戦国の交流戦を制するのはどこだ−。「日本生命セ・パ交流戦」は13日から最終局面を迎える。
今年は大混戦で全12チームにまだ優勝の可能性が残されている異例の展開。“下克上”を代名詞とするロッテは借金4で一時最下位に沈んでいたが、史上初の大逆転Vへ吉井理人監督(58)がマジックの種明かしを封印した。
“マジシャン吉井”が種明かしを止めた。ロッテ吉井理人監督は、4日に登録抹消された種市篤暉投手の復帰登板について聞かれ、ニヤリと笑った。「(交流戦開幕カードの)巨人戦で全部先発を言ってうまくいかなかったので、今回は内緒で」。
最短で14日の中日戦から登板可能だが、手の内は隠した。先月30日からの巨人3連戦は1勝2敗。交流戦のスタートダッシュには失敗した。いつもは「あ、また言っちゃったあ」と苦笑いしながらズバリ明言するのが吉井流。明かさなかったのは“種”市だけになのか…。
交流戦で逆転Vを決めれば、史上最高のマジックとなる。過去の交流戦で借金3以上を抱えたチームで優勝したケースはない。ロッテは6日のヤクルト戦で借金4までふくれたが、巻き返して勝率5割目前。首位巨人、DeNAは貯金2と背中は遠くない。10年にシーズン3位から日本一になったが、交流戦でも下克上アゲインを狙う。
13日の中日戦初戦は小島が予告先発。3戦目は美馬が予想される。オープン戦では小島、種市、美馬のローテ順で3連敗を喫した。同じバンテリンドームで同じ先発3枚でリベンジを期す可能性もある。
指揮官は同じく14日から1軍復帰が可能な沢村についても、口を閉ざした。「沢村も順調に調整が進んでいる。(9連戦を終えて)見ていてもブルペンは結構しんどそうだったので、考えていかなきゃいけないなと。まだ、どういう方法でというのは思いついていないんですけれど、ブルペンもしっかり回復させてあげたいなと思っています」。具体策には言及せず。17年ぶり3度目の交流戦優勝の「種明かし」に期待したい。
過去17開催で、下位に沈んだチームの大逆転優勝(または最高勝率)は1度もない。Vチームが途中で最も負け越したのは06年ロッテと13年ソフトバンクの借金2。Vチームが開幕後に長く借金を抱えた例も05年ロッテ(36試合制の9試合目)、13年ソフトバンク(24試合制の9試合目)だけで、10試合経過後の借金チームからVはない。15年から18試合制に短縮され、挽回が難しくなった。今季のロッテは一時1勝5敗1分けの借金4、現在5勝6敗1分けの借金1。ここからまくれば史上最大の逆転Vとなる。
勝率1位を優勝とし、賞金3000万円。同率で並んだ場合は
を比較。22日までに全日程が終了しない場合、その時点で決める。この場合は15試合以上を消化し、勝率5割以上が条件。14試合以下でも未消化分を敗戦として計算し、勝率1位なら優勝となる。
ロッテ沢村拓一投手(35)が12日、自身のインスタグラムを更新し、新ヘアスタイルを披露した。
「バッサリ」の言葉とともに、金髪ショートでおさまった写真を投稿。ツインズ前田健太も「めっちゃ似合ってる」と反応した。沢村はレッドソックスで同僚だったエンリケ・ヘルナンデスの動画も投稿した。
沢村は1日にトレードマークだった長髪を短く切って「格好いいでしょ」と登場し、周囲を驚かせた。翌2日には「スポーツ刈り」などの報道を否定し、イメージを「(サッカー元スペイン代表DF)セルヒオラモスです」と明かしたばかり。7日にはさらに髪を短くカットし、黒髪も金色に染めてグラウンドに姿を現していた。
インスタグラムのフォロワーからは「関口メンディーくんかと思った」「雰囲気変わった」「ロン毛もどちらもクール」などの声が寄せられた。
ロッテ小島和哉投手(26)が13日の中日戦(バンテリンドーム)に先発する。
小島は今季ここまで9試合に先発して5勝1敗、防御率2.50と安定した投球を続けている。だが前回5日の阪神戦(甲子園)は、大山に3ランを被弾するなど5回8安打6失点(自責5)と振るわず。試合は延長12回までもつれ、7人のリリーフを投入した上に引き分けとなった。
「甲子園での前回登板はふがいない内容となってしまい、中継ぎ陣に多大な迷惑を掛けてしまいました。その反省を胸に刻みながらこの1週間、しっかりとした準備をしてきましたので、あとはチームの勝利につながる結果を出せるように頑張りたいと思います」と意気込んだ。
中日との交流戦登板はプロ入り後、初となる。ここまで9試合で1勝6敗、防御率2.47の高橋宏斗(20)と投げ合う。
ロッテは7月17日の楽天戦(ZOZOマリン)に、K−POPの6人組ガールズグループ「STAYC」が来場すると12日、発表した。
同日は21年から続く夏のイベント「BLACK SUMMER WEEK supported by クーリッシュ」を開催。STAYCは試合前ライブやセレモニアルピッチでイベントを盛り上げる。
メンバーのISAは「日本で初めて始球式をさせていただきます。たくさん練習して一生懸命投げるので、楽しみにしててください!」とコメントした。
NPBエンタープライズは12日、3月のWBCで優勝した侍ジャパンの密着ドキュメンタリー映画「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」の上映期間が、29日まで1週間、延長されると発表した。上映劇場も全国で83館、追加される。
同作は、侍ジャパンの選手選考から優勝まで密着。4日に都内で舞台あいさつを行った前監督の栗山英樹氏(62)は「僕も映画を見て、思い出します。いろんな思いが込み上げる。なぜ、あんなに侍達が頑張れたのか。楽しんでもらえたらと思います」と話していた。
昨季パ・リーグ5位のロッテは開幕前の下馬評を覆して首位に立つ。先発ローテーションの一角として、チームの躍進を支える今季6勝の西野勇士投手(32)と同3勝の種市篤暉投手(24)が対談した。2020年に右肘の内側側副靱帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けた2人が、復帰に向けた苦労や現在の心境などを語り合った。
正式名称は側副靱帯再建術。損傷した肘の靱帯を切除し、他の部位から正常な腱を移植する手術。投手の場合は復帰まで1年以上を要する。1970年代にフランク・ジョーブ博士(故人)が考案。ドジャースの投手だったトミー・ジョンが74年に初めて受けたことから「トミー・ジョン手術」と呼ばれる。日本選手では、83年に村田兆治、95年に桑田真澄、2015年にダルビッシュ有、18年に大谷翔平らがメスを入れた。
右肘の負担を考慮され、4日に出場選手登録を外れた種市は13日からの中日3連戦(バンテリンドーム)で、西野は16日からのDeNA3連戦(横浜)で先発する見込み。
対談中、2人に右肘に残る手術痕を見せてもらった。トミー・ジョン手術を受けた選手の手術痕を実際に見るのは初めて。12〜13センチの痕を見て、思わず「こんなに長いんですね」と声が出てしまった。すると種市は「これ、短い方なんですよ」と教えてくれた。
種市は3月のWBC強化試合に侍ジャパンのサポートメンバーとして参加しており「(2018年にトミー・ジョン手術を受けた)大谷翔平さんとか、めっちゃ長いです。倍くらいはあります」と明かした。
復帰への苦労を身をもって知っているからこそ、西野は8歳下の種市に対し「応援している」という言葉をよく使う。リハビリ期間を振り返り、種市は「いい人生経験ができた。今後はリハビリをしている選手に声をかけた方がいいなと思うようになった」と話す。
苦労話を笑顔で語らう2人を見て思った。右肘に残る手術の痕は苦い記憶だけでなく、互いに支え合い、切磋琢磨してきた時間を呼び起こさせてくれるのだろう。
ロッテの左腕、小島和哉投手(26)が6勝目を懸けて13日の中日戦(バンテリンドーム)に先発する。プロ入り後初めて甲子園で登板した前回5日の阪神戦は5回6失点。延長12回の末に引き分けて勝敗こそつかなかったが、悔しいマウンドとなり「中継ぎ陣に多大な迷惑をかけてしまった。その反省を胸に刻みながらこの1週間準備してきた」と気合十分。リベンジを誓い「チームの勝利につながる結果を出せるように頑張りたい」と力を込めた。
ロッテは12日、7月17日の楽天戦(ZOZOマリンスタジアム、午後5時開始)にK−POP第4世代人気ガールズグループ「STAYC」が来場することを発表した。
同戦では2021年から続く夏のスペシャルイベント「BLACK SUMMER WEEK supported by クーリッシュ」を開催。STAYCのメンバーは、試合前のライブパフォーマンスや午後4時45分頃から予定されているセレモニアルピッチに出演し、イベントを盛り上げる。
STAYCのISAは「日本で初めて始球式をさせていただきます。たくさん練習して一生懸命投げるので、楽しみにしててください!」とコメントした。
NPBエンタープライズは12日、3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で優勝した日本代表「侍ジャパン」に密着したドキュメンタリー映画の上映期間を29日まで延長すると発表した。当初は2日から3週間限定公開だった。
ロッテの公式マスコット「マーくん」が、残り4試合で主催2000試合出場を迎える。
マーくんは12日、自身のツイッターを更新。「ボク事で恐縮ですがお知らせがあります。1993年から積み重ねてきた主催2000試合出場まで残り4試合になりました!!これからもよろしくお願いします」と書き込んだ。
現時点では30日の楽天戦で節目の記録達成となる。
マスコット界では、ヤクルトのつば九郎が昨年8月5日の巨人戦(神宮)で主催2000試合出場を達成している。
ロッテの小島和哉投手(26)が13日の中日戦(バンテリンドーム)に先発することが発表された。中日は高橋宏斗投手(20)が先発する。
小島は今季9試合に先発して5勝1敗、防御率2.50。ただ、5日の阪神戦(甲子園)では5回を8安打6失点(自責5)と打ち込まれた。左腕は「甲子園での前回登板は不甲斐ない内容となってしまい、中継ぎ陣に多大な迷惑をかけてしまいました。その反省を胸に刻みながらこの1週間、しっかりとした準備をしてきましたので、あとはチームの勝利につながる結果を出せるように頑張りたいと思います」とコメントした。
対する高橋宏は先発予定だった11日の楽天戦(楽天モバイル)が雨天中止となり、初のスライド登板となる。侍ジャパンに選出された右腕は今季9試合に登板して1勝6敗と勝ちに恵まれていないが、防御率2.47と安定した投球を続けている。
NPBエンタープライズは12日、侍ジャパン世界一への軌跡を振り返る完全密着ドキュメンタリー映画「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」が、6月29日までの1週間の上映期間の延長と、全国83館の追加上映が決まったと発表した。当初は3週間限定での公開予定だった。
タイトルは米国との決勝前のミーティングでエンゼルス・大谷が話した言葉「今日だけは憧れるのをやめましょう」から。栗山監督は「この映画が次の世代に伝わる日本球界の歴史の一ページとなることを願います」とコメントしている。
ロッテは7月17日の楽天戦(ZOZOマリンスタジアム、17時試合開始)にK−POP第4世代人気ガールズグループ「STAYC(ステイシー)」が来場すると発表した。当日は2021年から続く夏のスペシャルイベント「BLACK SUMMER WEEK supported by クーリッシュ」が開催され、STAYCのメンバーは、その盛り上げとして試合前のライブパフォーマンスやセレモニアルピッチに出演して試合を盛り上げる。
メンバーのISA(アイサ)は「日本で初めて始球式をさせていただきます。たくさん練習して一生懸命投げるので、楽しみにしててください!」と球団を通じてコメントを寄せた。
STAYCは2020年に結成された6人組ガールズグループで、「Teddy Bear」は韓国でスマッシュヒットを記録し、歌謡番組にて軒並み1位を獲得。「KCON JAPAN 2023」にも出演し、韓国でのファンミーティング開催を経て日本で初となる「2023 STAYC FANMEETING “SWITH Gelato Factory” in Japan」を7月13日に大阪 Zepp Namba、同15日神奈川 KT Zepp Yokohamaで開催する。
ロッテの沢村拓一投手が12日、自身のインスタグラムを更新し、“金髪”ショートの新ヘアスタイルを披露した。
6月に入りトレードマークの長髪をばっさりバズカットにした沢村。この日は「バッサリ」と記し、ライオンとはさみの絵文字で、“金髪”姿をお披露目。この投稿には、元同僚でレッドソックスのヘルナンデス内野手が「サワ、僕の髪はどうだい?君の写真見たよ。めっちゃいいじゃん!セクシー」と動画をアップ。ツインズ・前田健太投手も「めっちゃ似合ってる」と反応した。
フォロワーからは「似合う」「短髪かっこいい」「新鮮です」「関口メンディーくんかと思ってしまった」「ベストコンディションで幕張に戻ってきてください」などの声が上がっている。
ロッテは12日、7月17日の楽天戦(ZOZOマリン)にK−POP第4世代人気ガールズグループ「STAYC」が来場することを発表した。
同戦は、2021年から続く夏のスペシャルイベント「BLACK SUMMER WEEK supported by クーリッシュ」を開催。STAYCのメンバーは、その盛り上げとして試合前のライブパフォーマンスやセレモニアルピッチに出演し、試合を盛り上げる。
STAYCのISAは「日本で初めて始球式をさせていただきます。たくさん練習して一生懸命投げるので、楽しみにしててください!」とコメントした。
ロッテ・吉井監督が12日、13日からの先発ローテについて「ジャイアンツ戦で全部先発言ってうまくいかなかったので、内緒で…」と話した。巨人戦から先発を公開し開幕から2カード連続負け越し。新たな作戦として先発は非公開で、中日戦に臨む。
ただ、3日・阪神戦で先発した種市が、右肘のトミー・ジョン手術明けであることを考慮され登録抹消されていたが、中日戦で復帰する模様。13日からは小島、種市、美馬のローテを組むと予想される。
現在チームは交流戦5勝6敗1分けだが、連日の選手の奮闘に指揮官は「よく頑張ってくれている」。広島戦2戦目はサヨナラ勝ち。3戦目は佐々木朗の好投で勝利し、2カード連続の勝ち越しを決めた。この調子で上昇気流に乗る。
NPBエンタープライズは12日、3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で優勝した日本代表「侍ジャパン」に密着したドキュメンタリー映画の上映期間を、29日まで延長すると発表した。
当初は2日から3週間限定公開だった。また、上映館の追加も決まった。詳細は「野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト」で。
ロッテは12日、7月17日の楽天戦(ZOZOマリンスタジアム)にK−POP第四世代人気ガールズグループSTAYCが来場すると発表した。
同日は2021年から続く夏のスペシャルイベント「BLACK SUMMER WEEK supported by クーリッシュ」を開催。STAYCのメンバーは、その盛り上げ役として試合前のライブパフォーマンスやセレモニアルピッチに出演する。
STAYCのコメントは以下の通り。
「日本で初めて始球式をさせていただきます。たくさん練習して一生懸命投げるので、楽しみにしててください!」。
ロッテの沢村拓一投手が12日、自身のインスタグラムを更新。新たなヘアスタイルを公開した。
「バッサリ」と題し、銀髪の丸刈り風に整えた沢村。さわやかさがにじみ出るヘアスタイルにファンは「えっ」「気絶してしまった」と衝撃を受けた様子だ。「ロン毛もよかったけど、これもすごい似合ってますね」「かっこいい」「お似合いですー」と称賛コメントも相次いだ。
沢村は今季の開幕時は黒髪ロン毛で迎え、登板時はゴムでくくった「お団子スタイル」でマウンドに上がっていた。だが今月1日に「かっこいいでしょ」とさっぱりしたスポーツ刈りで登場。そこからさらに刈り込んだヘアスタイルで復調を目指していく。
日本野球機構(NPB)は12日、『マイナビオールスターゲーム2023』の出場選手を決めるファン投票の中間結果を発表した。
12日の中間発表ではセ・リーグ首位を走る阪神の選手が先発投手(村上頌樹)、中継投手(岩崎優)、抑え投手(湯浅京己)、一塁手(大山悠輔)、二塁手+中野拓夢)、三塁手(佐藤輝明)、遊撃手(木浪聖也)、外野手(近本光司)と捕手部門以外は全てトップだ。一方で、パ・リーグ首位のロッテはというと、部門別のトップは先発投手の佐々木朗希1人だ。ロッテは、“投手力を中心にした守り勝つ野球”、“1つ先の塁を狙った走塁”、“送りバントでチャンスを広げ1本の安打で得点を奪う”など、“全員野球”で勝ちを拾っていくチーム。どうしてもマリーンズの選手達の魅力が伝わりにくいのかもしれない。
ここでは何人かの選手達を紹介していきたい。投手陣はファン投票で先発、中継、抑えの部門で1人ずつの選出だが、上位をロッテの選手達で独占してもおかしくないくらいの成績を残している。佐々木朗希が先発投手部門トップだが、西野勇士は現在リーグトップタイの6勝。「僕の中での先発の理想像があって、それはとにかくカウント、テンポ、そういうところを、もちろんランナーが出たらテンポというところの話は変わってくるかもしれないですけど、過程というか、試合の作り方はある程度理想がありますね」と、ストライク先行でリズムよく抑えることを心がけ投げている。
「シンカーもすごい持ち味だと思っていますし、そこでファウルでカウントを作ってチェンジアップで空振りをとってというのが投球スタイル」と話すペルドモは、中継投手のランキング外だが、リーグ最多の21ホールドをマーク。「メジャーだと走って行くのが普通なので、そのルーティンを崩さずにやっているだけです」と、本拠地・ZOZOマリンスタジアムではリリーフカーに乗らず、ライトポール際から走ってマウンドに上がる。
リーグトップの16セーブをマークする益田直也は、今季セーブ失敗は1度もなく、4月23日のソフトバンク戦から6月5日の阪神戦にかけて15試合連続無失点に抑えるなど、その安定感は抜群だ。19年オフには当時3年連続Bクラスだったチームだが、益田は「家族と同じくらい好き」と、国内FA権を行使せず残留を決断した漢気溢れる投手だ。
その他の投手陣では、リーグ3位タイの5勝を挙げる小島は、1年目から自身の課題点をしっかりと見つめ修正し、コツコツと積み上げていくタイプの選手。リーグ3位の65奪三振の種市篤暉は、試合中にもイニング間のキャッチボールでフォークの握りを変えたり、テイクバックがスムーズにいくとの理由で、4月30日のオリックス戦の0−1の2回1死二、三塁で紅林弘太郎を迎えたところからグローブの使い方を変えるなど、24時間365日野球のことを考えられる選手。開幕前に日本ハムからトレードで加入した西村天裕は青柳晃洋(阪神)と行った自主トレで、「三振狙いにいって力んでフルカウントになって自分で苦しくなるんだったら、簡単にアウトを1個ずつ取っていって簡単に終わった方がいいよね」という話になり、今季から少ない球数で打ち取っていくスタイルに変更し、開幕から21試合連続無失点に抑えるなど、ここまで22試合に登板して防御率0.82だ。
野手陣は絶対的なレギュラーと言われるとキャプテンの中村奨吾に、中村とともに規定打席に到達している安田尚憲のみという状況だが、佐藤都志也は12球団トップの盗塁阻止率.667、山口航輝は現在交流戦4カード連続本塁打中で、14打点は交流戦12球団トップの成績を残す。規定打席に届いていないが、池田来翔は打率.333、藤原恭大が打率.292、茶谷健太が打率.289、藤岡裕大も打率.286、友杉篤輝も打率.282と、3割打者が1人のパ・リーグにおいて、3割付近の打率を残している選手が数多くいる。
選手達もオールスターへ意欲を示す。オールスターへの想いについて聞くと、小島は「出たいですけど、成績がちょっと怪しいので目の前の試合をしっかり1試合、1試合抑えていきたい」と話せば、安田も「もちろん出られればとても光栄なことですし、今はできることをしっかり1個ずつやっていけたらなと思います」と話す。種市は「学生の頃、3年連続でオールスターを見ていたので、個人的にも出たいです!」と力強く話した。
ロッテというチームが首位であることを考えれば、監督選抜で多くの選手がオールスターに選出されそうだが、せっかくならばファン投票で1人でも多くの選手が選ばれて欲しい。
※今年のオールスターは、7月19日の第1戦がバンテリンドーム、翌20日の第2戦がマツダスタジアムで開催予定。5月19日から始まったパソコン、スマートフォンによるWeb投票、公式投票用紙による投票、郵便はがきによる投票は6月18日まで。6月28日16時に最終結果が発表され、7月5日16時に監督選抜を含むメンバーが発表される。
「最悪っす。最悪」。ロッテの22歳・山口航輝外野手は、シーズン序盤の2ヶ月を終え、自分自身に厳しい言葉をかける。「全てにおいてダメですね」。今季は大きな期待と、自信を持って迎えたシーズン。その出だしは、誰が見ても納得いくようなものではなかった。
昨季はチーム最多の16本塁打を記録。ただ、昨春のオープン戦は思うようにいかず、開幕スタメンを逃していた。「去年はオープン戦で結果が残せなくて、開幕スタメンじゃなかったので、今年は序盤からやってやろうという気持ちがありました」。
練習試合とオープン戦で計7本塁打を記録し、今季は開幕から本塁打を量産するはずだった。オープン戦後半から自打球の影響もあり、快音が止んでしまった。ソフトバンクとの開幕2戦では、7打数無安打。打球が1度も前に飛ばず、6つの空振り三振を喫した。試合後にはベンチで1人うな垂れ、涙をぬぐった。「どうしたらええんやろうって、しんどかったですね…」。昨季を経て、相手も攻め方を変えてくる。昨季を超える成績を残そうとする焦りも、打撃のズレを生んでいた。
開幕3戦目では2安打を放ち、その後は4番で起用され続けるも、なかなか調子が上がってこない。一方で、チームは好調で首位を争っていた。「打順はあまり気にしてないですけど、チャンスで1本出なかったり、自分が打てば勝てる試合もあった」と唇を噛む。
4月8日の試合を終えて打率.280も、その後は下降する一方。球場のビジョンには、選手名の横には打撃成績が表示される。自分の名前の横には、見たくもない数字が並んでいた。「バックスクリーンとか見ても、自分のモチベーションを上げていくところがない。打率、HR、打点、どれもが低いので、自分を高めていける物がない。落ち込むというか、気持ちの持ちようが難しい」。メンタル的にも、悪循環に陥っていた。
4月25日の本拠地・西武戦では、3点ビハインドの9回に増田から左翼スタンドへ今季1号を放った。豪快に引っ張り、高々と舞い上がったらしい一発。80打席目にしてようやく生まれたアーチだったが、嬉しさは微塵もなかった。
ガッツポーズもなくダイヤモンドを淡々と1周し、ベンチのチームメートとのハイタッチを終えても、口角は上がらなかった。「あんなに嬉しくないホームラン初めてです。何にも嬉しくなかった。それまでが酷すぎたので」。30本塁打を掲げながら、4月下旬にやっと1本目。自分自身へのイラ立ちの方が大きかった。
追い打ちをかけるように、28日の試合で左太ももを負傷。翌29日に出場選手登録を抹消になる。それから2週間は、リハビリのため満足にバットを振り込めない日も続いた。午前中に調整を終え、午後は帰宅して1軍の中継を見る日々。「試合はしっかり見てました。自分は何してるんやろうなって。自分がいなくてもチームは勝ってたので、複雑でしたね」と苦笑いする。
ファームでは、サブロー2軍監督から「もっと振り回せ」とのアドバイスも受けた。「ボールを見てしまうと後手後手にまわってしまので、自分から仕掛けるようにして、いい感じでファームで打てるようになりました。上がってきてからもちょっとはいい感じになっているかなと思う」。空振りしようとも、初球から自分のスイングをかけていく“荒々しさ”を徐々に取り戻してきた。
復帰後は、13試合で4本塁打と状態は上向き。11日の広島戦(ZOZOマリン)では先制の5号満塁弾を放って勝利に貢献するなど、存在感を発揮している。「試合には出してもらっているので最低限のことはやらないといけないですし、高い数字を見ても、ここまで来たらしょうがないと思っているので、あまり先を見過ぎず、毎日コツコツやっていきたい」と前を向く。
昨季の爆発を経て、マークが厳しくなるのは真の強打者に成長するための壁とも言える。今季は自身の応援歌も作成されるなど、ファンからの注目度も高い。打率が低くても、期待したくなる魅力がある。残るシーズン4ヶ月、必死にもがき続ける。
ロッテの佐々木朗希投手に、前DeNA監督のアレックス・ラミレス氏が太鼓判を押した。11日に本拠地での広島戦に先発し、7回109球5安打2失点の好投で今季5勝目をマーク。5回には自身2度目となる日本人投手最速タイの165キロを計測した。自身のツイッターに「初の3億ドル(約418億円)契約を得る!」と投稿した。
ラミレス氏はメジャーでは3年間プレー、日本では通算2000安打を達成し、監督を5年間に渡って務めるなど日米の野球に精通している。「ここMLBで、2年後にNPB選手としては初の3億ドル契約を得る!ロウキ・ササキは、投手としてはショウへイ・オオタニよりさらにいいと見なされるかもしれない」と、その凄さを表現した。
佐々木朗は今季ここまで8試合に先発し、5勝1敗、防御率1.41の好成績を残している。規定投球回に到達していないにもかかわらず、79奪三振は2位に13個の差をつけてリーグトップの数字だ。3月のワールド・ベースボール・クラシックでは準決勝のメキシコ戦に先発するなど世界一に貢献し、米国内での注目度も高まっている。
頼れるベテランとはこのような男の事を言うのであろう。6月10日のカープ戦(ZOZOマリンスタジアム)で存在感を見せつけたのが36歳の角中勝也外野手だ。昨年9月以来の本塁打を含む3安打3打点。チームをサヨナラ勝ちに導く活躍をみせた。
「(ホームランの打席は)打つ前は、スライダーが来たら引っ張って、チェンジアップなら反対方向にというイメージ。まあ別にホームランバッターではないので、逆にその後の打席に気を付けた。どうしてもホームラン打った後は、引っ張りにかかって、状態が悪くなる選手って、たくさんいるので。その辺を気を付けました」。
試合後、本塁打についてメディアから聞かれた角中はサラッとそのように言ってのけた。それは首位打者を2度、獲得したことのあるベテランらしい含蓄のあるコメントだった。
今年はスタメン出場もあれば、終盤での代打出場もある。その中でチームの勝利のための打撃を模索する。ここぞの場面で力を発揮するために過去から溜めている引き出しが有効になる。この日の3安打は若き日に当時打撃コーチを務めていた金森栄治氏から教わったボディーターン打法を思い返し、原点回帰したことが功を奏したもの。大事にしている野球ノートに書いてあったことだ。
「プロ2年目ぐらいから思いついたらノートに色々と箇条書きをしてきた。同じような状況になった時にパッと思い返せるように。野球って結局は良くなって、悪くなっての繰り返しだから。人によっては配球とかもメモしている人はいるけど、自分はそうではなくてチェックポイント中心。自分の中の引き出しを増やそうと始めたこと」と角中。
プロ17年目、メモを書きためた野球ノートの存在が背番号「3」を支えている。そんな角中だが、今は趣味のゴルフのメモが増えていると笑う。
「ドライバーを打つ時の心構えとか。どうやって構えて、どういう姿勢で打つかとか。最近だとこっちのメモの方が余裕で多いっス(笑)」。
仕事も趣味も日ごろの準備を怠らない。そしてこの影の取り組みが大事な時に生きている。努力の男らしいエピソードである。
これで交流戦は通算602打数203安打の打率3割3分7厘。マリーンズの誇る交流戦男の存在はここまで5勝6敗1分けとセ・リーグ相手に苦戦しているチームにあって頼もしい限りだ。
そんな存在感たっぷりのベテランが夢見るのはリーグ優勝。「シーズンにおいての個人目標はない。優勝だけ」と断言する。だからチームの優勝のために献身的な日々を過ごす。
「だって優勝旅行に行きたいじゃないですか。みんなで。憧れがある。楽しそうじゃないですか」と目を輝かせながらも「ちなみに、もうすでに12月の2週目はゴルフのコンペの予定があるので、日程的にそこだけは勘弁して欲しいです」とニヤリ。絶妙なジョークもまたこの男の魅力である。交流戦も残すところ2カード。名古屋、横浜と続く。背番号「3」から目が離せない。