わたしはかもめ2023年鴎の便り(12月)

便

12月13日

[ロッテ]藤岡裕大は新ポジションでのゴールデングラブ賞に意欲「チャンスは大いにある」[ニッカン]

ロッテ藤岡が来季の新ポジション二塁で、ゴールデングラブ賞獲得を目標に掲げた。

吉井監督は内野陣のコンバートを示唆しており、遊撃の藤岡が二塁、二塁の中村奨が三塁、三塁の安田は一塁を守ることになりそう。藤岡から背番号4を受け継いだ友杉や79試合で打率2割8分4厘をマークした茶谷らで正遊撃手の座が争われる。藤岡は未経験の二塁を練習中で「この時期、裏方さんが休まれているので、守備の面はあまり、キャッチボールぐらい」としながらも、自主的に映像を見るなどイメージは出来ている。「吉川選手であったり、菊池さんであったり、メジャーリーガーの選手とかも見て、こういう引き出しもあるんだな、みたいなのを探ってる」と守備の名手を手本に、幅を広げる。

ゴールデングラブ賞についても「もちろんチャンスは大いにあると思うので、守るからには取りたい」と意欲を見せた。今年の漢字には「楽」の1文字をあげた。「今年始まる前にそれをテーマにやっていた。1年間楽しかった」と総括した。

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[ロッテ]田村龍弘がFA残留「悔いの残らないようにやりたい」NPBが公示[ニッカン]

海外FA権を行使したロッテ田村龍弘捕手(29)の残留が13日、NPBから公示された。

今季は78試合に出場し、打率1割6分6厘、2本塁打。「ただ単に自分が今年成績残せなくて『FAします』って言ったところで、多分他球団興味ないと思う。それはもう自分でも認めてますし。逆に、僕が今年キャリアハイとか出してたら、もしかしたらFA宣言してたかもしれないですけど、ほんま素直な気持ちで言うと、そこが1番」と決断理由を明かしていた。

チームは今年2位。リーグ優勝、日本一へは届かなかった。「来年12年目になってまだ優勝したことないですし、日本シリーズにも行ったことがないので。今年、いろんなたらればがあると思うので、そのたらればがなくなれば、ちょっとでも近づけるんじゃないかなと思います」と優勝への思いを話した。

「生涯ロッテ宣言」をした漢、田村。「できれば40まで野球やりたいなと思っていますけど、今のままじゃできないと思うので。まぁ自分が満足できるまで、もう無理だなと思うところまで悔いの残らないようにやりたい」と最後の最後まで、ロッテを引っ張っていくつもりだ。

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ロッテ、DeNAのソトを獲得、18、19年本塁打王&6年通算161発の大砲 近日中に発表[スポニチ]

ロッテが新外国人として今季までDeNAに所属していたネフタリ・ソト内野手(34)を獲得することが13日、分かった。近日中にも発表される。プエルトリコ出身で18、19年に2年連続でセ・リーグ本塁打王に輝くなど、今季までの6年間で通算161本塁打。3年契約3年目を終えて去就が注目されていたが、来季は2005年以来、19年ぶりのリーグ優勝を目指すロッテが新天地となる。

来季に19年ぶりのリーグ優勝を狙うロッテに待望の右の大砲が加入する。昨季5位から今季は2位に躍進したが、優勝したオリックスとは15.5ゲーム差。実績抜群のソトを加えて打線の厚みを増し来季こそ頂点を狙う。

ソトは広角に力強い打球を飛ばす右打者で来日1年目の18年に41本塁打、翌19年は43本塁打で2年連続でタイトルに輝くなど今季までの6年間で161本塁打。今季は交流戦期間中に左足を骨折した影響もあり109試合で打率.234、14本塁打、50打点だったが、まだまだ技術やパワーに衰えはない。シーズン終了後に患部を手術して国内でリハビリを続け、11月30日に自由契約選手となってからは他球団だけでなく、残留交渉も継続。今月8日の帰国の際に「まずは健康な体を手に入れることに集中します」と前向きに語っていた助っ人が熟考を重ねた結果、ロッテ移籍を決断した。

新天地となるロッテは今季に巨人から移籍したポランコが26本塁打でタイトルを獲得。セ・リーグから力勝負が多いパ・リーグで“復活”するケースが多く、現在、残留交渉中である左の長距離砲のポランコとソトが中軸にそろえば破壊力抜群の打線となる。近年は一塁での出場が多いが過去に二塁、外野も守った経験があり、チームとして打線の選択肢は増える。何より山口、友杉ら発展途上の右打ちの野手に刺激を与えることができる。

今季は2位に入ったとはいえ、チーム打率.239、505得点、100本塁打は全てリーグ4位。7月には右打ちのブロッソーを獲得も打率.191、1本塁打に終わった。143試合で142通りの打順を組んだ吉井監督が「チャンスはつくるが、あと一本出ないのが課題」と嘆いていた得点力&長打力不足を解消してV奪回へ−。最強のピースが加わる。

ネフタリ・ソト
1989年2月28日生まれ、プエルトリコ出身の34歳。07年ドラフト3巡目(全体109位)でレッズ入団。13年5月にメジャーデビュー。ホワイトソックス、ナショナルズ(ともにマイナー)を経て、17年11月10日にDeNA入り。今季まで6年連続2桁アーチを記録し、18、19年は本塁打王で19年は打点王。通算711試合に出場し、打率.262、161本塁打、442打点。23年WBCプエルトリコ代表。1メートル85、97キロ。右投げ右打ち。

◇巨人から移籍ポランコ、今季26発キング

ロッテが国内他球団から獲得した主な助っ人野手を見ると、ダイエー、ソフトバンクで通算122本塁打のズレータが07、08年に在籍も合計23本塁打。12年にはヤクルトから通算27本塁打のホワイトセルを獲得も2年間で13本塁打だった。ただ、近年では19年に日本ハムで通算131本塁打のレアードを獲得すると、同年に32本塁打で21年は29本塁打。今季は巨人から移籍のポランコが26発で本塁打王に輝いた。

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ロッテ・藤岡、GG賞受賞へ自信、二塁コンバートも「普通にやればある程度できる」[スポニチ]

ロッテの藤岡裕大内野手(30)が13日、ZOZOマリンスタジアムでの自主トレ後に取材に応じ、ゴールデン・グラブ賞の獲得に意欲を示した。

吉井監督が来季、内野をシャッフルする構想を持っており、藤岡は二塁コンバート案が浮上。この時期の練習はウエートトレーニングなど体づくりがメインで守備練習などは行っていないものの、映像を見ながらのイメトレに着手。「巨人の吉川選手だったり、広島の菊池さんだったり、メジャーリーガーの選手とかも見て、こういう引き出しもあるんだな、みたいなのを探ってる感じですね」と明かした。

遊撃と違う二塁の難しさについて「ベース周りはちょっと、まだまだ練習していかないとなと思います」とした上で、「ファーストに近いので楽かなっていう気持ち。ショートスローが苦手とか、そういうのはなので、あとは足の運びだけ覚えればいいかな」と手応えを口にした。

今季、二塁を守った中村奨が受賞したゴールデン・グラブ賞についても「もちろんチャンスは大いにあると思うので、守るからには獲りたい。普通にやればある程度できる自信はあるので、獲りたいなと思います」と意欲満々だった。

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[ロッテ]前DeNAのソトを獲得へ、18年41発&19年43発で連続キング…待望の長距離砲[報知]

ロッテが今季までDeNAでプレーしたネフタリ・ソト内野手(34)を獲得することが13日、分かった。

6年目の今季は109試合に出場し、来日ワーストの打率2割3分4厘、14本塁打、50打点。シーズン終了後には左足を手術し11月30日に自由契約となっていたが、18年に41本塁打、19年には43本塁打で2年連続キングに輝いた助っ人の長打力に期待。白羽の矢を立てた。

ロッテは今季加入したポランコが26本塁打でタイトルを獲得したが、チーム打率は2割3分9厘でリーグ4位と、打撃力アップが課題。安田や山口ら将来性のある長距離砲はいるが、まだ成長段階で、吉井監督も「ホームランバッターが欲しい」と話してきた。

来季は、今季は遊撃手だった藤岡が二塁に転向予定。三塁は二塁から回る中村奨、安田、ドラフト1位の上田らで競う可能性が高い。今季、一塁は山口がチームでは最多の61試合にスタメン出場したが、外野もこなせる。ソトが一塁に入れば、より攻撃力の高い打線が実現する。

昨季途中から加入したブロッソーは米大リーグ・ロイヤルズとマイナー契約したため退団、ポランコは来季残留に向け、交渉を続けているもよう。ソトには得点力アップのキーマンとして期待がかかる。今季リーグ2位から来季こそオリックスの4連覇阻止へ、強力なピースが加わる。

ネフタリ・ソト(Neftali Soto)
1989年2月28日、プエルトリコ生まれ。34歳。2007年レッズからドラフト3巡目で指名され13年にメジャー初昇格。2年間で34試合出場。15年ホワイトソックス、16、17年ナショナルズでは傘下のマイナーでプレー。18年DeNA入団。1年目から41、43本塁打で2年連続本塁打王。19年は打点王と2冠。185センチ、97キロ。右投右打。今季の推定年俸は3億2500万円。

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ロッテがソト獲得、19年二冠&6年間で161発右の長距離砲、今オフ3人目の補強[デイリー]

ロッテが新外国人として、DeNAを自由契約となっているネフタリ・ソト内野手(34)を獲得することが13日、分かった。近日中に正式発表される見込み。

今オフ3人目の補強だ。ソトは2018年から今季までの6年間、DeNAに在籍した。今季は主に一塁手として109試合に出場し、14本塁打、打率.234。3年契約の最終年を終え、11月30日に自由契約となった。

ロッテで今季活躍した外国人選手は、複数年契約を結んでいるメルセデス以外、保留者名簿に載らなかった。26本塁打を放ちパ・リーグ本塁打王となったポランコは、現在も残留交渉が続けられている状態だ。

ポランコの残留が決定すれば、左の大砲に加わる右の長距離砲の入団は、まさに“鬼に金棒”。また守備では、今季の失策数がわずか3と安定感があり、正一塁手がいないチームにとって厚みが増す。前半戦では外野を、後半戦では一塁を守った山口の外野手固定も可能となる。

現在は、交流戦の楽天戦で骨折した左脚を手術し、治療中だというが、完治すれば強力な戦力となることは間違いない。今季は2位に終わったロッテ。2005年以来のリーグ優勝へ、期待値抜群の新助っ人が加わる。

ネフタリ・ソト
1989年2月28日生まれ、34歳。プエルトリコ出身。185センチ、97キロ。右投げ右打ち。内野手。2013年にレッズで大リーグに昇格し、通算2年間で34試合に出場した。18年、DeNA入団し同年から2年連続本塁打王。19年は打点王との2冠に輝く。NPB通算711試合、2492打数653安打、打率.262、161本塁打、442打点。

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ロッテ吉井監督、CSファーストステージ試合前円陣で「1つだけお願い」と呼びかけ[千葉ロッテマリーンズ]

10月14日、本拠地ZOZOマリンスタジアムで行われたホークスとのクライマックスシリーズファーストステージ初戦、吉井理人監督は試合前円陣で「1つだけお願い」と割って入り、選手達に呼びかけた。

珍しい光景に選手達も注目をしながら、言葉を待つと「ハッスルプレーでお願いします」と人差し指を掲げ、笑顔で呼びかけた。笑いが起こり、選手達から余計な肩の力が抜けていった。ちなみに指揮官の58歳の誕生日だった4月20日は選手達に円陣へと導かれ、一声求められると「今日は1年で1番大事な日なので頼むで!よっしゃー、行こう」と冗談まじりに伝え大きな笑いをとっている。

「ハッスルという言葉は、やや抽象的で受け取ったそれぞれが色々な感じ方をしたかなと思う。でも、それでいい。それぞれが考えるハッスルをしてくれたらと思った」と吉井監督。

試合は指揮官の想いをくみ取った選手達がハッスルプレーをみせて、8対2で快勝。ファイナルステージ進出に王手をかけた。そして1勝1敗。勝っても負けても終わりという状況で迎えた10月17日の3戦目は劇的なゲームとなった。9回までは両軍無得点。息詰まる投手戦となったが、試合は突然、動き出す。延長10回。ホークスに3点を先制され万事休すと思われたが、その直後、連打で無死一、二塁とすると藤岡祐大内野手が同点の3ラン。さらに2死一塁から安田尚憲内野手がサヨナラ打を放った。延長に入り、3点取られ、その裏に4点奪う劇勝でファイナルステージ進出が決まった。

指揮官は選手と一緒になって抱き合って喜ぶと1人1人に声をかけながら、グラウンドではしゃいだ。サヨナラのヒーローの安田には「スーパー安田だったなあ」と叫び、握手をした。シーズンを通じて安田には練習中に声を掛けてきた。1番、多かった言葉は「きょうはスーパー安田やな。よっしゃあ、頼むぞ」。大一番の土壇場で期待をかける若手のホープはスーパーな輝きを放った。ただ、試合後は冷静だった。あらためてロッカーに全員を集め、士気をさらに高めるため言葉を並べた。

「みんな逆転してくれてよかったです。ありがとうございます。これで次にいけるので、このシリーズで残念な想いをした人もチャンスが来たので、また張り切ってプレーをしましょう」。

盛り上がった場をさらに結束させる。短い言葉ではあったが、指揮官の言葉でグッと引き締まった。思えば今年1年、言葉を重ねながら、選手達と一緒に歩んできた。吉井監督の言葉が選手達を鼓舞し、時にはリラックスさせ歩んだ日々だった。
(千葉ロッテマリーンズ広報・梶原紀章)

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ポランコに続く「お宝」か、NPB他球団経由で元HR王を獲得…ロッテの助っ人獲得術[Full-Count]

◇ネフタリ・ソトは今季までDeNAで6年プレー…通算161本塁打をマーク

ロッテは14日、今季までDeNAでプレーしたネフタリ・ソト内野手の獲得を発表した。DeNAで計6年プレーし通算161本塁打。今季はグレゴリー・ポランコ外野手が本塁打王に輝くなど、NPBの他球団でプレーした選手がロッテで活躍したケースは少なくない。

ソトは来日1年目に41発でタイトルを獲得し、2年目の2019年は43発&108打点で2冠王に輝いた。近年は下降線だったが、新天地で再び力を発揮する可能性は十分にある。

今季26本塁打でタイトルを手にしたポランコは昨年巨人でプレーし、24本塁打を記録した。C.C.メルセデス投手は昨季まで6年間巨人に在籍。今季はロッテで3番目に多い20試合に先発した。

また、ブランドン・レアードは日本ハムで4年間プレーした後、2019年にロッテへ。同年に32本塁打、2021年には29本塁打を放った。昨季8勝の左腕、エンニー・ロメロは2019年に中日で8勝をマークしていた。

セス・グライシンガーはヤクルト、巨人を経て2012年に加入。12勝をマークした。ジェイソン・スタンリッジは3球団に在籍した後に2016年に加入。同年に8勝を挙げた。他にもブライアン・シコースキー、ネイサン・ミンチーら“成功例”は多い。

ウィリー・モー・ペーニャやクレイグ・ブラゼルらも同様だった。ソトもこうした例にならってロッテで再び力を発揮するか。来季の活躍が期待される。

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ロッテ・中村稔弥「自分のピッチングがしっかりとできる時が多かった」1軍、2軍でも安定した投球[BASEBALL KING]

「1年間いつもの年よりも波がなくて自分のピッチングがしっかりとできる時が多かったかなと思います」。

ロッテ・中村稔弥が今季をこう振り返るように、1軍では17試合・23回1/3を投げ、3勝1敗、防御率2.31、ファームでも11試合・18回1/3を投げて防御率2.45だった。

◇オープン戦で好投も…

昨年10月に行われたフェニックス・リーグで真っ直ぐのラインに強いボールを投げること、ツーシーム、カウントをしっかり取れるようにテーマを持って行い、好感触を掴んだ。1月の自主トレではフェニックス・リーグでよかったことを継続し、2月のキャンプに入った。

2月12日に行われた楽天モンキーズとの国際交流試合で「この前のBPから調子は良くなってきていて、真っ直ぐは力が伝わっていたので、ブルペンもこの前も良かったですし、今日もしっかり強く投げられたボールはあったんじゃないかなと思います」と、2回を無失点に抑えると、練習試合がスタートしてからも3試合・9回を投げ、失点は2月28日のソフトバンク戦での2失点のみ。

2月22日のDeNA戦では4回・無安打、無失点とアピールした。「ストレートの調子はいい感じで投げられていますし、自分の中では感覚一通り、指先に伝えられて投げられているかなと思います」。オープン戦でも2試合・3イニングを無失点に抑えていたが、3月12日の楽天戦を最後にファームで調整することになった。

「オープン戦の時は良かったので、調子を維持するためにキャッチボールからフォームとかを崩さないように意識しては取り組んでいました」。

「とにかく2軍では打たれない。無失点で抑える、その中で変化球とかも高さにこだわったり、1球1球意識して投げていました」。

オープン戦でアピールを続けながらも、開幕はファームスタート。モチベーションを落とすことはなかったのだろうか−。

「チームの方針なのでモチベーションを保って、1軍に呼ばれるように結果を残そうと思っていました」。

ファームでは3試合・4イニングを投げ1失点に抑え、4月12日に今季初昇格。今季初登板となった4月20日の日本ハム戦、走者を出しながらも何とか無失点に抑えると、続く4月25日の西武戦も1回無失点に抑えた。しかし、そこから登板がなく5月4日に1軍登録抹消された。

「長いイニングを投げられるように体力つけて、暑いんですけどランニングをしっかりして体力つけることを心がけていました」。ファームでは6月20日の巨人戦、6月27日の日本ハム戦では先発し、日本ハム戦では5イニングを投げた。先発で投げてはいたが、「1軍でも長いイニングを投げられるように意識していましたね」と、ロングリリーフを想定して投げた。

7月4日に1軍再昇格。「とにかく無失点で抑えてチームに流れを持っていけるピッチングがしたいです」。再昇格してからなかなか登板機会が巡ってこなかったが、7月15日の楽天戦、4−7“の8回にマウンドに上がり、先頭の村林一輝を遊ゴロに打ち取ると、続く小深田大翔をツーシームで空振り三振、簡単に2アウトを奪う。小郷裕哉にセンター前に運ばれ、続く浅村栄斗の打席中に二塁盗塁を決められたが、浅村をツーシームで空振り三振に奪った。その裏、ポランコの犠飛、角中勝也の押し出し四球、岡大海の2点適時三塁打などが飛び出し一挙5点を奪い逆転に成功し、8回の1イニングを無失点に抑えた中村は勝利投手を手にした。再昇格後は3試合連続、今季初登板から含めると5試合連続で無失点に抑えた。

8月2日の日本ハム戦は、2−1の3回に先発・美馬学が4点を失いなお、2−5の3回1死満塁で登板。伏見寅威を空三振、五十幡を遊飛でピンチを脱したが、「テンポとか悪くなっていますし、先頭打者を出すとキツくなってくるので、あそこはしっかり抑えないといけないな思います」と、続く5−5の4回に3点を失い敗戦投手。1イニング目の3回は見事な火消しを見せていただけに、非常にもったいない登板だった。

◇ツーシームの精度

この登板以降は、変わらぬ安定した投球。「今年はしっかり低めに投げられていると思います」。特にツーシームの精度が素晴らしかった。

8月6日の楽天戦、1−2の8回1死二塁でフランコに1ストライクから空振りを奪った2球目の131キロツーシーム、空振り三振を奪った3球目の130キロツーシームはストライクゾーンからボールゾーンに落ちる素晴らしいボールだった。9月6日のソフトバンク戦でも、0−3の8回1死走者なしで近藤健介を1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた132キロツーシームも良い落ちだった。

「吉井監督からも1年目の時からツーシームは低めに低めにと言われていて、(今年は)投げられている確率が高いと思います」。

「感覚が良くなったのはそこからですね」と、2年目以降試行錯誤していたツーシームだったが、昨年8月26日の楽天2軍戦でのブルペンで「田村さんに試合前のブルペンで受けてもらっているときに、『ツーシームの球速が速くなっているよな』と言われて、ちょっと握りを深くというか、縫い目の外にして持ってああいう落ち方をしました。タムさんの一言がなかったら今まで通り投げていたのかなと思います」(22年8月31日オンライン取材)と、同日の試合で内田靖人から真ん中低めに落ちるツーシームで空振りを奪ったのをきっかけに、感覚良く投げられるようになった。

しっかり落とすためのコツを掴んだりしたのだろうか−。

「コツはないんですけど、狙う位置とか自分で分かってきたかなと思います」。

「最初から投げる時にイメージして、イメージしたところに投げられるようになってきた感じです」。

今季は19三振奪ったが、そのうち16三振がツーシームで奪ったものだった。

◇今なお守るチェンからの教え

ロングリリーフとしても今季も存在感を見せた。

クライマックス・シリーズではソフトバンクとのファーストステージ第1戦、中村の真骨頂が発揮された。

先発・佐々木朗希の後を受けて、4−0の4回から登板すると、2回を1安打2四球3奪三振無失点の好リリーフ。ロングリリーフとしての役割を果たした。中村稔はかつてのチェン・グァンユウから教わったロングリリーフの心得を「意識しています」と話し、「テンポよくも意識していますし、2戦目も(鈴木)昭汰とかもめちゃくちゃいいピッチングしていたなと思います」と振り返った。

◇松永コーチからのアドバイス

1軍で結果を残しながら、ファームに落ちたりすることもあったが、シーズン通して、1軍でも2軍でも安定したパフォーマンスを出し続けた。

「ファームに行った期間でも松永さんとかちょっとしたアドバイスをそこで意識高く自分で意識を持って取り組めた。また、1軍に上がって投げられるようにという意識でやっていたのでそこも良かったと思います」。

具体的に松永コーチからどんなアドバイスをもらったのだろうか−。

「本当に細かいところなんですけど、足の踏み出す足の向きとか、腰のキャッチャーに入って行き方とか、ちょっとしたことなんですけど、それがだいぶ自分の中でハマったかなと思います」。

来季に向けて、秋季練習では「ピッチングはトラックマンとか使って、真っ直ぐも強いボールを高めに投げる意識と、あとは真っ直ぐだけでなく変化球の精度もより上げられるように試してやっています」と話し、オフも秋季練習で取り組んだことを継続。プラス、「体の柔軟性が大事ですし、ランニングとかもしっかり落とさないように、投げる体力もつけていけるようにやっていきたい」と話した。

「来年は1年間通してしっかりチームのために投げられる選手になりたいなと思います」。左投手は貴重な存在。ロングリリーフ、ツーシームという武器がある。来季は自身の武器と課題点を磨いていき、1軍で勝負する時間を増やしたい。

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