わたしはかもめ2023年鴎の便り(5月)

便

5月16日

千葉ロッテ1−1オリックス(ZOZOマリン)

延長12回引き分け。ロッテの種市が9回1失点、オリックスの宮城が7回1失点と両先発が好投した。ロッテは4回に追いついたが、8回1死二塁、延長10回2死二塁の好機を生かせず。オリックスは打線が3安打と振るわなかった。

123456789101112R
オリックス0010000000001
千葉ロッテ0001000000001

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[ロッテ]種市篤暉1025日ぶり9回を投げ3安打9K1失点「次は完封」引き分けで首位ならず[ニッカン]

ロッテは種市篤暉投手(24)が9回3安打9奪三振1失点と好投したが、延長12回でも決着つかず1−1で引き分け、4月30日以来の首位復帰はならなかった。

種市の9回登板は、プロ初完投初完封勝利を挙げた20年7月25日の西武戦以来1025日ぶりだ。8回終了後に「行きますと言いました」と志願。途中からフォークの握りを少し浅くして精度を増すなど修正も見事だった。20年9月に受けたトミー・ジョン手術も乗り越えてきたが「術後初めて9回を投げ、投げられる自信はついたので次は完封が目標。勝ちは運だと思っているので、防御率、イニング、奪三振数にこだわりたい」。今季の通算奪三振数も52に伸ばしてリーグトップに。「(佐々木)朗希とは登板数が違うのであれですけれど、ピンチでとれたらいいなくらいの気持ちで投げているので、そこを取れていることに関してじゃよかったかなと思います」と狙い通りの投球が出来ている部分には納得の表情だった。

3回1死から甘く入った直球を紅林に捉えられ、左越えソロで先制点を許した。「しっかり反省します」。だが、6回の1死一、二塁のピンチは、茶野、代打のT−岡田をフォークで連続三振。7回も先頭の中川圭をフォークで、シュウィンデルを149キロの直球で連続三振を奪い、前の回から4者連続三振と、後半にも勢いは増した。

守備も種市を盛り上げた。2回にはシュウィンデルの三遊間の打球を、遊撃のルーキー友杉篤輝内野手(22)が逆シングルでキャッチ。最深部からノーバウンドで一塁に送球してアウトにした。4回1死一塁では佐藤都志也捕手(25)が二盗を封じて三振ゲッツー。8回にも2死二塁から抜ければ勝ち越しを許す場面で、右翼の和田康士朗外野手(24)が背面キャッチで救った。ベンチ前で待つ種市はグラブ同士でハイタッチしただけでなく、ギュッと抱き締めて感謝した。

吉井理人監督(58)は「故障前から、何とかしようという気持ちの強い投手なので、それがまた出てきた感じ。成長というより本来の種市に戻ってきた。もっとレベルが上がっていくと思う」と今後にも期待を寄せた。一方で、今季は術後初の先発ローテ入りによる右肘などの疲労も考慮し、登録を抹消して登板間隔を空けることも明かした。

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[ロッテ]佐々木朗希の登板に吉井監督「このカードは投げられないです」右手中指マメの状態考慮[ニッカン]

右手中指のマメの状態を考慮して登板間隔を空けているロッテ佐々木朗希投手は、試合前練習でキャッチボールは行わなかった。

14日に、吉井監督は16日の様子を確認後に次回登板日の判断を下すことを言及していたが、「今日はピッチングをしなかったのでこのカードは投げられないです。次は明日、明後日の状況を見て決めていこうと思います」。早くても19日楽天戦。状態によっては、目安を決めずに完治を優先することになりそうだ。

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[ロッテ]種市篤暉「行きます」1025日ぶり9回登板、吉井監督は疲労考慮し登録抹消明かす[ニッカン]

ロッテ種市篤暉投手が9回3安打9奪三振1失点と好投した。

プロ初完投初完封勝利を挙げた20年7月25日の西武戦以来1025日ぶりの9回登板は、8回終了後に「行きます」と志願。途中からフォークの握りを少し浅くして精度を増すなど修正も見事だった。「9回を投げられる自信はついたので次は完封が目標。勝ちは運だと思っているので、防御率、イニング、奪三振数にこだわりたい」。

試合後、吉井監督は右肘などの疲労も考慮し、登録を抹消して登板間隔を空けることを明かした。

吉井監督(種市の好投に)
「故障前から、何とかしようという気持ちの強い投手なので、それがまた出てきた感じ。成長というより本来の種市に戻ってきた。もっとレベルが上がっていくと思う。」

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[ロッテ]種市篤暉が好投、ルーキー友杉が守備で盛り上げ、佐藤都が強肩で助ける[ニッカン]

勝てば首位のロッテは先発の種市篤暉投手が好投した。試合前まで今季防御率1.65の安定感通り。リーグ最多安打を争う茶野を初回先頭で中飛に封じると、2イニング連続で3者凡退。フォークやスライダーも低めに決まり、凡打の山を築いた。

3回1死から甘く入った直球を紅林に捉えられ、左越えソロで先制点を許した。だが、その後も安定感に揺らぎはない。6回には先頭の紅林に四球を出し、犠打で1死二塁のピンチ。茶野、代打のT−岡田をフォークで連続三振を奪った。7回も先頭の中川圭をフォークで、続くシュウィンデルを149キロの直球で連続三振。前日に「週の頭での登板となるので、前回と同じくしっかりと長いイニングを投げて、チームの勝利に貢献できる投球ができるように頑張りたい」と話した通り、前の回から4者連続三振と、ボールのキレも増した。

守備も種市を盛り上げる。2回には先頭シュウィンデルの三遊間の打球を、遊撃のルーキー友杉が逆シングルでキャッチ。最深部からノーバウンドで一塁に送球してアウトにした。4回1死一塁では捕手の佐藤都が盗塁を刺し、三振ゲッツー。今季はソフトバンク周東、日本ハム五十幡、西武金子らの盗塁を封じ、試合前まで盗塁阻止率リーグトップ8割5分7厘の強肩で種市を助けた。

打線も0−1の4回に茶谷、安田の連続安打で1死一、三塁のチャンスをつくると、岡の二ゴロの間に茶谷が生還。5月はプロ入り後8勝0敗と無敗のオリックス宮城から同点に追い付いた。

種市(9回3安打1失点の好投に)
「野手のいいプレーに助けてもらいながら、週の頭での先発として長いイニングを投げることができたのは良かったです。3回の1発はしっかり反省します。」

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ロッテ・種市篤暉が完全復活、右肘手術から3年ぶりに9回投げた!奪三振数はリーグトップに[サンスポ]

完全復活≠告げる熱投だ。右肘手術から今季本格的に復帰したロッテ・種市篤暉投手(24)がオリックス打線を相手に9回109球を投げ、3安打1失点の好投。延長12回引き分けとなり、勝敗はつかなかったが、確かな手応えを得る9イニングとなった。

「術後初めて9回を投げられたので、そこは自信になった」。

オリックスとの首位攻防3連戦の初戦。WBC日本代表の宮城との投げ合いにも、「ゾーンに強い球を投げることだけを考えた」と一歩も引くことはなかった。鋭く落ちるフォークボールを武器に失点は3回に紅林に浴びたソロのみ。9三振を奪い、奪三振数は52に伸び、チームメートの佐々木朗を抜いてリーグトップに立った。

2020年9月に右肘靱帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けた右腕にとって9イニングを投げ抜くのは、完封勝利を飾った20年7月25日の西武戦以来約3年ぶりだ。

吉井監督は「本来の種市が戻ってきた」と絶賛した。右肘の負担を考慮し、出場選手登録を1度外れる予定だが、今季3勝(2敗)の種市は「今の目標は完封」ときっぱり。回復期間を挟み、白星を積み上げる。

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ロッテ・種市篤暉が3年ぶりの9イニングを3安打1失点、4勝目ならずも抜群の安定感[サンスポ]

ロッテ・種市篤暉投手(24)が9回109球を投げ3安打1失点、9奪三振と好投した。

3回に紅林に先制ソロを許した。だが6回1死二塁、8回無死二塁のピンチは脱した。延長に突入したため完投とはならなかったが、9回を投げたのは完封した2020年7月25日以来。今季のロッテ投手陣で9回を投げたのは初めてだ。

「野手のいいプレーに助けてもらいながら、週の頭の先発として長いイニングを投げることができたのは良かった。3回の一発はしっかり反省します」。

右肘内側側副靱帯の再建手術を受けたのは20年9月。翌21年はリハビリに費やした。今季は開幕からローテ入り。4勝目はならなかったが、これで7試合に登板して防御率1.51。抜群の安定感だ。

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ロッテ・茶谷健太が9試合連続安打も…オリックスとの首位攻防戦第1ラウンドは1−1引き分け[サンスポ]

反撃につながる一打を見舞った。「5番・一塁」で先発出場したロッテ・茶谷健太内野手(25)が0−1の4回、1死から左前打を放ち、自身が打席に立った試合としては9試合連続安打を記録した。続く安田の右前打で一気に三塁まで進むと岡の二ゴロの間に生還し、同点のホームを踏んだ。

山梨・帝京三高から2016年にドラフト4位でソフトバンクに入団したが、18年オフに自由契約となり、育成選手としてロッテ入り。19年12月に支配下選手登録された内野手は今季、24試合に出場し、打率.385(15日時点)。5日のソフトバンク戦では、同日に先発した佐々木朗にバットに念を込められ、2打数2安打。5月は打率.550(15日時点)と好調を維持している。

吉井ロッテはここまで35試合で35通りの打順を組んでいる。吉井監督が「どうしたら勝てるか考えながらやっている中で(選手は)ポジションのつくり方は難しいかもしれないけど、色んな選手にチャンスが来ると思うので、そこをしっかりつかんで欲しい」と求める中、プロ8年目が存在感を放っている。

茶谷がヒットを打つとファンの間では「茶柱≠ェ立った」と言われている。首位オリックスと1ゲーム差の首位攻防3連戦。その第1ラウンドは、両チームとも一歩も譲らず引き分けに終わった。

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ロッテ・小島和哉が苦手オリックスと今季初対決、チームは水曜日に11連勝中「攻めていけたらな」[サンスポ]

今季3勝(1敗)を挙げているロッテ・小島和哉投手(26)が17日のオリックス戦に先発する。16日は試合前の練習でキャッチボールなどで調整した。

昨季のオリックス戦は4試合に登板し、0勝3敗、防御率5.24。計14失点しており「去年オリックス打線に打たれた印象がありますが、今季初対戦となるので僕から色々と攻めていけたらなと思います」と決意を込めた。チームは昨年8月から水曜日に11連勝中。ハッピー・ウェンズデー≠ノ苦手を克服する。

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ロッテ・朗希、復帰は最短でも19日VS楽天、右手中指にマメの影響で離脱中[スポニチ]

右手中指にできたマメの影響で離脱しているロッテの佐々木朗は、目指してきたこのオリックス3連戦での復帰がなくなった。吉井監督はこの日右腕が投球練習を行わなかったと明かし「(18日の)木曜を目標にしていたがダメになったので、次は明日、明後日の状態を見て決めていこうと思っている」と方針を示した。復帰は最短でも19日の楽天戦(楽天モバイルパーク)以降になることが確定した。

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ロッテ・種市、術後最長9回109球1失点力投、援護なく延長12回引き分けも「自信になった」[スポニチ]

ロッテは20年9月の右肘手術から復活した種市が、術後最長の9回で109球を投じて3安打1失点。援護なく延長戦の末に引き分けて完投勝利は逃したが、20年7月以来3年ぶりに9回を投げ「今の目標は完封。9回投げられる自信になった」と話した。

勝てば勝率で上回って首位浮上だったが1ゲーム差のまま。7試合に登板し防御率1.51の右腕について、吉井監督は「トミー・ジョン(手術)明けなので1度10日間空ける」と出場選手登録から外す方針を示した。

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ロッテ、延長11回に珍しい3アウト、3番手ペルドモが投ゴロ、投ゴロ、投ゴロ[スポニチ]

延長11回に珍しい3アウトがあった。同回、ロッテのマウンドに上がったのは3番手のペルドモだった。

まずは先頭の紅林を151キロのツーシームで投ゴロ。強い打球に体は避けながらも、グラブを伸ばして捕球。一塁方向に走りながら、一塁手にトスしてアウトにした。

続く若林も自身の前に打球を転がせて、投ゴロ。さらに茶野もスライダーで、打球は自身の前にはじき返された。体は打球とは逆に動いていたが、下半身を沈ませながら粘ってグラブを伸ばした。一塁に転送してアウトに。この回3度目の投ゴロとなった。

フィールディング、グラブさばきは鮮やか。ベンチに走って戻ったペルドモは笑顔を見せていた。

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ロッテ・種市篤暉−オリックス・宮城大弥…スタメン発表[報知]

[オリックス]
1(右)茶野、2(左)福田、3(中)中川圭、4(指)シュウィンデル、5(一)頓宮、6(三)宗、7(二)ゴンザレス、8(遊)紅林、9(捕)若月、投=宮城
[ロッテ]
1(遊)友杉、2(中)藤原、3(二)中村奨、4(指)井上、5(一)茶谷、6(三)安田、7(左)岡、8(捕)佐藤都、9(右)和田、投=種市

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ロッテ・種市が完全復活!朗希超えリーグトップの52K、3年ぶり9イニング「自信になった」[デイリー]

時折、笑顔を見せながら三振の山を築いた。ロッテ・種市篤暉投手(24)が9回3安打1失点。9三振を奪って今季52奪三振とし、佐々木朗の50奪三振を抜いてリーグトップに立った。「ピンチで取れたらいいなという気持ちで投げてる」と充実の表情だった。

両軍無得点の3回1死で紅林に左越えの先制ソロを浴びた。それでも崩れない。同点の6回1死二塁からは茶野、代打・T−岡田をともに低めのフォークで空振り三振。序盤は球速が出なかったフォークの握りを修正し、リズムを取り戻した。

2020年9月に受けた右肘のトミー・ジョン手術から完全復活だ。3年ぶりに9回を投げ、「投げられるんだって自信になった。今の目標は完封」。手応えを得た右腕が、さらなる飛躍へ突き進む。

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ロッテ・吉井監督、好投の種市を称賛「もっともっとレベルが上がっていく投手」手術明け考慮で登録抹消へ[デイリー]

ロッテはオリックスとの首位攻防戦を引き分けとした。

種市が9回3安打1失点、9奪三振。2020年7月25日・西武戦での完封勝利以来の9イニングを投げた。同年9月に受けた右肘のトミー・ジョン手術からの完全復活を思わせる快投に「術後初めて9回投げられたので、そこは自信持って次も投げていきたい」と、充実感がにじんだ。

両軍無得点の3回1死には、紅林に左越えソロを浴びた。だが「フォークを修正できた」と試合序盤で球速が出ていなかったフォークの握りを修正し、ここから三振の山を築いた。白星は付かなかったが「自分のコントロールできる防御率だったり、イニング数、奪三振の数にこだわってやっていきたい。今の目標は完封したいという思いが1番強い」と力を込めた。

吉井監督は「勝負強いっていうか、何とかしようって気持ちの強いピッチャー。これからもっともっとレベルが上がっていくと思う」と評価。さらには「トミージョン明けなので、今回しっかり投げたのでどかんと空けようと思います」と、登録抹消し、次回登板まで10日以上空ける方針を明かした。

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ロッテ、種市篤暉が9回1失点の好投、4勝目ならずも「長いイニングを投げることができたのは良かった」[デイリー]

ロッテの先発・種市篤暉投手が9回109球を3安打1失点、9奪三振。快投を披露し、「野手のいいプレーに助けてもらいながら、週の頭での先発として長いイニングを投げることができたのは良かった」と振り返った。

2イニング連続で三者凡退に抑える、リズムのいい滑り出しだった。両軍無得点の3回には、1死から紅林に147キロの直球をソロとされ首をかしげるそぶりをみせたが、その後は修正。今季最長となる9回を最少失点で投げきった。

試合前の奪三振率は11.85と驚異の数字を誇っていた。この日は9Kを挙げ、これで今季52奪三振。佐々木朗の50奪三振を抜き、リーグトップに立った。

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驚異の奪三振率「11.85」、TJ手術から復活…ロッテ種市、好調呼んだ“モデルチェンジ”[Full-Count]

◇2020年に右肘を痛めてTJ手術、昨季実戦復帰して今季は先発の一角へ

ロッテの種市篤暉投手が、3年ぶりに開幕ローテーション入りを果たして好投を続けている。将来を嘱望されていた24歳の剛腕がこのままトミー・ジョン(TJ)手術からの完全復活を果たせば、チームにとっても大きなプラスとなるだろう。今回は種市の球歴に加えて各種の指標、結果球の割合、故障前と現在の変化について紹介。具体的なデータをもとに、投手としての持ち味と魅力に迫っていきたい。(成績は5月10日の試合終了時点)

種市は八戸工大一高から、2016年ドラフト6位でロッテに入団。プロ2年目の2018年に1軍デビューを果たして7試合に先発。防御率6.10で未勝利も、20歳の若さで貴重な経験を積んだ。2019年にはリリーフとして開幕1軍入りを果たすと、8試合に登板して防御率1.39と素晴らしい投球を披露。活躍が認められて4月29日にシーズン初先発のチャンスを掴み、5回2失点で待望のプロ初勝利を挙げた。

その後は先発ローテーションの一角に加わり、17試合の先発で8勝。114イニングで135奪三振を記録しただけでなく、当時の日本人投手タイ記録となる23イニング連続奪三振を達成した。2020年は開幕から絶好調で、7月25日の西武戦ではプロ初完封。7月終了時点で防御率2.20も、8月1日の登板で肘を痛めてトミー・ジョン手術を受けることに。そこから1年半以上にわたって、マウンドから遠ざかることを余儀なくされた。

長きに渡るリハビリを乗り越え、2022年に実戦復帰を果たす。同年の1軍登板は1試合にとどまったが、2023年は開幕から先発陣の一角として好投した。4月9日の楽天戦で988日ぶりとなる白星を掴むと、その後も安定した投球を継続。5月9日の試合では今季最長の7回を投じるなど、着実に完全復活へのステップを刻んでいる。

◇課題の制球面も向上…今季は2試合続けて無四球試合も

年度別の指標について見ていきたい。先発投手としては非常に高い水準にある奪三振率が最大の持ち味。2019年に奪三振率10.41という抜群の値を残しただけでなく、通算の数字でも投球回を上回る奪三振数を記録している。さらに、今季は奪三振率11.85とキャリアベストの値を記録しており、故障前を上回るペースで三振を奪っている点も頼もしい限りだ。

その一方で、キャリア通算の与四球率は3.60とやや高く、制球面が課題となっていた。だが、今季は最初の4試合で12個の四球を与えたものの、4月30日と5月9日の登板では、2試合続けて無四球。K/BBも一般的に優秀とされる3.50を上回る水準に到達しており、著しい制球力の向上が見られていることも楽しみな要素となっている。

また「被BABIP」が.306と、平均値とされる.300に近い数字になっている点もポイントだ。被BABIPは本塁打以外のグラウンド内に飛んだ打球が安打になった割合を示す指標で、一般的には投手が制御することは難しく、運の要素が強く絡む指標とされている。

種市の場合も、開幕から好調だった2020年は.277と低い数字であり、運に恵まれていた可能性がある。しかし、今季は2020年の序盤を上回る防御率と被打率を示しながら、BABIPは平均に近い値となっている。すなわち、現在の好投は決して運に恵まれている訳ではなく、実力によるものと考えられるということだ。

◇今季は速球の割合が42.4%まで減少、フォークの44.7%が上回る

続いて2019年、2020年、2023年に記録した、結果球となった球種の割合を紹介しよう。2019年はストレートの割合が54.7%に達し、フォークは26.7%と全体のおよそ1/4程度。スライダーも18.6%と一定以上の割合で投じており、当時から基本的に3つの球種だけで投球を組み立てていたことが分かる。

2020年もストレートの割合が全体の半分以上を占めており、フォークの割合も前年とほぼ同じ。スライダーの割合が全体の1/5にあたる20%を上回った点と、カットボールが結果球として残っている点が、前年からの主要な変化といえよう。2019年と2020年は似たような配球の傾向を示していたが、2023年は上記の2シーズンはいずれも5割を超えていた速球の割合が42.4%まで減少。その一方で、フォークの割合が44.7%と速球よりも大きい割合まで増加している。

また、スライダーも12.9%まで低下し、カットボールも再びグラフから姿を消した。これらの数字を考えても、今季は従来の速球を中心に組み立てる投球から、フォークを投球の軸とするスタイルに転換していることが分かる。

その理由の1つとして考えられるのが、今季の球種別被打率だ。速球の被打率.292に対して、フォークの被打率は.161。より痛打される可能性が低いボールを決め球として使うケースを増やしたことは、理に適った判断と言える。このモデルチェンジが、今季の好投を支える要素の1つとなっている可能性はありそうだ。

◇今季は速球の割合が42.4%まで減少、フォークの44.7%が上回る

最後に、結果球の投球コースを確認していきたい。2019年はストライクゾーン内でのバラつきが比較的少なく、ボールゾーン低めに落とす球も一定以上の割合で存在。その中でも、ストライクゾーンの真ん中から右上のゾーンがやや多くなっており、特に真ん中右のコースは59個と、極端に多くなっていた。

2020年は前年も多かったストライクゾーン真ん中右のコースに加え、ど真ん中と左上の割合も増加。全体的に真ん中から高めのゾーンにボールが行くケースが増えており、投手にとっては危険な兆候を示していた。2023年は高めに行く割合が減少し、真ん中から低めの高さに投じられる割合が増えている。こうした傾向の変化が、各種の指標にも示されていた制球力の向上と、痛打を浴びるケースの減少にもつながっていると考えられる。

また、ボールゾーンに落ちる球の割合がこれまで以上に多くなっており、三振を取るために投じられるフォークが適切に制球されていることが分かる。フォークの被打率が低く、決め球として多くの三振を奪えている理由が、この数字からもうかがえよう。

持ち味である高い奪三振率はそのままに、課題だった制球力が登板を重ねるごとに向上。フォークの割合を増やしたことによって安定感が増した点を含め、種市は故障する前の自身を上回るような、完成度の高い投手へと成長を遂げつつある。ファンが待ち望んだ完全復活によって、佐々木朗希投手と共に奪三振の山を築く若きコンビが確立されるかもしれない。抜群のポテンシャルを備えた大器が、大ケガを乗り越えてついに完全開花を遂げるか。若き剛腕が繰り広げる奪三振ショーに、これからぜひ注目してみてはいかがだろうか。

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