プロ野球ドラフト会議が20日、東京都内で行われた。今夏の高校野球新潟大会決勝で投げ合った2人の右腕が指名された。夏の甲子園出場の日本文理・田中晴也投手(3年)はロッテから3位で指名された。同校からは21年の西武育成4位の川村啓真外野手(日本文理−国学院大)に続き2年連続で8人目の指名になる。新潟大会準優勝の帝京長岡・茨木秀俊投手(3年)は阪神の4位。同校初の指名選手になった。
硬かった田中の表情が緩んだ。校舎7階大講義室。3年生部員とともに背筋を伸ばし、ネット中継を見詰めた。ロッテ3位のコールと同時に、チームメートが歓声を上げる。田中は鈴木崇監督(42)とがっちりと握手をかわした。「この日を夢見て野球をやってきた。嬉しい気持ちでいっぱいです」。7限目のホームルームでもクラスメートの話題は指名のことばかり。1日中“ドラフト”の4文字が頭から離れなかった。上位指名に「肩の力が抜けた」と笑みを浮かべた。
最速150キロの直球が武器。186センチ、92キロの恵まれた体格に詰まった将来性に全12球団が注目した。その中から引き当てたロッテには剛腕、佐々木朗希(20)がいる。「目標となる選手。(佐々木のように)スケールの大きな選手になりたい」。
高校通算20本塁打の二刀流だが、「プロでは投手で」と決意している。それを示すように対戦したい打者にオリックス吉田正、ソフトバンク柳田の大砲を挙げた。鈴木監督も「上の世界でやろうという気持ちが強い。本当に期待したい」と激励する。「日の丸を背負って世界で活躍する選手になること」。次なる夢をかなえるための扉が開いた。
富士宮東高(静岡)の勝又琉偉(るい)内野手(3年)はロッテ育成3位で夢のプロ入りを決めた。
富士宮東の勝又が新たな歴史を刻んだ。同校出身のプロ野球選手は社会人の東邦ガスなどを経て中日でプレーした菊地正法(まさのり)投手(38=16年現役引退)以来2人目。高校からのドラフト指名は創部(1992年)初の快挙となった。
この日は後輩に交じって同校のグラウンドで練習に励んでいた。吉報が届いたのは開始から2時間半以上が経過した午後7時半過ぎ。待機していた同級生や後輩らからの祝福を受けると、「ずっとソワソワしていたので、嬉しいのとホッとしている気持ちです」と安堵の笑みを浮かべた。
188センチの長身に加え、50メートル5秒9の俊足も長所の1つ。全国的には無名だが、大勝良則監督(56)は「将来性も含めての評価だと思う。日本を代表するスケールの大きな選手になって欲しい」とさらなる奮起に期待した。未完の大器が目標とする選手はプロ野球巨人の坂本勇人遊撃手(33)。勝又は「ここからが本当の勝負だと思う。今まで以上に努力をして、1軍で活躍できるような選手になりたいです」と抱負を口にした。
今年もドラフト会議が終わった。毎年、候補生本人のみならず、家族や友人達にとっても大事な1日、緊張の1日だ。
20日夜、黒川敏行さん(57)は福島・学法石川高校の近くの駐車場にいた。外は暗い。夫人、次男と3人、車の中でスマートフォンを眺めていた。
「育成でも、ということで希望して。ドキドキしながら。調査書、ロッテさんだけで。指名される確率はそんなにかなと思っていましたし、その前に内野手も多く指名していたので」。
やっぱり…。そんな時、電話が震えた。スマートフォン中継はやはり、タイムラグがある。関係者からの着信。息子・凱星の指名を伝えられた。3人だけなのに「もう車じゅう、大騒ぎで」。直後、スマホ画面に子どもの名前が出た。
育成4位、千葉ロッテ、黒川凱星、内野手、学法石川高校。
「もう、嬉しさを抑えられないですよね」。直後に息子とも顔を合わせた。意外に冷静。「親の方が興奮してましたよ。親にとっても大変な場なんだな、とつくづく感じました」。
自身も千葉商大付で投手を務め、出場はなかったが82年センバツで甲子園に出場した。1つ上の投手がロッテでもプレーした平沼定晴氏。「カバン持ちみたいな感じで、いつも一緒にいて。平沼さんが中日にドラフトされて、よし来年は自分も!と思ったんですが、現実を知りました」。今は東京学館船橋(千葉)で野球部監督を務めている。
夢を託した長男は、小学校ではマリーンズジュニアに選ばれ、中学では京葉ボーイズで春夏連続で全国制覇。佐々木順一朗監督を慕い、福島へ越境進学した。たくましくなった姿を、頼もしげに見つめる。この日は家族で福島に出向いた。「もし指名されなかったら、明日が大学受験の願書の締め切りで」。運命はプロ野球へとつながった。
「何か1つ、魅力ある選手になってもらえれば。全部は望みません。何か1つ、秀でてくれれば。最高レベルでプレーできるチャンスをもらったので、感謝して頑張って欲しいです」。
走攻守がしっかりとそろい、何か1つ身につければ大化けも。実家はZOZOマリンが5キロほど。たくましくなって、戻ってくる。
ロッテは育成ドラフト4位で学法石川(福島)の黒川凱星(かいせい)内野手(3年)を指名した。
福島に進学したものの、実家はZOZOマリンの5キロ圏内にあり、小学校時代にはマリーンズジュニアで背番号13としてプレーしていた。中学時代は京葉ボーイズで春夏連続全国優勝を果たしている。
父・敏行さん(57)は東京学館船橋(千葉)で野球部監督を務めている。自身も千葉商大付で82年センバツ甲子園に出場している。この日は福島に出向き、家族で歓喜の瞬間を迎えた。日刊スポーツの取材に応じ「何か1つ、魅力ある選手になってもらえれば。全部は望みません。何か1つ、秀でてくれれば。最高レベルでプレーできるチャンスをもらったので、感謝して頑張って欲しいです」と願っていた。
夏の甲子園出場の日本文理・田中晴也投手(3年)はロッテから3位で指名された。
校舎7階大講義室。3年生部員とともに背筋を伸ばし、ネット中継を見詰めた。ロッテ3位のコールと同時にチームメートが歓声を上げる。田中は鈴木崇監督(42)とがっちりと握手をかわした。「この日を夢見て野球をやってきた。嬉しい気持ちでいっぱいです」。7限目のホームルームでもクラスメートの話題は指名のことばかり。1日中“ドラフト”の4文字が頭から離れなかった。上位指名に「肩の力が抜けた」と笑みを浮かべた。
最速150キロの直球が武器。186センチ、92キロの恵まれた体格に詰まった将来性に全12球団が注目した。その中から引き当てたロッテには剛腕、佐々木朗希(20)がいる。「目標となる選手。(佐々木のように)スケールの大きな選手になりたい」。
高校通算20本塁打の二刀流だが「プロでは投手で」と決意している。鈴木監督も「上の世界でやろうという気持ちが強い。本当に期待したい」と激励する。「日の丸を背負って世界で活躍する選手になること」。次なる「夢」をかなえるための扉が開いた。
ロッテ吉井理人新監督(57)は「プランBでしたけども、満点に近い点数だと思います。私のクジは0点です」と自身初のドラフト会議を総括した。
事前公表なしで臨み、立大・荘司を1位指名するも、抽選で敗れ、専大・菊地吏玖投手(4年=札幌大谷)を指名した。「のびしろがあって現時点でもすごくコントロールの良い投手、真っ直ぐも威力のあるボールを投げるので選択しました」と先発候補として期待を寄せた。
2位では天理大の遊撃手、友杉篤輝内野手(4年=立正大淞南)を指名。昨年は2位で二塁手の国士舘大・池田を指名しており、大学生内野手を2年連続で2位指名した。吉井新監督は「投手もそうなんですけど、二遊間もチームの中心選手になってくると思うので、そういう意味でもショート、セカンドを守れる選手を狙っているという戦略です」と明かした。
今季は両外国人主砲の不振もあり、得点力不足に悩まされた。長距離砲タイプの支配下指名がなかったことについては「今いる選手の中にパワーヒッターの若いのが何人かいて、その子達が成長の途中なので。それを考えると今年はこれでいいんじゃないかなと思っています」と、今回のドラフト戦略では優先順位が高くなかったことも明かした。16本塁打の山口を筆頭に山本、西川ら、入団4年目以内の高卒スラッガー候補も、順調な成長曲線を見せている。
浦和麗明の吉川悠斗投手(3年)はロッテが育成1位指名し交渉権を獲得した。
プロ指名選手は同校初。185センチの左腕から繰り出す最速142キロの直球を武器に、今夏の県大会では4回戦で敗退も、3試合、計21イニングを投げ33奪三振。創部5年目のチームをエースとして引っ張った。
中学時代は控え選手だったが、身長が伸びたことにより球速も上げた。高校では難関国公立大や早慶大志願者が集まる一番上の特選1類コースで勉学にも励む。文武両道の大型左腕。
埼玉県吉川市出身、185センチ、80キロ、左投げ左打ち。
天理大の友杉篤輝内野手(4年=立正大淞南)がロッテに2位指名され、喜びの声をあげた。指名を受けた瞬間、緊張していた表情から一気に笑顔になった。「ほっとしています。ロッテは日本一応援がすごいチームという印象です」とわくわくした表情で語った。50メートル5秒9の快足内野手は1年目の目標を「1軍の試合に出場すること。脚力が武器なので、盗塁王になりたいです」と力を込めた。
藤原忠理監督(57)は「入学したころから身体能力が高い選手だった。コーチも含めてチームが彼を支えてくれた」と感無量だった。
日本通運・高野脩汰投手(24=関大)は、はロッテが4位で指名し交渉権を獲得した。
球威のある最速149キロ直球を軸に、三振を奪えるパワー系左腕。気持ちが強く、腕を振って試合の流れを変えられる。
今年の都市対抗では1回戦の宮崎梅田学園戦でリリーフ登板。1イニングを無安打無失点に抑えた。
日本通運入りしてから、体重は10キロ増の87キロ。体作りをしたことで、平均球速もアップ。「ケガをしなくなったし、ボールに力が伝わるのが分かる」と手応えをつかんだ。
選手層の厚いチームで、トーナメント制の多い社会人野球を通じ「野球に対する考え方が変わった」という。1球にかける思いの強さ、結果を出すことで得られる信頼が大事になる。
関大4年時にはプロ志望届を提出しながら、指名漏れ。2年が経ち、即戦力として期待がかかる。
島根県出身、183センチ、87キロ。左投げ左打ち。
ロッテがドラフト1位で専大の最速152キロ右腕、菊地吏玖投手(4年)の交渉権を獲得した。
菊地は北海道・苫小牧市出身で、高校は札幌大谷でプレーした道産子右腕。
ロッテは20年ドラフトでは札幌市出身の北翔大・本前郁也投手を育成ドラフト1位で、21年はむかわ町出身の星槎道都大・河村説人投手をドラフト4位で、22年は旭川市出身の旭川実・田中楓基投手を育成ドラフト1位で指名。
これで北海道出身の投手を4年連続でドラフト指名した。
1位指名を事前に公表しなかったロッテは、立大・荘司康誠投手(4年=新潟明訓)を1位指名した。事前に1位指名を公表していた楽天との抽選には、吉井理人新監督(57)が紫色のネクタイでくじ引きに臨んだものの当たりくじを引けず「めちゃめちゃ悔しいです」と苦笑いした。
吉井新監督は「これね、ちょっと読み間違えました。当たりは下にあると思ったんですが、上にありましたね。作戦失敗しましたね。昨日からずっと用意する人がどういう気持ちでクジを中に入れるかなと考えてたんですけども、当たりは隠して下じゃないかと思ったんですけど、上でしたね」と心理戦?の敗北に残念がった。
再入札では専大・菊地吏玖投手(4年=札幌大谷)を指名し、交渉権が確定した。最速152キロ右腕に対して「スカウトからの報告なんですけど、のびしろがあって現時点でもすごくコントロールの良い投手、真っ直ぐも威力のあるボールを投げるということで選択しました」と評価ポイントを口にしていた。
天理大の友杉篤輝内野手(4年=立正大淞南)はロッテが2位指名し、交渉権を獲得した。軽快なフットワークが光るファンタジスタ遊撃手は、貴重な右打ち内野手として評価されてきた。50メートル5秒9の快足も売り。「守備と走塁はプロでも十分に通用する」とは、視察を重ねてきたスカウト陣の共通する意見だ。
この秋は苦しんだ。リーグ戦開幕前に体調を崩し、体重は5キロ減。ほぼぶっつけ本番で公式戦に挑んだが特に打撃は本調子とは程遠かった。だが「言い訳するつもりはない。自分の進化を求めて崩してしまった」と明かす。7月、侍ジャパン大学代表としてオランダでの国際試合に出場。周囲に刺激を受け、長打力を追い求めて打撃が崩れたのだという。だが、この向上心は野球人として貪欲さの表れと言っていいだろう。
それでも、大一番で結果を出した。10月11日、負ければ3校による優勝決定プレーオフにもつれ込む崖っぷちで発奮した。3点を追う5回2死二塁で右中間適時二塁打。さらに、三盗に成功し、敵失で生還した。1人で2得点に絡み、逆転勝ちの原動力になった。
友杉は自らの強みを「走攻守、バランス良く常にやっている。足が持ち味。2死ランナーなしからでも足でチャンスを作れるよう、意識してやってます。いいスタートを切れたらセーフになる自信がある」と話してきた。憧れのプロの世界へ。持ち前の機動力を生かし、ファンを魅了するプレーを追い求めていく。大阪府・大阪市出身、171センチ、70キロ。右投げ右打ち。
専大の菊地吏玖投手(4年=札幌大谷)はロッテが1位指名し、交渉権を獲得した。
最速152キロ、世代トップクラスの完成度を誇る本格派右腕だ。今秋東都2部では第4週終了時点で5試合に先発。43回をわずか3失点、防御率0.63と驚異的な数字を残している。
今夏は大学日本代表入りを果たし、出場したハーレム・ベースボール・ウイークでは、オープニングラウンド第3戦で勝利投手になるなど、3試合に登板。計8回を無失点に抑えるなど、大舞台にも強い。
明るい性格の持ち主で、チームのムードメーカーも務める。投手としてはピンチを抑えると雄たけびをあげ、グラウンド内を常に盛り上げる存在だ。
北海道・苫小牧市出身、183センチ93キロ、右投げ左打ち。
ロッテ吉井理人新監督(57)が20日、東京・新宿のロッテ本社を訪問し、重光昭夫球団代表取締役会長オーナー(67)に監督就任の挨拶を行った。
重光会長は「吉井理人氏を新監督としてお迎えすることができ、大変嬉しく思っております。吉井監督はこれまでも様々な形でチームに貢献していただきました。理論派で選手達のそれぞれの特徴に合わせて、しっかりとプランを作って指導される方。監督としてこれまでなかったような新しい指導の形を作り出していただきながら優勝を成し遂げ、常勝軍団と言われる組織を作り上げていただけることを期待しています」と思いを込めた。
花束を受け取った吉井監督は「まずは千葉ロッテマリーンズの指揮をとる機会をいただけたことへの感謝の気持ちをお伝えしました。私の方からは、優勝をするために自分達で考えて自分の責任で行動して勝ちにこだわったプレーができる選手を育てたいというお話をさせていただきました。精一杯、頑張っていきます」と感謝を口にした。
ロッテから3位指名を受けた最速150キロ右腕の田中晴也(日本文理高)は「この日を夢見ていたので率直に嬉しい。ようやくスタートラインに立てた」と笑った。
186センチ、92キロから投げ下ろす威力のある直球が武器。高校通算20本塁打以上の打力も魅力の1つだが、「投手一本で勝負したい」。20歳の佐々木朗ら若手選手が活躍しているイメージがあるといい、「早くその一員になりたい」と力を込めた。
ロッテ・吉井理人新監督(57)が初めてドラフト会議に参加し、立大・荘司康誠投手(22)の1位指名で楽天と競合し、先にくじを引いて敗れた。「読み間違えた。当たりは下だと思ったが、原監督がいったように上にあった」と悔やんだ。外れ1位として専大・菊地吏玖投手(22)は単独で交渉権を獲得した。指揮官の一問一答は以下の通り。
ロッテから1位指名を受けた専大・菊地吏玖(りく)投手(4年)は川崎市多摩区の専大生田キャンパスで会見した。札幌大谷高卒右腕の主な一問一答は以下の通り。
ロッテは2位で天理大・友杉篤輝内野手(21)の交渉権を獲得した。走攻守揃った大学球界屈指の遊撃手。50メートル走5秒9の俊足と堅実な守備を誇り、天理大では1年春からレギュラー。今春は阪神大学リーグで2度目の首位打者とMVPを獲得し、今夏は初めて大学日本代表にも選ばれた。友杉は奈良・天理市の同大学で会見。「高い評価で嬉しいです」と声を弾ませ、「自分は脚力が武器。盗塁王を目指したい」と意気込みを語った。
ロッテは、1位で専大・菊地吏玖(りく)投手(4年)との交渉権を獲得した。川崎市多摩区の専大生田キャンパス9号館5階アトリウムで野球部の斎藤正直監督(62)、野球部部長の佐々木重人・専大学長(67)と会見に臨んだ菊地は「予想外というか、こういうところを目指して野球を続けてきましたが、まさかこういう形で指名されると思わなかったので、嬉しい気持ちでいっぱいです」と第一声で喜びの言葉を口にした。
斎藤監督は「ロッテ球団には石川投手、美馬投手とかいますので、後ろ姿を見て(投手陣の)軸になって欲しいです」と期待を寄せた。
ロッテは専大・菊地吏玖投手を1位で指名し、交渉権を獲得した。最初の指名は立大・荘司康誠投手だったが、楽天との競合で外し、交渉権を獲得できなかった。
ロッテが20日、吉井理人新監督(57)が、東京都内のロッテ本社を訪問し、重光昭夫球団代表取締役会長オーナー(67)に監督就任の挨拶を行ったと発表した。
同オーナーは、「吉井理人氏を新監督としてお迎えすることができ、大変嬉しく思っております。吉井監督はこれまでも様々な形でチームに貢献していただきました。理論派で選手達の個々の特長に合わせて、しっかりとプランを作って指導される方。監督としてこれまでなかったような新しい指導の形を作り出して、優勝を成し遂げ常勝軍団といわれる組織を作り上げていただけることを期待しています」とコメントした。
吉井新監督は、「まずはチームの指揮をとる機会をいただけたことへの感謝の気持ちをお伝えしました。私の方からは、優勝をするために自分達で考えて、自分の責任で行動して勝ちにこだわったプレーができる選手を、育てたいというお話をさせていただきました。精一杯、頑張っていきます」と明かした。
今回のドラフトは、支配下指名は69人にとどまった。10球団が6位以内で指名を終了するなど、前年の77人に比べて8人減少。スカウトが「目玉という選手がいない」という年でもあったが、特に高校生は新型コロナの影響もあるだろう。
今の高校3年生は感染拡大が始まった20年4月に入学した世代。野球部の活動を休止した学校も全国で相次いだ。3年間通じて十分な練習時間が確保できず試合で本来のパフォーマンスを発揮できなかった選手は多かったはずだ。
別のスカウトから「今年だけこんなに不作というのはあり得ない。やっぱり、高校生は練習できなかったんだろうと思う」と同情する声も聞いた。一方で育成は前年の51人を6人上回る過去最多の57人が指名された。現状では支配下で指名する力はないが、素質を買って今後の成長への期待の表れだろう。
事前に9球団が公表する異例のドラフトでもあった。結果的にこの9球団は公表通りの選手の指名権獲得に成功した。公表しなかったロッテは、楽天との競合で立大・荘司を逃したが、大学日本代表にも選ばれた右腕・菊地を外れ1位で指名。2位以下は内野手を2人、投手2人とバランス良く指名した。
昨年は3位までに外野手を2人指名した楽天が、一転して支配下6人のうち即戦力投手を5人指名したのも特徴的。投手陣の整備が急務ということが明確に示された。各球団が補強ポイントに合致する選手を手堅く指名できた印象だ。
支配下選手指名は広島、中日が7人で最多。5球団が6人、5球団が5人で選択終了するなど、支配下指名された選手は計69人。現行のドラフト制度になった08年以降の最少は09年の66人で、08、10年の68人に次いで少なく、60人台は12年ぶりだった。
ロッテは楽天との競合を覚悟の上で立大・荘司を1位指名したが抽選で外れ、専大・菊地の交渉権を獲得した。初めてクジを引いた吉井監督は「ちょっと読み間違った。用意する人がどんな気持ちで入れるかなと考えた。当たりは隠して下じゃないかなと思っていたが上だった」と残念がった。
菊地は150キロ前後の伸びのある速球と多彩な変化球で緩急を駆使する好投手。1位指名の瞬間には思わず目頭を押さえた右腕は「正直1位で呼ばれると思わず、油断ではないが目から汗が」。大学の2年先輩に佐藤奨がおり「在学中も面倒見てもらった。感謝しながら頑張りたい」と話した。
ロッテの2位指名で名前が呼ばれると、天理大の友杉は会見場で隣に座っていた藤原忠理監督から「おめでとう」と耳打ちされた。
大学日本代表でのチームメートが続々と1位で指名される中「2位か3位で呼ばれたいと思っていました」。走攻守そろった内野手として評価は高く、「脚力が1番の武器だと思っているので盗塁王を目指したい」と50メートル5秒9の俊足で1年目から勝負を懸ける。
ロッテ・吉井監督が東京都新宿区のロッテ本社を訪問し、重光昭夫オーナーに監督就任の挨拶を行った。
重光オーナーから「常勝軍団と言われる組織をつくり上げていただけることを期待しています」と花束を手渡されると、新指揮官は「優勝をするために、自分達で考えて自分の責任で行動して勝ちにこだわったプレーができる選手を育てたい」と意気込みを口にした。
ロッテ・吉井監督は初めてのドラフト会議を終えて、「プランBだけど、100点に近い数字だと思います。私のクジは0点です」と笑った。
ドラフト1位で、立大・荘司康誠を最初に入札し、楽天との抽選で外したが、外れ1位で152キロ右腕の菊地吏玖を獲得。3位の田中晴也(日本文理)、4位の高野脩汰(日本通運)と投手陣を補強し、2位には天理大の俊足・攻守の友杉篤輝も指名できた。
指揮官は「投手もいいのを獲れたし、ショートを守れる選手も何人か指名できた。スカウトからの報告でも、1位の投手と2位は即戦力でいけると聞いている」と納得顔。5位の金田優太(浦和学院)も含めた内野強化にも手応えをつかんでいる様子だ。
プロ野球ドラフト会議が20日、東京都内で行われ、日本文理の田中晴也投手(18)がロッテから3位で指名を受けた。
新潟市内の同校でドラフトの動向を見守った田中は名前が呼ばれると安堵の表情を浮かべ、隣で一緒に見届けた鈴木崇監督とがっちり握手。「不安もあったが、ようやくスタートラインに立てた。嬉しい気持ちでいっぱいです」と心情を吐露した。
最速150キロを誇る本格派右腕。2年時の甲子園で147キロを計測するなどして頭角を現し、投打で注目を集めた。2度目となった今夏の甲子園では右手人差し指を負傷した影響で本領を発揮できなかったが、1メートル86、92キロの体格に詰まった高いポテンシャルが評価された。
田中は「まずは先発ローテーションに入ることが目標」と上のステージでの活躍に思いを馳せた。
ドラフト初参戦となったロッテ・吉井監督は、最初の入札で楽天と競合した立大・荘司をクジを外し、外れ1位で専大・菊地を獲得した。
菊地について「プランBだが、いい投手が獲れた。伸びしろがあって、現時点でもコントロールがよく、真っ直ぐも威力あると、スカウトから聞いている」と先発として期待した。
抽選を外したことには「めちゃくちゃ悔しい」と言い、「ちょっと読みを間違えました。作戦失敗でした。当たりは下にあると思いましたが、上にありました。昨日から用意する人がどういう気持ちでくじを用意するかと考えて、下に用意すると思いました」と作戦不発を悔やんでいた。
プロ野球のドラフト会議が20日、都内のホテルで行われ、ロッテはドラフト4位で日本通運の高野脩汰(24)を単独指名、交渉権を獲得した。
1メートル83の長身を活かしたダイナミックな投球フォームは圧巻だ。巨人、レッドソックスなどで活躍した岡島秀樹を彷彿させる躍動感。生まれ持った背筋の強さを存分に活かし、体ごと打者に向かっていき、上から叩きつける独特なスタイルで見る者を魅了する。
出雲商(島根)を経て、関大に入学。チームが4季ぶりのリーグ制覇を果たした3年秋には最優秀選手、最優秀投手、ベストナインの3冠を獲得した。注目されながら、2020年にプロ志望届を提出もまさかの指名漏れ。悔しい気持ちはあったが、「全然プロに勝負できるようなものじゃなかった」と冷静に分析した。
卒業後は社会人野球の強豪・日本通運の門を叩いた。1年目から主軸として、先発だけではなくリリーフとしても活躍。今年4月のJABA四国大会(高知FD戦)では1失点で完投し、優勝に大きく貢献した。7月の都市対抗では初戦(宮崎梅田学園戦)にリリーフとして登板。初の大舞台で求められた役割を全うした。
最初は自分にとって異次元だった夢の場所は、いつしか絶対に行きたい−。「目指す場所」へと変わった。トレーニングと食事量を増やしたことで入社当時は76キロだった体重も、今では約10キロ増。投球の幅を広げることにも着手し、直球、変化球の質を高めた。直球では内外角を、スライダーではカウント球、決め球を投げ分けられるようになったことは大きな自信につながった。
やっとたどり着いたプロの世界。まだまだ伸びしろのある24歳は、球界を代表するエースへ成長を遂げる。
プロ野球のドラフト会議が20日、都内のホテルで行われ、天理大の友杉篤輝内野手(21)はロッテから2位指名を受けた。
身長1メートル71と小柄ながら、守備範囲の広さと広角に打ち分ける打撃に定評があり、50メートル5秒9と俊足の持ち主。走攻守揃った大学球界屈指の遊撃手だ。
ただ、大学ラストイヤーの今秋は8月下旬に新型コロナウイルスに感染。10日間の療養を強いられ、体重が4キロ減。ぶっつけ本番で臨んだ秋季リーグ戦も本来のシュアな打撃を取り戻せず、打率.194と苦しんだ。それでも引き分け以上で優勝が決まる関西国際大戦でタイムリーを放つなど勝負強さは健在で、リーグ戦4季連続優勝に貢献。球界で希少な、打てる右打ちの内野手として白羽の矢が立った。
プロ野球のドラフト会議が20日、都内のホテルで行われ、ロッテはドラフト1位で専大・菊地吏玖投手(22)を指名、交渉権を獲得した。
ケガとの戦いだった。高校1年生で右肩痛、大学1年生の時には右肘痛に悩まされた。「腕で頑張ってしまうというか、上体を使って投げようとしてしまっていた」と原因を自己分析。その後はウエートトレーニングなどで下半身を鍛えることに加え、股関節などの柔軟にも力を入れた。入学時は硬かった体も、毎日2時間のストレッチの効果もあり、今では180度開脚して胸が地面に着くまでになった。
ケガも完治し、2年秋に2部リーグ戦でデビュー。以降はエース格としてチームを支えた。下半身主導の力感のないフォームから、最速152キロの剛速球を投げ込み、ツーシームなどの変化球の精度も高い。今年7月には侍ジャパン大学日本代表のメンバーとしてオランダでの「ハーレムベースボールウィーク」に出場。先発と救援で3試合に登板し、計8回無失点と安定した投球を見せた。
そして最後のアピールの場となる秋季リーグ戦では、全12球団のプロスカウトが集結した初戦で立正大を相手に4安打完封。国士舘大戦では7安打2失点完投と崩れない投球も披露。拓大戦では再び5安打完封するなど5試合を投げ4勝1敗、防御率0.63(20日現在)と圧巻の成績を残している。
「2部の中で圧倒的な成績を収めないと1部でも通用しない」と語っていた菊地吏。見事有言実行を果たし、目標だったドラフト1位指名を勝ち取った。
ロッテは吉井理人監督が20日、東京都新宿区のロッテ本社を訪問し、重光昭夫球団代表取締役会長オーナーに監督就任の挨拶を行った。
重光会長は「吉井理人氏を新監督としてお迎えすることができ、大変嬉しく思っております。吉井監督はこれまでも様々な形でチームに貢献していただきました。理論派で選手達のそれぞれの特徴に合わせて、しっかりとプランを作って指導される方。監督としてこれまでなかったような新しい指導の形を作り出していただきながら優勝を成し遂げ、常勝軍団と言われる組織を作り上げていただけることを期待しています」と大きな期待を寄せた。
これには吉井監督も「まずは千葉ロッテマリーンズの指揮をとる機会をいただけたことへの感謝の気持ちをお伝えしました。私の方からは優勝をするために自分達で考えて自分の責任で行動して勝ちにこだわったプレーができる選手を育てたいというお話をさせていただきました。精一杯、頑張っていきます」とコメントした。
富士宮東の勝又琉偉内野手はロッテ育成3位に指名された。待望の瞬間が訪れた。開始から2時間38分。富士宮東・勝又が、ロッテから育成3位指名を受けた。グラウンドでマネジャーから吉報を聞き「ホッとしました」。同校から直接指名を受けるのは初(06年に社会人経由で菊地正法が中日入り)。チームメートから胴上げされ「仲間がいなければここまで来られなかった」と笑顔がはじけた。
50メートル走5秒8の身体能力を誇る188センチの大器だ。中学時代は投手、捕手、三塁手としてプレー。大勝良則監督(56)から「上のレベルでやらせたい。大きく育てたい」と潜在能力を評価され、遊撃手に転向した。今春だけで4本塁打をマークし、プロからの注目を集める存在となった。
今夏には育成指名なら進学する考えを示すも「上のレベルで勝負したい」と入団の意向を明言。「3、4年後に1軍で活躍する選手になりたい」。大型遊撃手の、新たな挑戦が始まった。
立大・荘司康誠(こうせい)投手(22)の1位入札で楽天との抽選に敗れたロッテは、外れ1位で専大の菊地吏玖投手(22)を指名。川崎市の専大生田キャンパスで指名の瞬間を迎えた菊地は「ここ(1位)で呼ばれるとは予想外で、少し油断していました」と驚きの表情。斎藤正直監督(62)らと握手を交わすと、「家族や友人の顔が浮かんできて、目から汗が出ました」と感激の涙を浮かべた。
東都2部リーグで通算13勝、今夏には侍ジャパン大学代表入りも果たしたMAX152キロ右腕。北海道出身で、少年時代に日本ハムのエースとして君臨していたダルビッシュ(現パドレス)が目標だ。ロッテの吉井新監督は当時日本ハムの投手コーチ。「ダルビッシュさんと一緒の姿を見ていた。そういう方の下で野球ができるのは光栄なこと。どんな場面や立ち位置であろうとも、マリーンズのために全力で腕を振り続けたい」と活躍を誓った。
ロッテが育成選手を含め計8選手を指名した。1位指名の立教大・荘司は楽天と競合の末に外れたが吉井理人新監督は「プランBでしたけど、もう満点、100点に近い点数だと思います。私のくじは0点です」と笑った。
外れ1位には今夏に大学日本代表入りした最速152キロの本格派右腕である専大・菊地吏玖投手(22)を指名。2位には走攻守三拍子そろった天理大・友杉篤輝内野手(21)を指名し、補強ポイントでもある即戦力の投手、内野手を中心に獲得。「投手もいいの取れましたし、内野手もショート守れる選手を何人か指名できたのでよかったと思います」と初めてのドラフトを振り返った。
ロッテの指名選手は以下の通り。
1位で立大・荘司の抽選に敗れたロッテは、専大の菊地吏玖投手を1位指名した。
神奈川・川崎市の専大生田キャンパスで指名の瞬間を迎えた菊地は「ここ(1位)で呼ばれるとは予想外で、少し油断していました」と驚きの表情。野球部長でもある佐々木重人学長、斎藤正直監督と握手を交わすと、「家族や友人の顔が浮かんできた」と感激の涙を浮かべた。
北海道苫小牧市の出身で、日本ハム時代から応援していたダルビッシュ(パドレス)に憧れている右腕。日本ハムの投手コーチとしてダルビッシュを指導していたロッテの吉井新監督のもとでスタートするプロ生活へ「どんな立ち位置でも全力で腕を振っていきたい」と意気込んだ。
ロッテがドラフト2位に天理大・友杉篤輝内野手(21)を指名した。171センチ、70キロと小柄だが俊足巧打が魅力。二遊間を補強ポイントとしているロッテでは即戦力となりそうだ。
また3位では日本文理・田中晴也投手(18)を指名。最速150キロの直球に加え、高校通算20本超えと二刀流としても期待ができる。
ロッテは2位で天理大・友杉篤輝内野手(21)を指名した。
友杉は大学日本代表の遊撃手。阪神大学リーグでは最優秀選手1度、首位打者2度、ベストナインを4度受賞。走塁技術に優れ、今春のリーグ戦では10盗塁に成功し、失敗はない。自身は「打撃が最大の課題」とするが、3、4年時には全日本大学選手権に出場し、通算3試合で計12打数9安打5打点、打率7割5分と大舞台で勝負強い。
高校時代は甲子園出場なし。「天理大というチームが自分を成長させてくれた。同級生だったり、先輩方の力を借りて、大学選手権に出させてもらったことが成長につながった。チームメート、指導者の方々に感謝したい」とプロの舞台で恩返しするつもりだ。
1位指名を公表していなかったロッテが立教大・荘司康誠を1位で指名。公表していた楽天との競合となったが、交渉権を獲得できず、外れ1位で専大・菊地吏玖投手(22)を指名した。
最速152キロの直球に加え、ツーシーム、カーブなどの変化球を織り交ぜ安定感のある投球が魅力。ドラフトに初出席した吉井新監督は「めちゃくちゃ悔しいです」と競合した立教大・荘司の交渉権を獲得できなかったことを悔やみつつも「投手は何人いてもいいのでまず投手を選びました。現時点でもすごいコントロールのいいピッチャー、真っ直ぐも魅力のあるボールを投げると言うことで選択しました」と外れ1位に専大・菊地を選んだ理由を明かした。
入団後には「もちろん2ケタ勝ってすごい成績を残して欲しいと思いますが、まずは入団してもらってからしっかり見て、起用法を考えていきたいなと考えてます」と話した。
ロッテが、ドラフト2位で天理大・友杉篤輝内野手(4年=立正大淞南高)の交渉権を獲得した。
友杉は50メートル走は5秒9で、ベースランニングなどの走塁技術、盗塁テクニックが武器。今春のリーグ戦では10盗塁で失敗が0。打率4割4分7厘で2度目の首位打者と最優秀選手賞に輝き、今夏は大学日本代表でハーレムベースボールウィーク(オランダ)に出場した。
吉井理人新監督が20日、東京・新宿のロッテ本社を訪問し、重光昭夫球団代表取締役会長オーナーに監督就任の挨拶を行った。
重光オーナーは「吉井理人氏を新監督としてお迎えすることができ、大変嬉しく思っております。吉井監督はこれまでも様々な形でチームに貢献していただきました。理論派で選手達のそれぞれの特徴に合わせて、しっかりとプランを作って指導される方。監督としてこれまでなかったような新しい指導の形を作り出していただきながら優勝を成し遂げ、常勝軍団と言われる組織を作り上げていただけることを期待しています」とコメント。
吉井監督は「まずは千葉ロッテマリーンズの指揮をとる機会をいただけたことへの感謝の気持ちをお伝えしました。私の方からは優勝をするために自分達で考えて自分の責任で行動して勝ちにこだわったプレーができる選手を育てたいというお話をさせていただきました。精一杯頑張っていきます」と意気込みを語った。
名前を呼ばれた瞬間、思わず目頭を手で押さえた。ロッテに外れ1位で指名された専大・菊地吏玖投手(22)は「呼ばれたときはまさかという思いがありました。本当に予想外でした」と涙を流して驚いた。
北海道苫小牧市出身の最速152キロ右腕。「吉井新監督のもとでどんな場面でもどんな立ち位置でも、ロッテのために腕を振り続けたい」と飛躍を誓った。
ロッテからドラフト1位指名を受けた専大・菊地吏玖投手が、名前を読み上げられた瞬間、感極まった。
183センチ93キロの恵まれた体格から重い直球を投げ込む右腕。即戦力の評価に「予想外というか、こういうところを目指して野球をやってきましたけど、こういった形で指名いただけると思っていなかったので嬉しい気持ちでいっぱい」と声を詰まらせた。
ロッテには専大の2学年先輩で育成から支配下を勝ち取り、今季プロ初勝利を挙げた佐藤奨真がいる。「同じ球団で野球できるのは心の底から嬉しい。本当に嬉しい気持ち」と喜んだ。
対戦したい選手にはソフトバンクの柳田の名を挙げ「どんなコースもどんなボールもどんな態勢でもホームランを打つことができる選手。どう立ち向かってどう抑えられるか。力試しじゃないけど、若手らしく勝負することができれば良いなと思っています」と明かした。
北海道苫小牧市出身。幼少時代は吉井新監督が日本ハム投手コーチ時代の印象を鮮明に覚えている。「高校生まで北海道で過ごしていた時に、ちょうどダルビッシュ投手がいた時代のファイターズの投手コーチをされていて、僕自身もキャンプ中継を見ながら、ダルビッシュ投手を見る時に吉井ピッチングコーチの姿も目に入っていました。いいコーチだと聞いたこともありました」と明かす右腕。早くも指導を仰ぎたいようだ。
ロッテの吉井理人新監督がくじ引きに初参戦。引き当てられずも「プランB」で即戦力投手を指名でき「良い投手が取れた」と、初出場のドラフトに合格点をつけた。
ロッテはドラフト1位指名を非公表。この日、楽天と同じく立大・荘司投手を指名した。楽天・米田球団社長より先にくじを引いたが、残りくじの米田社長に残っていた。「当たりは下にあると思っていたんですけど、原監督の言ったように上にありました。作戦失敗でした」。浅野を引き当てた巨人・原監督を例に挙げ、当てられなかったことを悔しがった。
しかし、プランBで専大・菊地吏玖投手を指名。最速152キロに制球力もある右腕を指名でき「スカウトからの報告で、伸びしろがあって、現時点でもコントロールがいい投手。真っ直ぐも威力のあるボールを投げる投手を選択できた」と喜んだ。
2位でも塁間最速3秒0の快足が武器の友杉篤輝内野手(天理大)を指名。クジは悔しがったが、満点をつけていた。
ロッテからドラフト1位で指名された菊地吏玖投手(22)=専大=が、会見で心境を語った。
名前を呼ばれた瞬間、思わず目頭を手で押さえた。「1位で呼んでいただけるとは思わず、ちょっと油断ではないですけど、呼ばれたときはまさかという思いがありました。その後に、家族だったり、友人達の顔が浮かんできてきっと喜んでくれているんだろうなと思うと、ちょっと泣けてきたというか。本当に予想外でした」。会場に集まった仲間に祝福され、満面の笑みを浮かべた。
北海道苫小牧市出身の最速152キロ右腕。今夏は大学日本代表にも選出された実力者だ。「吉井新監督のもとでとにかく、どんな場面でもどんな立ち位置でもロッテのために腕を振り続けることを常に頭に置いて勝利に貢献できるように全力で戦っていけたらなと思っています」とプロでの飛躍を誓った。
ロッテの吉井理人新監督(57)が20日、東京・新宿区のロッテ本社を訪問し重光昭夫球団代表取締役会長オーナーに監督就任の挨拶を行った。
ドラフト会議に初出席する吉井監督が会議前に訪問。重光昭夫会長は「吉井理人氏を新監督としてお迎えすることができ、大変嬉しく思っております。吉井監督はこれまでも様々な形でチームに貢献していただきました。理論派で選手達のそれぞれの特徴に合わせて、しっかりとプランを作って指導される方。監督としてこれまでなかったような新しい指導の形を作り出していただきながら優勝を成し遂げ、常勝軍団と言われる組織を作り上げていただけることを期待しています」と話した。
吉井監督は「まずは千葉ロッテマリーンズの指揮をとる機会をいただけたことへの感謝の気持ちをお伝えしました。私の方からは優勝をするために自分達で考えて自分の責任で行動して勝ちにこだわったプレーができる選手を育てたいというお話をさせていただきました。精一杯、頑張っていきます」と力を込めた。
20日に『2022年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD』が開催され、ロッテは支配下選手5人、育成選手4人の計9人を指名した。
ロッテは昨年のドラフト会議で1位の松川虎生から支配下5名、育成4名の的確指名が光ったが、今年のドラフト会議でもまずまずの的確な指名ができたのではないだろうか−。
筆者はドラフト前にロッテの年齢構成を見て、補強ポイントを以下のようにまとめていた。
ドラフト1位で荘司康誠投手(立教大)の抽選を外すも、同じく大卒の右の本格派右腕・菊地吏玖投手(専修大)を指名。00年生以降の右投手は01年生の佐々木朗希以外は1軍の戦力になっていないということを考えれば、即戦力右腕は補強ポイントの1つ。
2位で指名した友杉篤輝選手(天理大)はチームに不足していた“00年生以降の内野手”で、3位で指名した田中晴也投手(日本文理高)は“右の高卒投手”、4位の高野脩汰投手(日本通運)は大卒社会人出身の左腕で、年齢的には鈴木昭汰、佐藤奨真に同じ98年世代だが、“慢性的なサウスポー不足”、“1軍の左のリリーフが不在”ということを考えれば、即戦力として期待。5位で指名した金田優太選手(浦和学院高)はショートを主戦場にする高卒の内野手で、年齢構成を見てもチームに足りなかったピースだ。
育成ドラフトでも投手を2名、内野手を2名指名した。育成1位の吉川悠人投手(浦和麗明高)、育成2位の白濱快起投手(飯塚高)は、3位の田中投手と同じ高卒の投手だ。育成3位の勝又琉偉選手(富士宮東高)、育成4位の黒川凱星選手(学法石川高)は、5位の金田選手と同じ高卒の内野手。高校時代のデータを見ると、勝又選手、黒川選手ともにショートを守っているが、プロではどこのポジションを主戦場にしていくのか注目。
20年ドラフトでプロ入りした西川僚祐外野手と育成で入団した山本大斗外野手(現在は支配下選手)、21年ドラフトでプロ入りした秋山正雲投手、育成・田中楓基投手、育成・永島田輝斗投手のように、年齢の同じポジションの選手達が切磋琢磨して、ファームで鍛えていく形になれば面白い。また内野に関しては、金田選手、勝又選手、黒川選手がファームで実戦経験を積む環境になる前に、他の選手達は1軍の戦力になる必要があるともいえる。
即戦力の大学生、社会人、そして将来を見据えて育成を含めて高校生を6人指名したマリーンズ。この中から1人でも多く、将来マリーンズを引っ張る選手が出てきて欲しい。そうなったときに、マリーンズが掲げる“常勝軍団”になっているはずだ。
20日に行われた『2022年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD』。
ロッテは来季から指揮を執る吉井理人新監督が登場。1位指名した荘司康誠(立教大)のくじ引きは楽天との一騎打ちに敗れたものの、支配下5名・育成4名の計9選手を指名して初のドラフト会議を終えた。
そんなロッテのドラフト指名について、20日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した高木豊氏が「かねてから目を付けていた選手」として名前を挙げたのが、2位で指名された友杉篤輝(天理大)だった。
持ち味である脚力を活かしたスピード感あふれるプレーがウリの内野手。高木氏と言えば、自身も俊足を武器に活躍を見せ、1983年には二塁手としてダイヤモンドグラブ賞に選出されているが、その名手に「ボールの入り方、扱いが正確で丁寧。アマチュアの中で1番守備が上手いんじゃないかなと思っている」とまで言わしめたのだから、今後の期待も膨らんでくる。
また、同じく番組に出演した真中満氏も「ロッテは今年ショートをなかなか固定できなかったので、レギュラー争いが楽しみになりますよね」と語り、「吉井新監督の起用というのも楽しみですよね」とコメント。
「来季が1年目」という点で、吉井監督と20日のドラフトで指名を受けた選手達はいわば“同期”のようなもの。真中氏は「もちろん能力を見てになりますが、こうしたルーキーをいきなり抜擢していくのかどうか。投手はもちろん、野手の使い方というのも注目ですね」とし、指揮官の采配もポイントに挙げた。