残留が決まったロッテのグレゴリー・ポランコ外野手(32)が、新加入の前DeNAソトとの共闘を心待ちにした。「一緒のチームでプレーできることに興奮しているし、歓迎する。彼はパワーのある良い打者で、ホームランを量産してくれると思う。野球以外の部分でも、とてもいい人で、一緒のチームにいれることが本当に幸せ」と、人柄にも惚れ込んでいる。
ポランコは今季26本塁打を放ち、来日2年目で初の本塁打王に輝いた。ソトも18年から2年連続で本塁打王を獲得している。ポランコは「同じ打線に彼とオレが並ぶ事で、今年よりもさらにチームの勝利に貢献できると信じているし、絶対に優勝できると強く思っている。自分自身も来年またホームラン王を取って、自分のホームランでチームに勝ちをもたらしたい。ソト選手と2人でハイレベルなホームラン王争いが出来たら最高」。左右の大砲が良き仲間、良きライバルとして暴れまくる。
「1番の目標はアレや。もちろん、チームが優勝することや!マリーンズ優勝、パワー!」。心強い強力打線がチームをリーグ優勝、日本一に導く。
ロッテの中継ぎ右腕、西村天裕(たかひろ)投手(30)は6年目の今季、心を落ち着かせるため、投球動作に入る前に彫刻として有名な「弓をひくヘラクレス」を連想する独特なルーティンを取り入れ、自己最多の44試合に登板した。脳医科学に基づき、脳の思考のくせを診断するプログラム「ノウセツ」で自身の脳タイプを知ることで完成。「ノウセツ」などを活用してアスリートをサポートする株式会社「actor(アクター)」の赤川嘉基氏に、ルーティンができるまでの過程を聞いた。
ピンチをことごとく抑える。増していく首脳陣の信頼度に比例して、西村が投球動作に入る前に行う独特のルーティンが、ファンの間で注目されるようになった。まるで、世界的な彫刻「弓をひくヘラクレス」のようだ、と。
ルーティンの動きは5つ。
独特な動きを取り入れた今季は、自己最多の44試合に登板し、4勝0敗、14ホールドで防御率1.25。開幕から21試合連続無失点の球団タイ記録も樹立した。
飛躍の原動力となったルーティンを確立した背景には、昨オフに抱いた危機感がある。5シーズンを終え、防御率は通算4点台と思うような結果を残せずにいた。
「同じことをやっていても通用しない。何か変えて新しいことにチャレンジしないと」。
帝京大時代の同級生で、アスリートのサポート事業などを行う株式会社「actor」の赤川氏に相談し、脳医科学に基づき、脳の思考のくせを診断するプログラム「ノウセツ」を試した。
「ノウセツ」とは脳の取扱説明書の略語。「自分の意見をはっきり言えるタイプか」「積極的に行動できるタイプか」などランダムで表示される80の質問に回答し、自身の脳タイプを診断した。
赤川氏によると、基本の脳タイプは「左脳3次元」「左脳2次元」「右脳3次元」「右脳2次元」の4つ。分析の結果、西村は右脳、左脳ともに2次元脳が優位に働いており、1つのことをコツコツと続けられるという特徴がある「左脳2次元」と、コミュニケーション能力にたけているという「右脳2次元」の数値が高く出た。
「彼の場合はコツコツできるというところが突出していた。ルーティンをやった方がいいタイプ」と赤川さん。コツコツ続けられるという自身の脳の特徴を生かし、投球に入る前に毎回同じ動きをして、脳に安心感を与えるために弓をひく動作を導入した。「自分を知るデータ」を活用して動きやトレーニングに入れる選手はまだ少ないという。
「僕は投げるときに(捕手までの球筋の)ラインをつくりたいので、グラブを前に出してラインをつくり(胸の中心を)トントンして胸郭を意識し、右腕を回して左脚に体重を乗せる。(投げる際の)体の使い方の確認作業になっている」。
昨季までは「ピンチになると『抑えなきゃ』と自分にプレッシャーをかけて肩で息をしたり、呼吸が荒くなったりしていた」というが、「変なことを考えなくなった。自分の体をしっかり使って投げるぞ、といいイメージが持てるようになった。やらないと気持ち悪いくらい」と効果を実感。貴重な救援右腕としてチームを2位に押し上げた。
ヘラクレス西村≠フ愛称も「自分のベストな投球をするためにやっていたことなので、(そこが)注目されるとかは考えていなかったけど、これで西村を覚えてくれるならいいなと思う」とお気に入り。脳医科学に裏付けられたルーティンが成長につながった。
西村はルーティンの確立にあたり、「セルフフィットアプローチ」を受講し、自身の体についても分析。体の構造、バランス、力が入るパワーポジションなどを把握した。赤川氏によると「胸をトントンすると(意識するための)スイッチが入る」ことが分かり、最初に胸を2度たたく動作を取り入れた。
さらに、1番力が入る場所のパワーポジションが左脚の股関節にあることが判明。セットポジションに入る前に体重を左脚に乗せる動きを導入した。
株式会社「actor」が、「ノウセツ」などの自分を知るデータを活用し、サポートしているアスリートは他に、西武の育成選手、ジョセフ外野手、ロッテのドラフト1位・上田希由翔(きゅうと)内野手らがいる。
ロッテ残留が決まった今季のパ・リーグ本塁打王グレゴリー・ポランコ外野手(32)が米マイアミの自宅から球団を通じてメッセージを寄せ、DeNAから移籍加入するネフタリ・ソト内野手(34)とを熱烈歓迎した。
「ソト選手は素晴らしい選手。一緒のチームでプレーできることに本当に興奮している。野球以外の部分でも、とてもいいヤツなので一緒のチームにいられることは幸せだよ」。
ソトは18、19年に2年連続でセ・リーグ本塁打王を獲得。ポランコは「彼はパワーのある良い打者だし、ホームランを量産すると思う」と絶賛し、「同じ打線に彼とオレが並ぶことで、今年よりももっとチームの勝利に貢献できると信じているし、絶対に優勝できると強く思っている。オレ自身も来年また本塁打王を獲りたいと思っているし、ソト選手と2人でハイレベルな本塁打王争いができたら最高だね」と、共闘、競争による相乗効果を強調した。
巨人から移籍1年目、来日2年目の今季は春先に不振はあったものの、125試合に出場して打率.242、26本塁打、75打点。3部門ともにチームトップの数字を残し、今オフには複数年契約を結んだ。「自分のバットでチームに勝ちをもたらしたい」の思いは誰よりも強く、「1番の目標はアレ。もちろんチームが優勝すること。マリーンズ優勝、パワー!」と力強く宣言した。
ロッテのグレゴリー・ポランコ外野手(32)が30日、2年連続キングを誓った。
巨人から加入した今季は125試合に出場しリーグトップとなる26本塁打、75打点をマークし、球団では1986年の落合博満以来37年ぶりとなる本塁打王のタイトルを獲得。来季から新たに複数年契約を結んだ大砲は「来年またホームラン王を取りたい。今もそのためにしっかり準備している。自分のホームランでチームに勝ちをもたらしたい」と意気込んだ。
ロッテはセ・リーグで2年連続キングに輝いた前DeNAのソトを獲得。左右の大砲がそろうことに「彼はパワーのある良い打者。ホームランも量産してくれると思っている。同じ打線に彼とオレが並ぶことで今年よりも更にチームの勝利に貢献できると信じている。1番の目標は優勝だけど、2人でハイレベルなホームラン王争いができたら最高」と鼻息を荒くした。
ロッテで2年目のシーズンを過ごすことを決めたグレゴリー・ポランコ外野手(32)が30日、マイアミの自宅で「ソト選手は素晴らしい野球選手。同じ打線に彼とオレが並ぶことで絶対に優勝できる」と、新外国人のソトとの共闘を誓った。
ポランコは今季、125試合に出場し、26本塁打をマーク。本塁打王に輝いた。ソトは2018、19年に本塁打王となっており、ポランコは「2人でハイレベルなホームラン王争いができれば」と闘志も燃やす。
助っ人大砲コンビで目指すは、もちろん日本一だ。「1番の目標は“アレ”や。チームが優勝することや!マリーンズ優勝、パワー!」。遠く離れた海の向こう側から、力強く決意した。
ロッテは、吉井理人監督2年目となるシーズンに向けて、着々と選手の整備を進めている。2023年に本塁打王になったグレゴリー・ポランコ外野手の残留も決まり、新たに元DeNAのネフタリ・ソト内野手らを獲得したが、補強によって苦しい立場になる選手が出てくるのも現実だ。
ソトは2023年は来日最少の14本塁打に終わったが、過去に本塁打王を獲得するなど実績はある。ポランコが指名打者で出場となると、ソトは一塁を守ることになる。そうなると、2023年にチーム最多の68試合で一塁を守った山口航輝外野手は、押し出される形で外野起用が増えそうで、ポジション争いが激しくなりそうだ。
外野陣は山口の他に2023年は、荻野貴司、岡大海、石川慎吾、藤原恭大、角中勝也、和田康士朗、平沢大河らがポジションを争った。さらに2024年は高部瑛斗も怪我からの復活を狙う。現役ドラフトで西武から加入した愛斗も実績者で、ポジション争いは激戦となるだろう。
中でも元ドラフト1位の平沢は、8年目のシーズンは4月にはスタメン出場を増やすなど、外野を中心に57試合に出場したが、打撃面では打率.170に終わった。課題は明確なだけに、バットで結果が求められるところだ。
高部は2022年に盗塁王を獲得してブレークも、相次ぐ怪我で2023年は1軍出場ゼロ。また1からアピールすることになる。19年ぶりのリーグ優勝へ、激しいレギュラー争いが繰り広げられれば、自ずとチームの結果にも繋がっていくはずだ。
今季はロッテの勝ち試合の9回に、守護神・益田直也が君臨した。
昨季は開幕から抑えを務め、前半戦が終了した時点でリーグ2位の23セーブを挙げ、チームも首位と2.5差の4位で終え、リーグ優勝を狙える位置につけていた。後半戦も抑えとして益田にはしっかりと勝ち試合を締めて欲しかった中で、オールスター明けの初戦となった7月29日のオリックス戦で3点リードの9回に同点3ランを浴びると、8月11日のソフトバンク戦、翌12日の日本ハム戦でいずれも失点。8月19日の楽天戦では6−5の9回、益田ではなく、ロベルト・オスナ(現ソフトバンク)が登板し試合を締め、翌20日に益田は井口資仁前監督体制後では初めて1軍登録抹消となった。9月2日に再昇格したが、本来投げるべき場所での登板はなかった。
20年と21年は11月まで戦っていたことを考えると、久しぶりに長いオフシーズンとなった。
「結構ゆっくり休めたので、今年は体がいい感じです。休めるということはチーム的には良くないことですが、体的には良かったと思います」。
シーズンオフは「毎年1年間戦いぬく、バテないような体づくりをするというテーマを変えずにあとは体の強さ、年々体は変わってくると思うので、自分に合った、みんなに合ったトレーニングをしてきました」と1年間戦う体づくりを行ってきた。
オープン戦を6試合・6イニングを投げ、防御率0.00で終え、開幕を迎える。チームは開幕3連敗スタートでソフトバンクとの開幕3連戦での登板はなかったが、4月4日の日本ハム戦、6−4の9回にセーブシチュエーションで今季初登板。三者凡退に抑え今季初セーブを挙げると、初登板から4試合連続セーブ。4月14日のオリックス戦で、今季初めて抑えではなく、2−0の8回に登板し、6番・中川圭太、7番・西野真弘、8番・若月健矢と続いていく打順を三者凡退に抑えた。
4月18日の日本ハム戦では再び4−1の9回に登板し、今季初失点も5セーブ目をマーク。3−1の9回に登板した4月21日のソフトバンク戦は、セーブを挙げたが1失点と2試合連続で失点。4月23日のソフトバンク戦は、唐川侑己が柳田悠岐に2ランを浴び、2死後、牧原大成、柳町達に連打を浴びた6−2の8回2死二、三塁と、今季初めて走者を背負った場面でマウンドに上がった。今宮健太を遊ゴロに仕留め、ソフトバンクに傾きかけた流れを止めた。
この登板以降は基本的に勝ち試合の9回を担当し、5月18日のオリックス戦では本拠地・ZOZOマリンスタジアムで通算100セーブを達成、6月15日のDeNA戦では史上10人目となる通算200セーブを記録した。
セーブシチュエーションでしっかり抑えていた益田だが、1−1の9回に登板した6月27日のオリックス戦は森友哉にサヨナラ本塁打を浴び、今季初黒星。7月16日の楽天戦も3−3の9回にマウンドに上がるも、浅村栄斗に2ラン、阿部寿樹に2ランを食らい4失点で2敗目を喫した。
前半戦はセーブ機会で1度も失敗がなかったが、オールスター明けの8月1日の日本ハム戦で2−1の9回、万波中正、マルティネスに連続被弾で逆転負け。同点の登板で失点はあったが、その後もセーブ機会ではセーブを積み重ねていき、最終的にはリーグ2位の36セーブ。
同点の登板で失点が目立ちシーズンの防御率は「3.71」だが、セーブ失敗は1回で、セーブ機会での防御率は「2.97」だった。
また、澤村拓一とともに精神的支柱としてブルペンを支え、小野晋吾投手コーチは「澤村と益田がいい声がけ、若い選手達も多いのでいい声がけをしてくれていい雰囲気を作ってくれた」と評価した。
今季は澤田圭佑、横山陸人が勝ち試合の9回を経験したが、益田は勝ち試合の9回を何年も経験し、そのプレッシャーを跳ね除けてきた。益田が34歳という年齢を考えると、次世代の抑えの育成は急務と言われることも多いが、実績だけでなく、抑えで投げ抜く力もある。来季も勝ち試合の9回に益田が締める姿、そして秋に歓喜の瞬間を迎えることを期待したい。