縁があるのかなと。今シーズン1軍の戦力として戦えるように、気持ちを引き締めて頑張っていきたい」と意気込んだ。
ロッテは22日、育成選手の小沼健太投手(23)と佐藤奨真投手(23)を支配下登録すると発表した。
オープン戦3試合に登板した小沼は最速152キロの直球にフォークが武器。「真っ直ぐの強さはアピールできたかなと思う。ここまで関わってくれた方々に感謝したい」と話した。佐藤奨はオープン戦3試合に登板し計3回1/3を無失点。リリーフとして期待される左腕は「素直に嬉しい。1軍の戦力として戦えるように気持ちを引き締めて、頑張っていきたい」と意気込んだ。
日本野球機構(NPB)と12球団は22日、臨時代表者会議をオンラインで開き、今後も新型コロナウイルスの陽性判定者が出た場合に独自の濃厚接触者疑いを割り出す方針を確認した。21日のまん延防止等重点措置の解除に伴い企業などで濃厚接触者特定は強制ではなくなったが、団体行動の時間が多い特色から継続を決定した。
陽性者の行動履歴は48時間までさかのぼって調査。濃厚接触疑い者の待機期間は5日間と定めた。また、今季は観客の入場制限なしで開幕を迎えるが、NPB・井原事務局長は「コロナ感染は収束していない。感染拡大防止対策をしっかり進めていきたい」と話した。
プロ野球は25日にセ、パ両リーグが同時開幕する。日本野球機構(NPB)と12球団は22日、臨時の代表者会議をオンラインで開き、新型コロナウイルス感染者との濃厚接触が疑われる選手、関係者の隔離期間を5日間と決めた。感染者の発症から48時間前までさかのぼり、接触の有無を判定する。
まん延防止等重点措置が21日で全面解除された。政府は職場での濃厚接触者の特定を義務としないことにしたが、プロ野球界の自主的な感染対策として、濃厚接触の疑いを判定する作業を継続することを決めた。
斉藤惇コミッショナーは「しっかり準備して開催したい」と語った。
ロッテは22日、イースタン・リーグ主催公式戦の開催球場の変更を発表した。
5月1日楽天戦(12時30分試合開始)が、成田市大谷津運動公園野球場から成田市ナスパ・スタジアムに変更する。
ロッテは22日、育成選手の小沼健太投手(23)と佐藤奨真投手(23)を支配下登録すると発表した。背番号は小沼が「50」、佐藤が「64」。
20年の育成ドラフト2位で入団した小沼は最速152キロの直球にフォーク、カットボールが武器。「真っ直ぐの強さはアピールできたかなと思う。関わってくれた方々に感謝したい」と話した。
19、20年には阪神・宜野座キャンプで練習補助のアルバイトを体験。5月27日からの阪神との交流戦について「やっぱり1軍の舞台でというのは思っていたので、対戦できたら」と力を込めた。
20年育成ドラフト4位で入団の佐藤奨はオープン戦3試合に登板。スライダーにチェンジアップ、カーブなど多彩な変化球を投じ計3回1/3を無失点に抑えた。リリーフとして期待される左腕は「素直に嬉しい。1軍の戦力として戦えるように気持ちを引き締め頑張っていきたい」と意気込んだ。
5勝9敗2分け、9位。
これはロッテの今年のオープン戦の成績だ。勝敗という部分だけに目を向ければ物足りなく映るが、あくまでオープン戦は調整の場。シーズンに向けて色々と選手を試したり、相手チームの情報を得たり、選手に目を向ければ開幕1軍入りを目指しアピールしなければいけない若手・中堅選手、復活を目指す選手、主力選手は開幕に向けて調整するなど、それぞれの選手によって開幕に向けての準備、立場が異なっている。
その中で、若手、中堅、そして主力選手達は開幕に向けて良い調整ができた選手が多かったのではないだろうか−。2年連続ファームで打率3割以上をマークしながら、1軍では思うように結果を残せなかった大卒3年目の部瑛斗は、2月の対外試合から1度も調子を落とすことなく、オープン戦を終えた。オープン戦の打率.393、22安打、5盗塁、出塁率.435は12球団トップ。
3月8日の日本ハム戦からオープン戦最終戦となった21日の中日戦にかけての11試合全て1番で出場し、安打がなかったのはわずかに2試合だけ。その間の打率は.425(40−17)だった。昨季セ・リーグ の最優秀防御率と最多奪三振の二冠に輝いた柳裕也(中日)、菅野智之(巨人)といったセ・リーグ の“エース級”の投手からも安打を放っており、オープン戦の終盤に入っても調子を落とさなかったことなかったことに価値がある。荻野貴司の出遅れが確実視される中で、部の台頭は大きい。
部だけでなく、同じくレギュラーを目指す藤原恭大はオープン戦の打率こそ.244だったが、最後の1週間は打率.357(14−5)。21日の中日戦では途中出場して満塁本塁打を含むマルチ安打をマーク。対外試合前の2月に行った取材で、対外試合で1軍首脳陣にどんなアピールをしたいか質問すると、“本塁打も打てるところも見てもらいたい”と力強く話していたが、最後の1週間で2本の本塁打を放って見せた。
昨季“ヒロミナイト”で話題を呼んだ岡大海も、若手に負けじと2月の対外試合から存在感を示した。オープン戦では4度の複数安打、21日の中日戦では猛打賞を記録した。部、藤原、そしてレギュラーのマーティンは左打ちの外野手。荻野が開幕を間に合わない可能性が高いだけに、ひとまずオープン戦で“打てる”というところを改めて示したのはプラスだ。
内野に目を向けると、“三塁・遊撃”の争いでは藤岡裕大、エチェバリアが本命と思われたが、高卒7年目の平沢大河が猛アピール。3月に入ってから藤岡、エチェバリアが1軍合流し、ベンチスタートという日もあったが、途中出場からでも1日の日本ハム戦で1安打1四球、8日の日本ハム戦で2安打と与えられた機会で結果を残した。18日の巨人戦からオープン戦最終戦となった21日の中日戦にかけて4試合連続三塁でスタメン出場し、4試合全てで安打を放った。
捕手陣も田村龍弘、加藤匠馬、柿沼友哉、佐藤都志也の4人がレギュラー争い、1軍の枠をめぐる争いになるかと思われたが、高卒ルーキーの松川虎生が守備で高い能力を示した。松川が2月の対外試合からマスクを被ったとき(77イニング)の防御率は1.75。3点以上失った試合は、わずかに2試合だけだった。開幕投手が内定している石川歩が先発登板した試合でも2試合先発マスクを被り、3月8日の日本ハム戦が4回無失点、16日の広島戦が6回2/3を2失点の好リード。1軍の戦力として、開幕1軍を掴み取りそうな勢いだ。
若手、中堅だけでなく、主力選手達もマーティンがオープン戦の打率.364、レアードも3本塁打、中村奨吾は打率こそ.179だが最後の1週間に限れば.294(17−5)としっかりと開幕に向けて調子を上げてきた。
ロッテは22日、育成の小沼健太、同じく育成の佐藤奨真と支配下選手を結んだことを発表した。小沼の新背番号は「50」、佐藤の新背番号「64」に決まった。
小沼と佐藤は今季を迎えるにあたって、「まずは支配下選手登録が1番。そこはクリアして、優勝目指していく中でその中の一人になれればなと思います」(小沼)、「支配下になることが最優先なので、支配下になったあと、すんなり1軍に入っていけるように準備していきたいと思います」(佐藤)と意気込んでいた。
小沼はオープン戦に3試合に登板して、0勝1敗1セーブ、防御率5.40、佐藤は3試合に登板して防御率0.00だった。
プロ8年目。今年で30歳。元々、落ち着いた雰囲気のあった中村奨吾内野手だが、さらに堂々とした振る舞いをグラウンドで見せるようになっている。キャプテンに任命されて今年で2年目。チーム全体の雰囲気、空気を読むかのように周囲を見渡し、若い選手達に積極的に声を掛け、時には和まし、または叱咤激励をする。マリーンズの頼もしきキャプテンが今年もチームを引っ張っている。
「意識をもっと持って、選手同士でコミュニケーションをとりながら、やっていきたいと思っています。よりチームがいい方向に向かうように話をして、チームが苦しくなる前に雰囲気や空気を感じ取って、少しでも早く対処できるようにありたいと思っています」。
オープン戦全日程を終えた中村奨は主将としての想いをそのように表現した。2年連続で優勝争いをして2位。チームは確実に力をつけている。そしてこの期間、背番号「8」は、セカンドのレギュラーとして獅子奮迅の活躍をしてきた。
プロ野球のシーズンは長い。究極の緊張状態が続く。チームはその中で当然のように浮き沈みが起こる。一昨年も昨年も踏ん張りどころがあり、その場の中心に中村奨はいた。昨年でいうと9月終盤。本拠地ZOZOマリンスタジアムでのバファローズとの首位攻防3連戦で3連敗を喫し、舞台を仙台に移し敗れ4連敗となった。優勝戦線に残るために歯を食いしばらないといけない所で選手だけでミーティングの場を持った。色々な話し合いをした。この直後からチームを盛り上げるために攻撃時の塁上で手を顔の高さぐらいに上げ、指を下に向け時計回しにぐるぐると回すポーズが生まれ始めた。チームの空気が変わった。ここから持ち直し、チームは10月14日にバファローズに勝利し一時は優勝マジックを点灯させた。
「何か行動を起こすことは大事なことだと思った」と中村奨。チームが苦しい時、普段通りにすることはもちろん大事だ。ただ、ここぞという時にあえてミーティングを開催したり、ちょっとした行動を起こしてみることも時には必要であると改めて肌で感じた出来事となった。
昨年限りで鳥谷敬内野手、小窪哲也内野手と実績十分の大ベテランが引退した。2人ともこれまで所属をしてきたチームでキャプテンシーを発揮し、それぞれの形と考え方で仲間達を引っ張り、その経験を移籍先のマリーンズで惜しむことなく披露してくれた。中村奨も時には相談をしたり、アドバイスをもらうことがあった。今年はその2人はもうチームにはいない。聞いたこと、教えてもらったことを忘れずに生かし、自分なりにアレンジしたキャプテン像でチームを引っ張っていくことになる。
「どのチームもそうですけど、終盤はキツイ。チームとして優勝するための踏ん張りどころ。そういうみんなが苦しい時に一丸となって乗り越えたい。チーム力を上げていきたい。今年こそ乗り越えて最後に喜びたいと思っています」と中村奨。
バンテリンドームナゴヤでのドラゴンズ2連戦をもってオープン戦全日程を終えた。チームは新幹線で帰京。いよいよシーズン開幕に向けて仙台への移動の準備に入る。球春の足音が間近に聞こえてきた。長い戦いがまもなく始まる。苦しい時は必ず来る。そんな時に乗り越えるキッカケを生み出せる存在でありたいとマリーンズの主将は想う。今年こそみんなでリーグ優勝の栄光をつかみ取り、喜びを分かち合いたいと願う。3月25日、今年もまたプロ野球が始まる。中村奨吾キャプテン、決意の1年が幕を開ける。
3月21日でオープン戦は全ての日程を終了し、ロッテの部瑛斗は打率.393でオープン戦の首位打者、さらには5盗塁で盗塁王にも輝いた。コンスタントに安打を重ね、快足を活かして貪欲に次の塁を狙い続けた結果、12球団トップの10得点もマーク。ヒットメーカーとしてのポテンシャルは常々期待されていたが、このオープン戦は期待以上の活躍だったのではないだろうか。
昨季まで不動のリードオフマンとしてチームを牽引した荻野貴司は調整が遅れているが、部の台頭により、ただでさえ熾烈な外野手の争いがますます熾烈に。藤原恭大や岡大海らにとっても刺激になっているだろうし、実際に3月21日の中日戦では、岡が3安打、藤原は満塁本塁打を含む2安打を放つなど相乗効果は随所に見られる。
部は積極的に打っていく打者。オープン戦では62打席に立っているが、四球は5個と少ない。四球が増えれば必然的に出塁率の向上にもつながるが、部の場合はバットを振ることでリズムをつかみ、打って出塁することで打線に勢いをつけるタイプでリードオフマンとしても最適だ。「打ってチームに勢いをつけたい」と常々言う荻野も、同様に積極的に打っていく打者で四球は毎年のように少ない。
ボールをじっくり見極めることも重要だが、部の場合は出塁率や打率にこだわるよりも安打数を意識する方が、結果として出塁率や打率もいい数字を残せそうだ。シーズンに入れば相手バッテリーの攻め方も変わるだろうし、オープン戦とはいえこれだけ目立つ成績を残したのだからマークもされる。様々な壁に当たるだろうが、積極性という“らしさ”を見失わないことが重要だ。
昨季、ロッテはチーム打率がリーグ4位(.239)、本塁打はリーグ3位(126本)でありながら、リーグトップの584得点をマーク。盗塁(107個)、犠打(106)はともにリーグトップで、足と小技、四球(リーグ2位の514個)を絡めた相手にとっていやらしい攻めが特に前半戦は機能した。
荻野を欠いても部が打線にいることで、1つ先の塁を貪欲に狙っていく戦い方を変えずにすむ。レオネス・マーティンやブランドン・レアードの長打力、荻野や藤原、岡、和田康士朗らの足も含め、攻撃のバリエーションをキープできる。また、部はオープン戦で62打席に立って、三振はわずか2個。三振が少ない上、器用に広角に打てるので、作戦を出しやすいという長所もある。
昨季リーグトップの犠飛(8個)をマークするなどケースバッティングに長け、犠打もでき、足も使える中村奨吾が3番に入っていることも打線に柔軟性をもたせている。1番・部、2番・マーティン、3番・中村、4番・レアードと続く上位打線がどう機能するのか注目だ。
ロッテ打線は荻野への依存度が高く、荻野が離脱するとチームの順位が1つ2つ変わるほどの影響力をもつ。しかし、荻野も今年で37歳。昨季も年齢を感じさせない動きを攻守で見せていたが、“荻野頼み”からの脱却は積年の課題でもある。
2年連続リーグ2位と悔しい結果に終わったロッテだが、荻野以外のリードオフマンの確立が荻野の攻守での負担を減らすことになり、リーグ優勝の実現へ向けた起爆剤になることは間違いない。ファームでは常々好結果を残していた部がオープン戦でこれ以上にない結果を出し、シーズンに入って果たしてどうなるか。ブレイクが期待される新たな安打製造機が、ロッテが優勝を目指す上でのキーマンになりそうだ。