ロッテが逆転で5連勝。1−2の8回にポランコが逆転の2点二塁打を放った。種市が7回2失点にまとめて6勝目、4年目の横山がプロ初セーブを挙げた。日本ハムは4番手の池田が崩れて逃げ切れず、4連敗で5位に後退した。
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千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 3 |
北海道日本ハム | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
ロッテ高卒4年目サイド右腕の横山陸人投手(21)がプロ初セーブを挙げた。
横山は「2つの顔を持つ」。1つはグラウンド上での一面だ。肝が据わった「打てるもんなら打ってみろ」と強気な投球が持ち味だ。意識も高く、最近は野菜を取るようになった。お酒を飲む姿を見ることは少なくなったという。
もう1つの顔はマウンド上とは正反対だ。試合以外では淡々として笑顔を絶やさない。高校時代3年間バッテリーを組んだ戦友にも感情を表に出した姿は見せたことはない。横山を育てた母校・専大松戸の持丸修一監督(75)のもとにはオフの期間に2、3回はグラウンドに顔を出し、恩師への感謝を忘れない。「野球の話をすることは少ないけど、色んな報告をしてくれる」と教え子の訪問を喜んでいる。
勉強はあまり得意ではなかったのか?「最下位争いをしていた」という証言もある。完璧に見える横山も苦手なことはあるようだ。[星夏穂(専大松戸で2学年上のマネジャー)]
ロッテ高卒4年目サイド右腕の横山陸人投手(21)がプロ初セーブを挙げた。
3−2の9回に登板し、先制打の日本ハム万波らを150キロ超の直球とカットボールなどで3者凡退。「ちゃんと歩けているか分からないくらい緊張していた。マウンドで足を上げたら膝が震えていた」。打者が立ったら開き直れ、持ち味が出せたのは交流戦ごろから。同点やリード場面も任された経験が実った。「セーブの記録が1つ残ったことは嬉しい。積み上げていきたい」。仲間に祝福され記念球を受け取ると、表情が一気に笑顔に変わった。
師と仰ぐのは自主トレをともにする守護神益田だ。この日は益田とペルドモがブルペンにはいたが休養日。「益田さんから『お前が9回いくよ』と言われて緊張もしたけれど覚悟を決めました」。益田イズムを身近で感じ、たたきこんでもらい、打たれた時は試合後の焼き肉で心を癒してくれる偉大な存在でもある。
「力強いボールが投げられるようになったのは今冬の自主トレのおかげ。とにかく走って、走って、走って。めちゃくちゃ辛かったけれど、あれだけやったから今がある」。球速も1年で約5キロアップ。6月15日の中日戦では同点の延長12回に登板し、自己最速155キロで0封したことも自信を得た1試合だ。「いつかは追い越すとは言い過ぎかもしれないですけれど、追いつけるように。セーブシチュエーションに割って入れるように」。
次の目標にドラフト同期の佐々木朗との勝利リレーもある。「いつかは朗希のあとを自分が投げて、抑えたい」。“益田2世”襲名へ、まだまだ修行は続く。
ロッテ種市篤暉投手がトミー・ジョン手術後最長となる7回123球を投げ、7安打2失点で6勝目。チームを5連勝に導いた。
「前から長いイニングを投げたいと首脳陣に言っていたので(7回のマウンドに)上げてくれて感謝したいですし、球数もあれくらい投げられて自信になりました」。キレのある直球に加え、好調だったスライダーも決め球に、6回は見逃しで3奪三振。7回は空振りで3奪三振。計12個の三振を重ね、リーグトップ佐々木朗の107に次ぐ、101奪三振。吉井監督も「あいつはもっとすごいです。故障前には戻っていない。もっと強くなる」とさらなる期待を寄せた。
ロッテが4日西武戦から5試合連続で1点差勝利。オール1点差の5連勝はプロ野球最長タイとなった。
過去は57年中日、71年ヤクルト、99年ダイエー、07年阪神が記録しており、16年ぶり5度目。ロッテでは球団史上初めて。
ロッテの石川慎吾外野手(30)が、巨人から移籍後5試合目となった日本ハム戦に「7番右翼」で初スタメンし、第1打席でいきなり中越え二塁打を放った。日本ハム2番手左腕・上原の1−1からの121キロチェンジアップを捉え、初の長打となった。
石川は3日に小沼健太投手とのトレードで加入。4日からチームに合流し、1軍登録された。6日の西武戦(東京ドーム)で代打で初出場し、中前に初安打。8日の日本ハム戦でも代打で登場し、中前に初打点を挙げ、決勝打でヒーローとなった。これで移籍後3打席でいずれも安打を放ち、3打数3安打となった。
ロッテは、7月15日の楽天戦(午後6時開始、ZOZOマリン)から「BLACK SUMMER WEEK」期間限定で特別メニューを販売すると9日、発表した。グルメメニュー18種類ラインナップされる。
「BLACK SUMMER WEEK」期間限定で特別メニュー以下の通り。
金額は全て税込み。
ロッテの石川慎吾外野手(30)が、巨人から移籍後5試合目となった日本ハム戦に「7番右翼」で初スタメンすることが発表された。三塁側スタンドで声援を送るロッテファンからもどよめきが起き、「シンゴ」コールも響いた。
石川は3日に小沼健太投手とのトレードが成立し、4日からチームに合流し、1軍登録された。6日の西武戦(東京ドーム)で代打で初出場し、中前に初安打。8日の日本ハム戦でも代打で登場し、中前に初打点を挙げ、決勝打を放った。
パ・リーグ3位のロッテが日本ハムに3−2で逆転勝利。先発の種市篤暉投手(24)は、今季最多の12三振を奪い、7回2失点で6勝目(3敗)を挙げた。4年目の横山陸人投手(21)がプロ初セーブ。5連勝を飾り、2位・ソフトバンクに0.5ゲーム差に迫った。
9回2死、3番手の横山が打者を中飛に打ち取り、1点差を守り切った。4年目でプロ初セーブを挙げた右腕は「開き直れて自分の球が投げられたのでよかった。とにかくほっとしています」と安堵の表情を浮かべた。チームは今季3度目の5連勝をマーク。現役時代に日米通算121勝を挙げた吉井監督は投手陣をたたえた。
「打線が大爆発を期待できるチームではない。投手が粘っていく我慢の試合が続く。しっかり投げ切ってくれました」。
先発の種市は7回2失点。2試合連続のハイクオリティースタート(先発で7回以上、自責点2以下)で6勝目を挙げた。4、5回と1点ずつ失ったが、粘りの投球で2失点にまとめた。直球の最速は149キロ。フォークボールが得意だが、「スライダーがすごく良かったので、後半の決め球にもってきた」と123球を投げ、今季最多の12三振を奪った。奪三振数を101に伸ばし、チームメートの佐々木朗(107個)に次ぐ、リーグ2位。6、7回は全てのアウトを三振で奪い、「自信になった」とうなずいた。
打線は少ないチャンスをものにした。1−2の8回2死一、二塁で、4番のポランコが逆転の2点二塁打。痛烈なライナーで右中間を破り「期待に応えられるヒットを打てて嬉しい」と声を弾ませた。
接戦を制し、5連勝で2位・ソフトバンクに0.5ゲーム差に迫った。吉井監督は「これからは6連戦が続く。先発もリリーバーもコンディションを整えていって欲しい」と勝負の夏場を見据えた。
ロッテの種市が今季最多12三振を奪い、6勝目を挙げた。球威のある速球やスライダーが効果的で、7回2失点。8回に試合をひっくり返してチームの連勝は5に伸び、「粘り強く投げたのが逆転につながった」と笑みを浮かべた。
4、5回と1点ずつ失っても引きずらない。6、7回は全てのアウトを三振で奪った。味方打線の奮起を引き出し「できるだけ走者を出さないように、3人で終わらせるようにと意識して投げた。自信になった」と引き締まった表情で話した。
残像を利用した。1−2の7回2死一塁。ロッテ・種市は1−1から五十幡の膝元に139キロのフォークを落とした。ボールとなったが、4球目からは直球、スライダー、直球、直球でフルカウント。読み合いの8球目、フォークと同じ膝元への135キロのスライダーで空振り三振。12個目の三振に、右手をグッと握りしめた。
「後半は粘り強く投げることができた。逆転して欲しいっていう気持ちで投げました」。
直後の8回に味方が逆転。7回7安打2失点で今季6勝目を挙げた。12奪三振は19年8月11日の西武戦(ZOZOマリン)以来4年ぶり。チームメートの佐々木朗に続きリーグ2番目に3桁101奪三振に到達した。最速153キロの直球と最大の武器はフォーク。後輩の佐々木朗ほど落ち幅は大きくないが、カウント球、空振りを狙う球を絶妙の高さに投げ分けて三振の山を築いてきた。この日はフォークをマークした日本ハム打線の裏をかき、直球で6個、フォーク、スライダーで3個ずつの三振を奪った。
今季最多の123球の熱投。6回終了時点で103球も、吉井監督は続投させた。20年9月に右肘じん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)。故障した当時、投手コーチだった指揮官は自身の責任を痛感していた。完全復活を目指す今季は、慎重に球数を管理してきたが、リミットを解除。「まだ故障前の姿には戻っていない。もっと凄くなる」と期待した。
チームはプロ野球タイ記録の全て1点差の5連勝。「1番はロッテが優勝することだし、シーズン通して僕が結果を出すこと」。種市は18年ぶりの優勝へ、全力で腕を振り続ける。
ロッテが4日の西武戦から全て1点差で5連勝。全て1点差での5連勝は07年の阪神以来16年ぶりで57年の中日、71年のヤクルト、99年のダイエー、前記阪神に並ぶプロ野球最多。ロッテでは08年4月12日日本ハム戦〜同16日楽天戦など過去4度あった4連勝を上回る球団新記録となった。
ロッテの高卒4年目右腕の横山が、プロ初セーブをマークした。3−2の9回に登板。153キロの直球を主体に3者凡退に抑え「ホッとしました。ちゃんと歩けているか分からないぐらい緊張したけど、バッターが立ったら開き直って自分の投球ができた」と胸を張った。
佐々木朗が1位だった19年に専大松戸(千葉)からドラフト4位入団。吉井監督は「キャンプでも朗希に負けないぐらいの球を投げてたので、いずれ1軍のレギュラーになる投手だと思っていた」と話した。近い将来に同期リレーも期待される右腕は「そうなれるように頑張りたい」と力を込めた。
9回に安打が幻となる珍事があった。無死一塁からロッテの石川慎が中前打し一、二塁となったが、直前に三塁塁審がタイムをかけていたため石川慎は打席に戻された。
球審の真鍋が場内に「投球前にタイムがかかっていましたので、ボールデッドです。ということで、ランナー一塁で再開します」と説明。石川慎は次の球でバントを試みたが捕ゴロ併殺打となった。
ロッテの高卒4年目右腕・横山陸人投手(21)が9回を三者凡退でプロ初セーブを挙げた。
3−2と1点差のマウンド。「ちゃんと歩けてるか分からないくらい緊張した」と振り返ったが、「いざバッターが立ったら開き直れた」と万波を右飛、マルティネスを三ゴロ、石井を中飛に仕留めた。
5連勝のチームだが、全て1点差。この日は守護神・益田が連投を避けるため、横山に白羽の矢が立った。
ロッテの地元・千葉の専大松戸出身。甲子園を目指す母校の後輩にも弾みを付けた右腕は「ブルペンで益田さんに“お前が行け”と言われて覚悟を決めた」と白い歯をこぼした。
ロッテが4番・ポランコの逆転打で5連勝を飾った。
1点を追う8回2死一、二塁で、日本ハムの4番手・池田の149キロ直球を狙い澄ましたように右中間へ逆転の2点二塁打を運んだ。
先発の種市は7回7安打も12三振を奪う好投で2失点に抑え、6勝目を挙げた。
前日に決勝適時打を放った石川慎は巨人から移籍後、初スタメンで3回に中越え二塁打。元巨人の沢村も8回を三者凡退に抑えた。今季最多タイの貯金11となり、ネットでは「ポランコ最高だな」「ポランコ神」「慎吾ちゃんといいポランコといい何で巨人手放したん??」と歓喜に沸いた。
ロッテの石川慎吾外野手が3回の第1打席で移籍後3打席連続安打となる中越え二塁打を放った。
代わったばかりの元同僚左腕・上原のチェンジアップを捉え、移籍後初スタメンに抜擢した吉井監督の期待に応えた。
巨人からトレードで移籍した石川慎は代打で登場した6日の西武戦で初安打。8日の日本ハム戦では7回に代打で勝ち越し打となる中前適時打を放った。
ネットでは「石川慎吾移籍後3打数3安打すごっ」「ロッテに来てから乗ってるなー」「ロッテトレードの当選率高い!!」「巨人様アリガトね」の声があがった。
ロッテは7月15日の楽天戦(ZOZOマリンスタジアム、午後6時試合開始)から「BLACK SUMMER WEEK」期間限定で特別メニューを販売すると発表した。
「BLACK SUMMER WEEK」は2021年から続く、夏のスペシャルイベントで、ナインは「BLACK SUMMER ユニホーム」を着用して試合に臨む。特別メニューは「BLACK SUMMER WEEK」のキーカラーであるライトピンク、サンセットオレンジ、ピンク、アクアブルーの4色のグラデ―ションカラーをイメージし、BLACK SUMMERユニホームを着用した選手のプリントクッキーと1番上には桃の果肉もたっぷりとのったZOZOマリンスタジアムの熱い夏にぴったりなデザート「BSWシェイブアイス」など18種類ラインナップされる。
メニュー商品詳細は次の通り。
BSWザクロレモンサワー(幕張横丁):800円、BSW幕張サンセット(幕張横丁):600円、BSW黒蜜きな粉サンデー(幕張横丁):700円、BSWカシスオレンジソーダ※ノンアルコール(海の幸と大地の恵み かずさ家):550円、BSWスペシャルナチョス(海の幸と大地の恵み かずさ家):1,000円、BSWアイススリングショット(Bamboo forest):750円、BSW勝造風チキンオーバーライス(勝造):1,300円、BSW夏どっぐ(ストライク):450円、サッポロ エビス黒ビール(サッポロ立売※場内):800円、BSWピーチオンザピーチ(川島屋外周):800円、BSW果実を感じるサンセットアイスティー(ヒーローズ):600円、BSWグラデーションチーズかけソーセージ(Cluster):900円、ノンアルコールBSWカクテル(竹りん):650円、BSW黒胡麻坦々まぜ麺(田所商店):950円、BSWフルーツビネガー※マスカット(マリン食堂、M&K):750円、BSWかずちゃんの夏丼(ストライク):850円、BSWシェイブアイス(エスプライド※土日祝のみ営業):900円、BSWマンゴーベリーフローズン(Seaside RIE COFFEE):700円。価格は全て税込みとなっている。
北海道の太陽光を浴びながら好投したロッテの種市篤暉投手(24)が壁を乗り越えた。エスコンの屋根が開くルーフオープンゲームで7回7安打2失点、12奪三振で6勝目。今季通算奪三振数は101で同僚の佐々木朗の107に次いでリーグ2位、勝ち星は佐々木朗に並びチームトップに立った。
20年9月の右肘トミー・ジョン手術から復帰後最多となる123球の熱投だった。1点を追う6回を終えて103球。今季は3試合で109球を投げたが、そこからの壁は高かった。吉井監督らに球数などがかさんでも問題ないと伝えてきたが、首脳陣がストップ。従来なら7回から交代のパターンだったがこの日はゴーサインが出て「感謝しかないし自信になりました」と意気に感じて投球。8回の逆転を呼び込んだ。
指揮官は「投手コーチだった頃、130そこそこ投げさせて肘を壊させた経験があるので。そこは慎重に進めていきたいと思い、今まではやらなかった。これから6連戦が続く時期があるので、先発投手は120球くらい投げて欲しいと考えています」と説明。先の戦いを見据えて、球数制限を解除した。
120球以上投げられると結果で証明し、また階段を上った。佐々木朗との競争をあおる吉井監督は「安心感のある投手。もっとすごくなると思う」と大化けを予言した。全て1点差で5連勝し、11日から3連戦を戦う首位オリックスと1.5差。種市と佐々木朗の東北出身20代右腕が競うロッテの未来は明るい。
ロッテの石川慎吾外野手が“珍プレー”だ。「7番・右翼」で巨人から移籍後初めてスタメン出場。9回無死一塁で中前打を放ったが、直前にタイムがかかっていてボールデッドで無効となり、打ち直し。今度はバントを試みたが、捕手の前に転がり、併殺打となった。後続も倒れて、追加点の好機を逃した。
ロッテのグレゴリー・ポランコ外野手が9日、日本ハム戦に「4番・DH」で出場。1点を追う8回2死一、二塁で日本ハム・池田から右越えに逆転の2点二塁打を放った。
3打席目まで遊飛、右飛、三邪飛と無安打。結果を残せていなかっただけに、二塁上で喜びを爆発させた。1点リードで8回のマウンドには2番手の沢村が上がった。
ロッテの石川慎吾外野手が9日、日本ハム戦に「7番・右翼」で巨人からトレード移籍後初めて、スタメン出場。3回先頭で迎えた第1打席、中越え二塁打を放った。
6日の西武戦(東京D)で8回に代打出場し、移籍後初安打。8日の日本ハム戦(エスコン)は7回に代打出場し移籍後初適時打で初打点を挙げて初の勝利打点をマーク。移籍後は3打数3安打で打率10割と、驚異の「ダイナマイト・シンゴ」ぶりを発揮している。
ロッテは15日の楽天戦(ZOZO)から「BLACK SUMMER WEEK」期間限定で特別メニューを販売すると9日、発表した。
グルメメニューは「BLACK SUMMER WEEK」のキーカラーであるライトピンク、サンセットオレンジ、ピンク、アクアブルーの4色のグラデーションカラーをイメージし、選手のプリントクッキーと1番上には桃の果肉もたっぷりと乗った夏にぴったりなデザート「BSWシェイブアイス」など18種類。「BLACK SUMMER WEEK」は2021年から続く夏のスペシャルイベントで「BLACK SUMMER ユニホーム」を着用して試合に臨む。
ロッテ・種市篤暉投手(24)が今季最多12三振を奪い、6勝目を挙げた。球威のある速球やスライダーが効果的で、7回2失点。4、5回と1点ずつ失っても引きずらない。6、7回は全てのアウトを三振で奪った。
8回に試合をひっくり返してチームの連勝は5に伸び、「粘り強く投げたのが逆転につながった」と笑みを浮かべた。
接戦の中で、まさかの珍事があった。
9回のロッテの攻撃。無死一塁から石川慎がセンター前に運んで、一、二塁となったが、その後、ランナーは戻され、石川慎も再び打席へ。真鍋球審はマイクで「投球前にタイムがかかっていましたので、ボールデッドです。ということで、ランナー一塁で再開します」と説明。田中正の投球直前、三塁コーチャーからタイム要求があり、三塁塁審がタイムをかけていたが、詳細が分からず、ロッテファンからは大ブーイングが起こった。
石川慎は直後、送りバントを試みたが、併殺打に終わった。
「スライダーはよくなってきました。ゲームでもカウントでもフォークを意識しているバッターにスライダーを投げていたりしています」。
ロッテの種市篤暉は、スライダーに一定の手応えを掴んでいる。7月9日の日本ハム戦でも、カウント球にスライダーを投げたり、追い込んでからは1−2の6回1死二塁でマルティネスに135キロのスライダーで見逃し三振、1−2の7回1死一塁の場面では江越大賀を135キロ縦のスライダーで空振り三振、続く五十幡亮汰もインコースの135キロ縦のスライダーで空振り三振を奪った。7月6日の取材時点で追い込んでからは「縦スラしか投げていないです」と話していた縦に落ちるスライダーが、6回以降威力を誇った。
“スライダー”が良くなってきたと話す種市だが、春先はスライダーで悩んでいた。「スライダーは今シーズン、去年もずっと良くないので、今試行錯誤しています。データを見ながら、ブルペンもちゃんとトラックマン使って、握り1つ1つ確認しながら。結局は、打ち取れればいいんじゃないかなと思います」。(4月15日取材)
3月25日の中日とのオープン戦では、「あれは握りを変えていますけど、コントロールできていなかった。ただ単純に握りを変えただけです」と、0−0の初回無死走者なしで福元悠真に0ボール2ストライクからの3球目、0−0の初回2死走者なしで細川成也に1ボールからの2球目など、この日は横に曲がるスライダーではなく、カーブのような軌道のスライダーを多く投げていた。
また、種市は4月15日の取材で、「スライダーでカウントを取れないと長いイニングを投げられないというのは分かっている。そこが1番かなと思います。スライダーで三振が取れたら1番良いんですけど、決め球に使うほど、キレも変化球もないので、もうちょっと考えないと。2019年のスライダーが1番よかったんですけど、それよりもいいボールを投げられたらいいなと思っています」と試行錯誤。
4月27日に行った取材でも「また握りを変えようかなと思っています。意識も変えますけど、悪いことを続けていると意味がないなと思うので。ずっとスライダーが悪いですけど、どんどん変えていく気持ちで投げていけたらいいなと思います」とし、無失点も5回・103球で降板した4月23日のソフトバンク戦の投球に「ストレートが安定しないと球数が多くなりますし、その中でスライダーとかを操れていたらもっと楽なピッチングができたんじゃないかなと思います」と反省していた。
5月9日の西武戦では1−0の初回2死走者なしで外崎修汰を空振り三振に仕留めた縦スライダーは良い落ちを見せ、5月16日のオリックス戦でも1−1の5回無死走者なしで頓宮裕真を134キロ縦スライダーで空振り三振を奪ったが、5月23日の取材で種市は「スライダーは今日も練習しましたけど、課題はいっぱいありますね」と、納得がいっていなかった。「自分の曲がり幅が小さいので、もうちょっとスライダーのスピードを上げたいなと思って練習しています」。
試行錯誤していたスライダーだが、5月27日のソフトバンク戦では、0−0の2回無死一塁で栗原陵矢をスライダーで空振り三振、0−0の2回1死一塁で牧原大成を縦スライダーで空振り三振、1−0の3回先頭の川瀬晃をスライダーで二ゴロ、1−0の3回2死一、三塁で近藤健介をスライダーで左飛に仕留めるなど、試合序盤決め球にスライダーを多く使っていた。
交流戦明けの登板以降は3試合で27個の三振を奪っているが、ストレート14奪三振、スライダー(縦スライダーを含む)8奪三振、フォーク5奪三振と、数字を見ても分かるようにスライダーでの奪三振が増えた。
振り返れば、4月27日の取材で種市は「やっぱり理想はやっぱり3球種全部扱えるのが1番良いと思います」と話していた。現状に満足することなく、常に進化を続ける背番号16。スライダーが良くなったことで、投球のバリエーションが増えた。そこに練習中のツーシームも右の強打者に積極的に使えるようになれば、この夏、もう一段階レベルの上がった“種市篤暉”の投球が見られるはずだ。
※種市の奪三振球種は筆者調べ